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2023年8月9日の大崎裕史の今日の一杯

東京都江東区清澄白河

YUJI AMENツナコツ

アメリカはニューヨークからやってきた「YUJI RAMEN」の創業者は、日本人。そりゃそうだろう。アラを使うラーメンなんて日本人以外には考えにくい。その人の名は原口雄次さん。彼は、『魚を売るだけではなく、鮮度のいいアラの有効活用を顧客に提案』し、本当の意味での魚の素晴らしさをニューヨークで伝え続けた。その結果、素晴らしい実績を収め、今度は自分の夢とアイデアを実現するために2012年独立し、ニューヨークのブルックリンに「YUJI RAMEN」を開業。そこで出したラーメンは、マグロのアラを白濁させた「ツナコツラーメン」である。日本人ですらなかなか経験がないアラを使ったラーメンでニューヨークに行列を作ったのだ。

そしてその店を日本に引っ張ってきたのが新横浜ラーメン博物館。出店していた期間が2017年3月16日~2018年9月24日なので記憶にも新しい。どんなラーメンか、ひと言で説明すると『通常、廃棄されるアラを有効活用したツナコツラーメン』である。お寿司屋さんなどで『あら汁』をいただくことがあるが、まさにそんな発想。しかし、日本のラーメン史も百年以上になるが、日本人がいろいろ考えて出してきた数々のラーメンの中にそれがなかったということは、何かの壁があったに違いない。「YUJI RAMEN」を初めて食べに行くときにプレスリリースを読みながら、そんな思いを持って向かったことを覚えている。

そしていよいよ私もその「ツナコツラーメン」を食べてみた。私は全国47都道府県のいろんなラーメンを食べてきたし、海外では中国を始めとしてニューヨークとアジア諸国のラーメンを食べてきた。なので、たいがいのラーメンには驚かないが、この「YUJI RAMEN」には度肝を抜かれた。当時でも2万杯以上のラーメンを食べてきた私だがこんなにインパクトのあるラーメンはそんなに経験が無い。そして、6年経った今でもまだ出会っていない“唯一無二”のラーメンだった。

まず、スープがスゴい。スープが主役。豚骨や鶏ガラなどの動物系食材を一切使用せず、マグロのアラをオーブンでローストし、強火で炊き上げて白濁させたツナコツ(鮪骨)スープ。魚介系ラーメンは日本でもいろいろ登場しているが、ここまでパンチのある魚介系ラーメンはなかなかお目にかかれない。いや、唯一無二と言っていい。
麺は低加水の極細ストレートでスープとの相性も良い。
具にもビックリ。チャーシューではなく、低温の油でじっくりと火を通した「マグロのコンフィ」なのだ。しかし、決して際物系ではない。魚を知り尽くした原口さんだからこそ辿り着いた「ツナコツラーメン」である。これが日本で誕生したのではなく、アメリカからの逆輸入というのが少々悔しいくらいの画期的なラーメンであった。
そして、新横浜ラーメン博物館卒業後の2018年10月8日にこちらにオープン。
新横浜ラーメン博物館では、30周年企画として過去に出店したお店を復活させる「あの銘店をもう一度」を開催中。その第20弾として、「YUJI RAMEN」が登場。出店期間は2023年8月8日(火)~28日(月)。写真はラ博での「YUJI RAMENツナコツ」980円。

お店データ

Tunaholic Tokyo

Tunaholic Tokyo

東京都江東区清澄3-3-25(清澄白河)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。