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のらのら

男性 - 東京都

はじめまして。レビュー開始から一年が経ち、二年目の目標を全国制覇にしました。一杯のラーメンに出会うまでの経緯も書き記しているので、前置き等が長くなりがちですがお許しください。しかし採点に関しては立地 接客 衛生面 価格設定などは考慮せずに、ラーメン一杯に対しての評価にしています。自分の好みだけで評価しているので不快な文面もあると思いますが、何卒宜しくお願いします。

平均点 73.435点
最終レビュー日 2019年7月19日
568 460 14 1,850
レビュー 店舗 スキ いいね

「特製鶏中華そば ¥1100」@中華そば 馨の写真平日 小雨 11:30 店内満席 中待ち1名

〝ニューオープン パトロール〟

また新たな新店情報をRDB内で見つけると、居ても立っても居られずに品川駅に向かっていた。

これは昨晩の事で、入手した新店情報が小田原とあっては前泊して初訪問しようと思い立ったのだ。そこで 19:34 品川発 こだま683号 新大阪行きに乗り込むと30分もかからずに小田原駅に降り立った。とりあえずは新幹線の車内で見つけておいた温泉付きの宿泊施設に向かい寝床の確保には成功した。

都内の温泉施設とはスケールが違う屋上露天風呂と大浴場やサウナで汗を流した後は深夜を過ぎても利用可能な食事処で、神奈川ならではの工場直送の生ビールを楽しんだ。黒ビールの生が飲めるのは珍しいのでハーフ&ハーフにして飲んだり、そのままの黒ビールを日付が変わるまで楽しんだ。深夜のフードメニューにもラーメンがあったが、ここは自粛して仮眠室で眠りに就いた。

翌朝は快適に目覚めると小田原観光には目もくれず、11時半オープン前の現着を目指して温泉施設を出発した。歩いて向かうと20分近くかかるようなので、小雨が降っている事もありバスルートを利用する事にした。観光客で賑わいのある東口とは違い、地元の方の利用が多そうな西口から伊豆箱根バス 佐伯眼科行きという個人病院の名前が終点となっているローカルバスにて揺られること3分で最寄りの荻窪西バス停に着いた。このとき小田原にも荻窪がある事を初めて知ったが本当にバスに乗る意味があったのだろうかとルート検索を疑った。そこからは歩いて店を目指したが、より近いバス停もあったので別ルートの方が良かったみたいだ。バス停からは小田原市役所を大きく迂回するように歩いて行くと「ラーメン」とだけ赤文字で書かれた以前の店のものと思われる看板が見えてきた。明らかに観光地の小田原でなく、地元客優先の立地にも店主さんの強いこだわりが見られる。店先に近づくと開店祝いの花が雨に打たれて並んでいて、すでに店はオープンしており店内は満席となっていた。雨の中だったので少し早開けだったのだろうと思うと、店の心づかいが伝わってきた。

店内に入ると入口左手の券売機にて本日のお題を決めるが、開店しばらくは中華そばだけに絞ったメニューとなっていた。せっかく小田原まで足を伸ばしたのでハイエンドメニューの特製を発券して、三席だけある中待ちイスの二番目に座り店内を見渡してみる。外看板などからも居抜き物件と思われるが、新しく改装されていて清潔感があり居心地は良さそうだ。一直線ではなく構造上の都合で段違いに設置されたカウンターだけの店内を店主さんお一人で切り盛りされており、お冷などはセルフスタイルとなっている。調理場内に目を向けると新しい厨房機器や使い込まれた中古品などが入り混じった、開店資金を節約されているのが分かる。しかし直接客の口に入る食材を扱う電動スライサーなどの機材には新品が使われている辺りにも、ご主人のこだわりが表れている。それとは逆にガス台などには中古品で揃えてあり、その上に置かれた寸胴鍋の中では丸鶏や胴ガラなどが温度計で一定温度を守られて沸騰する事なくじっくりとスープが炊かれている。ご主人のこだわりは提供する器にも表れていた。今や器を温めるのは常識ともなってきたが茹で麺機の蒸気で温める店が多い中で、わざわざ大鍋で湯を沸かして器専用の湯煎で温めているのだ。これならば器がベタつくような事がないので最善の方法だと思った。そんな細やかな気配りに期待を大きくしていると、20分の中待ち待機を経てカウンターに昇格した。

セルフで水を汲んでから、卓台に食券を置くと店主さん渾身の調理が始まった。一度に大量生産をせずワンロット2杯を確実に仕上げていくスタイルで出来上がった我が杯が、着席して6分で到着した。その姿はシャープな切立丼の中で、最近よく見かける流行りの容姿でお目見えした。その姿を見た時に直感的に味の想像がついてしまい、初対面の楽しみを半減させてしまっているのが少し残念でもある。言い換えれば、それだけ鶏清湯のジャンルが広まった証でもあるのだ。もしかしたら見た目の予想を裏切ってくれるかもと期待しながらレンゲを手にした。

まずは赤銅色のスープをひとくち。醤油の色素を強く打ち出してはいるが、さすがに丁寧に炊かれたスープの透明感は美しく澄み切っている。そんなクリアなスープの液面には 20cc程と多めの鶏油が覆い隠していて、香りや湯気を閉じ込めている。そんな厚手な油膜をレンゲで破ると、醤油のキレのある香りが立ち昇ってきた。シャープにも感じる香りの中でスープを口に含むと、予想していた味わいとは少しだけ違った印象を受けた。鶏出汁の甘みやコクが先行する鶏清湯スープかと思ったが、どちらかといえば醤油ダレがキレと酸味を主張している。確かに丸鶏の旨みも強いがカエシが絶妙なバランスをとっているのでクドくない味わいに仕上がっている。甘みと酸味が折り重なる事で、スープが一辺倒にならずに複雑に感じられる。

多くの鶏油で口内に油膜が張り巡らされた所に麺を追いかけてみようと箸で持ち上げてみると、黄色みを帯びた切刃のエッジが微かに残る中細ストレート麺が現れた。麺上げまで100秒の麺を持つ箸先からは適度な重みが伝わってくるので、加水率は高くもなく低くもない平均的と感じとった。そんな麺を一気にすすり上げると麺肌にはグルテンが溶け始めて柔らかさを表現して、芯の部分にはコシの強さも感じられる二層構造的な麺質が特徴的だ。鶏油が潤滑油となって勢いよく滑り込んできた麺を噛みつぶすと、小麦の甘みが弾けてスープの塩気と酸味がスパイラルとなって昇天する。良くあると言ってしまえばそうではあるが、この安定感のある組み合わせは認めざるを得ないのも確かだ。

具材のチャーシューは二種類が切り立てにこだわって盛り付けてあった。一切の切り置きをせずにロット毎にスライスされた豚肩ロースの低温調理は、あまりの大判にも驚いたが厚みを持たせたスライスには更に驚いた。惜しげも無く分厚くスライスされたチャーシューを思い切り頬張ってみると、圧倒的な食べ応えとなってチャーシューではなく別の豚肉料理を食べているようだった。味付けは控えめなので物足りなさもあったが、豚肉本来の質が良いので獣臭さは出ておらず食べる事ができた。低温調理と言ってもレア感はなく、きちんと温度管理された安心できる仕上がりでもあった。一方の鶏ムネ肉も低温調理が施されていて、こちらは少しレア感があったが下味のソミュール液に使われたローズマリーなどの香辛料の香りが生っぽさを軽減して生ハムのような作りとなっていた。レアチャーシューならではのしっとりした舌触りが上手く引き出されていて、厚切りのカットも歯応えを良くしていた。

ワンタンは鶏肉餡が柔らかさが特徴的ではあったが、肉餡の劣化を避ける為に仕込んでから冷凍管理して保存されているようだ。なので今回分のワンタンは肉餡にギリギリ火が入ってない半生の状態で提供されていたのが残念だった。すぐに口から出してスープの中で再加熱して難を逃れたが、これには伏線とも言える理由があったのだ。実は写真からも分かるようにワンタンが最初は一個しか入っておらず、後から別皿で提供されたものが二つあったのだ。その後から追加されたワンタンを先に食べたのでオペレーションの手違いで店主さんが慌てて茹でられたのだと思うが、少し茹で時間が足りずにこの結果となってしまったのだろう。オペレーションのミスと言うよりは、もしかしたら冷凍によってワンタン皮のコシが弱くなって破けてしまったのだと思うが今回はイレギュラーなワンタンに当たってしまったようだ。それでもしっかりと熱を通したワンタンからは適度な香味野菜や中華香辛料の香りが個性的な肉餡となって支えている。やはりワンタン皮は溶けるほどに柔らかすぎたので喉越しとしては良いとは言えないのが本音だ。

味玉は黄身の半熟具合は平均的だが、白身の柔らかさには驚いた。もしや黄身よりも柔らかな白身の味玉には出会った事がなく、どんな調理方法で仕込まれた味玉なのか大変気になった。柔らかさでは申し分ないが、食べやすさの面では箸で割った瞬間に白身が崩れてしまいスープの中でバラバラになったのには困ってしまった。

メンマは穂先メンマで仕込まれていてスープの醤油感の強さに反して薄味となっていた。適度な発酵臭を残しながら、柔らかくも麻竹の繊維を感じさせては消えていく食感は面白いアクセント役を演じてくれた。

薬味は潔く青ネギの小口切りだけどシンプルになっている。不思議と香りを感じられず青ネギらしさは出てなかった。また舌触りも乾燥気味で違和感が残った。

中盤からも麺の食べ心地の良さで完食したが、ワンタンの不具合などがあったので採点は下がってしまった。もし全てがベストの状態だったならば80点オーバーは間違いないはずだった。食べ終えて席を立つ時にも、雨の中でも客入りが続いていたので地元の期待の大きさを感じながら店を後にした。

ちょうど良い帰りのバスがなくて、小田原駅まで歩いて帰る道の途中でも、観光地の海側の顔とは違った生活感のある山側の雰囲気を味わいながら20分かけて歩いて帰る事になった一杯でした。

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「ワンタンらーめん(正油) ¥970+煮玉子 ¥140」@らーめん 味咲亭の写真土曜日 雨天 11:30 先客6名 後客8名

〝ニューオープン パトロール〟

RDBの新店情報の中に少し前までは挙がっていなかった気がする店名を見つけた。少ないお店情報では、すでにオープンしてから一週間が過ぎており遅ればせながら初訪問を決めた。

とは言っても営業時間こそ明記されているが、定休日やラーメンの写真が全くないので苦手系ラーメンへの不安が募る。そんな中にメニューの写真だけを挙げて下さっているレビュアーの方がいてくれたので拝見してみると、しっかりと構成されて作り込まれたように見られるメニューからは大手資本の匂いがしなくもない。しかしラインナップ自体は苦手系ではなさそうなので一安心した。

初訪問を決めたはいいが自宅からではかなりの距離があるので、もはや定番となったサウナに前泊してから乗り込む計画を立てる事にした。神奈川遠征の拠点とするなら横浜界隈が最有力地なので、以前から興味のあった横浜駅直結の天空のスカイスパをネット予約しようと試みたが空室がひとつもない。たとえ金曜の夜といってもそんな事はないだろうと直接電話をかけてみたが返事は同じで満室らしい。どうやら対応してくれたホテルのスタッフによると、横アリでベビメタのライブがあるらしく周辺の宿泊施設はどこも満室のようだ。なので仕方なく関内まで足を伸ばして常宿のホテルをとった。

横浜めぐりでは何度もお世話になっている関内なので、馴染みのBARもできている。そこで昨晩は関内ナイトを少しだけ楽しんでからベッドに身を沈めた。

翌朝は11時半開店前の現着を目指すために、午前10時前にはホテルをチェックアウトしてブルーラインの関内駅に向かった。まずは終点の湘南台駅まで快速電車で30分、文教大学行きの神奈中バス 湘17系統に乗り換えて20分、さらに茅26系統 茅ヶ崎駅行きに乗車して5分と小刻みな乗り継ぎで最寄りの腰の山入口バス停に、関内駅からトータル1時間以上もかけてたどり着いた。奇跡的にここまでは雨の中でも傘を開く事なく来られたが、ここからは降りしきる雨の中を歩いて15分もの難関が待ち受けていた。

高低差のある住宅街を山鳩の鳴き声に導かれるようにひたすら歩いて行くと、突如として飲食店が立ち並ぶ交差点が現れた。そこに佇む建物の一角に真新しい白のれんが揺れている店先を見つけた。定刻ちょうどに着いたのだが、すでに立て看板は営業中となっていて店内にはラーメンを食べている客人もいて驚いた。それよりも驚いたのは店の目の前にバス停があった事で、あとで調べてみたら開店時間前の現着を考えなければ歩かずにすんだルートがあったようだ。全てに意表を突かれて動揺してしまったが、心を落ち着かせながら傘をたたんで白のれんをくぐった。

店内に入ると券売機はなくカウンターへと案内される。卓上には他のレビュアーさんが挙げてくれてた唯一の手掛かりだったメニューが置かれてある。はじめて見るのに何故か懐かしくもあるメニューの中から、遠くまで来たのでせっかくだからワンタンらーめんに煮玉子を追加してホールスタッフさんにお願いした。すると白正油か正油の選択を問われ、マイスタンダードの正油を告げた。

カウンター越しに店内を見渡すと、すでに食べ終えている方もいるので11時オープンなのかもしれない。そんな客層は後客も含めて私以外は 100% 地元の家族づれで、休日の昼ごはんを楽しんでいる和やかな風景である。そんな客層に対応できるようにテーブル席が多く設けてあり、広々と食事が出来そうな客席だ。そんな店内を本日は四人体制で回しているが、調理を担当されているのが男性店主さんだろう。すでにベテランの域に達したように見える店主さんの仕切る厨房内は、スープ炊き用の大型寸胴鍋から雪平鍋まであらゆる調理器具がピカピカでまぶしいくらいに輝いている。ふとカウンター上の壁を見上げると「当店の一押し 白正油らーめん」と達筆で書かれた貼り紙があった。それを先に知っていれば白正油にしたのにと後悔していると、着席して5分もせずに我が杯が到着した。

その姿は白磁の八角丼の中で哀愁を帯びたノスタルジックな表情で出迎えてくれた。その景色はとても穏やかで淡い色合いが素朴さを醸し出している。そんな姿に昔ながらの要素を感じながらレンゲを手にした。

まずは淡香色のスープをひとくち。透明感はあるが純真無垢とは違った微かな陰りも見せるスープにレンゲを落とすと、粒子を見せない油膜が波を打った。薄っすらと張り巡らされた油膜を破って立ち昇ってきた湯気には、繊細な動物系スープの香りが含まれている。その香りからも昔ながらを思いながらスープを口にすると、鶏ガラ主体の軽やかな旨みが穏やかに広がった。鶏主体といっても今流行りの鶏清湯とは違って、鶏油のコクに頼らずにあくまでもサラリとした仕上がりになっている。鶏ガラと香味野菜の旨みと香りが織りなすスープには、昔ながらの素朴さゆえの動物系独特のクセや旨味の底上げも感じてしまった。味の輪郭作りをするカエシは〝一押し〟ではない方の正油を選んだが、濃口醤油の色素を感じないので淡口醤油のカエシと思える。正油でこの色合いならば白正油だとより淡いのだろうか気になるが、両隣りの客人も普通の正油を食べていたので確かめられず残念だった。

スープの中で優雅に泳いでいるストレート細麺を箸で持ち上げてみると、黄色みを帯びた透明感のある麺肌も懐かしく映る。かなりの細麺だが麺上げまで120秒と長めにしては凛としたハリが箸先からは伝わってくる。丁寧に麺線を整えられてはいるが、所々で麺が癒着して絡まってしまっていた。そんな麺をスープの中でほぐしながら啜ってみると、細麺ならではの鋭いキレのある口当たりで滑り込んでくる。また麺間には多くのスープが蓄えられているのでスープ絡みが非常に良い。口当たりは心地良いが、麺を噛んでも引き立つ香りが乏しく小麦の風味はほとんど感じられない。特にカンスイ臭がする訳でもなく、味わいや香りを欠いた食べ応えには物足りなさを感じる麺だった。

次に主役級の扱いでもあるワンタンを頬張ってみると、肉餡を〝包み込んだ〟と言うよりは〝畳み込んだ〟と言った方が適切な見た目のワンタンだ。球体ではなく板状に作られたワンタンを噛んでみると、中華香草がほのかに香るが印象的には薄くも感じる味わいだ。それでも餡に使われた豚ひき肉の鮮度が良いのか臭みはなく、肉厚なワンタン皮の弾力もおもしろい。こちらのワンタンは喉越しよりも食べ応えを優先して作られているよに感じた。そんなワンタンが六個入りだが価格設定には賛否が問われそうだ。

具材のチャーシューは豚肩ロースの煮豚型が半カットされて入っていた。本日分の私に切り分けられた部位はスジの多い部分が盛ってあったが、とても味付けが薄く下茹でだけのような豚肉からは獣臭さばかりが際立ってしまっていた。またスジ切りの悪さからも噛み切れない部分があったりと飲み込むのに一苦労する場面もあった。

メンマも流行りの極太メンマなどは使わずにオーソドックスな板状の細メンマを添えてある。あえて味付けにも個性は付けていないが、少しぬめりのある独特の食感はアクセントになっていた。

ここまで全ての食材が昔ながらのスタイルを貫いていたので懐かしさはあるが物足りなさも感じていたが、追加した味玉ばかりは現代風にアレンジされた具材となっていた。初見では半カットされた黄身が偏ってしまい見た目の悪さを思ってしまったが、食べてみると想像してなかった出来映えに驚いてしまった。それほど熟成度を感じない黄身に見えたが、口に入ってきた時の濃厚な卵黄の旨みは他では味わえないような高品質を感じた。浸けダレの浸透もさほど感じない色素をしているが、煮切り酒の香りがしたかと思えば醤油などの旨みに頼らない卵本来の旨みが爆発するような仕上がりを見せる。最初は煮玉子 140円 と強気に思えた値段だったが、食べてみると 200円 でも高くはないと思える味玉だった。

薬味は青ネギと白ネギの二刀流で添えてある。どちらも小口切りだが切り口の鮮度も良く香りも十分に感じられる名薬味だった。

序盤から不必要な旨味に追いかけられ続けて中盤以降は味覚が疲れはじめてきたので、麺を少しとスープは全てを残してしまった。

最後の印象は良く終わりたかったので半カット分を残しておいた味玉を楽しんで箸とレンゲを置いた。

あれよあれよと言う間に店内は満席となっていたので地元の期待の大きさを思いながら店を後にした。あわよくば帰りのバスが目の前のバス停からあればと望んでしまったが、次のバスまでは50分待ちと儚い願いは叶わなかった一杯でした。

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「らーめん 醤油 ¥780+味玉 ¥100」@川の先の上の写真日曜日 曇天 13:45 先待ち9名 後待ち4名 後客3名

〝ニューオープン パトロール〟

午前中に赤坂での一食目を終えるとTBS近辺で連食先を求めてRDBを開いてみる。本日は天候が下り坂との天気予報だったので近場にて新店めぐりをするはずなのだが、候補の店が近隣では見つからずに連食計画を断念しようかと考え始めた。

しかし昼前の時点では曇り空は厚くなってきてはいるが雨は降っていない。ならば少し離れた場所で新店情報を見てみるとコチラが急浮上してきた。お店情報ではオープンして三日目の新店のようで、情報量が著しく乏しい。水曜定休だけの情報で営業時間も記載されてはいないが、何の予定もない日曜日なのでダメ元覚悟で初訪問を決めたが横浜よりも遠い場所だった。

赤坂からは溜池山王まで腹ごなしを兼ねて歩いて向かい、銀座線にて新橋で京急本線直通の浅草線に乗り換えると運良く快特だったので最寄りの上大岡駅まで40分足らずで降り立った。この駅も人生初だったが駅ビルの大きさに驚き、行き交う人の多さに住み心地の良さを想像した。連食する程の空腹ではないので駅ビル内で時間を過ごしながら連食スペースが空くのを待った。

二時間もすると胃袋に余裕もできたので駅前から再出発した。マップの指示通りに進んで行くと「川の先の上」の屋号の由来となった川に架かる橋が現れたが〝上〟を連想させる上り坂がなく不安になる。川の先の交差点までは来たが思っていた景色とは違い平坦な場所なのだ。すると開店祝いの花が並んだ小さな飲食ビルが目に入った。もしやそこではと近寄ってみると、ラーメン鉢をイメージしたロゴマークの看板があった。その奥には二階へと続く階段があるのを見て〝川の先の上〟の意味がようやく理解できた。

二階の店先の外待ちイスには並びが出来ていたので最後尾に付けて店外待機となった。店外と言ってもテナントビル内なので日差しや雨風を避けられる最高の待合席だ。行列の進みも順調で、さほど待つ事なく外待ち一番手まで来た。すると行列整理のスタッフさんに食券の先購入を促され店内左手券売機にて品定めをするが、迷わずにマイスタンダードである醤油系に味玉のコンビを発券して外待ち席へと戻る。

階段に飾られた数々の花の送り主を見ているとラーメン業界の方も多く見られるので、同業者内での親交の深さが伝わってくる。また同テナント内のスナックからの開店祝いも届いているので、きちんとしたご近所付き合いをされている証だろう。そんな事を思っていると最後尾から10分もせずに入店となった。

案内されたカウンターに座り食券を手渡し店内観察を開始すると、さすがは多くの系列店を待つだけに充実した厨房設備が目を惹く。最初に飛び込んできたのは入口右手の製麺室で、室内には大成機械工業の3型製麺機が鎮座している。入口付近に積まれた粉袋からも想像していたが、自家製麺である事は把握できた。さらにはラーメン店には珍しいチャンバー型冷蔵庫も設置してあり、スープの材料や自家製麺の保管に使われているようだ。そのチャンバーの手前には大型の吊るし焼き燻製釜も設けてあるので大好物である広東式叉焼への期待も高まる。

そんな圧巻の設備にも負けない総勢七人の豪華布陣でオープン特需を乗り切る作戦であるが、調理工程の全てを店主さんが一人で担っていてオペレーションとしては大変そうだ。その中で中華鍋を必要とする味噌ラーメンもメニューアップされているので、仕事量の多さは中途半端ではない。

本日の客層を確認しようと周囲を見ると、偶然にもカウンターの端の席にはラー◯ン官僚が座っていた。私が気付いたのとほぼ同時に調理中の店主さんも気が付くと、明らかにギアが上がった。と言うよりは少しパニックになってしまったようで、麺を茹で間違えて破棄したりと調理が滞ってしまった。スタッフ間での食券の置き場などが徹底されていない点も重なり、調理の流れが随分と変わってしまった。

スピードダウンしながらも冷静を取り戻してラー◯ン官僚に提供された塩ラーメンには、さすがに厳選された具材を盛り付けてあった。その区別は店側にとっては当然な事で、インフルエンサーとして影響力のある客人には細心の注意を払って然るべきである。そんなレアケースに見舞われながらも待っていると、着席して15分ほどで我が杯も到着した。

その姿は白磁に朱赤の刷毛目の描かれた高台丼の中で、美しい茶褐色のグラデーションを見せている。丁寧とは言いがたい盛り付けではあるが、全ての食材に命が吹き込まれていると感じられるオーラがある。そこには食べずとも美味いと伝わってくる何かを感じながらレンゲを手にした。

まずは唐茶色のスープをひとくち。清湯醤油ではあるが見た目にも深みを感じさせるのは深海を思わせるスープの色合いだろうか。見ているだけで吸い込まれそうなスープにレンゲを射し込むと、清らかな鶏出汁の香りが湯気にまとって上がってきた。いざ口に含むと第一印象としてはキレッキレの醤油感が先行する。それは決して塩気が強いのではなく、醤油ならではの複雑な風味が真っ先に脳に届いた。奥深い熟成醤油の旨みやフレッシュな生醤油のような酸味が重なった背後には、丸鶏主体と思われる動物系スープが土台をしっかりと築いている。鶏出汁からではないコクも加わっているのは香味油だろうか、ほとんど魚介の風味を感じないが鶏出汁だけではない深みがある不思議なスープに魅了された。もちろんカエシの塩梅も申し分なくボヤけない程度にメリハリを与えている。

完全にスープの虜になったところで麺へと進んでみる。麺上げまでジャスト60秒の自家製中細ストレート麺を箸で持ち上げると、あまり得意でないタイプのシルクタッチな麺質が箸先から伝わってきた。この感覚の自家製麺には噛み逃れしようとする歯切れの悪い麺が多い印象があり、不安になりながらすすってみた。やはり滑りの良い口当たりではあるが、思ったよりも奥歯の咀嚼に応えてくれる。グルテンの弾力や歯応えを楽しむタイプではないまでも、苦手な食感は免れたホッとした。そんな麺をすすり上げた時に感じたのは鴨油のような野趣ある香りだったので、香味油には鴨油も含まれているのだろうか。優れたバランスのスープの中に加わったコクがスープに奥行きを与えている。

楽しみにしていた具材のチャーシューは部位違いで二種類入っている。見た目の形状は豚ロースに見えるが肉質からは豚肩ロースと思われるチャーシューは、厨房内にある大型の吊るし焼き燻製釜で仕込まれたであろう絶品チャーシューだった。それは広東式叉焼と低温調理チャーシューとのハイブリッドのようで、レア感のある舌触りと吊るし焼きによる余分な水分の抜けた肉質の両方を楽しめる。しかも盛り付け直前にスライスする切り立てへとこだわりも嬉しい。ありそうで知らなかった良いトコどりのチャーシューとの出会いは衝撃的だった。このチャーシューの切り落としで飲むビールを想像しただけで喉が鳴った。一方の豚バラの煮豚型も秀逸で、赤身と脂身のバランスの良い部位を使い脂身の柔らかさと赤身の食べ応えの両面を引き出している。部位も調理法も異なるチャーシューには店主さんの〝焼豚愛〟を感じずにはいられなかった。

さらには〝メンマ愛〟にも溢れていて業務用味付きメンマを使う店が多い中で、当然のように手仕込みされた細メンマからも仕事量の多さが伝わってくる。完全乾燥メンマならではの発酵臭を残した下処理の丁寧さも感じ、それを活かした味付けも絶妙である。そんな手間のかかったメンマを惜しげもなく盛ってあるのもありがたい。手間を掛けられたメンマだけが表現できる食感は幾度もアクセントとなって変化をつけてくれた。

追加の味玉は好みの熟成タイプではなかったが、白身の柔らかさを最大限に引き出したオリジナルの仕上げには個性を感じた。しっかりと漬けダレも浸透して旨みや深みともに素晴らしくはあったが、黄身が形を留めずにスープに流れ出してしまう程の柔らかさばかりは独自の〝味玉論〟からは外れてしまった。

二種類のネギからも〝薬味愛〟を感じるが、白ネギの焼きネギは火入れが今一歩足りずに繊維質が残ってしまった。もっと真っ黒になるまで焼いた白ネギを、表面の焦げた皮を一枚剥いただけでネギの甘みが引き出される気がした。ひと手間かけた焼きネギではあったが、甘みも食感も発揮しきれてなかった。青ネギの小口切りは切り口の鮮度もよく軽やかな香りと歯触りが心地良かった。

中盤からは麺が少しダレてきた感覚があるが、早食いの本領を発揮して平らげた。スープを飲み干す事は自粛したが最後まで塩分過多を感じずにレンゲを置いた。

最初はイレギュラーな場面もあり不安な要素もありはしたが、環境面や接客はラーメンの評価に反映させない方針なので高評価は譲れない結果となった。ただ自家製麺と具材の一部が好みと違っただけで、他のスープも試してみたいと思える一杯でした。

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「ラーメン ¥700 (うす味 油少なめ)+味玉 ¥40」@家系総本山 吉村家の写真平日 曇天 10:50 先待ち19名 後待ち40名以上

〝第31回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟を開催する。

このイベントは、RDB PC版のオススメに挙がる六店舗から、その店のイチオシではなく、自分の好きそうなメニューを食べて採点し超高性能スパコンとの勝敗を決めるものである。決してお店との勝負ではないのは理解していただきたい。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちとする。

過去30戦の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」「らーめん かねかつ」「狼煙〜NOROSHI〜」「ラーメン大至」「中華ソバ 伊吹」「麺処 朧月」「Bonito Noodle RAIK」「中華蕎麦 とみ田」「陽はまたのぼる」「神田とりそば なな蓮」「ソバダイニング クアトロ」「旬麺しろ八」「MENSHO」「麺小屋 てち」「らーめん 鉢ノ葦葉本店」「らぁ麺 飛鶏」「中華そば 勝本」「◯心厨房」と名だたる有名店や人気店が並ぶが、通算対戦成績は30戦14勝8敗7分7KO 1没収試合と現在は私の勝ちがリードしている。

その勝因の一つには根本的なスパコンの誤認予測があると思われる。清湯醤油系が好みなので採点上位には〝淡麗系〟が並んでいる私に対するスパコンのオススメ店は、つけ麺のレビューを一度もしてないのに現時点ではPC版のオススメに三店舗ものつけ麺専門店が挙げられている。これは自己責任でもあるが、度重なる地方遠征で〝イタチごっこ〟となって挙がっている中部地方のラーメン店も二つある。あと残りひと枠に急浮上してきたのが本日の対戦相手となる家系のコチラなのだ。

〝家耐性〟を持ち合わせていない私だが、先月に町屋駅前にオープンした家系ラーメンの新店で家系史上最高得点の74点を付けたのをキッカケにスパコンが急に家系を推してきたのだ。しかしコチラを攻略しなければ手詰まりとなって進む道を断たれてしまう。そこで本日はスパコン対決では初となる家系との対戦を実現するために自宅を出た。

11時開店前の現着を狙って午前10時前に家を出ると東横線の特急に乗り込んだ。道中の25分ほどの車内でRDBにて対戦相手の下調べをしてみると、現在の家系の礎を築いた店の系譜を受け継いだ由緒正しき老舗点のようだ。そんな歴史を重く受け止めながら最寄りの横浜駅に着いた。そこからは浜風を全身に浴びながら歩いて行くと8分ほどで店先が見えてきた。店先と言うよりは驚異の行列が目に飛び込んできたのだ。定刻10分前の現着では遅かったようで、すでに日除けテント下の外待ちベンチは埋まっていた。その景色は浜スタの一塁側ベンチほどの大きさがあるにもかかわらず満席となっている。システムは食券を先買いして列に並ぶようなので、二台も設置されている券売機にて色付きの札を購入して歩道にて待機をはじめる。

開店時間が近づくと、あれよあれよと言う間に行列は膨らみ続けて歩道のキャパを超えるほどになっていた。それを察知してかどうかは定かではないが、定刻よりも6分も早くオープンとなった。まずは選ばれし一巡目前半の13名が店内へと流れ込むと、ここでようやく外待ちベンチへと昇格となった。すぐに食券の札を確認されると5分もせずにに一巡目後半の11名も店内へと誘導された。

店内に入りカウンターに座ると目の前の高台に札を見えやすいように並べて待機する。その間にセルフで水を汲んで店内を見渡す事にする。かなりの広さのある店内には大きなコの字に設置された古めかしい朱赤色のカウンターが印象的だ。ウォーターサーバーの横には小上がり席もあったが、スタッフさんのまかない弁当が置かれていて稼働はしていないようだ。奥には券売機導入前は使われていたであろうレジスペースがあり、大女将らしき女性が店内に目を凝らしている。そんな緊張感の漂う店内を本日は圧巻の九人体制で回している。それぞれの持ち場を守る白いハチマキ姿の男たちの勢いに押されないように待っていると、スタッフさんに好みの有無を聞かれたので気弱にも「うす味」の「油少なめ」でお願いした。そうこうしていると、着席して10分ほどで我が杯が到達した。

その姿は口縁が金で飾られた黒釉薬のオリジナル屋号の入った切立丼の中で、決して丁寧とは言えないが〝漢〟らしい表情で力強く出迎えてくれた。その丁寧さを感じない理由はチャーシューの上に一片だけ飛び散った青菜のせいだろう。しかし盛り付けや美しさは評価の対象にしないと決めているので、気を落ち着かせてレンゲを手に取った。

まずは胡桃色のスープをひとくち。見た目には油少なめが功を奏したのか、液面には荒々しい背脂や油膜はなく穏やかな湖の景色のようだ。私の中の家系のイメージとは違ったスープにレンゲを落とし込んでみると、レンゲを持つ指先に係る抵抗はかなり少ない。濃厚とは思えない認識のままにスープを口に運ぶと、手応えと同様に柔らかな口当たりを感じた。しっかりと乳化したスープの中には粉骨などのザラつきは全くなく、豚骨や鶏ガラ由来の動物性コラーゲンがたっぷりと潜んでいるのが分かる。唇と口内を覆った粘質がそれを物語る滑らかなスープにまずは驚いた。しかし、うす味にした結果が私にとっては残念な誤算となって表れていた。それはカエシの塩気が非常に弱く、味覚としては申し分ない塩分なのだが、その影響で豚骨特有の臭みが前に出てきてしまった。その臭気はスープを飲んだだけでは正直言って分からない程度のものだったが、この後の麺を啜った吸気の中では強く感じてしまったのだ。

それは120秒あたりから固茹でに対応した麺上げが始まり、基本の茹で加減では150秒ほどで麺上げされたストレート太麺から感じたものだった。多加水麺らしき重量を箸先に感じながら一気に啜り上げた瞬間に、不快な獣臭となって襲いかかってきた。スープだけでは感じなかったが、強く吸い込んだ時にだけ豚骨ではなく鶏ガラ由来と思われる余計な匂いを連れてきてしまったようだ。そこで啜り込む食べ方をやめて、ゆっくりと口に送り込む方法をとってみる。すると不快な匂いを感じることなく食べ進められた。もしかしたら自身の鈍感な嗅覚が匂いに慣れてしまったのかもしれない。割と嗅覚や味覚というのは曖昧であると再認識した。そこからの麺の躍動感は素晴らしく、少し平らな形状と溶け出したグルテンが滑らかさを強調する麺肌が組み合わさって愉快な食べ応えを発揮していた。噛んだ時に香る小麦の風味もスープの陰で密かに香ることで存在感を発揮している。喉越しの良さもスープのコラーゲンの力を借りて最大限に引き出されて胃袋へと滑り落ちていく。すでに初動の不快臭の事など忘れてしまうほどの良麺に出会えた。

具材のチャーシューは、一辺だけに脂身がある豚ロースで仕込まれていた。ローストされた香味が特徴でもあるチャーシューは大箱の店内ながらも切り立てにこだわりを持って、盛り付け直前に電動スライサーで切られている。かなりの薄切りなので赤身本来の食感は楽しむ事は出来ないが、味付けの良さを十分に打ち出している。一枚では物足りないと思うくらいに良い仕上がりのチャーシューだった。

味玉は残念ながら好みの熟成感は全くない半熟ゆで卵だった。破格の40円という安さなので多くを望んではいけないが、味玉という表記だったので漬けダレがもう少し浸み込んでいても良かったのになと欲が出てしまった。しかし言い換えれば濃いめのスープ中では箸休め的な具材となっていた事実は否めない。

青みは家系と言えば茹でたほうれん草と思っていたが、本日は小松菜が使われていた。ほうれん草よりも香りも食感を強めの青菜ではあるが〝家系の掟〟なのだろうか、やはり業務用のカット小松菜としか思えない品質だった。食感と言っても店内で仕込んだ茹で立ての小松菜とは違った物足りなさが目立つ。色彩もくすんだ緑色に見えて鮮度の良さは感じられない。また香りも乏しくアクセントを与えてくれる力強さはなかった。

また基本でも大判な十字9切の海苔は大きな存在感を見せていた。口溶けよりもスープや麺に負けないような強い歯触りが持ち味の海苔を目利きされている。多少の湿気では崩れない海苔なので最後までスープや麺との共演を楽しめた。

最後にスープの液面には白ネギのような薬味が二つだけ浮かんでいたが、他のラーメンのトッピングが紛れ込んだのかどうかは定かではない。そんな謎めいた事を思いながら箸とレンゲを置いた。うす味にして大正解だったものの、強気なスープを飲み干せるような強い胃袋は残念ながら持ち合わせていなかった。

採点としては今回も70点を越えたので、スパコンとの対戦は引き分けで幕を閉じた。これで通算対戦成績は31戦14勝8敗8分7KO 1没収試合となり、まだまだスパコンに勝ち越している。

食べ終えて席を立つ時に周囲を見て、ある違和感を感じた。それは私自身の勝手なイメージで〝家系〟にはライスが付き物と思い込んでいたので、ライスを食べている客がいない事を不思議に思ったのだ。そう言えば券売機にライスのボタンが無かったような気もする。様々なジャンルがあるラーメンの世界の中でも、まだまだ勝手な思い込みが強いようで修行と経験の足りなさを痛感した一杯でした。

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「味玉煮干しらーめん ¥900」@さかなとブタで幸なった。の写真平日 晴天 10:55 待ちなし 後客4名

〝ニューオープン狙いうち〟season2

そろそろ新店パトロールの第2弾を終えようかと思っていた矢先に新たな情報が続けて飛び込んできた。RDBによると二店舗とも昨日オープンしたばかりの新店ホヤホヤのようだ。一方は川崎市、もうひとつは上野で産声をあげた両店なので連食するにはアクセスに難はあるが初訪問を決意した。

先に突撃を決めたコチラのユニークな屋号には不思議と見覚えがあるのだが思い出せない。心の隅にモヤモヤを抱えたままに、11時開店前の現着を狙ってみる。東急東横線の特急Fライナーにて武蔵小杉まで向かい、JR南武線に乗り換えれば乗車時間は20分もしないうちに最寄りの武蔵新城駅に着いた。

この駅にはスパコン対決の為に降り立った事があるが、北口方面に出たのは初めてである。そこからは右へと進むと直ぐに店先が見えてきたが、ネオン看板は光っているが暖簾や営業中の看板が無いのでオープンしているのか分からない。なので様子を見るために高架下の日陰から店先を注視する。すると店先からは少し離れた所から私のように店の様子を伺っている人影を見つけた。そこが行列の先頭なのかもと近づいてみると、入口付近でスタッフさんから新規オープンのビラを手渡された。どうやら定刻前にオープンとなっていたようで、先頭にて店内に入った。と言うことは、少し離れて様子を見ていた人は関係者なのだろうか。

そんな早開けに恵まれて券売機の前へ。メニュー構成はラーメンか、つけ麺の二枚看板と言っても良いだろう。つけ麺耐性が無いので勿論ラーメンを選択して味玉入りを発券した。カウンターに腰を下ろすと店内観察を開始する。その時にようやく見覚えのある屋号の事を思い出した。まだレビューを書き始める一年以上前に訪れた大阪で見かけた蕎麦屋の屋号と似ているのだ。となれば新業態での関東進出であろうと思い、お手並み拝見とするとした。

新店ならではの新しい木材の香りがする店内は、茶色の木目を基調としたカウンターだけのこじんまりとした造りとなっている。客席も狭いが厨房も狭小で、コックピットのように調理機材がぎっちりと詰め込まれている。そんな厨房内で一番に目を引いたのが圧力式の寸胴鍋だ。スペース上の問題だと思うが、大型ではなく中型なのに少し驚いた。客席は少ないとはいえ、夜の部も営業するとなればスープ切れの心配が浮かんでしまう。そんな小さな店だが、本日は他店からの応援スタッフも含めて三人体制と近くで見守るオーナーらしき方の総勢四人で回している。ビラ配りのスタッフさんの客引きによって、私の入店後は続々と客が押し寄せると直ぐに満席となった。

配られたビラや店頭のド派手な看板に引き寄せられた客層は皆さん若者なのが心配材料ではあるが、卓上のウンチクに目を通しながら待っていると着席して3分の早さで我が杯が到達した。その姿は藍色の釉薬が塗られた屋号入りのオリジナル丼の中で力強い表情を見せている。店頭にも大きく記されている〝濃厚〟の二文字が現実となって襲いかかってきた。そこで自身の軟弱な胃袋を心配しながらレンゲを手に取った。

まずは黄像色のスープをひとくち。〝濃厚煮干し〟と称されるスープの液面にレンゲを落としてみると、完璧に乳化した液体の抵抗力がレンゲから伝わってきた。かなりの濃度を蓄えたスープを口元に近づけると、煮干しなどの魚介の香りを感じないままに口に含んだ。初動では唇に感じる動物性コラーゲンが印象強く、その後で豚骨由来のコクと旨みが追いかけてくる。この時点でも煮干しの風味をそれほど把握できないが、塩気としては魚介由来のものを感じる。〝濃厚〟と言っても豚骨をつぶして炊いたスープのように粉骨っぽさが無いのは、圧力鍋で炊かれた豚骨スープの特徴なのだろう。濃度よりもコラーゲン質の高いスープに合わせるカエシは、初見での醤油感の印象が薄くて予想外にサッパリとしていた。しかし薄味と感じたのは、この初見の一瞬だけだったのが直ぐに判明する。

それは麺を持ち上げた瞬間に大きく一変した。麺上げまでジャスト60秒の外注麺を採用されている。それはスープの表層部分に見えるは白っぽい色合いの細麺だったが、持ち上げた麺の色素は驚くほどに茶褐色に染まっていた。それは丼の底に沈んだカエシの色素を吸っているという事で、スープと醤油ダレが分離して混ざってない事を示している。それを確認するために丼の底の方から麺を引き上げると、それによって撹拌されたスープの色が見る見るうちに濃くなった。もしかしたら敢えてカエシを混ぜないで、徐々に味を強くしていく計算かとも思ったが真相は定かではない。結果としては、まぜそばのようにダイレクトに醤油ダレを吸った麺を食べなければならないという、塩気との戦いを強いられる事になった。そうなれば小麦の香りや甘みなどは一切感じられずで残念な状態だった。

具材のチャーシューの仕上がりはとても良く美味しく味わえた。豚肩ロースの煮豚型たが、チャーシューの原価率と食べ応えを照らし合わせた結果で厚切りの短冊カットとなったようだ。この切り方ならば肉厚による歯応えもありながら分量は抑えられる計算だ。例えば同じグラム数で大判にスライスすれば必然的に薄切りとなり、食べ応えは明らかになくなるはずなのでベストの提供方法だと思った。味付けも肉本来の旨みが抜けがちな煮豚ながらも、しっかりと赤身の旨みも残しながら煮汁の旨みも取り込んでいた。このチャーシューならば追加しても良いと思える仕上がりだった。

これに反して追加した味玉は、私には残念な仕上がりとなっていた。ハッキリとした味付けを施されているので単なるゆでたまごのような味玉とは違っていたが、強すぎる醤油感が先走っていた。スープに負けじと強い味付けにしているのか、双方の塩気で喉が灼けるような後味となった。また提供温度の冷たさも塩分を強く感じさせる要因のひとつかと。

さまざまな薬味陣が彩りを添えているが、実際の役割としては力不足に思えた。包丁ではない便利グッズで刻まれたような白髪ねぎや、青みの水菜はスープの濃さに負けて存在感が出ていなかった。そんな薬味の中で唯一のフレッシュ感を打ち出していた紫タマネギは粗切りで大きな部分もあったが、力強いスープの中でも自然な甘みを与えてくれた。忘れていたが海苔はオープン直後なので状態の良いものが添えてあった。

序盤から重ね続けた旨味と塩気に疲れてしまい麺も完食できずに箸とレンゲを置いてしまった。予想の範疇を超えないが大阪の蕎麦屋の新業態ならば、今回の関東進出は若者たちには喜ばしいニュースだと思う。しかし清湯野郎の中年IT(意識高い)系おじさんには過激すぎる内容だった。しかしながら後客の若い男子たちは満足そうな笑みを浮かべているのが、本来の店の評価なのだろうと思った一杯でした。

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「煮干蕎麦 ¥800+うずら味玉 ¥100」@横濱丿貫の写真平日 晴天 13:20 先待ち12名 後待ち15名

〝ニューオープン狙いうち〟season2

本日は久しぶりに横浜方面での新店めぐりをしている。午前中に高座渋谷で一食目を終えると、あらかじめ予定しておいたコチラへの初訪問へと向かった。

よく考えてみたら昨晩は関内のホテルに泊まっていたので、再び横浜へと戻って来るという無駄な移動をした気にはなったが横浜駅に着いた。まずは胃袋に連食スペースを空けるために駅の近くでカフェでも探そうと見慣れない商業施設に入った。ライブステージもある今時な飲食店の並ぶ施設の出口付近に只ならぬ行列を見つけると、偶然にも目指していた新しいラーメン店だった。ちょうど昼すぎだったので、ざっと数えても30名以上は並んでいた。

そのまま最後尾に続く事も考えたが、行列の後半部分は初夏の炎天下で日差しを遮るものが何もない。日傘でもなければ熱中症にでもなってしまいそうなので、ひとまずは近くのカフェにて行列と満腹が落ち着くのを待つ事にした。

一時間ほど経過すると胃袋にも空きが出来たので再び店先に戻った。先ほどよりも並びも少なく、最後尾でも施設内の通路なので日陰で待てる。並びの最中に予習をすると、現時点では店名は無く通称で「煮干蕎麦」と名付けられているらしい。店頭の看板にも「煮干」とだけ書かれているのは、そのせいだろうか。

最後尾につけて30分ほどで入店となった。券売機はなくカウンターに座り卓上メニューから品定めをする。シンプルなメニュー構成の中から基本のお題にうずら味玉を追加した。スタッフさんに告げると店内観察を開始する。

酒好きの私の目に飛び込んできたのは調理場内のリーチイン冷蔵庫の中に並べられた日本酒の顔ぶれだ。さすがは神奈川を愛する〝ノ貫グループ〟という事で、神奈川を代表する若手杜氏が醸し出す「昇龍蓬莱」オンリーのラインナップが勢ぞろいしている。この圧巻の景色に夜の晩酌を思い描いてみる。

そんな酒好きオヤジの心をくすぐる店内を、とても薄暗い照明が独特の雰囲気を醸している。古い建具などを再利用した内装が高級感と落ち着きを与えてくれるが、今回に限っては騒がしい客人たちの中に挟まれてしまったようだ。導線の構造上の為に真ん中で二つに分けられたカウンター席だが、同カウンターに座っている先客たちがアルバイトスタッフの大学生と友達のようで、バイト中にもかかわらず喋り続けている。何も私語をするなとは言わないが、せめて仕事を全うしてから談笑して欲しいものだ。私がセルフで水を汲みたくてもウォーターピッチャーは遠くにしかなく手が届かない。等間隔で置かれているはずのピッチャーが友人たちの前に集中していても気が付かずに話している。仕方なしに席を立って水を入れると、ようやく目の前の定位置にピッチャーが戻ってきた。それに気が付いてくれたのは大学生のアルバイトとは別のスタッフだった。さらには別のカウンター席には、今回も調理中のご主人に自分の食べているジビエ蕎麦に関する質問を繰り返す男性客に遭遇してしまった。さすがにご主人さんは分かっており適度に答えるだけで調理自体には影響はないだろうが、他人に提供する商品の上で質問に答えさせる客の無神経さを疑ってしまった。

そんな不遇なタイミングでの入店だったが、提供されるラーメンには罪はないので心を鎮めてその時を待った。すると着席して8分で我が杯が到着した。その姿は白磁の切立丼の中で、仮の店名どおりの景色を見せてくれる。昨年よりも自身のニボ耐性が上がってきた事を確認する為にレンゲを手にした。

まずはスープをひとくち。目の前に置かれた時の液面の揺れからは濃度の強さを感じなかった。射し込んだレンゲに係る抵抗も軽やかでイメージよりも淡麗な装いだ。いざ口に含むと最低限の煮干しの苦味やエグ味を表現している文化部系の煮干しスープだ。本物のニボシストからすれば物足りなさもあるのではないかと思ってしまう程にサッパリとしている。しかしそんなスッピン美人に厚化粧とでも言うべきの旨味の底上げが加えてあり残念。カエシも旨味に負けないように調節してあるので、かなり高めの塩分設定に思える。見た目は穏やかな優等生タイプに思えたが、内面には強い主張を持ったスープだった。

スープを諦めて麺に取りかかる。麺上げまで30秒の早茹でタイプのストレート細麺は、丁寧に揃えられた麺のラインが美しい。そんな見事な麺線を崩すように箸で持ち上げてみると、軽やかな質量ながらも強いハリとコシが箸先から伝わってくる。そんな細麺を一気にすすり上げると、想像通りの硬めの口当たりと一緒に飛び込んできた不快な臭いがあった。それは〝カンスイ臭〟で固茹での細麺にありがちなアンモニア臭だった。普通に食べれば感じない程度だが、すする事で増長してしまったようだ。ここで麺をすするのをやめて、大人しく口に運ぶ食べ方に変更した。麺自体には小麦の甘さが際立った低加水ならではのポソポソとした食感が特徴で、煮干し系スープにはおなじみのコンビだ。意外性には欠けるが名コンビの安定感はさすがだと感じる組み合わせで申し分ない。

具材のチャーシューは豚肩ロースの低温調理が折りたたまれて二枚入っている。電動スライサーで薄くスライスされているが、下味のソミュール液のスパイスがしっかりと利いているので旨みが十分にある。もちろん肉質の良さもさる事ながら、出来るだけ切り立てに拘った仕事ぶりにも頭が下がる。その真面目な仕事がチャーシューの切り口の鮮度に表れている。

追加した、うずら味玉は薄味ではあるが弾けるような食感が楽しめる。また塩気と旨味の強いスープを和らげる役割を果たしてくれた。酒蔵の杜氏さんが利き酒の時に味覚をリセットする為にゆで卵を食べるのが納得できた。

薬味は定番の玉ねぎアッシェだが、この薬味も鮮度が良くみずみずしい甘みがあった。これは玉ねぎの品質だけではなく手切りならではの仕事の表れでもあり、フードプロセッサーによる機械切りの玉ねぎとは別物の薬味である。手切りならではの不揃いな大きさも食感の違いを生んでアクセントとなっていた。

最終的にはスープは残したが麺は平らげていた。一番最後に入店した私が先客の誰よりも早く退店する事になったのは、いずれの客人も「和え玉」を追加注文しているので滞在時間が長くなっているようだ。その間はご主人も作業がなくなり時間が空いているので、この時間帯に聞きたい事があれば取材すれば良いと思うのだが話しかけておらず不思議に思った一杯でした。

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「味玉江戸醤油ら〜麺 ¥850」@麺屋 江武里の写真平日 晴天 10:50 待ちなし 後客2名

〝ニューオープン狙いうち〟season2

三泊四日の中四国遠征も無事に終えて東京に戻ってくるとRDBの新店情報がにぎやかになっていた。そんな中で、最近サボりがちだった横浜方面での検索をかけてみると数店舗のニューオープンがヒットした。

その候補店の中に見覚えのある店名のコチラがあり詳細を調べてみると、その理由が判明した。それは都内から移転されたとの事で、屋号を目にした事があったのだ。しかし移転前の浅草時代には訪問しておらず、正真正銘の初訪問を決めたのだ。

そこで昨夜から横浜に前泊してから向かおうと何気ない気持ちで夜更けの横浜 関内に来てしまったのだが、神奈川遠征の定宿にしているサウナ付きホテルのネット予約が満室だったのだ。すでにホテルの目の前まで来ているのにまさかの満室とは信じられず、ダメを承知でフロントに掛け合ってみた。すると本日は横浜スタジアムでベイスターズ戦が開催されたとの事で、お膝元の関内のホテルはどこも満室となっていたのだ。

仕方なく諦めて他のホテルを当たってみようと思っていたら、フロントの方に「入口近くの人の出入りが多い部屋なら空いてるんですが」との急展開を見せる。もちろん寝床さえ確保できれば多少のうるささなどは問題ないので、ありがたくチェックインさせてもらった。

命拾いをした後にサウナで1時間ほど汗を流すと、お楽しみの生ビールタイムだ。このホテルの最大のメリットは駅近くという立地条件だけでなく、共有ラウンジで一杯400円で生ビールが飲める事なのだ。決してグラスが小さいわけではなく標準サイズの中ジョッキだ。しかもコーンスターチの副原料を使用してないプレミアムモルツなのだからIT(意識高い)系おじさんにはありがたい銘柄だ。さっそく駆けつけで5杯飲んでからベッドに身を沈めた。

翌朝9時の目覚ましと共に快調に起きると再びサウナで汗を流して10時前にチェックアウトした。こちらの11時開店前の現着を目指してブルーラインと小田急江ノ島線を乗り継いで40分ほどで最寄りの高座渋谷駅に着いた。前泊のおかげで自宅からより30分は時短できた。

駅からは西口を出て商店街を数分も歩くと、幟旗がたなびく店先を見つけた。定刻の10分前の現着だったので、並びもなく準備中の立て看板が掛かっている。先頭にて待機を始めるとすぐに店主さんが気付いてくれたのか10分も早くオープンとなった。

うれしくも恥ずかしながらの申し訳ない気持ちで店内に入り券売機の前へと進んだ。ご主人のワンオペ体制という事もあり、メニューの種類は現在のところ絞り込んであるようだ。迷う事なく基本の醤油系に味玉入りを発券してカウンターに陣取り店内を物色する。

木目を基調としたシックな客席とは対照的な、無機質な厨房とのコントラストが印象的だ。その厨房内で最も目を引くのが、壁の中央に設置されている巨大なガスの計量メーターだ。その形状は「機動戦士ガンダム」の背面にある推進装置のバックパックのようである。さらに横のスープ炊き用の大型ガス台の上には「ドム」のようなフォルムの蛇口付き大型寸胴鍋が鎮座している。そんなステンレスや鋳物に囲まれた厨房だからこそ無機質に見えるのだろう。そんな厨房内にはラーメン店には珍しいガス式のスチコンも配備されている。電気式スチコンは良く見かけるようになったが、高火力のガス式はホテルやレストランの厨房以外で見ることは少ないと思う。さらには大きさの様々な無数の寸胴鍋も控えているので、今後の人手不足が解消されれば多様なスープを作り出してくれる気配が漂っている。

そんな先への期待をしながら待つこと5分で我が杯が到着した。その姿は粉引の多用丼の中でシンプルながらも個性を主張しているように見えた。薬味の切り方などからそう感じた印象なのだろうと思う。目の前に現れた瞬間に慣れ親しんだ香りが鼻をくすぐると、ある程度の味を想像しながらレンゲを手にとった。

まずは醤油の色素が強く出た栗皮茶色のスープをひとくち。初見で感じた香りは日本蕎麦のような醤油と鰹節の織りなす香りだった。そのイメージのままにスープを口に含むと想像通りの香味が口に広がった。そこには動物系の旨みやコクはなく、まさに蕎麦つゆのような魚介出汁である。ただ、蕎麦つゆと違うのは鰹節や昆布の基本的な和風出汁の組み合わせの他にも複雑な魚介の旨みを重ねてある点だ。そこには江戸前を意識した地ハマグリやアサリのエキスも合わせてある。魚介清湯スープではあるが、微かな濁りを見せるのは貝類特有のコハク酸がスープに霞みを与えているからだろう。そんな魚介出汁に合わせてあるカエシも、キリッとしたエッジを感じさせる江戸風の香味だ。蕎麦御三家で例えるならば藪そばのカエシを思わせる力強さがある。それは塩分過多にもなりがちだが、高めギリギリで踏みとどまっている。

麺は中太ストレート麺を採用されている。スープを小鍋で沸かし直す際に麺上げとのタイミングが合わなかったのか、幾度も茹で釜からテボを取り出してはスープが温まるのを見計らっていた。よって正確な麺の茹で時間は判らないが、トータルで110秒程だったろうか。イレギュラーな麺上げだったので麺ディションが心配に思いながら箸で持ち上げてみる。箸先から伝わってくるのはモッチリとした重量感のある麺質だ。見た目の麺肌にはトラブルは感じないので一安心して口に運ぶと、弾けるようなハリのある口当たりが唇を通過する。滑り込んできた中太麺はゴムまりのような弾力で口の中を跳ねまわる。そんな麺を抑え込むように奥歯で噛みつぶそうとすると、内に秘めたグルテンが一気に放出される。それは加水率の高い麺質とスープの相性は抜群とは言えないので、麺単体の小麦の甘みだけが口に広かった。その甘みの残る口の中にスープを後から送り込むといった食べ方で麺の甘みとスープの塩気のバランスが保たれる。相性の良さよりも、和風魚介出汁と中太麺の組み合わせの妙に楽しみを見出せた。心配されたイレギュラーな麺上げによる麺ディションも問題なく安心した。

具材のチャーシューは豚バラのロースト型が二枚で、盛り付け直前にバーナーで炙って香ばしさが加えられている。目の前のガス式スチコンで仕込まれたチャーシューは豚バラ自体の赤身と脂身のバランスが良く、漬けダレもしっかりと利いている。また赤身のしっかりとした肉質と、脂身のとろけるような食感の対比が面白く食べ飽きせずに麺をサポートする。

追加した味玉は下茹で加減の硬さが気になった。半熟よりも硬化した黄身には、好みのネットリとした食感はなくパサつきすら感じる。味の浸透も浅めの設定なのか薄味で私には物足りない。提供温度も茹で麺機の上で温め直されてはいたが、温まってはおらず冷蔵庫の冷たさが残っていた。

メンマは基本的な板メンマで、味付けも目立ちすぎる事なく脇役に徹している。柔らかい中にも適度な歯応えがアクセントとなっていた。

薬味の白ネギは個性を主張する粗々しい切り方で添えてある。千寿葱を使用とウンチクにはあったが、独特の甘みや軽やかな食感を引き出す切り口ではないのでネギの辛味ばかりが表立っている。ザクッと噛めば刺激の強い辛味がにじみ出るので、千寿葱の良さを感じることが出来なかった。

黒々とした海苔は質の高さが見てとれる。香りや口溶けよりも密度の詰まった舌触りが特徴的だ。その力強い噛みごたえを楽しむタイプの海苔を目利きされていた。

中盤からも麺とスープの絡みは向上する事はなかったが、スープの温度低下による貝類由来の塩気を強く感じるようになってきたのでスープと麺の相性の悪さが私には有り難かった。麺の力強い食感のおかげでダレる事なく完食はできたが、スープの塩気に疲れ始めたきたのでレンゲを置いた。

今回は絞り込んだ少ないメニューだったので人手不足によるミスもなく、ご主人渾身のラーメンが食べられた事に感謝したい。しかし厨房内の調理道具の豊富さを見ると、ご主人の経験から得られたレシピと比例していると感じた。一日も早くオペレーションが落ち着いてご主人の技術力の本領発揮を見てみたいと望んだ一杯でした。

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「みそら〜めん(小) ¥750」@麺小屋 てちの写真平日 晴天 13:30 外待ち1名 後待ち6名

〝第26回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟

新店めぐりを優先していた為に久しぶりの開催となるこのイベントは、RDB PC版のオススメに挙がる六店舗から、その店のイチオシでは無く自分の好きそうなメニューを食べて採点し超高性能スパコンとの勝敗を決めるものである。決してお店との勝負ではないのは理解していただきたい。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちとする。

過去24戦の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」「らーめん かねかつ」「狼煙〜NOROSHI〜」「ラーメン大至」「中華ソバ 伊吹」「麺処 朧月」「Bonito Noodle RAIK」「中華蕎麦 とみ田」「陽はまたのぼる」「神田とりそば なな蓮」「ソバダイニング クアトロ」「旬麺しろ八」「MENSHO」と名だたる有名店や人気店が並ぶが、対戦成績は25戦12勝6敗6分7KO 1没収試合と現在は私の勝ちが大きくリードしている。

現時点で私へのオススメ店に挙がっているのは春先に開催した〝ラーメン奇行〟での東海遠征などが影響してか、愛知県や三重県の人気店が登場してきた。残る4店舗のうち2つは趣向に外れたつけ麺専門店が並び、あとは最大の強敵であろう湯河原の超人気店とコチラなのだ。そこで本日は一番身近なコチラへ初挑戦を挑もうと決めた。

あくまでも店との対決ではなく超高性能スパコンとの戦いなので、体調も万全の日を選び店へと向かった。人生初の武蔵新城駅に降り立つと南口を出てまっすぐに進むとNYのセントラルパークを思わせる街のシンボル的な新庄公園を通り抜けたパークサイドに佇むコチラを見つけた。昼ピークを外して来たつもりが外待ち椅子には並びがあり、そちらに続いて外待ちとなった。

店頭にはメニューが貼り出されてあるので、待ち時間を利用して本日の品定めをしておく。と言っても、みそらーめんとまぜそばに特化した店のようで悩む事なくみそらーめんに決めた。10分程すると先客が退店すると、後片づけを待ってから入店する。

店内にはマミヤ- OP製タッチパネル式の最新式券売機が設置されている。このタイプの券売機ではメニューボタンを押すと安心してしまい、発券ボタンを押し忘れてしまい後列の客人に冷ややかな目で見られる事が多々ある。時代に取り残されないように発券ボタンまでしっかりと押して食券を手に入れた。

無事に食券をカウンター上の台に置いて緊張もほぐれと思ったが、寡黙に作業するご主人の実直な仕事ぶりに再び緊張感に襲われた。恐る恐るカウンターに座り店内を見渡す。丁寧な仕事ぶりのご主人お一人のワンオペなので回転の悪さは致し方なく思える。私にはこの後の予定もないので、じっくりとこの緊張感を味わう事にした。

店内は白壁と淡い木目調で囲まれた女性店主さんが営まれていても不思議ではない程に小綺麗な雰囲気だ。卓上調味料の置き方や窓に飾られたフリルの付いたカフェカーテンの装いも女性的に映った。そんなメルヘンチックな店内だが本日の客層は後待ちを含めて全員が男性陣だ。しかも健康診断ではコレステロール値から目を背けたくなる経験がありはずの我々中年層が占拠している。

我が身を戒めるように待っていると、着席して12分のロングスパンで我が杯が到着した。その姿は、白粉引の鳴門丼の中で今まで見たことのない表情を浮かべていた。なによりもカラフルでポップな景色が初対面でも印象を焼き付ける。

まずは多くの具材に隠れて、赤みを帯びた香味油に覆われている黄唐茶色のスープをひとくち。レンゲをスープに押し込む力が必要とされるのは濃厚の証しだろう。すくい上げたレンゲからは初対面ながらも知っているような香りが立ち昇っている。不思議に思いながら口に含んだ瞬間に記憶が蘇った。それは味噌の風味が呼び起こしてくれた思い出で、四国の大洲市にある「たつみみそ」の香りと同じだったのだ。

今では自宅で料理する事もなくなったが、以前は日本各地から食材や調味料を取り寄せては友人たちに振る舞っていた事もあるのだ。そんな 4,5年前に取り寄せて以来ハマってしまった麦味噌が「たつみみそ」なのだ。製造元では醤油も醸造しており、少し甘めの味わいが特徴で自宅には欠かしたことのない調味料だった。この麦味噌もやはり甘めの強い天然味噌で、我が家では味噌汁よりも料理の味付けに重宝する麦味噌だったのだ。レンゲのスープの香りで一瞬で当時に引き戻された。香りの記憶とは恐ろしいものである。

そんな想いを懐かしみながらスープを口に含むと「たつみみそ」への確信に変わった。(違っていたらごめんなさい)

やはり旨みの主導権は麦味噌の甘みが握っている。そこに辛味油の刺激が重なり甘辛スープへと変化する。その背後には動物系白湯スープがベースとなってしっかりと屋台骨を築いている。レンゲでスープを飲んではみたが、どうやらスープというよりは麺を絡めるタレの要素が大きいように感じた。

続いて麺を楽しもうと奥底に眠る中太麺を箸で引きずり出してみる。スープの粘度や具材に邪魔されて全貌が見えてこない。ここでJ系未食の私が人生初となる〝天地返し〟をやってみた。大量の麺で具材たちにフタをするように被せる作業が豪快ながらも爽快で、楽しくて仕方なかった。J系好きの方は毎回こんな楽しい作業をしているのかと思うと、少しうらやましく思えた。そんな天地返しで現れた中太麺は、丸みはあるが角もかすかに見られるぽっちゃりタイプだ。箸先からも重みが分かる程の加水率の高さで、口に運ぶと小麦の香りや甘みというよりはモッチリとした歯ざわりの方が印象に残る。もしかしたら麦味噌の甘みの陰に隠れてしまっていたのかも。麺だけを味わった後は周囲のベテラン方の真似をして全てを混ぜて味わう事にした。その一体となった食感は、味こそ違えど〝長崎ちゃんぽん〟のようなテクスチャーを生んでいた。

具材と言うべきか薬味と言うべきか判断が難しいが、色とりどりの具材たちを紹介したい。

小さめにカットされて余分な脂分を湯通しで落とされた豚バラスライスは、甘めの麦味噌スープとの相性は抜群だった。豚肉の味噌炒めを思うとビールが欲しくなった。

野菜陣の茹でモヤシとニンジンは切り方ゆえに麺との絡みも良く、ちゃんぽん麺を彷彿とさせる中太麺とモヤシの歯応えが長崎ちゃんぽんを思わせたのだろう。モッチリとシャキシャキの共演に夢中で食べ進めてしまった。

麺量を小にしたのでメニューの説明どおりに腹八分目で完食となった。丼底には大量のスープが残っているが、単体で飲むには私には濃すぎたのでレンゲを置いた。やはり周囲のベテラン方は、思い思いの追加ごはんを投入してスープを最後まで楽しんでいた。

独自の見解でラーメン一杯だけの評価としているので残念ながらスープを全量残した結果の採点としたが、ごはんを含めて総合的に考えるとより高得点だったのは間違いない。もし、ごはんを追加投入していればスープの濃さも和らいで、赤玉ねぎや青ネギの薬味の持ち味も感じられただろうと思った。やはり最期の〆ごはんで完結するタイプのラーメンだったという事を改めて知った。

今回のスパコンとの対決は引き分けとなり、通算対戦成績は26戦12勝6敗7分7KO 1没収試合となった。この対戦を機に次に挙がってくる挑戦者が楽しみだが、出来れば関東近郊の店にしてくれれば移動費が安くて良いのになと思ってしまう一杯でした。

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「和みらー麺 醤油 ¥650+味玉 ¥100」@らー麺土俵 鶴嶺峰の写真平日 曇天 13:15 中待ち 先待ち11名 後待ち8名

午前中の大森での一食目の後でサッパリとした連食先を近場で探していたところ、謎めいた屋号のコチラを見つけた。明らかに相撲関連だというのは承知できた。相撲ファンにとっては興味が湧いたのでお店情報を見てみたが、つけ麺や濃厚などの得意ジャンルではないメニューが並んでいる。そんな中にもひっそりと醤油系も用意されているのを発見した。その醤油系メニューには〝和み〟の文字が付けられてあり、巡業にはありがたいフレーズに惹かれ初訪問を決意した。

現在地の大森駅からも20分程度で行けるらしいが、即連食には胃袋がもたないので鶴見界隈をぶらぶらと散策して時間をつぶす。二時間ほど経つと前食が無化調だったおかげで重たさも無く、早いスピードで消化が進んだ。この絶好の連食タイミングを逃さぬように急いで店へと向かう。JR鶴見駅から京急鶴見駅を越えて大通りを進むと少し脇道へと逸れた昭和の景色を残す飲み屋街の入口に、只ならぬ人だかりを見つけた。昼ピークを外してきたつもりが大行列にはまってしまい相撲で言えば、いなされてしまったかのようだ。

本日の満員御礼の行列客には女性陣が半数を占めているのも、中年乙女オジサンの趣向にはありがたい。ガッツリ系だけだはない事の証だと確信して列に続いて待つ。店の外壁には「男の修行」と書かれた看板に目を通して人生とは何かを知る。ようやく45分ほどで幕内昇進かと思いきや、中待ちもあり十両での男の修行を強いられる。先に券売機でお目当ての醤油系に味玉を追加発券し中待ちに続く。そこから結果60分待ちで幕内であるカウンターに昇格。

土俵とも言うべき調理場が目の前の〝砂かぶり〟から聞こえてくるBGMは相撲甚句だ。江戸時代から興行の開催や楽日を伝える手段だった〝ふれだいこ〟や〝はねだいこ〟を聞きながら調理場に目をやる。本日は四人体制での営業だが、ご主人は調理には参加せずスープ場で鍋磨きか何かに徹している。それだけスタッフ間の稽古に信頼があるという事だろう。雑多に見える店内には番付表など相撲に関するものが各所に見られる。中には三横綱一大関を生んだ〝花の六三組〟の親睦会での写真だろうか、話題となった有名横綱達との写真も飾られてある。そんな中でも一番目を引くのは、大つけ麺博 2016秋での優勝ポスターだ。ちなみに隣り客の話では、最近に何かしらのテレビ番組で取り上げられたようで、本日の行列もテレビ特需なのだろうか。

そんな話に耳を傾けながら待つ事5分で待望の我が杯が到着した。大好きなタコ唐草紋様の高台丼の中の姿は、店内と同じく整然とはしてないが派手さのない落ち着いた雰囲気。さすがは食べる前から、ちゃんこ鍋を思わせる表情だ。

制限時間いっぱい待ったなしで、まずはスープをひとくち。見た目には清湯スープより霞みがかった枯れ色が特徴的。その〝立ち合い〟は香味油だろうか独特の香りがフワッと立ち昇る。それは〝ねこだまし〟のように意表をついたラーメン屋ではあまり感じない香りも漂っている。いざ口に含むとその理由が理解できた。レンゲですくったスープの液面には細やかな粒が見られるが、どうやら胡麻を当たった物のようだ。更によく見てみると具材のほうれん草に和えられたすり胡麻が確認できた。そのすりゴマがスープに浮かんで香りを出していたのだった。土台には動物系清湯スープと魚介出汁が〝がっぷり四つ〟を組んでいる。〝相四つ〟かと思ったが〝うわて〟を取っているのは鶏出汁だった。魚介出汁が〝腕(かいな)〟を返そうとするが〝おっつけ〟が効いているので動物系出汁が優位な立ち合いに変わりはない。そこに胡麻や薬味の複雑な香りが重なっているので不思議なスープとなっている。ちゃんこ鍋をイメージした具材からも香りが移っているので、ちゃんこ鍋の中でも鶏主体の〝ソップ炊き〟のようなスープに思える。カエシも穏やかではあるが、不必要な旨味成分も見え隠れしているのが残念な立ち合いとなった。

麺は中細ストレート麺で麺上げまでジャスト60秒の〝ソップ型〟で、低加水のパキッとした歯応えの麺質を活かした茹で加減だ。軽い食感でとても食べやすいが、小麦の風味や甘みはあまり感じられない。カンスイも少なめなのか、グルテンの変成も少ないのか麺自体が弱々しく感じた。つけ麺に使用している〝アンコ型〟の太麺との差異を狙ってかも知れないが歯応えがもう少し欲しい。

具材は部位違いのチャーシューが二枚。鶏ムネ肉の低温調理は中々の肉厚ぶり。昔から前足に土が付く四つ足の動物を嫌う相撲界ならではのの鶏肉の使い方に秀でているので食感も味付けも高水準。しかし現在は相撲部屋に〝ちゃんこ〟を食べに行っても、ビーフステーキや豚の角煮なども夕食には並んでいる。私もその時に初めて知ったのだが〝ちゃんこ〟とは力士の食べる食事の事で、鍋料理だけを指すものではないらしい。すなわち力士にはラーメンやカレーも〝ちゃんこ料理〟という事だ。それなのでコチラも豚バラ焼豚が添えてあるのにも納得ができる。その巻き型煮豚式焼豚は穏やかな味付けが寂しくはあったが、脂身好きな人にはうれしいとろけ具合なのだろう。

肉の具材がもう一品あった。それは鶏団子で、粗めに叩いた鶏肉の肉々しい食感は良かったが、旨みは下茹での際に抜けてしまったのか感じられなかった。それを補うはずの下味も乏しく、味気ないパサついたかたまりを食べているようだった。

追加の味玉は黄身の芯温が冷え切っていて旨味を感じる以前に残念だった。塩気が先行した味玉だったので好みとは違っていたが、冷たい味玉はスープの温度も下げるので良い点を見出せなかった。

ラーメンに、ちゃんこ鍋を思わせる具材たちが不思議な感覚を生んでいる要因かと。初動で気になったのがゴボウの粗いささがきだった。鍋の具材としては確立されているが、ラーメンの中では異物感を生んでいる。根菜ならではの土の香りがスープに溶け出すと複雑さ以上に、ややこしい味わいを醸し出している。これがちゃんこ鍋のスープに思えた最大の理由かと。

青みのほうれん草も店で茹でられたものではなく、業務用のカットほうれん草が使われている。頼りない食感や香りをごまかす為か、すりゴマを和える事で本質から逃れようとしている。これがまさにゴマかすという事か。

薬味の白ネギや三つ葉ではゴボウや胡麻のような強い香りには太刀打ちできていない。

「和み」の文字に惹かれて行列に並んでみたが周囲には醤油系を食べているのは私くらいで皆、濃厚つけ麺を注文していた。やはり、つけ麺推しの濃厚タイプの店だったようで、私にの趣向には残念ながら合わなかった。

今の相撲界は横綱不在の冬の時代が目の前に迫ってきている。早く若手の台頭が必要となっているが、それを応援するためにも五月場所には両国へ足を運ばなければならないと思った一杯でした。

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「味玉煮干し鶏そば ¥800」@麺屋 ゆるり。の写真土曜日 晴天 16:00 先客3名 後客なし

「ちゃるめ」「ちゅるり」「つるる」「ゆるり」

単なる語呂合わせだけでRDBにて店探しをしていると、こちらの店名が飛び込んできた。昨日は同じ方法で栃木県足利市に見つけてしまったので、遥々遠征を終えて帰京したところだ。しかし今回見つけたコチラは運良くも自宅から乗り換えいらずの東横線沿いにあった。

お店情報を見てみると鶏白湯が主力の店のようだ。最寄りの大倉山駅界隈に友人宅があり、何度か訪れている。駅周辺には大手フライドチキン店や持ち帰り専門の焼鳥店、和風唐揚げのチェーン店が軒を揃える鶏料理のメッカである。そんな鶏大好き人間の集う街にあるラーメン店ならば間違いないであろうと初訪問を決めた。

昨夜の深酒のせいで昼過ぎに起きてしまった土曜日の午後なので、通し営業というのもありがたい。時間を気にせずゆっくりと支度をして午後3時半前に家を出た。各駅しか停車しない駅なので30分程かけて各停で向かうと、久しぶりの大倉山に着いた。改札を出て駅前の通りを北に進むと、通りから少し入った場所に白を基調にした外観のコチラを見つけた。

午後4時という時間帯なので行列はないが、店内には食事中の先客がいた。土曜日のアイドルタイムでも需要があることに少し驚いた。入店し券売機の前でじっくりと品定めをする。やはり鶏白湯推しのようだが、今ひとつ得意ジャンルではないのでボタンの下の方へと目をやると、煮干しと鶏のダブルネームのメニューがあった。写真からは清湯醤油系に見えたので、イチオシを差し置いてコチラのお題を発券した。お試しで味玉も追加してみた。

こじんまりとした店内のL字カウンターに座り店内を物色する。メニュー説明やウンチクが多く貼られた壁が印象に残る。コックピットのように機材が集約された厨房内を本日はツーオペで仕切っている。ご主人と思われる男性が調理の全てを担い、補助役の方は焼豚などの具材を切り分けたりと夜の部の準備を進めている。

着席して待つこと4分程で我が杯が到着した。白磁の鳴門丼の中の姿は、気取ったところのない素朴な顔立ちに見えるが、オリジナリティも見せようとしている。さすがに鶏に特化したラーメンだけに具材にもそれらが表れている。

まずは香味油の粒子が確認できないほどに、まったりと液面を覆ったスープにレンゲを入れてみる。ファーストアタックはタイトル通りの煮干し香がダイレクトに鼻腔を直撃する。液面には煮干しスープ特有の細かな水泡が浮かんでいないので、香りはスープからではなく煮干し油からのものだろう。いざ口に含むと香りの印象よりも更に強い煮干しの香りが襲ってくる。それは煮干し本来の苦味やエグ味よりも、油に移った焦げ臭に思えた。下に潜むスープ自体はサラリとしているが、オイリーな焦げ臭がひとくちで口内に張りめぐらされた。ふた口目は下地のスープの味見のために、レンゲに浮かんだ煮干し油を息を吹きかけて飛ばしてみる。すると油分が飛んだ無垢なスープだけがレンゲに残る。そのスープだけを飲んでみると、上品な清湯鶏ガラスープが顔を出す。丸鶏由来のようなコクはあまりないが、スッキリとしているのに深みもある。鶏ベースの後ろには鰹節の旨みも見え隠れしている。繊細な合わせ出汁に、煮干し油が濃いめの化粧をしているような感じだ。カエシも抑えめで誇張してこないので印象としては煮干し油の独壇場となっている。

麺上げまで80秒ジャストの中細ストレート麺を箸で拾い上げると、軽やかさが伝わってくるので密度の低い低加水麺に思われる。麺肌には煮干し油が全面にコーティングされているので箸を上下するたびに香りが放たれる。数本を束にして思い切り啜ってみると油膜分が潤滑油となって軽快な口当たりで滑り込んでくる。歯触りとしてはハリを残した茹で加減なのでパサつきもあるが、その分を油分が補ってもくれている。噛みつぶしてみると小麦の香りや甘みも穏やかなので繊細な麺の採用されている。

具材にも鶏の個性を打ち出してある。チャーシューは、よくある鶏ムネ肉の低温調理ではなく鶏モモ肉のローストタイプが二枚。つまりは焼き鳥型。しっかりとした食感が良く、旨みも詰まっている。焼いた皮目の下の脂分が旨みと香ばしさをさらに強くする。シンプルな下味なので煮干しの香りに少し負けている。

もう一つのオリジナリティを感じる具材が鶏団子だ。粗く叩いた鶏ムネ肉ミンチに香辛料を利かせた味付けが美味しい。あまりラーメン店の鶏団子は味がスープに抜け出しているので好きではないが、この鶏団子は別仕込みなので旨みが団子の中に残っている。また粗挽きならではの肉々しい食感も素晴らしい。

追加した味玉は半カットされて添えてある。写真の見た目からも半熟のグラデーションが美しく、食べなくとも丁寧な仕事ぶりが分かる。肝心の味付けも醤油が先行するではなく、出汁の旨みを上手く浸透させているので黄身の甘みが膨らんで感じる。

穂先メンマは歯応えを残すが繊維質の口溶けは素晴らしい。味も控えめで麻竹の発酵臭を感じられる仕上がりも良い。

薬味は青ねぎの小口切りとタマネギアッシェが添えてある。鶏出汁に合わせた青ねぎは香りと歯ざわりを担当している。煮干し油に合わせたタマネギアッシェは辛味と食感で持ち味を出している。

終盤に差しかかるとスープの中で強麺が少し表情を変えてきた。スープを吸っていくらか太った麺質が小麦の甘さを生み出している。私の中では麺質のピークはこの頃だったと思えた。

最終的にはスープの焦げ臭に隠れた謎の旨味成分も顔を出してきたのでレンゲを置いた。席を立って店を出る際に券売機をもう一度見てみたが、純粋な鶏清湯醤油系が見受けられなかった。もし煮干し以外の香味油で仕上げる清湯醤油ラーメンを作られたら是非に食べてみたいと思った一杯でした。

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