なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 

のらのら

男性 - 東京都

はじめまして。レビュー開始から一年が経ち、二年目の目標を全国制覇にしました。一杯のラーメンに出会うまでの経緯も書き記しているので、前置き等が長くなりがちですがお許しください。しかし採点に関しては立地 接客 衛生面 価格設定などは考慮せずに、ラーメン一杯に対しての評価にしています。自分の好みだけで評価しているので不快な文面もあると思いますが、何卒宜しくお願いします。

平均点 73.435点
最終レビュー日 2019年7月19日
568 460 14 1,850
レビュー 店舗 スキ いいね

「とんこつ あっさり(赤) ¥650」@火の国 文龍 総本店の写真土曜日 晴天 17:45 先客20名 後客15名

〝諸国麺遊記 九州編〟

ノープランの思いつきラーメン旅も、現時点では難なく長崎と佐賀を攻略できた。滞在時間は両県ともに二時間程度の弾丸ツアーとなっているが、好きな乗り物に揺られながら次に出会うラーメンを考える楽しみは至福の時間である。

さては佐賀県での九州二食目を終えてJR鹿児島本線 基山駅までは歩いて戻ってきた。そこで目指すは福岡県か熊本県の二択に絞られるのだが、何となく南に行ってみたくなったので熊本行きを決めた。そうなれば恒例のRDB総合ランキング第1位の店を調べてみると、運良く本日も営業日のようで、夜の部は17時半からとなっていた。移動時間や胃袋の状況を考えても3時間後ならば移動も連食も可能そうな時間帯なので初訪問を決めた。

ひとまずは久留米駅から九州新幹線で熊本駅に向かうために、鹿児島本線にて久留米駅を目指した。途中駅の鳥栖駅では、偶然にもサガン鳥栖のホームゲームが開催させるようでユニホーム姿のサポーターたちが車内にも鳥栖駅にもあふれている。鳥栖駅の目の前がホームスタジアムなのを、このラーメン旅のおかげで初めて知った。そんな熱気を感じながら久留米駅に着いたが次発の新幹線も、その次の新幹線にもグリーン車がない車両が続いているので、どうしてもグリーン車に乗りたくて50分後発の新幹線のチケットを購入した。その間は構内の待合室で周囲の久留米弁を聞いていると、早起きの影響と満腹のせいでウトウトしてしまった。念のためにセットしておいたアラームで目が覚めると、缶ビールを買い込んで、九州新幹線 16:02発 さくら 557号 にて熊本を目指した。

わずか19分だけの移動時間で九州新幹線さくら号を楽しむ暇もなく熊本駅に着いた。しかしそこからの移動も大変で、豊肥本線に乗り換えると15分で東海学園前という見知らぬ単線の無人駅に降りた。そこからも苦難の道は続き、乗り換えのバス停まで歩いて10分、さらに九州産交バスで20分で最寄りの小山団地バス停に着いた。そこからも歩いて15分と、車なしではたどり着くまでが一苦労の人気店である。

歩いていても遠くから一目でわかるド派手な看板が見えてきた。ただ店の裏側からのアプローチとなったので営業しているかすら見分けがつかなかったが、近づくにつれて豚骨スープの香りが漂ってきた。これで臨時休業の不安はなくなり店の表側に着くと、駐車場は満車状態で続々と客が店内に流れ込んでいく。その流れに押されるように私も店内に入った。

威勢の良い挨拶で出迎えられると直ぐに右手の券売機で食券の購入をうながされる。予習不足だったがマイスタンダードの醤油系のボタンも隅っこにあったが、せっかくの熊本なので豚骨系は外せないと思った。そんな豚骨系の中に〝あっさり〟の文字を見つけると、こってり推しとは分かっているが老い始めた胃袋を気づかって悩む事なく発券した。

非常に珍しいアイランド型のロの字カウンターに案内させると、そこから店内観察をはじめる。駐車場完備の郊外店ならではのゆったりとしたレイアウトと、ド派手な外観にも負けない赤と黒を基調とた内装が印象的だ。ロの字カウンターの中には大型の冷凍ストッカーが設置されているが、どうやって中の物を取り出すのか不思議に思った。本日の客層は私が最高齢ではないかと思うくらいに若い方が多く、こってりの有名店への不安が増した。店内にはすでにニンニクの匂いが充満しているのは卓上に置かれた謎の味噌のような物体からだろうか。ラーメンを待つ間に食べ放題の紅ショウガや高菜をセットアップするあたりが常連さんらしい姿に見える。そんなベテラン客の多い店内を、本日は六人体制でフル回転している。若いスタッフながらも熟練された麺上げの手さばきを眺めていると、着席して10分で我が杯が到着した。

その姿はシャア専用のような朱赤色のメタル高台丼の中で力強い表情を見せつけてる。それはスープの熱が冷めないように設計された真空二層構造の特殊なラーメン鉢に盛られているが、周囲を見回しても朱赤色の器は私の他には一人だけしかいない。あとの全員は黒い器で提供されているので、あっさりは〝赤〟こってりは〝黒〟という事だろう。となりの若い女の子までも黒のこってりを食べているのを見て、ひ弱な体質の自分を恥ずかしく思いながらレンゲを手にした。

まずは丁子色のスープをひとくちと思って手に取ったレンゲの中には、シャア専用カラーのレンゲと同化して見落としそうな辛味噌がデフォラルトで盛られてあった。辛味には強い方だが、さすがに辛味噌入りのスープを一口目からは危険だと察知して卓上に置かれた別のレンゲに持ち替えた。

あっさりにしたとはいえ、表層には豚背脂の脂片が飛び散ったスープにレンゲを落とし込んでみた。レンゲに係る抵抗は前食の長崎 佐賀を大きく上回る力強い高濃度で、さすがは〝こってり王国〟熊本をレンゲを持つ指先だけで感じさせてくれる。こってり耐性を残念ながら持ち合わせていない中年おじさんには、無謀な挑戦なのを承知で口元に近づけてみる。なぜか換気ダクトから漂っていたような豚骨特有の獣臭さを全く感じず、むしろ美味しそうな香りが近づいてきた。騙されたと思って口に含むと、粉骨されたような舌触りもなく乳化された滑らかな口当たりが口内を満たした。たしかにサッパリしたスープではないが、想像以上にクリーミーで豚骨由来の旨みを蓄えた仕上がりとなっている。この動物性コラーゲンが豚の頭由来のものなのだろうか。あっさりにしたせいか、しつこさやクドさも現れないので不得手な豚骨スープへの印象が少し変わった。カエシの塩分も高めではあるが、スープの甘みがバランスをとってくれている。このスープならば、後から辛味噌や高菜を入れたくなるのも分かる塩気の範囲内だと思った。

続いて麺を箸で持ち上げてみると、勝手にイメージしていた豚骨ラーメンに合わせる麺とは違ったタイプの麺が現れた。それは自家製麺かは定かではないが中細ストレート麺を採用されていて、切刃のエッジが見られないほどに丸みを帯びたポッチャリ麺だ。ちゃんぽん玉にも似た麺肌を眺めながら一気にすすり上げると、噛まずともグルテンの詰まったモッチリ感が唇から伝わってくる。細麺<太麺の好みの傾向がある私にはうれしい誤算にテンションが上がる。噛めば期待通りに強い食べ応えがあり、奥歯にまとわりつくようなグルテンの弾力が咀嚼する楽しみを倍増させてくれる。またオリジナリティのある小麦の風味とスープの組み合わせも素晴らしく、総合ランキング熊本第1位の底力を思い知らされた。

スープと麺のコンビで好調な滑り出しと思われたが、具材に入った途端に急降下し始めた。チャーシューは豚バラの薄切りが数枚入っていたが、味わいはスープに負けてしまっている。また柔らか仕上げとなっているので、食べ応えも乏しく物足りなさが残った。

彩りも兼ねたキクラゲの細切りは味わいよりも食感を重視した具材と思われ、歯応えのある麺の中でもハッキリとした個性を主張していた。むしろ良くある細麺とのコンビよりも相性が良いのではと思ったくらいだ。

そんなキクラゲの挽回を台無しにしてしまっていた具材がモヤシだった。提供温度からは直前に茹でられたモヤシだと思うが、モヤシ本来の品質に疑問が残る。それはヒゲ根部分や新芽の変色や、鮮度の劣化を思わせる独特のアンモニア臭から感じられる。本来ならばシャキッとした歯触りと歯切れの良さを楽しむはずの具材なのに、噛めばあふれる臭みに付きまとわれてしまった。

薬味の葉ネギの小口切りにも鮮度の良さは感じられず、乾いた切り口からは香りもなく舌触りの悪さが目立っていて残念な薬味のだった。

最終的にはモヤシは食べられなかったが、麺は大満足で平らげていた。スープ自体も単体で飲み干すには塩分が高かったので手を付けなかった。

結局は辛味噌や高菜やニンニクのカスタマイズを楽しむ事は出来なかったが、周囲の地元客の食べ終えた丼の中の様子を見て分かった事が一つあった。それは誰一人として同じ色のスープが無かった事で、ある人のスープは紅ショウガ色に染まっていたり、ある人は辛味高菜の唐辛子色であったり、またある人はすりゴマでスープが埋め尽くされていたりと思い思いのカスタマイズを楽しんでいたのが強く印象に残った。

店を出て次の目的地を探すために、困難だった来た道と同じ帰り道を戻ることにした一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件