なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 

のらのら

男性 - 東京都

はじめまして。レビュー開始から一年が経ち、二年目の目標を全国制覇にしました。一杯のラーメンに出会うまでの経緯も書き記しているので、前置き等が長くなりがちですがお許しください。しかし採点に関しては立地 接客 衛生面 価格設定などは考慮せずに、ラーメン一杯に対しての評価にしています。自分の好みだけで評価しているので不快な文面もあると思いますが、何卒宜しくお願いします。

平均点 73.435点
最終レビュー日 2019年7月19日
568 460 14 1,850
レビュー 店舗 スキ いいね

「みそら〜めん(小) ¥750」@麺小屋 てちの写真平日 晴天 13:30 外待ち1名 後待ち6名

〝第26回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟

新店めぐりを優先していた為に久しぶりの開催となるこのイベントは、RDB PC版のオススメに挙がる六店舗から、その店のイチオシでは無く自分の好きそうなメニューを食べて採点し超高性能スパコンとの勝敗を決めるものである。決してお店との勝負ではないのは理解していただきたい。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちとする。

過去24戦の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」「らーめん かねかつ」「狼煙〜NOROSHI〜」「ラーメン大至」「中華ソバ 伊吹」「麺処 朧月」「Bonito Noodle RAIK」「中華蕎麦 とみ田」「陽はまたのぼる」「神田とりそば なな蓮」「ソバダイニング クアトロ」「旬麺しろ八」「MENSHO」と名だたる有名店や人気店が並ぶが、対戦成績は25戦12勝6敗6分7KO 1没収試合と現在は私の勝ちが大きくリードしている。

現時点で私へのオススメ店に挙がっているのは春先に開催した〝ラーメン奇行〟での東海遠征などが影響してか、愛知県や三重県の人気店が登場してきた。残る4店舗のうち2つは趣向に外れたつけ麺専門店が並び、あとは最大の強敵であろう湯河原の超人気店とコチラなのだ。そこで本日は一番身近なコチラへ初挑戦を挑もうと決めた。

あくまでも店との対決ではなく超高性能スパコンとの戦いなので、体調も万全の日を選び店へと向かった。人生初の武蔵新城駅に降り立つと南口を出てまっすぐに進むとNYのセントラルパークを思わせる街のシンボル的な新庄公園を通り抜けたパークサイドに佇むコチラを見つけた。昼ピークを外して来たつもりが外待ち椅子には並びがあり、そちらに続いて外待ちとなった。

店頭にはメニューが貼り出されてあるので、待ち時間を利用して本日の品定めをしておく。と言っても、みそらーめんとまぜそばに特化した店のようで悩む事なくみそらーめんに決めた。10分程すると先客が退店すると、後片づけを待ってから入店する。

店内にはマミヤ- OP製タッチパネル式の最新式券売機が設置されている。このタイプの券売機ではメニューボタンを押すと安心してしまい、発券ボタンを押し忘れてしまい後列の客人に冷ややかな目で見られる事が多々ある。時代に取り残されないように発券ボタンまでしっかりと押して食券を手に入れた。

無事に食券をカウンター上の台に置いて緊張もほぐれと思ったが、寡黙に作業するご主人の実直な仕事ぶりに再び緊張感に襲われた。恐る恐るカウンターに座り店内を見渡す。丁寧な仕事ぶりのご主人お一人のワンオペなので回転の悪さは致し方なく思える。私にはこの後の予定もないので、じっくりとこの緊張感を味わう事にした。

店内は白壁と淡い木目調で囲まれた女性店主さんが営まれていても不思議ではない程に小綺麗な雰囲気だ。卓上調味料の置き方や窓に飾られたフリルの付いたカフェカーテンの装いも女性的に映った。そんなメルヘンチックな店内だが本日の客層は後待ちを含めて全員が男性陣だ。しかも健康診断ではコレステロール値から目を背けたくなる経験がありはずの我々中年層が占拠している。

我が身を戒めるように待っていると、着席して12分のロングスパンで我が杯が到着した。その姿は、白粉引の鳴門丼の中で今まで見たことのない表情を浮かべていた。なによりもカラフルでポップな景色が初対面でも印象を焼き付ける。

まずは多くの具材に隠れて、赤みを帯びた香味油に覆われている黄唐茶色のスープをひとくち。レンゲをスープに押し込む力が必要とされるのは濃厚の証しだろう。すくい上げたレンゲからは初対面ながらも知っているような香りが立ち昇っている。不思議に思いながら口に含んだ瞬間に記憶が蘇った。それは味噌の風味が呼び起こしてくれた思い出で、四国の大洲市にある「たつみみそ」の香りと同じだったのだ。

今では自宅で料理する事もなくなったが、以前は日本各地から食材や調味料を取り寄せては友人たちに振る舞っていた事もあるのだ。そんな 4,5年前に取り寄せて以来ハマってしまった麦味噌が「たつみみそ」なのだ。製造元では醤油も醸造しており、少し甘めの味わいが特徴で自宅には欠かしたことのない調味料だった。この麦味噌もやはり甘めの強い天然味噌で、我が家では味噌汁よりも料理の味付けに重宝する麦味噌だったのだ。レンゲのスープの香りで一瞬で当時に引き戻された。香りの記憶とは恐ろしいものである。

そんな想いを懐かしみながらスープを口に含むと「たつみみそ」への確信に変わった。(違っていたらごめんなさい)

やはり旨みの主導権は麦味噌の甘みが握っている。そこに辛味油の刺激が重なり甘辛スープへと変化する。その背後には動物系白湯スープがベースとなってしっかりと屋台骨を築いている。レンゲでスープを飲んではみたが、どうやらスープというよりは麺を絡めるタレの要素が大きいように感じた。

続いて麺を楽しもうと奥底に眠る中太麺を箸で引きずり出してみる。スープの粘度や具材に邪魔されて全貌が見えてこない。ここでJ系未食の私が人生初となる〝天地返し〟をやってみた。大量の麺で具材たちにフタをするように被せる作業が豪快ながらも爽快で、楽しくて仕方なかった。J系好きの方は毎回こんな楽しい作業をしているのかと思うと、少しうらやましく思えた。そんな天地返しで現れた中太麺は、丸みはあるが角もかすかに見られるぽっちゃりタイプだ。箸先からも重みが分かる程の加水率の高さで、口に運ぶと小麦の香りや甘みというよりはモッチリとした歯ざわりの方が印象に残る。もしかしたら麦味噌の甘みの陰に隠れてしまっていたのかも。麺だけを味わった後は周囲のベテラン方の真似をして全てを混ぜて味わう事にした。その一体となった食感は、味こそ違えど〝長崎ちゃんぽん〟のようなテクスチャーを生んでいた。

具材と言うべきか薬味と言うべきか判断が難しいが、色とりどりの具材たちを紹介したい。

小さめにカットされて余分な脂分を湯通しで落とされた豚バラスライスは、甘めの麦味噌スープとの相性は抜群だった。豚肉の味噌炒めを思うとビールが欲しくなった。

野菜陣の茹でモヤシとニンジンは切り方ゆえに麺との絡みも良く、ちゃんぽん麺を彷彿とさせる中太麺とモヤシの歯応えが長崎ちゃんぽんを思わせたのだろう。モッチリとシャキシャキの共演に夢中で食べ進めてしまった。

麺量を小にしたのでメニューの説明どおりに腹八分目で完食となった。丼底には大量のスープが残っているが、単体で飲むには私には濃すぎたのでレンゲを置いた。やはり周囲のベテラン方は、思い思いの追加ごはんを投入してスープを最後まで楽しんでいた。

独自の見解でラーメン一杯だけの評価としているので残念ながらスープを全量残した結果の採点としたが、ごはんを含めて総合的に考えるとより高得点だったのは間違いない。もし、ごはんを追加投入していればスープの濃さも和らいで、赤玉ねぎや青ネギの薬味の持ち味も感じられただろうと思った。やはり最期の〆ごはんで完結するタイプのラーメンだったという事を改めて知った。

今回のスパコンとの対決は引き分けとなり、通算対戦成績は26戦12勝6敗7分7KO 1没収試合となった。この対戦を機に次に挙がってくる挑戦者が楽しみだが、出来れば関東近郊の店にしてくれれば移動費が安くて良いのになと思ってしまう一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「チャーシュー味玉味噌Soba ¥1600」@Japanese Soba Noodles 蔦の写真平日 晴天 10:35 待ちなし後待ち20名以上

〝ハイソでセレブなリッチ麺めぐり〟

資金難にみまわれる中、意地とヤケだけでRDBで高級ラーメンを探している。すでに高級中華料理店の麺部門は除外したので少し気は楽になったが、候補店探しには難航する事になってしまった。

基本のラーメンに追加トッピングを重ねて高額にする事も考えたが、出来れば券売機、もしくはメニュー内にある高額ラーメンを探したいのが本音だ。そんな思いの中で見つけ出したのがコチラだった。

過去には二度ほど訪問しているが、麺の好みと洋食素材の使い方が好みと違い私の中の評価は低くなってしまった。しかし前回に隣客が食べていた味噌系が美味そうで、味噌ならばトリュフオイルなどは使ってないのではと推測を立てた。しかも味噌系の方が、より高額設定となっているので今回の企画に当てはまる。そうなれば条件が揃ったところで再訪を決めた。

再訪は決めたのだが、こちらの難点は昼の部は整理券制を採用している事である。午前7時から配布される整理券を得るために、今回も過去二回の訪問時と同様に巣鴨駅前に宿をとった。これならば自宅を早朝に出発する必要がないので肉体的にも精神的にも楽なのだ。昨晩は巣鴨の夜を楽しむというスピンオフ企画を満喫して、出来るだけ遅くならないうちにベッドに入った。

午前6時半の目覚ましで起きると、顔も洗わぬままにホテルを一時外出して店に向かった。整理券配布時間の20分前だが、すでに4人の並びがあった。会話からはシンガポールのグループのようで、さすがはミシュランの星を持つ有名店であることを実感する。その4人はラーメンの行列に並びながら今夜の焼肉屋の話で盛り上がっている。どうやら鹿浜の有名焼肉店のようだが昼はラーメンにも行列し、夜は焼肉屋も並ぶ事になりそうだ。

そんな会話に耳を傾けていると定刻になりシャッターが半分上がるとスタッフさんが出てきた。デポジットの千円を仮払いして無事に11時台の白い整理券をゲットすると、再びホテルに戻ってひと眠りする事にした。この待ち時間を寝て過ごせるのもホテルユーザーの強みである。2時間ほど眠り10時のチェックアウトと同時にホテルを出た。

スタッフの指示通りの10:50に間に合うように駅前でコーヒーを飲んでから少し早めに店先に戻った。11時開店の25分前の現着で私が一番手をキープした。そこからは並びも増えはじめるが、前回ほどではなく感じた。開店直前に整理券を取りに来た人も12時台の水色の整理券だったので、本日分には余裕がありそうだ。

定刻の15分前に食券の購入が始まり、お目当てのお題を発券して再び店先の並びに戻る。今回は整理券トラブルも見られず穏やかな行列の中で待っていると、定刻よりも8分早く入店の案内があった。すでに始まっている調理を横目に見ながらカウンターに座り店内を見渡す。

カウンターの背後にはミシュランガイドをはじめ数々の受賞歴を誇る盾が並んでいる。その横にはインバウンド効果を狙った、お土産用のラーメンも陳列されている。店の奥には製麺室が設けてあり、中には大成機械工業の製麺機が鎮座している。そんな店内を本日を、店主不在の三人体制で回されている。客層も私以外は外国人観光客が占めていて、スマホ片手に動画撮影をしているのだが他人の映り込みなどは全く気にしてないようだ。

そんな文化の違いを感じながら待っていると、着席して3分で我が杯が到着した。その姿はオリジナルの有田焼高台丼の中で思い描いていたものとは異なる景色を見せている。私がラーメンには求めないヨーロッパの食材が羅列しているが、新たな世界を信じて真摯にラーメンだけに向き合う事にした。

まずは丁子色のスープをひとくち。複数のオイルが浮かぶ液面の中で、出来るだけ油膜の少ない部分にレンゲを差し込みすくい上げる。そのスープからは香りだけでも甘みを感じる白味噌の風味が漂ってくる。馴れ親しんだ香りに安心して口に含むと、洋の要素を感じさせない和出汁の味噌汁のような旨みが広がった。明らかに味噌汁と違う点は、鶏などの動物系の旨みもベースにある事だろう。その基礎の上に野菜や乾物などの旨みが重なり奥深さを作り上げている。舌触りにほんの少しのザラつきを感じるのは麦味噌の麹だろうか。その麦味噌の甘みもスープの要となっている。ここまでは見た目の洋のイメージとは全く違い和風にあふれていた。

次に独特の湯切りスタイルのクロスカウンターがバッチリと決まった麺上げから生み出された自家製の中細ストレート麺を箸で持ち上げてみると、中細麺にしてはやや太めではある。表面には透明感のある麺肌がスープの中で映える。箸先からはハリやコシはそれほど感じない柔らかさが伝わってくる。味噌系には、もう少し太麺を願っていたので残念でもある。そんな麺を一気にすすってみると、先程までの和風のスープが一変して洋テイストになった。それは麺を啜った時に伴って入ってきたバターのような動物系油脂の風味が思わせるのだろう。ウンチクにはカボチャの種から抽出したオイルは明記されているが、明らかな動物系オイルのコクを感じた。バターかラードのようなコクが麺に絡んで口の中に広がった。もうここからは洋テイストの一途となる事は明らかだった。

具材のチャーシューはパストラミのようにスパイスをまとったイベリコ豚のロースが薄くスライスされている。ハイエンドメニューなだけに枚数は多く乗せられている。食べやすい大きさにカットされているのも特徴だ。味付けはイベリコ豚本来の旨みを大事にして薄味にしてある。見た目には多いスパイスも出過ぎることなく風味を与えているだけだが、ダイレクトにかけられた擦りたてのパルミジャーノチーズが個性的な風味を加えている。イベリコ豚とチーズ、チーズと味噌の相性は言うことなしに抜群ではあるが、ラーメンの中には私はそれを必要としない保守派なので合わなかった。小ぶりではあるが豚バラチャーシューも一枚入っているが、その上にはポルチーニペーストが添えてあった。やはりラーメンにはそれを求めないので、スープに溶け出した時から世界が変わってしまった。

追加した味玉は高級な素材を活かした薄味で物足りなさはあったが、卵本来の旨みは楽しめた。だが提供温度の冷たさだけは気になった。ここまで麺以外の全ての温度が低いのも前回と同じく外国人観光客向けの設定なのかと思ってしまう。

メンマは細いタイプを採用されている。味付けも食感も申し分なく美味かった。噛みしめると湧き出る発酵臭が最大のアクセントとなって味覚を引き締めてくれる。

薬味は白髪ねぎのように細長く切られた九条葱がオシャレに添えてある。見た目を最重視した切り方だと思うが、九条葱の持ち味のシャキッとしてみずみずしい食感は失われていた。パサつきすら感じる乾いた繊維質が口に残ってしまった。

最終的には麺や具材は食べきれたが、スープはほとんど残してしまった。もはや好みの問題でしかないが、最初にひとくち飲んだ洋テイストのないスープの味が忘れられない。もしかしたらリクエストすればポルチーニもパルミジャーノもパンプキンシードオイルも外してもらえるのかもしれないが、それでは店主の追求するラーメンとは違ってしまうだろう。

海外で一番有名な日本のラーメン店が益々世界に名を轟かせて欲しいとは思いながらも、ヨーロッパのテイストを取り入れないラーメンを作られる事があるならば何を差し置いてでも食べに来たいと思う一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 3件

「味噌らーめん ¥780」@麺屋 誉の写真日曜日 晴天 21:20 先客3名 後客なし

〝小江戸川越 一泊二日ラーメンめぐり〟

本日の三食目を食べ終えて宿泊先のホテルにチェックインした。大浴場のサウナで一日の汗を流して、ひとときのビアタイムを楽しむ。朝から奔走した後のビールの味は格別だ。喉だけでなく、渇いた身体も潤してくれる唯一無二の裏切らない存在だ。さらには気持ちも潤そうと夜のネオン街の情報収集に励むが、まだ日が落ちたばかりで呑みに繰り出す雰囲気ではないので明日のラーメンの下調べをしようとRDBを開いてみる。

一泊二日くらいでは行きたい店の半分も行けそうにないが、候補店を絞り込む。そんな中で本日は食べていない味噌ラーメンのコチラが挙がってきた。何気なく候補店に入れようとお店情報を見ていると、本日の日曜日でも22時まで営業しているようだ。もし営業時間内に小腹が空いてきたら行ってみようかと四食目への意欲が湧いてきた。

すると午後9時前になるとサウナの効果だろうか少し胃袋に余裕ができた。しかもホテルからは歩いても10分ほどの距離とアクセスが良い。食べられるかは少し不安だがネオン街に繰り出す前の腹ごしらえと思い、本日の四食目にはなるが初訪問を決めた。

ホテルからは三番町通りとやらを進んで行けばたどり着くようなのでナビの指示のままに歩いて向かった。日曜日の夜というのもあるだろうが、うら寂しい通りを行くと暗がりの中に数軒の飲食店が並ぶ灯りが見えた。そこでなければどこまで歩くのだろうかと不安になるほど行く先は真っ暗だ。近づいてみるとカラオケの歌声が聞こえるスナックの先に真っ赤な暖簾が掛かったコチラがあった。早じまいもなく無事に入店できた。

店内に入ると券売機のトップを飾るお題を押した。追加の味玉を迷ったが本日はすでに3個も食べているので自主規制をかけた。(その前にラーメン自体を自主規制すべきの声も聞こえるが)

カウンターに座り店内を物色すると、テーブル席も多くある店内をご主人お一人で切り盛りされている。日曜の夜だからかも知れないが配膳やバッシングの為にホールにも出ているので大変そうだ。店内の壁には権威あるラーメン誌の堂々たる味噌部門 新人賞第一位の受賞暦が貼り出されている。ラーメンへの期待な高まり厨房に目をやると、味噌ラーメンならではの中華レンジと中華鍋のセットが更なる味噌ラーメンへの高揚感をあおる。そんな中で調理工程に入ったご主人の一挙手一投足を食い入るように眺めていると、力強い鍋振りや〝あおり〟の炎を見ることなく我が杯が到着した。

その姿は三連のドットがあしらわれた黒の多用丼の中で予想外のサッパリとした表情を見せる。味噌ラーメン=ラードのイメージがある中で表層に浮かんで油膜の薄さが連食つづきの胃袋にはありがたい。

まずは宗伝唐茶色のスープをひとくち。知ってはいても驚くような熱々のスープからは複雑な香辛料の香りが立ち昇っている。味噌ラーメンというよりは四川料理のような香りに食欲を刺激されながら口に含むと、スパイシーな香りに比例した様々な要素が舌の上に乗った。それは焦がしネギのような苦味と花山椒の痺れるような辛味、そこに甜麺醤の甘みや味噌のコクが舌を包み込んだ。それはまるで高級四川料理のように全ての香味が強すぎず穏やかだ。苦味の残し方や辛味の加え方、旨みの引き出し方の全てが派手ではないが的を得ているので自然とスープの世界観に引き込まれてしまった。

初めて出会ったようなスープの余韻に浸りながらスープや具材に隠れた麺を引き上げる。麺上げまでジャスト120秒の中太ちぢれ麺は黄色みを帯びた半透明な麺肌のエッジがキラキラと輝いている。持ち上げた箸先からは加水率の高さが重みとなって響いてくる。一気に啜るとスープの拡散が心配な麺質ではあるが、臆する事なく啜ってみる。滑らかな麺肌と軽やかに波打ったウェーブが唇をくすぐりながら飛び込んできた。味噌の風味にも負けない小麦の香りを打ち出す麺の食感の強さが箸のスピードに拍車をかける。啜り心地の良さと密度の高いモッチリとした食感に四食目だという事を忘れ、夢中でむさぼってしまった。

具材のチャーシューは苦手な豚バラの煮豚型だったが、脂身よりも赤身が大半を占める部分だったので赤身の肉質を楽しみながら脂身の甘みも感じられた。それには厚切りの要素も不可欠だったと思う。赤身の筋肉の繊維が解けるような柔らかさの中にも赤身本来の旨みは残っていた。味付けは香りの高いスープの中では控えめに調整してあるようで、個性のない個性が発揮されていた。

メンマも中細タイプだが、引き締まった食感と麻竹の発酵臭が只者ならぬ存在感をアピールする。やや硬めではあるが不必要な繊維を残さずに噛み切れる食感と、モチモチ麺とのコントラストは奇跡の出会いと思えるような組み合わせだ。味噌ラーメンならではの大豆由来の熟香と麻竹の発酵臭との取り合わせは中国の食の歴史の深さを物語っている。

モヤシは中華鍋の炎であおられたタイプではなく茹でモヤシが添えてある。なので調理中に〝あおり〟独特の中華鍋と五徳のぶつかる音や、ラードとモヤシの水分が生み出す炎が見られなかったのだろう。こちらの味噌ラーメンに関しては、中華鍋は香味野菜と味噌とスープを合わせる道具にすぎないと言う事だ。よってスープから感じる焦げたネギの風味は〝あおり〟からではなく、香味油からだと思われる。軽く茹でられたモヤシは鮮度の良さから香りがよくシャキッとした歯応えも抜群だ。次第にスープで加熱されて変化していく味や食感も時系列で楽しめる。

通常は〝あおり〟の副産物的な存在の豚挽肉も具材としての立ち位置を確立している。前仕込みだと思われるが、粗く挽かれた食感を残す豚肉の旨みにスパイシーなコクを与えた絶品具材。この具材を併用しているなら坦々麺も間違いなく旨いはずだ。スープ同様に複雑な旨みが重なりをみせるのは、拘りの肉味噌の証しだろう。

薬味は細かく刻まれた白ネギとおろし生姜と白ごまが添えてある。白ネギは食感の役目は茹でモヤシに任せて香り付けとして脇役を務める。香味ラードからの香ばしいネギの香りとは対照的にフレッシュなネギの香りをラーメン全体に与えている。おろし生姜の計算された配役も見事に当てはまっている。このおろし生姜でパンチを効かせる味噌ラーメンが多い中でこちらは個性的な使い方ではなく、明らかに影となって役割を果たしている。刺激で存在をアピールするのではなく、あくまで爽やかな清涼感を与えてくれるだけだ。白ごまを噛んだときの風味と芝麻醤の風味が見事にマッチし香ばしさを演出する。

ご主人の計算され尽くした設計図に思わず引き込まれて夢中でスープまで平らげていた。これならば、味玉を追加しても良かったなと後悔すらしてしまった。食べ終えてから券売機のメニューを見返してみると豊富なラインナップの中にワンタンなどもある事を知り、味噌ラーメンとワンタンの珍しい組み合わせにも興味が湧いてきた。

あまり得意ではない味噌ジャンルでの85点オーバーはコチラが初めてである。今後はこの味噌ラーメンを基準に、より美味い味噌ラーメンを探し求めていくのだろうと店を後にした。ホテルまでの真っ暗な帰り道で見上げた東の空に輝くオリオン座の中央に並んだ三つ星と、先ほどの味噌ラーメンの味と器の模様がピッタリと当てはまった一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

「味玉味噌 ¥900」@灼味噌らーめん 八堂八の写真平日 晴天 15:20 先客2名以上 後客なし

先週に開催した〝怒涛の味噌ウィーク〟の候補店に挙がりながらも、行く事が出来なかったのがコチラなのだ。

それは自宅から歩いても行ける距離なので後回しにしてしまった点と、あまりの味噌ラーメンの連食で胃袋がラード疲れを起こしてしまったからだ。ようやく胃袋の調子も元に戻ったところで初訪問を決めた。

怠惰な暮らしで目覚めると午後2時を過ぎていた。そんな時でも通し営業なのはありがたく、ゆっくりと支度をして家を出た。交通量の多い246を避けて南平台を抜けるルートで向かう。芸能人が多く住む超高級低層マンションを眺めながら坂を下ると目黒川が見えてきた。その先の青葉台一丁目交差点を越えて路地へと入るとビルの裏にたなびく茶色い幟旗が見えてきた。

こんなところにといった感じのロケーションに見えるが、実は近所にはイタリアンの名店やうどんの人気店が軒を並べる隠れた穴場スポットなのだ。そんな立地に新しくオープンした店への入口は建物横の階段を上がった先の二階にある。ウッドデッキのアプローチにあるラーメン屋らしからぬ自宅のドアのような扉を開けると店が広がる。入店して券売機にてお目当てのお題に味玉を追加発券してカウンターに座る。

店内を見渡すと一階と三階につながる階段が目に入った。上の三階からは賑やかな声が聞こえてくるので客席があるのだろう。階段を使っての配膳が大変だなと思っていたら、料理を上げる昇降機がちゃんとカウンター横に設置してあった。カウンターよりもテーブル席の方が多い店内を本日は四人体制で回している。雰囲気的には女子受けしそうな内装で、おじさんには居心地が良いとは言いがたい。調理工程は目の前の壁で全く見えないので音を頼りに想像してみる。すると不思議なことに〝あおり〟の音が聞こえてこない。味噌ラーメン独特の中華鍋の音やモヤシを炒める音がしないままに、着席して5分で我が杯が到着した。

その姿は美濃焼の千段十草の高台丼の中で大判のチャーシューに覆い隠されていて正体が見えない。圧巻の迫力に押されそうになるが、茶色のグラデーションが美しい整った表情だ。

まずは粒子の細やかなラードが浮いた丁子色の スープをひとくち。見た目にはオイル感が少なく見えるのはスープとラードが上手く乳化しているからだろうか。レンゲがスープに入る抵抗も少なくサラリとした印象だ。レンゲですくったスープからは味噌の香りが熱気と共に立ち昇っている。味噌の香りに洗脳されながらスープを口に含むと、香りはどは味噌が主張してこない。何よりも力強く感じるのは〝糀〟の香りだ。糀を感じるのは香りだけでなく、舌の上に残るザラつきも感じられる。きちんと乳化したまろやかなスープの中で糀の粒が残るのは不快ではないが不思議な食感だ。甘みを帯びたスープは甘酒のような糀の香りが特徴的。色彩は白味噌や麦味噌のように白っぽく見えるが、ウンチクでは大豆味噌となっている。その大豆味噌で、敢えて味噌玉を作らずに生味噌での調理にこだわっているようだ。たしかにスープからは焼いた味噌の香ばしさも感じられる。ベースには動物系の清湯スープが基盤を築き、魚介などの風味も足してある。かなり珍しい蔵出し味噌を堪能した後は麺をいただいてみる。

麺はもちろん中太ちぢれ玉子麺。半透明の黄色い麺肌は味噌ラーメンにマッチする。麺上げまでジャスト120秒の硬めの茹で加減が箸で拾い上げただけで伝わってくる。この強面の麺を一気に啜ると、麺のウネリに伸縮性がないので唇の先で暴れ回る。結果としてカウンターにはスープが飛び散る事になる。紙エプロンが必要な麺肌だ。いざ口の中に入ってくると非常に滑らかで啜り心地が良い。啜った吸気にも糀の香りが寄り添っていて、味噌ラーメンというよりは糀ラーメンといった感じだ。ふた口目からはスープの拡散させないように啜らない方法で食べてみる。すると糀の香りは落ち着き、味噌全体の風味を感じるようになった。小麦の甘みと味噌の甘み、ラードなどの豚由来の甘みが一つになった甘さ主導の味噌ラーメンだ。それは砂糖のような角のある甘みではなく、自然なトゲのない甘みなので喉への刺激は少ない。

具材は大判の豚肩ロース焼豚が圧倒的な存在感を見せる。見た目の肉質からはパサつきが心配になるほど乾いて見えるが、いざ噛んでみるとパサつき感など全くなく、むしろシットリとしている。完全に熱が通った筋繊維を柔らかく仕上げているのも、糀の力なのだろうか。糀漬けならではの繊維質の分解作業が行われているのが納得できる柔らかさだ。またその食感を活かすための厚切りにも技が利いている。味付けもスープに寄せてあり、一体感を生んでいる。

追加した味玉にも糀を用いてあるが、焼豚ほどの利点は感じられない。たしかに柔らかく仕上がっているとは思うが味の浸み込みが薄いので、柔らかめの半熟たまごを食べているような印象しか残らない。

メンマ代わりの山くらげは良い仕事をしている。乾燥メンマのような発酵臭こそないが、ゴリっと言うほどに引き締まって食感が楽しい。味の面では特筆する点はないがアクセント役としては最高のパフォーマンスだ。

薬味は白ねぎを細かい笹切りで添えてある。彩りとして葉先の青い部分も混ぜてある。それとおろし生姜がたっぷりと焼豚の上に盛られていた。食べ始めは、どちらも持ち味を発揮せずに隠れている。しかし終盤にかけての自己主張の強さには驚かされた。

私の中での味噌ラーメンに求めるのは正直言って食べ始めではなく、ラストの部分なのだ。丼の中には噛み切って短くなった麺や、ほぐし肉のようになった焼豚、クタクタになったモヤシや山くらげなどの具材と、白ねぎや生姜の薬味が渾身一体となって沈んでいる。この混ぜそばのような〝ごちゃ混ぜ感〟が醍醐味なのだ。この時の白ねぎの食感やおろし生姜の辛味を感じると味噌ラーメンの佳境を迎える。

スープは飲み干せなかったが、満足でレンゲを置いた。この時には感じなかったのだが、ニンニクを使っているからだろうか食後6時間経っても後味の悪さが残っていた。味噌ラーメンを食べるとこの後味の悪さだけが苦手で仕方ない。やはり体質的に毎日食べるラーメンとはいかなそうだ。

この界隈には私が好きな醤油系の名店があるので味噌系の登場はありがたい。これであと塩系があれば文句なしのエリアなのだが山手通り沿いには、なんとか流塩らーめんが二軒もあるので塩系が進出してくる事はないだろうかと、余計な妄想を繰り広げてしまった一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「味玉味噌らーめん ¥900」@Sagamihara 欅の写真平日 晴天 11:00 先客1名 後客5名

〝怒涛の味噌ウィーク〟

と銘打って味噌ラーメン限定でやってきた一週間だが、四日で五食の太麺に胃袋が疲れを感じてきた。しかし自身に課した目的なので投げ出す事は出来ない。そこで本日は系統の違う味噌ラーメンを探してRDB内を彷徨う。

今週はいずれも札幌の老舗人気味噌ラーメン店と縁のある店ばかりを巡ってきた。本来ならば神奈川 大和市にある同系の店を目指そうと計画していたのだが、その前に流派の異なる店探しをしてみる。

しかし味噌部門で検索して写真を見ると、似たタイプの店が多く挙がっている。濃厚、太麺、モヤシと味噌ラーメンには必須なのだろうか、いずれもこれに当てはまる。捜索難航の中で自身の過去の記憶をたどっていると、冬になったら食べてみたい味噌ラーメンが何店舗かあったのを思い出した。

それは初訪問なので基本と思しき醤油系を食べたが、隣り客の味噌系が気になっていた店のひとつがこちらだったのだ。再度、お店情報で確認すると味噌ラーメンもレギュラーメニューとしてあるようだ。写真からもタイプの違いが見て取れるので訪問を決意した。

そうと決まれば前回と同様に11時開店前の現着を目指して9時半には自宅を出た。下北沢駅の厄介な小田急線への乗り換えにさえ対応できれば二度目の再訪なので問題はない。ナビの指示通りの快速急行だけは間違えないように下北沢駅の地下深くへと潜っていく。

遅延もなく予定通りの快速急行に乗車できた。これで寝過ごさずに相模大野で各停に乗り換えれば目的地まで一駅だ。無事に乗り換えも成功し人生二度目の小田急相模原駅に着いた。ここならは見覚えのある道なのでナビなしで歩いて行く。すると洒落た店構えのコチラがあった。開店10分前の現着だったので行列もないので、隣のコンビニで水を入手。ゆっくりと店に戻ると定刻ちょうどにオープン。その間に先客があり二番手をキープ。入店して券売機でお目当ての味噌系に味玉追加で発券する。前回と同じカウンターに腰を下ろし三ヶ月ぶりの店内を見回す。

カウンターの奥からは見えづらいが入口の横にはこじんまりとした製麺室が設けられている。その中には高級製麺機、その名もリッチメンが鎮座している。前回も確認したが、茹でられる前の生麺を見たときにスープの違いで麺の太さや色、質感が違っていたので麺に対するこだわりも強く感じていたのだ。その麺たちを生み出す製麺機の少し小麦粉にまみれた姿も戦い終えた表情に見えて誇らしく映る。そんな店内を本日は二人体制で切り盛りしている。やはり導線は良くない中でも万全のコンビネーションに見とれていると第1ロットにて5分程で我が杯が到着した。

その姿は白磁の屋号の入った高台丼の中でマーブル模様の景色を見せる。前回の醤油系と器や具材は同じだが、こんなにもスープで風景が変わるものかと驚いた。そしてこの景色を見た時に、昨日までに出会った味噌ラーメンとは違う系譜であると確信して少しホッとしたのが本音だ。

まずはマーブル模様に見える乳化してないラードと水泡が浮かんだ枯色のスープをひとくち。先行部隊はやはりラードによる豚由来の動物系のコクだ。系譜は違えどラードは必須のようである。しかし明らかに違うのは具材を、あおる為に使っているのではない点だ。具材には味噌系特有のモヤシや豚ひき肉は使われていない。だが、中華鍋を使用していたので味噌を焼き、スープと合わせる際にラードを使ったのだろうか。二口目は出来るだけスープ自体の味を確かめたくて、レンゲに浮いた油膜を息で吹き飛ばして、油分のなくなったスープを口に含んでみる。すると麦味噌の粒が舌を刺激しながら口内全体に広がる。その粒がザラつきにも思えるが、味わいは奥深い。そして品がある。鶏ベース清湯スープの上品で深みのある味わいが基礎にあるので、味噌にしか表せない、甘みや塩味と熟成した風味が思う存分に弾けている。コクの中にも潔さを感じるスープの中には微かな生姜の辛味も潜んでいるので、飲むたびに爽やかさでリセットしてくれる。ニンニクや生姜が主張しすぎないので舌が麻痺することもなく、飲み飽きもしないだろう。

このスープに合わせる麺に期待が高まる。箸で持ち上げてみると、スープの色にも似た全粒粉のフスマが色付いて見える自家製中細麺。ちぢれ麺と言うほどではないが、緩やかにウェーブしている。麺上げまで60秒の中細麺は切り刃の角がくっきりと立ったシャープな麺肌。切り立ったエッジの隙間にはグルテンが溶け出して麺同士が寄り添う感じがある。コシが強いタイプではないが、歯応えはモッチリしている。しかし提供時がピークの麺ディションに思われるので、あまりスープ内に放置すると腰抜けになりそうな茹で加減に思える。ちぢれが緩やかなのでスープの飛散を気にせず思い切り啜り上げるとスープを大量に引き連れて飛び込んでくる。まろやかなスープと、まろやかな麺の共演が見事にマッチしている。

具材はチャーシューが部位も調理法も異なるものが一枚づつ。先にロゼ色が残る豚肩ロースのレアチャーシューから食べてみる。調理場内では低温調理器に温度を60度に制された蛇口付き寸胴鍋の中でレアチャーシューが仕込まれていると思われる。さすがの温度設定でレアながら生肉ではない安心の火入れ加減。ソミュール液のスパイスよりも薫香を効かせてある。前回の醤油系の時は少し邪魔に感じた香りも、味噌スープの中では香ばしく感じて好印象。一方の豚バラ焼豚は煮豚型でとろけるような食感が特徴的。その素材の豚バラ肉には中華料理の東坡肉に使うような皮付きの豚バラを使用している。皮なしの豚バラよりは断然に手間はかかるが脂身の旨さは別格である。その旨みを存分に引き出した味付けで、すぐに追加したくなるほどの豚バラチャーシューだった。

追加した味玉は、個性がないのがラーメンの中では活かされているのかも。醤油ダレの浸透も強くないので、味噌スープの中でも異物感はない。出しゃばらない代わりに本来の黄身の甘みが口内をリセットする。単体で食べるよりはスープと一緒にすると楽しめた。

ここまではかなりのハイスコアだったがメンマに関しては残念な仕上がり。太メンマを非常に柔らかく炊いているが素材の悪さか下処理の不具合か分からないが、二本とも縦の繊維が噛み切れない。素材や下ブレかと思ったが二本ともだと下処理の悪さとも考えられる。あまりに口に残るのでティッシュに出さなければいけないほどだった。穏やかな味付けが良かっただけに残念で仕方ない。たとえ下ブレだとしても一期一麺の精神に則ってマイナス点とさせてもらった。

薬味は青ねぎの小口切りと赤タマネギのアッシェが添えてあるが、どちらも香りの良さや切り口の美しさから鮮度の良さが伝わってきた。薬味としての役目もスープや麺の邪魔をしない食感と香りで果たしている。

やはり中盤からは懸念された麺の状態が変わり始めた。しな垂れるような柔らかな麺よりは、ハリとコシのある麺が好みなので食べ急いだが、麺肌に溶け出したグルテンが麺を束ねてしまっていた。そうなると喉越しも悪くなり麺を啜る楽しみは半減してしまった。

もたつきながらもスープの旨さに引っ張られて平らげていた。スープも飲み干せたのだが、連日の暴飲暴食を省みて泣く泣く断念しレンゲを置いた。

当初は大和市での連食を目論んでいたが、相模大野で三時間過ごしても一向に腹が減らず断念した。味噌ラーメンや太麺の腹持ちが良いのではなく、どうやら私の胃袋とラードと相性が今ひとつなのかも知れないと感じた一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 2件

「味噌ラーメン ¥850+チンピラ玉子(5ヶ入り)¥150」@味噌麺処 花道の写真平日 晴天 14:00 先客10名 後客7名

〝怒涛の味噌ウィーク〟

午前中の荻窪での味噌ラーメンを満喫した後に再びホテルに戻ってきた。午後3時のチェックアウトまで大浴場の風呂に入り汗を流した後にレビューでもしたためようかと、文豪のような生活を楽しんでいた。

レビューを書き終え、午前中に茹で麺機の故障で臨時休業の貼り紙が貼られていたこちらのtwitterを確認すると、茹で麺機の修理が完了し営業再開とのつぶやきがあった。早速リベンジのチャンスが来たと思ったが、前食からは二時間も経っておらず胃袋に空きスペースがない。味噌ラーメンを食べ続けている今週で感じた事がある。ただでさえ小さな胃袋の私には、味噌ラーメンは重すぎるかと。スープだけが重いのではなく、麺もズッシリとして連食には不向きなラーメンだと感じている。

なので連食は断念しようかと思ったが、お店情報のメニューの中に〝ミニ味噌ラーメン〟の文字を見つけた。もしかしたら〝ミニ〟ならば連食できるかもと、わずかな望みにすがる思いで本日二度目の訪問を決意した。

午前中にフラれたコチラへは同じルートをたどり目指したが、ひとつ前の野方駅北口バス停の方が、大きな交差点も渡らずにすむと思いナビを無視して下車した。思い通りに信号にもかからずに、すんなりと店先に着いた。午前中に来た時とは違ってシャッターも全開で暖簾も揺れている。運良く行列もなく入店したが店内は、ほぼ満席。カウンターにひと席だけ空席があったので無事に入店。

券売機でお目当ての〝ミニ味噌ラーメン〟のボタンを探すが、どこにも無い。隅から隅まで見てみるがやはり見当たらない。現在は販売中止になってしまったのだろうか。本日二度目の再訪なので引き返すわけにもいかず、基本メニューを押して、半ばヤケクソ気味に謎の「チンピラ玉子」のボタンも押してみた。

カウンターに座り店内を見渡すと狭いながらもテーブル席も配置された、客席を詰め込んだ感じの店内を三人体制で回している。壁には歴代の受賞歴のポスターが貼られている。調理場は味噌ラーメン店ならではの〝あおり場〟がある。あおっているのは具材だけでなく、そこから聞こえる鉄製の中華鍋のリズムが食欲もあおる。

本日の客層はテーブル席には近くに建築現場があるのだろうか、作業着姿の若い工事関係者が大盛りに喰らいついている。初めての味噌ラーメン連食の不安の中、若々しさがうらやましく眺めていると着席して8分ほどで我が杯が到着した。別皿で提供されたチンピラ玉子も記念撮影用に2つだけドロップイン。その姿は白磁の多用丼の中で想像していたような荒々しさはなく、こじんまりとまとまっている。小ぶりな丼がそう思わせるのかも知れないが、盛り付けも丁寧に見えた。

まずはスープをひとくち。ラードで覆われているかと思ったが、どちらかと言えば乳化した豚骨スープに近い。たしかにラードの香りはしているが炒め油としての香りだろう。温度も悲鳴を上げるほどではなく味覚判断もしやすい。じっくりと時間をかけて炊かれたスープはマッタリとしているが濃厚という言葉は似合わない。芳醇と言った方が私にはしっくりとくる。滑らかに舌の上を通り過ぎると、味噌の塩気よりも甘みが舌全体を覆った。やはり荻窪で食べた前食の修行先と言うことで、こちらもニンニクや生姜でパンチを求めずスープのコクで勝負している。思ったよりも優しいスープに安堵した。

麺上げまで220秒ほどのストレート太麺は見るだけで迫力がある。麺肌こそ溶け出したグルテンが透明な表層となっているが、密度の高いグルテンが引き締まった麺質が箸先から伝わってくる。一見するとスープと馴染んでいそうな麺肌だが、口に含むと違っていた。初期段階では高い加水率に跳ね返されてスープを持ち上げてこない麺は、麺自体の旨みが楽しめる。つきたての餅のように密な麺を噛みつぶそうとすると、奥歯を弾き返す力と噛み切れる瞬間の食感のバランスが独創的。いざ噛み切れると同時に広がる小麦の香りも素晴らしい。これより先のグルテンの熱変化が楽しみで具材へ進む。

小ぶりながら分厚くカットされたチャーシューは豚バラを用いた煮豚型。赤身の繊維がホロホロと崩れる食感は申し分ないし、私にとってはうれしい少なめの脂身も甘さを生んでいた。特に感じたのは皮目の脂身の旨さだった。パサつきがちな赤身の食感をサポートするように寄り添う脂身の存在は無くてはならない。味付けも穏やかなスープの中でキリッと醤油感を効かせてあり、ぼやけることなくアピールしている。

極太メンマは残念ながら好みからは外れていた。硬めの食感でアクセントを付けてくれるが、麻竹の繊維が噛み切れずに口の中に残ってしまう。キッチリと下味も付けてあるが噛み切ろうとする咀嚼回数には敵わず最後には味気ない繊維だけを噛み続けることになった。

追加した謎のチンピラ玉子は、味付けうずら卵をオリジナルの辛味ダレに漬けたものだった。見た目には辛そうだが、韓国産唐辛子特有の甘さもあるので深みを感じる。スープに沈めて漬けダレが落ちると、うずら卵には辛味はほとんど無いので物寂しさもあるが口直し的な役目も果たしてくれた。私は試みなかったが、かなり多くの辛子漬けダレが入っていたのでスープの味変用に使えるのだろう。しかし通常の味玉にすれば良かったとも思ってしまった。

薬味は一切なしで、具材としての炒めモヤシが薬味代わりのアクセントを付ける。シャキシャキよりは一段下の食感だが、硬すぎないモヤシからは甘みが出ている。スープの底に沈んでいるだろう豚ひき肉やラードのコクをコーティングしたモヤシは香りの上でも変化をつけて、食感でもアクセントをもたらす。あおり加減が絶妙のモヤシは、麺と食べると相対する歯ざわりのコントラストが愉快で箸が進んでいく。

中盤からの麺はスープにも馴染みはじめてピークを迎える。初期段階ではバラバラに思えたスープと麺や具材が混ざり合って渾然一体となって口の中で躍動する。味噌ラーメンの醍醐味は、ごちゃ混ぜ感なのかもと思った。

さすがにモッチリ太麺の連食は老いた胃袋には酷だったようで食べきる事は出来なかったが、味の面では満足で終えた。メンマが残念だった事や、追加のミスチョイスが悔やまれる。

食べ終えると外待ちも増えていたので急いで席を空けようと立ち上がった時に、椅子の背もたれに掛けていたコートを床に落としてしまった。慌てて拾ったが、床に浸み込んだ油がコートに付いてしまった。自己責任なので仕方ないが、今回の味噌ウィークでは床が油っぽい店が多いのは何故だろうか。これも〝あおり〟の副産物なのかと思った一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「味玉味噌らーめん ¥900」@味噌っ子 ふっくの写真平日 晴天 11:10 先客5名 後客7名

〝怒涛の味噌ウィーク〟

と題して、味噌限定の一週間を過ごしている最中なのだ。そこで本日はRDB総合ランキング味噌部門第3位に名を掲げる野方の人気店へ突撃するために荻窪に前泊した。もはや別宅となりつつあるカプセルホテルだが、24時間営業のバーや大浴場を完備した居心地の良さに今週は二度目の宿泊となった。中央線沿いを訪ねる時には必須のアジトとなっている。

昨晩も風呂上がりに1980円の飲み放題プランを利用して、たらふく生ビール(しかもノンコンスターチ系)を浴びてからベットに身体を沈めた。翌朝、軽快に目覚めると目的地のある野方駅に向かうために身支度を整える。午後3時のチエックアウト時間なのも有り難く、戻ってくる事を想定して外出扱いでホテルを出た。

10時半と早い開店時間に間に合うように10時前には出発。すると最寄りの野方消防署バス停までは中央線とバスを乗り継いで30分弱で着いた。バス停から歩いて2分ほどで白提灯に半シャッターの店を見つけた。開店5分前で人影も見えず店先までたどり着くとシャッターには手書きの貼り紙がしてあった。

「茹で麺機故障のため本日お休みします」

まさかの臨時休業に見舞われてしまった。近くにはラーメン屋もたくさんあったが、味噌しばりにしている上に10時半前では開いている店もなく途方にくれていた。こんな時に役に立つRDBで急遽、近場の味噌ラーメン店を検索する。何軒か挙がる候補の中に、臨休だった先ほどの人気店の元店長が昨年オープンしたという新店を偶然にも見つけた。まさかの偶然に気は焦るが、念のためにお店情報を見ると本日は営業日のようだ。安心して場所を確認すると更なる偶然に驚いた。なんと、先ほどまでいた宿泊先から歩いてすぐの場所だったのだ。それならば最初からそちらへ向かえば、もう少し遅くまで寝てられたのにとボヤきたい気持ちを抑えながら来たルートを反対に戻った。

荻窪駅西口から青梅街道を進み、大きな四面道交差点を過ぎると白い暖簾のたなびく店を見つけた。開店10分後と出遅れてしまったが店内には空席があり並ばずにすんだ。店内に入り券売機でお目当ての味噌系に味玉を追加発券してカウンターに腰を下ろす。

映画「未知との遭遇」のワンシーンのように立ち込めた煙の中でスポットライトが光る店内を見回すと、黒を基調とした内装の店内を二人体制で回している。持ち場は〝あおり担当〟と〝麺上げ担当〟の分業制だ。立ち込める煙の原因は具材のあおりだと思うが、換気の悪さもありそうだ。それを証拠に店内には、すきま風が入り込んでいて寒いくらいだ。きっと換気と吸気のバランスが悪く、大型換気扇の能力が最大限に活かされていないのだろう。煙の中で見える本日の客層は年配者から若者カップルまで様々だ。今週の味噌ウィークで感じるのは、年配の方が多いという事だ。味噌ラーメンは年配ファンの熱い支持を受けているように思われる。

調理場内に目をやると、五徳が二台並んだ中華レンジが鎮座している。スープ用と、あおり用に使い分けられてフル稼働している。あおったモヤシが冷めないようにスープウォーマーを代用した保温器にも工夫が見られる。考えられたシステムに感心していると着席して8分程で、隣の先客よりも先に我が杯が到着した。坦々麺などのメニューもあるためスープの違いによってオペレーションが前後するのだろう。

その姿は美濃焼の小ぶりな玉淵丼の中でスープとモヤシの色彩のコントラストが印象的。シンプルな構成でインパクトは排除した落ち着いた見た目が、食べる前の心を穏やかにしてくれる。

まずは目に見えないほどのラードの粒子が浮かんだ淡い白茶色のスープをひとくち。熱々のスープの中で最初に感じるのはキメの細やかなクリーミーな舌触り。味噌スープというよりもポタージュのような口当たりが口内を覆う。味噌のコクやキレは感じるが、出過ぎないような合わせ方が馴染みやすい。見た目同様にインパクトはないが心に響くスープに魅了される。ポタージュのように感じるのは豚ゲンコツや鶏モミジのベースの中に、野菜の旨みも強く出ている点が大きいだろう。私のイメージする濃厚とは違った深みのあるスープで、生姜やニンニクなどの香味野菜の力を頼らずとも、味噌主体の香りで十分に楽しめそうだ。

麺は生麺の時から黄色い色素を放っているストレートな太麺。タイマーは4分にセットされているが実質の麺上げまでの時間は210秒ほど。その麺をスープの中から箸で拾い上げると、黄色みを帯びた麺肌には溶け出したグルテンが透明感のある粘りをみせる。箸先からは密度の濃い重さが麺質を物語る。いざ口に運ぶとネットリした麺肌が滑りを良くしてスルスルと口の中に飛び込んでくる。札幌系味噌ラーメンのように麺が縮れてないので啜り応えも迫力がある。初動ではスープとの絡みが良くないので味気なくも思ったが、麺の旨さを先に味わえるので、それも有りかと思えた。麺の熱変化を楽しむために、ひとまず具材を食べてみる。

具材のチャーシューは豚モモ肉のロースト型で小ぶりだが厚切りで二枚入っている。焼き目にはしっかりと香ばしさが残り、中心部の筋肉の繊維も歯応えがある。肉々しい食感と強めの味付けが力強く、まろやかなスープの中で個性を発揮している。サービスと思われる切り落とし部分が小さく添えてあったのがうれしい。荒々しくはあるが、香ばしさがより強く出た旨みには大満足。

追加した味玉もオレンジ色の美しい黄身がネットリとゲル化している。完全に熟成した黄身だけが成し得るベルベットのような食感が舌を包み込む。強すぎないがしっかりと塩気が浸透しているので、黄身の甘みが増している。追加した甲斐ある味玉だった。

細メンマは完全発酵の乾燥メンマの特質を活かした仕上がりとなっている。乾燥によって縮んだ麻竹の食感と凝縮した旨みのどちらも残されている。それに合わせる味付けもキリッと醤油を効かせてあり、まろやかなスープの中でシャープなキレを与えてくれる。

鉄製の中華鍋であおられたモヤシはシャキシャキの上を行く歯ざわりがアクセントを生む。スープで煮込まない後乗せタイプなので味付けは薄め。一緒にあおられた豚ひき肉の旨みを少しだけ感じるが、ほぼラードの香りが占めている。そのまま食べるよりはスープに沈めて熱変化したところで食べる方が麺との一体感はあるかと感じた。

薬味はモヤシが保護色となって見えづらいが白髪ネギが添えてある。モヤシとは異なる食感がと軽い辛味がアクセントになっていた。

ここに来るまでには、アクシデントに見舞われたが美味しい味噌ラーメンに出会えた。店を後にする頃には外待ちも発生していた。駅からは少し離れているが、こちらを目指してくる人気の高さもうなずける。帰りに、くぐった暖簾を見るとイラストの麺の部分がアルファベットで〝HOOK〟となっていた。屋号をあしらった素敵な暖簾は、私が午前中にフラれた修行先からの寄贈品だった。これを見た時に味噌ウィークを開催している今週中に必ずやリベンジを誓う一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「焼き味噌玉子 ¥930」@拉麺 大公の写真平日 晴天 11:15 待ちなし 後待ち10名

〝怒涛の味噌ウィーク〟

今週は味噌限定の一週間を過ごそうと決めた。今や常宿となりつつある横浜 関内のホテルで候補店探しをしている。何故ならRDBの味噌ラーメン人気ランキングによると、都内よりも神奈川県内に人気店が集中しているからだ。そこで本日は、とりあえず横浜に宿をとってゆっくりと目的地を探している。

昨夜は関内の夜を楽しみすぎて気だるい朝を迎えたが、大浴場で朝風呂を浴びて体調をリセットする。そこで開いたRDBによると味噌ラーメン総合ランキングの第二位に君臨する店が横浜市内でヒットした。お店情報によると、今回の味噌ラーメン巡りのキッカケとなった店とも縁があるようなので初訪問を決めた。

11時半開店前の現着を目指して11時前にホテルを出た。自宅からだとこうはのんびり出来ないので前泊の価値があった。ルートはすでに検索済みでホテル近くのバス停から横浜市営バス 横43 戸塚駅東口行きに乗れば15分ほどで最寄りの南太田駅前に着く予定だ。お年寄りしか乗っていない車内で揺られながら、予定通りに最寄りバス停で降りた。するとすぐ目の前にみせがあり、歩いて4歩と余りの近さに驚いた。

開店15分前に現着できたので人影はなく、先頭にて待機する。店頭のお品書きにはバラエティに富んだメニューが数多くあるが、味噌ウィークを宣言しているので選択の余地はなく心はひとつに決めた。すると続々と後列が増えはじめ、気がつけば10名近くになっていた。しかもその並びの客層は、どう見てもシャッター待ちなど、しそうにない高齢者が多い。私などでは若造扱いされても当然の人生の諸先輩方たちが列を成している。この時点で老いはじめた自身の胃袋にも優しいラーメンに出会えるのではないかと期待が高まった。

そんな期待の中、定刻ちょうどに白のれんが掛かりオープン。先頭で券売機の前で迷うことはないかと思っていたが、三枚チャーシューと味玉のどちらかの追加で悩んでしまった。しかしデフォでも焼豚一枚は入っているだろうと味玉を選択して発券し席に座る。

店内はカウンター席ではあるが厨房に対面したカウンターではなく、大手チェーン店のような間仕切り式カウンターが中央に設置してある。壁沿いにもカウンター先があるが、ウォーターピッチャーなどが置かれているので現在は稼働していないようだ。そんな客席と厨房を分離したセミオープンキッチンスタイル。フルオープンではないので調理工程が眺められず残念ではあるが、味噌ラーメンならではの〝あおり〟による中華鍋と五徳がぶつかる音がリズミカルでラーメン屋にいると言うよりも、中華料理屋にいるような効果音が心地よい。余談ではあるが三人体制で回しているのだが、調理場内はご夫妻と思われるお二人が調理なさっている。時おり聞こえる、奥様の段取りのミスが原因なのかご主人の怒号が耳に入ってきて、こちらにも緊張感が走る。それはホール担当のスタッフさんにも気の毒である。

出来ることならば穏やかな気持ちで食事をしたいなと思っている所に我が杯が到着した。接客や店内環境などは評価の対象にしないと決めているので、目の前のラーメンだけに集中する。次客のオーダーと違っていたのだろうか、まさかのワンロット一杯で配膳されたラーメンの姿は、すり鉢にも似た美濃焼の八角丼の中で昨日までの札幌味噌ラーメンとは違った表情で現れた。それは三権分立と言っても大げさではない、スープ、麺、具材のそれぞれが独立しているように見えた。昨日までの味噌ラーメンは具材がスープの一部になっていたので、全く違う印象を受けた。

まずは均一なドットの油膜が張った胡桃色のスープをひとくち。たっぷりのラードが見られるが初動は全くオイリーではなく、動物由来のスープの旨みが先頭を切ってくる。サラリとした豚や鶏の旨みがベースを築いているが、コラーゲンには富んでいるので、それによって清湯スープではあるが奥深い旨みが潜んでいる。その奥には、しっかりと昆布などの乾物系の旨みもあるので味噌ラーメンの出汁でなくても味噌玉だけでなく、あらゆるカエシに対応できるスープに思えた。思いのほかニンニクが控えめなので高齢者にも適したラーメンなのかと自己判断した。

続いて麺を箸で持ち上げると黄色みを帯びた透明感のある中太ちぢれ卵麺の肌には、ラード由来のオイルが麺の一本一本にコーティングされ店内の照明を跳ね返し美しく輝く。それと同時に熱々のスープに潜んでいた為、外気に触れると湯気が立ち昇ってくる。そんな麺を口に運ぶと唇が火傷しそうなほどの熱を持っている。北国発祥のラーメンならではの温度だ。口に入ってきた麺は次第に温度が下がると小麦の甘みを発揮し始める。卵麺ならではのプリッとした弾力のある歯応えが愉快で箸のスピードが加速する。早く食べたいが熱くて食べられないという、もどかしさとの戦いでもある。

具材の焼豚は豚バラの煮豚型で脂身の少ない部分が乗っていたのでラッキーだった。焼豚の上に添えられた大量の生姜を一旦どかせて嚙りついてみる。トロトロの脂身があまり得意でないので、赤身のホロホロと崩れるような食感の焼豚がうれしい。煮汁からは醤油や砂糖などの調味料の旨みを吸っていながらも、豚バラ本来の旨みは残っていてパサつかずにシットリと仕上がったいる。厚切りなのも手伝って食べ応えのある絶品チャーシューだ。三枚入りにすれば良かったと悔いても遅い。

味玉は個性的ではあるが追加して良かった思える逸品。下茹での半熟加減もよく、漬け込みの熟成感も程よく出ている。他店にはあまりないカレースパイスの風味を微かにつけた独特の漬けダレも、この味噌ラーメンとの相性がよい。醤油ラーメンには合わないかも知れないが、この組み合わせには驚かされた。

味噌ラーメンには欠かせない具材のモヤシは、先ほど聞こえた中華鍋であおられたシャキシャキタイプ。強火で一気にあおられたモヤシはラードをまとった光沢がまぶしい。スープに浸ってない部分を食べてみると、モヤシとラードの香りだけがダイレクトに飛び込んでくる。これはスープで煮込まない作り方のモヤシのようだ。でなければ、この盛り付け方はあり得ないはずだ。これはタマネギも同じでスープに甘みを移すよりも、歯応えを優先した具材だ。これならば、そのまま食べても良しスープに浸してから食べても良しと色んな食べ方を楽しめる。

豚ひき肉も同様に、あらかじめ仕込んでおいたものをトッピングしているようだ。ひき肉ながらコリッとした軽妙な食感も楽しい。

この頃になると、おろし生姜がスープに溶け出してパンチを効かせはじめた。ピリッとした生姜のフレッシュな辛味が食欲を増進させる。食欲が最高潮に達したかと思うと、すでに麺は完食する勢いだった。やや私には生姜が強すぎるスープは残してレンゲを置いた。

昨日までの味噌ラーメンとは違ったタイプに出会えて来てよかったと思い席を立った。やはり後列には年配層が多くいらしたが、味覚以上に生姜やニンニクは人を魅了する事を認識した一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「味噌らーめん ¥800+煮たまご ¥130」@大島の写真平日 晴天 10:45 先待ち3名 後待ち25名

〝怒涛の味噌ウィーク〟

横浜野毛にオーブした札幌味噌ラーメンの人気店に触発され、味噌しばりの一週間を過ごそうと決めた。そこで本日はRDBの味噌ランキングを検索してみる。するとトップに君臨している店がこちらだった。ランキングを見て思った事があるのだが、上位陣には都内よりも神奈川県に店が集中しているように思える。と言うことは今週は神奈川県に行く機会が増えそうな予感がする。こちらのお店情報をみると、昨日行った味噌ラーメン店の本家で修行されたとあり初訪問を決めた。

11時のオープン前の現着を目指して10時過ぎに家を出た。半蔵門線から都営新宿線への乗り換えで40分ほどで最寄りの船堀駅に着いた。ほとんど利用した事がない新宿線の中でも初めて降りた駅だ。南口から船堀のランドマークと思われる船堀タワーホールを背にまっすぐ進んでいく。気がつくと自然と長州力の入場テーマ曲のパワーホールを口ずさんでいた。10分ほど歩くと大きな公園が現れる。その先に半シャッターのこちらがあった。かなり早めに着いたつもりだったが、すでに待ち人があり、3席限定の外待ちベンチは逃したが何とか四番手を死守。好立地とは言えない場所なのに人気の高さを思い知る。その後も行列は増え続けて開店時には20人以上になっていた。

定刻になると、驚く事に自動でシャッターがフルオープン。まるで近未来を感じさせる幕開けだ。入口には修行先の屋号が入った白暖簾が掛かっており、これぞまさにお墨付きの暖簾分けの証だ。店内に入り券売機で否応なしに味噌のボタンを押す。数あるトッピングの中から冒険心で煮たまごだけは追加した。テーブル席も配置された店内のカウンターの奥に座り店内物色を開始。と思ったが調理場内は、すりガラスに囲まれた完全非公開。仕方なしに客席を見渡す。カウンターの背後には店内待ちのスペースがあるが席はなくスタンディングで待機する。ホールの床が老舗中華料理屋のように滑るので注意が必要だ。テーブル横には無数のラーメン本が置いてあり待ち時間も退屈は避けられそうだ。そんな店内を三人体制で回している。

カウンター越しには調理工程は全く見えないがワンロット5杯くらいの勢いで、着席して6分程で我が杯が到着した。その姿は胴が朱色の丸みのある多用丼の中で荒々しい表情ながらも静寂に佇んでいる。

まずはラードで覆われた榛色のスープをひとくち。レンゲが液面の油膜を破ると静寂が一変して、強烈な熱気を持った湯気が立ち昇る。大量のラードの下で煮えたぎるようなスープが待ち構えていたのだ。その湯気からは飲まずとも白味噌と香味野菜の香りが鼻腔に突き刺さる。いざスープを口に含むと鼻から入ってきた香りとは違う香りを感じた。それはナッツのような種実類の香りだ。しかも香ばしい煎り豆のようで食欲を刺激する。その後で白味噌の甘みと野菜の甘みが重なって口に広がる。見た目のオイリーなラードの量からするとサッパリとした口当たりでしつこさはない。かと言ってコクがない訳ではなくスープと油脂のバランスを保っている。スープの土台となっているのは豚骨系だと思うが特有の匂いや濁りもかんじないので、沸騰させないようにじっくりと炊き出した豚清湯スープのように軽やかだ。

熱々のスープに隠れた麺を箸で持ち上げてみると、修行先よりも少し細めの中太ちぢれ麺が顔を出す。黄色みを帯びた透明感のある卵麺のちぢれにはスープの油分がまとわりついてキラキラと黄金色に輝いている。密度の濃そうな重みのある麺を啜ってみると、啜りやすいように麺の長さが短めにしてある。スープが拡散しやすいのが難点のちぢれ麺だが、こちらの麺ならば気にせずに思い切り啜ることができる。その度に味噌の塩気とニンニクの香りが押し寄せてくる。おじさんには少し強すぎると感じて、うすめ用のスープをお願いした。わずか50ccほど薄めただけで穏やかな塩分濃度に変わったが、ニンニクの香りは治らなかった。しかしこのスープ割のサービスはありがたく感謝した。初動では気になったニンニク臭も味覚とは鈍感なもので次第に気にならなくなっていた。しかしそこに新たな刺客が現れた。それはおろし生姜の洗礼だった。液面に浮かんでいたのは確認していたが、麺を食べる度にスープに溶け出した生姜の威力は強く、あっという間にスープを支配していた。ここからは味噌とニンニクと生姜の三つ巴の刺激の強さと戦いながら食べ進める事となった。

グルテンのみっちりと詰まった麺を噛みつぶすと薄っすらではあるが甘みがにじみ出す。スープの香りが強いのでハッキリとはしないが小麦の風味も感じられる。喉元を通り過ぎていく感覚も楽しく躍動感のある麺は食べ飽きそうにない。

具材のチャーシューはホロホロとした優良焼豚。豚肩ロースの煮豚型で厚切りで添えてある。赤身の筋肉の繊維質の一本一本が独立した身離れが噛みしめる度にほぐれていく。このチャーシューなら追加しても色んな食べ方が出来そうだが、今回はデフォ注文なので一枚限定により、単体で食べる他はネギと合わせるくらいしか手段がなかった。しかしこのネギチャーシューとして食べた時は平日の昼間なのに「ビールください!」と言いそうになったほどだ。

追加した煮たまごは香りの強いスープの中でのバランスを考えてだろうか、控えめな味付けとなっていた。下茹での半熟具合は見事だったので、思惑通りの口直しとして存在を発揮していた。

メンマは板状のメンマで硬さを残した仕上がり。こちらも味は控えめでメンマ自体の香りが楽しめる。単体で食べても良し、麺と絡んでも良しと歯応えや口直しの両面で仕事をしている。

じっくりとあおられたモヤシやタマネギの野菜類もクタクタの食感が「らしさ」を出している。30年近く前に札幌で初めて食べた時は、モヤシはシャキシャキの方が良いのになと思った記憶がある。しかし今になってみると、この方が野菜の甘みを感じるし、麺との相性もよく思えてきた。具材ではなくスープの一部と思えば納得がいく。こちらのモヤシにはタンメンの野菜のような食感は求めてはいけないのだと、改めて気づかされた。

薬味は大量の白ネギのみ。粗雑に切られたように見えるが、このくらいの大胆さがないとスープや麺に負けてしまう。最初は虎のように凶暴な食感に思うが、熱々のスープに浸せば飼いならされた猫のようにすり寄ってくる。この熱変化による白ネギの持つ特有の甘みも、スープに溶け出して深みを増す。

中盤からもスープの塩分ではなくニンニク臭に追いかけられて口の中が疲れてきた。スパイスよりもダイレクトに感じる刺激臭に手こずりながら麺と具材は完食したが、スープはほとんど残してしまった。

席を立ち店を出ると、外には開店時よりも多い行列が続いていた。中にはネクタイ姿の若いサラリーマンの三人組も見られたが、大切な昼休みの全てをこちらに捧げるほどに、若者には絶大な人気を誇る味噌ラーメンである事を知った一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「チャーシュー麺 味噌 ハーフ ¥900」@すみれ 横浜店の写真日曜日 晴天 18:20 中待ち6名 外待ち24名 後待ち20名以上

〝怒涛の味噌ウィーク〟

と題して、初の味噌ラーメン限定で一週間を過ごそうと決めた。夏場に開催した塩ウィークを終えた時に、寒くなったら絶対に味噌ウィークを開催しようと思っていたのに、今年の冬は暖冬なのか厳しい寒さの日は数えるほどで、味噌ラーメンを恋しいと思う時がないままに本日を迎えていた。

しかし今月は寒さこそ先月と変わりないが、衝撃的な一日を迎えていたのだ。それはこちらの出店のニュースだった。正直言ってレビューを覚え書きする前から、都内では味噌ラーメンを食べた事がほとんどない。しかしまだ若かりし頃には、札幌に行った際には必ずと言ってもいいほど「すみれ」さんを訪ねたものだった。だがしかし訪れるのは、必ず深夜の遅い時間帯で酒も当時は浴びるほど呑んでいたので記憶も定かではないが、雪国での〆のラーメンとしては最高傑作だった事は覚えている。

だが札幌以外での出店となると気が向かず、ラーメン博物館はおろか、直系のお弟子さんたちの店すら躊躇して行った事がないのが事実だ。それどころか数ある関東近郊の名店の味噌部門も見て見ぬ振りをしてきた。その思いは日本国内で、バドワイザーやコロナビールをを飲んでも現地で飲んだ味わいには到底かなわないのと同じだ。

しかし今回はレビューを始めた事が後押しをして初訪問を決意した。どうせ決意したなら今まで溜め込んだ味噌へのフラストレーションを一気に吐き出してやろうと、味噌限定ウィーク開催を高らかに宣言する。

そこで本日はオープンして初の日曜日で混雑の予想される夜の部のピークタイムにもかかわらず桜木町へと向かった。日曜日と言えども午後6時の野毛小路は大人の誘惑がいっぱいで、先を急ぐ足どりを遮ろうとする。もつ焼き屋の煙の匂いや鉄板焼きのソースの匂いをくぐり抜けたかと思ったら、その先には更に大人の誘いが待ち構えている。ここが札幌ススキノならば、迷わず飲んでからラーメンに行くところだが、ここは横浜、知ってる誰かの目があるやも知れず一目散に店を目指した。

度重なる誘惑と言う名の試練をかいくぐり店先にたどり着くと、そこには大勢の人だかりが。秩序よく整列していると言うよりは、どこが最後尾なのかも分からないような並び方だ。それは何故かと言うと、日曜ならではのご家族連れや5,6名の観光客がほとんどで代表者が並んでいれば、並びを抜けてタバコを吸っている人がいたり、コンビニに酒類を買いに行ってる人がいるので列が曖昧になっているのだ。

そんな中でも待ち人に尋ねながら最後尾に続いた。ガラス越しに見える暖かそうな店内を寒空の下から羨ましく眺めているが、なかなか列が進まない。それは家族連れや団体客は同席を希望するのが当たり前で、空席はあるが稼働率は悪くなっているのだ。停滞している行列は団体客が入店すると一気になだれ込む動きを何度か繰り返し50分ほどで中待ちにランクアップ。

タッチパネル式の券売機で品定めする。チャーシュー麺は食べたいが、量的に不安があるので麺はハーフにして発券した。すると中待ち席に座る事なく、運良く一席だけ空いたカウンターに案内される。卓上のお冷やに手を伸ばしたが、口にせずとも生臭いと感じた。グラスからなのか水自体かは分からないが、飲めないほどに臭い水には困った。たまたま持ち合わせたミネラルウオーターがあって助かった。水の匂いだとスープにとっても致命傷だが、グラスが臭いなら対処法はあるのでご検討願いたい。推測ではあるが食洗機を使われているので、ラーメン鉢やグラスを一緒に洗っているのではと思った。もしくは昼の部と夜の部の間に、食洗機の中を洗ってないのが原因かと思う。

オープン直後でオペレーションも定まっていない店内を、サッカーチーム並みの11人体制で回している。万全を期す態勢ではあると思うが、手持ち無沙汰で立っているだけの時間も多く見られる。

選ばれし代表イレブンの11人のポジショニングは、行列をさばき注文を伝える司令塔が1人。客席を回りバッシングやキャリーを担当するミッドフィルダーが3人。洗い場やサプライを担当するディフェンス陣が3人のスリーバックシステム。そして花形のフォワード陣はスリートップを採用。向かって右サイドからチャーハン担当、センターはスープの要、あおり担当。左サイドは麺上げ担当の超攻撃的布陣。そして後ろには盛り付け補助のトップ下が1人控える安定のフォーメーション。本日は盤石の布陣で挑むが、本来ならば7人くらいが適当な人員かとも思われる。

札幌代表ベストイレブンの動きを見ていると着席して10分ほどで我が杯が到着して。屋号の入ったオリジナルの鳴門丼の中の姿は、ハーフにしたので威圧感もなく大人しい表情をしている。しかしこの大人しさが、のちに大波乱を呼ぶのだ。

まずはたっぷりのラードが油膜を張ったスープをひとくち。口当たりはラードが先行してくるのでシルキータッチ。油の甘味が口に広がると後から味噌のコクが追いかけてくる。やはり醤油や塩には出せない熟成した深いコクだ。その土台には豚清湯スープの力強い旨みと昆布などの魚介系の旨み、それに野菜由来の香りと甘みが加わり基礎を築いている。そのスープの旨みが引いていくと現れるのは香味野菜のアクセントだ。フレッシュさを担当するのは、生のおろし生姜の爽やかな清涼感。そして力強い香りを担うのは、なんと言ってもニンニクの風味だ。その風味はスープに潜んでいるのではなく、札幌味噌ラーメン独自の手法によって生み出させる香ばしさなのだ。それが〝あおり〟と呼ばれる、中華鍋でニンニクなどの香味野菜と味噌玉や豚清湯スープ、ひき肉やモヤシなどの具材を一気に炒めてスープに仕上げる調理法だ。こちらの店もガラス張りの厨房のセンターには〝あおり〟専属のスタッフが、炎を巻き起こしながらスープをあおっている。やはりこの独特のコクや香ばしさは鉄製の中華鍋にしか出せない旨さだろう。

それと私だけが思っているだけかも知れないが、スープの後味に残るスパイシー感がカレーの風味に思えて仕方ないのでだ。本家の札幌でも感じたのだが、このスパイシーさが酒を飲んだあとに自然と身体が欲する一因でもある気がしてならない。

麺は箸で持ち上げてみると、ずしっとした密度の濃さが伝わってくる。麺上げまで300秒を超えていそうな中太ちぢれ麺は、ご当地札幌の老舗製麺所特製の33丸麺。(※店内に看板があったので分かりました)この麺は透けるような黄色みを帯びているのでカンスイ臭を心配させるが、全く臭みなどない。カンスイ由来の黄色みではなく卵由来の色づきが独特の色みを着けている。卵由来の効果はそれだけでなく、箸先からもプリッとした弾力が伝わってくる抜群の麺ディションだ。その麺をスープのとび散りなど気にせずに大胆にすすってみる。すると麺肌のひねりが唇をくすぐるように飛び込んでくる。かと思えば弾けるように口の中を跳ね回り、頬の内側や上あごを刺激しながら暴れまわる。奥歯で押さえ込もうとしても跳ね返す弾力が強く捉えづらい。ようやく奥歯で噛み潰すと麺自体の甘みが口に広がる。その麺の甘みと味噌の風味が二人三脚を組んで口内を走り回る。よくぞ、この麺とスープが出会ってくれたと思わずにはいられない組み合わせだ。

具材は豚ウデ焼豚が二枚とひとかけら。チャーシュー麺にしたのに迫力がないなと思っていたら、隣の小学生くらいの女の子が同じチャーシュー麺のハーフを頼んでいた。私の次のロットでの配膳だったが、提供された同メニューを見て目を疑った。その女の子のチャーシュー麺にはチャーシューが四枚も乗っていたのだ。私のもスープの底に沈んでいるのではと、箸で探ってみたがどこにもない。写真を見ても二枚しかなく、小さな謎の肉片を含めたとしても三枚しかない。ハーフにしたので二枚なのかとも思ったが、金額的にはしっかりとプラス300円は払っている。明らかな盛り忘れだと思った。残念だったがスタッフに、小学生のラーメンと比べて問うのも大人気ないかと思いとどまった。

気を取り直して食べてみたが、豚肩ロースよりも脂身やスジの部分が多いので硬めの食感が気になった。それは冷たさにも原因があるかとおもうが、赤身の旨みはなくパサつきすら感じるチャーシューなので、二枚で十分だったと強がってみる。

メンマは麺との相性が良い中太タイプで食感が絶妙。乾燥メンマを戻しすぎないシワシワの肌質が引き締まった食感を生んでいる。味付けは力強いスープの中でも負けない仕上がり。それは強めの味でスープと勝負するのではなく、発酵臭を活かした薄味が独特の風味を効かせて存在感を示している。

具材というよりは〝あおり〟の副産物でもある豚ひき肉も味噌ラーメンの楽しみのひとつであるが私のラーメンの中には、ほとんど確認できなかった。横浜店ではひき肉を入れないのかもと思ったが隣客のラーメンには、たっぷりと入っていた。レンゲで探してみたが数粒しか見つけられなかった。ワンロット6杯のオペレーションなので、配分されるひき肉の分量に誤差が出てしまうのだろう。下ブレとしても残念で仕方ない。

モヤシとタマネギの食感はクタクタで本数も数えるほどしか入っていなかったが、なぜか麺との相性が良く邪魔をせずに寄り添ってくる。モヤシはシャキシャキが良いという概念を覆される。

薬味の白ねぎは荒々しい切り口だが味噌との相性は言うまでもなく、普遍的な薬味として確立している。

ハーフにしたので麺も適量で食べ終えはしたが、盛り付けの下ブレが後を引いてしまい満足とはいかなかった。食べ終えて店を出る時にも大行列が続いていた。かなり強気の価格設定でも勝負できるあたりはネームバリューの力を思い知った一杯でした。

投稿(更新) | コメント (3) | このお店へのレビュー: 1件