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のらのら

男性 - 東京都

はじめまして。レビュー開始から一年が経ち、二年目の目標を全国制覇にしました。一杯のラーメンに出会うまでの経緯も書き記しているので、前置き等が長くなりがちですがお許しください。しかし採点に関しては立地 接客 衛生面 価格設定などは考慮せずに、ラーメン一杯に対しての評価にしています。自分の好みだけで評価しているので不快な文面もあると思いますが、何卒宜しくお願いします。

平均点 73.435点
最終レビュー日 2019年7月19日
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レビュー 店舗 スキ いいね
68

「メンデラ ¥720」@栄養軒の写真日曜日 雨天 12:30 先客 30名 後客12名

〝諸国麺遊記 九州編〟

またまた悪いクセが出でしまった。ノープランのラーメン旅も本日だけは計画を立てておいたにもかかわらず、まさかの大寝坊で目が覚めた。

昨晩は鹿児島きってのネオン街である天文館に深夜近くなってからの出動となったのだが、翌日にはRDB総合ランキング宮崎県第1位のこちらの開店前の現着を目指すために午前6時発の宮崎行きの電車に乗らなければならなかったのだ。それなのにホテルのベッドで目が覚めると午前8時半を過ぎていた。慌ててチェックアウトして鹿児島中央駅に向かったが、次発の宮崎行きまでは一時間近くも待ち合わせがあり開店前の現着の計画は泡と消えた。

今回の九州遠征での唯一の計画だっただけに昨夜の深酒に悔いが残るはずなのだが、鹿児島の夜の楽しさに比べたなら大した事ではないと思えてきて気持ちを切り替えた。もともとノープランの行き当たりばったりのラーメン旅なので、その後の計画が崩れるわけでもなくのんびりと鹿児島駅の構内で電車の到着を待つ事にした。

何もする事もないので駅のホームへと上がってみると、またもや偶然の出会いが待っていた。それは昨日の長崎駅で出会ったJR九州の特別列車「ゆふいんの森号」に続いて「指宿のたまて箱」通称〝IBUTAMA号〟が発車待ちしていたのだ。そのフォルムは科学忍者隊ガッチャマンの悪役「ベルクカッツェ」か「キカイダー 01」のツートーンカラーを思わせる個性的なカラーリングなのだ。一度は乗ってみたい車両との偶然の出会いに寝坊して良かったと後悔の念が安らいだ。

しっかりと写真と思い出に収めると、鹿児島中央駅 9:59発 きりしま8号にて九州遠征5県目となる宮崎県を目指した。本日からは梅雨入りの影響で雨が降る錦江湾沿いを、雲に山頂を覆われた桜島をバックに列車は走る。完全に貸切状態の車内で車掌さんが「天気が良ければ開聞岳も見られるんだけどなぁ」と鹿児島弁で話しかけてくれた。私が「JR九州の車両ってカッコよくて乗ってみたくなりますよね」と受け答えると、そこからは業務の妨げにならない程度に色んな列車の事を話してくれた。そこには〝鉄道愛〟があふれていて、いつまでも聞いていたいと思う話ばかりだった。最後には子供でもない私に、手作り感のある鉄道カードまでくれた車掌さんとの出会いが素敵な思い出となりながら二時間ほど揺られると宮崎駅に着いた。

そこからは路線バスもないので、駅前でタクシーを拾って店へと向かった。晴天ならば南国ムード満載であろうシュロの木が立ち並ぶ通りを5分も走ると、大きな鳥居の下で降ろされた。すぐ目の前には三角屋根の建物に大きな看板がオーラを漂わせるコチラがあった。

駐車場に停めた車から先客が店に入っているのを確認してから私も入口の扉を開けてみると、そこには活気と熱気にあふれた、都心では感じる事のないパワーが満ちている。そんな空気な圧倒されながら案内されたカウンターの隅席で、本日のお題を決めるべく卓上メニューに目を凝らした。

昨晩の鹿児島ナイトのせいでメニューを下調べしてなかったので、突然に現れた謎の暗号のようなメニューの表記に戸惑ってしまった。

〝メンデラ〟〝肉デラ〟〝Wデラ〟

思わず「ネルソンかよっ!」とツッコミを入れたくなるようなメニューが並んでいる。そんなくだらない事を思っていると、ここで大きな勘違いをしてしまったのだ。それはメンデラ=特製だと思い込んで注文してしまったのだが、この時点ではメンデラ=麺1.5倍とは知らなかった。前食の鹿児島「のり一」と同じように、たくあんのサービスでおもてなしを受けながら店内観察を始める。

お座敷やテーブル席を多く設けた広い店内を本日は七人体制でフル稼働している。客層も地元の方々が多く見受けられ家族連れの割合が多く、年齢層は比較的若いと思われる。調理場内に目をやると強烈な印象を与えてくるのは、三連式の羽釜の大きさだ。スープ炊きに使われているのだが木蓋がされているので羽釜の中の様子は見えないが、熱源のガスの炎を見る限りは強い火力で沸騰させているように思える。時折スープを別の羽釜に移しているのは濃度の調整をしているのだろうか、ご主人の経験だけがスープの決め手となっていると見える。スープを炊きながら麺上げまでもご主人が担っているが、圧巻の二台の麺茹で釜の中には14個ものテボが並んでいる。ワンロット14杯を全てのテボを駆使した麺上げ作業は見せ場でもある。しっかりと時間差を考えてテボに投入された麺を、さばいていく姿は熟練技そのものだ。それを素早く仕上げる盛り付け役のスタッフの機敏な作業も一見の価値がある。

大量生産ながらも、そつの無い調理工程に見とれていると着席して8分で我が杯が到着した。その時になって初めてメンデラが大盛りという事に気付いた。なぜなら他のラーメンよりも、ひと回り大きな丼で現れたからだ。本日の一食目とはいえ、この後も連食を考えていただけに意味も分からずに注文した事を後悔してしまった。しかし悔やんでも仕方ないので目の前のラーメンと向き合ってみる。

その姿は白磁に鳳凰の描かれた反高台丼の中で、素朴ながらも丁寧な盛り付けが好印象を与えてくれる。液面のスープと香味油のツートーンカラーが、先程の列車のボディカラーと被って見える。初めて出会った宮崎ラーメンの姿を目に焼き付けながらレンゲを手にした。

まずは洗柿色のスープをひとくち。羽釜で強く炊かれたと思われる濃密そうなスープと、たっぷりと表層を覆った香味油に強いアタックを仕掛けられると想像しながら口に含んでみる。すると濃厚ではあるが、思いのほかサッパリとした口当たりに驚いた。豚骨由来の臭みもなく、多く思われた香味油もサラリとしている。その香味油からは焦がしネギのような香りが風味をより強く与えている。スープの香りは穏やかで豚骨耐性の弱い私にでも受け入れらると思ったが、塩気と旨味の強さには面食らってしまった。かなりハイな設定のカエシは、スープを飲むには塩っぱさばかりが際立っている。また豚骨スープだけではない不自然な旨味成分も顔を覗かせているのが少々残念である。しかし地方遠征には付き物と覚悟していたので、麺との相性を楽しむ事にする。

表の看板にも大きく書かれているように自慢の自家製麺を箸で持ち上げてみると、加水率の高そうなストレート太麺が現れた。ふっくらとして黄色みを帯びた麺肌が、いかにも美味そうで食欲を刺激する。麺上げまで330秒の長い茹で時間からは想像できないくらいのハリを持った麺質が箸先から伝わってくる。そんな麺をすすり上げると、見た目通りにハリのある口当たりが心地よく滑り込んでくる。多加水麺なのでスープを寄せ付けないのが、私には幸いしてダイレクトに自家製麺の美味さを楽しめる。ひとくち目で大盛りにして良かったと思えるような良麺に出会った。また密度の濃いグルテンが生み出す歯応えと歯切れの良さが、交互に繰り返しやってくるので大量の麺も食べ飽きせずに食べ進められた。

具材のチャーシューは豚バラの煮豚型が小ぶりながらも六枚も入っている。必要以上に柔らかくもなく肉々しい歯応えが好み寄りでうれしい。味付けも薄味ではあるがスープ自体にコショウが強く使われているので、その香りと辛味を借りると丁度良いチャーシューとなってくれる。単体で食べても、麺と組み合わせても相性の良い仕上がりとなっていた。

宮崎ラーメンの特徴でもある茹でモヤシも大量に添えてある。このモヤシは宮崎だけではなく今回の九州遠征で訪れた長崎 佐賀 熊本 鹿児島の四県全てに使われていた具材でもある。こちらも細いタイプのモヤシを使われているので、甘みや香りよりも食感を重視した具材と思われる。自家製太麺のモッチリした食感に交じって軽やかな細モヤシのシャキッとした歯触りがアクセントになってくれた。

メンマは褐色の色合いとは違ってサッパリとした薄い醬油味で仕上げてある。少しだけ滑りのある舌触りと、柔らかくもメリハリのある歯応えが名脇役を演じている。やはり手作り感のあるメンマは素晴らしいと再確認した。

それに引き換え残念なのは薬味の青ネギで、店で仕込まれていない業務用ネギを使われているように思えた。それは乾いた切り口や香りの乏しさから感じてしまった。毎日大量に使う薬味なので手切りするのも大変だとは思うが、業務用刻みネギを使うにしても鮮度の管理も重要だと思った。

中盤からも麺のすすり心地が良く大盛りでも完食していた。強気なスープを飲み干すことは出来なかったが、周囲の地元客も飲み干しているのは少数に見えた。ほとんどの方が卓上のコショウやニンニク醤油という調味料を加えてラーメンを楽しんでいたが、スープを楽しむと言うよりは麺を楽しむためのアイテムなのだろうと推測した。

宮崎ならではの地方色を楽しんで店を後にしたのだが、そぼ降る雨の中を宮崎駅までの20分の道のりを次なる目的地を探しながら歩いて帰る事になる一杯でした。

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