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KM

男性 - 東京都 (1952年生まれ)

〜町田のご隠居の食楽記・番外編〜『美味い不味いは紙一重』------ヒメアカタテハ『空気読まない』『遠くの100点より近くの80点』http://99080442.at.webry.info/

平均点 88.791点
最終レビュー日 2017年10月23日
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「絶品たんめん750円」@横濱 一品香 町田店の写真9/24/17
◆湯麺・元祖横浜タンメン

湯麺

前回に書いたように現在の日本のタンメンは:鶏ガラor豚ガラ、キャベツ・モヤシ炒めの塩味が基本である

一方中国で湯とは動物系・野菜スープを指すようだ。
したがって、小麦粉のスープ麺・汁そば全てが湯麺なのである。
日本のラーメンはすべて湯麺とも言える。

日本タンメンの起源・元祖

湯麺の起源は誰がどのように考えても、横浜中華街であるのが自然だろう。
中華街の汁そばは湯麺である。
鶏ガラ塩味で中国の青菜が乗っている程度だったと想像を掻き立てる。
それが一般に受けいれられると、当然野菜炒め、八宝菜、各種一品料理は何でも乗せられることになる。
サンマーメンの起源も同じところにあると思って良いだろう。
ただし醤油味は日本人が関係する。

餡掛けの調理麺は広東麺やサンマーメン、餡掛けモヤシそばとして広がって行ったと考えるのが自然だろう。

当初の湯麺の野菜にはキャベツ・モヤシは使われていなかったはずである。
中国では、特に古くは両野菜は使われていなかった。
その代わりに、中国青菜や白菜だった可能性が高い。


タンメンの元祖としてたんめんの元祖を自称しているのが、横浜一品香である。
よく見ると「元祖・横濱たんめん」の店!
いつでも行けるので、かえって行っていなかったのは、元祖という言葉が、イメージ的にミーハーを感じさせているからである。
伊香保での元祖水沢うどんは街道沿いに目白押しである。
昭和30年創業とのことなので、最も古い記録を持っていることも事実であろう。
口伝えでは、根拠が弱いから。

ここは駅からのアクセスは最も良いラーメン屋とも言える。
地元の年配の方を中心に、かなりの人気店である。
ディスプレイもきれいにまとまっている。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251823888?size=1024#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251823892?size=1024#content

メニュー:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251823962?size=1024#content

絶品たんめん750円:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251823898?size=980#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251823895?size=930#content

予想に反して立派な大き目丼。
色彩感覚は端麗。


どうやらキャベツではなく白菜であることが目立つ。
他はモヤシ多め、ニンジン、ニラ、キクラゲ、豚肉といったところか。

白菜は日本では夏は端境期。
量は少なく見えるが、葉の部分が多くシュリンクしていて、見場が悪い。
冬に食べるのがいいかもしれない。

しかしさすが元祖・横浜たんめん。
キャベツではないのが、一番オリジナルに近いはずである。
妙に納得して満足する。


スープ

タンメンの塩加減は難しいのだが、最初の一口は塩味が立つ。
そういうものなのか、と思う。
しかし表面の炒め油は少し多いタイプで、それが原因の塩加減だった。
口内も含め、全体に油がなじんでくると、その塩味が緩和されちょうどよい塩味となる。
さすがに長年の歴史がある。
おそらく平均的日本人の好みの塩味のようだ。

豚ガラ、鶏ガラ、野菜ベースのスープ。
特に野菜はふんだんに使われている印象。



中幅の平打ち麺。
これは非常に懐かしい。
55年前によく食べたタンメンは皆自家製平打ち系だった。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251823903?size=1024#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251823900?size=950#content

中加水で熟成されている。
モチモチではなく、破断感がある。
これだよな、と思う。


タンメンの食べ方

やはり麺と具を一緒に取り上げるべきであろう。
それにより、野菜を小さめにして、モヤシを入れた必然性が生まれる。
中国の青菜ではまず麺と一緒に啜ることはできない。

http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251823907?size=850#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251823910?size=850#content

美味そうな画像である。

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「濃厚冷やし胡麻味噌麻辣担々麺800円」@ど・みそ 町田店の写真9/24/17
◆今年最後の冷やし中華

町田では今や人気店。
休日などは行列もできる。

久しく入っていないが、たまに扉に張り出された、月毎の限定メニューをチェックしている。
今月もいいな。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251778103?size=1024#content

内容は張り出しに記載されているので、大変助かる。
いちいち書くのが大変な位t沢山書かれている。
四川料理を研究した結果に思えるアレンジ。
ご参考まで。

朝一番で入店する。
テーブル席に座らせていただく。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251778104?size=850#content

濃厚冷やし胡麻味噌麻辣担々麺800円:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251778106?size=950#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251778107?size=1024#content

肉味噌はさておき、カシューナッツがかなりふんだんにトッピングされているのに感激。
ナッツが担々麺では一番大事。
私が行っていた江西チワン族自治区では油すべてがピーナッツオイル。それも朝昼晩。
(余談だが、その町に行った日本人は、戦後二人目だそうだ)
なんでもピーナッツオイル、おかゆ、鍋までピーナッツ。
話によると共産党が健康のために、動物性のラードを使わないようにとのお達しを出したらしい。
ピーナツオイルは日本では高級中華料理に使われている位。
しかし毎日では飽きる。
救いは白飯と稀に出る酢漬けラッキョウ。
これは日本のものと全く同じ味。
これがルーツだったのだと感心したものだ。
その他日本伝統の食と思っているものは、大体中国南部からヒマラヤ南部に存在している。
納豆、豆腐、赤米・・・



トッピングはネギ類多め、トマト、揚げ唐辛子といったところ。
なかなか工夫されている。

タレの味付け

唐辛子の辛さはちょうど良い。
山椒は思っていたより効いていて、刺激が心地よい。
やはり四川料理は山椒かな。
唐辛子より山椒が多めがよい。
日本の合わせ味噌がベースで芝麻醤か胡麻ペースト、それに豆乳が予想以上に効いていて、これが特徴になっているほど多めに使われている。
3SOの味噌ラーメンと同じ方向。
これに和風肉味噌とカシューナッツが加わると複雑なコクが生み出される。
とてもいいと思う。



中太、中加水。
良く茹でてから〆ているようだ。
モチモチ感はなく、破断感がある。
硬さもちょうど良い。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251778109?size=900#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251778111?size=800#content

ここの限定メニューはいつもレベルが高い。
この担々麺もよく研究されていて、かなり美味い。
よい創作料理だと思う。

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「ピリ辛タンメン:800円+中盛100円」@麺処 まさごの写真9/18/17
◆老舗の代変わり(町田の店シリーズ)先代から50年
◆創作系タンメン
神奈川出身の人は町中華や食堂ではタンメンを食べていた。
ラーメンよりはるかに人気があった。
鶏ガラの薄いスープには味の素より、野菜のグルタミン酸のほうが美味かったからである。味の素は入れていたが。
野菜炒めも贅沢な感じで、ごま油の香りがいかにも中華らしかった。
横浜中心に食堂系では山のような数のタンメンが現在でも存在する。
その店の個性が出て一番コレクター的オタク向きのアイテムのような気がする。
しかし最近はタンメンの投稿が恐ろしく少ない。
それも限られた、ネット情報を頼りにした評判の良い店だけである。
数多くのタンメンを経験すると、現在の人気店が一番美味いとは口が裂けて言えない。

ラーメン屋では手間なので、メニューに入れないのが普通である。
生産効率が圧倒的に違うから。
横浜中心にゴマンとあるタンメンを網羅するツワモノはまだ出現していない。
横浜の町中華の醤油ラーメンの事情も同様なのは、味より、空気偏重の現代文化が原因であろう。
本当のラーメンを追求する人は現れるのだろうか。

一方タンメンには味噌ラーメン同様多くの可能性が内在する。

鶏ガラ、豚ガラ、キャベツ・モヤシ炒めの塩味が基本であるが、ヴァリエーションは無限に考えられる。


このタンメンも料理好きのご主人の好みを実現しようとしたものと考えている。

http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251732630?size=900#content

ピリ辛タンメン:800円+中盛100円:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251732633?size=1024#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251732636?size=1024#content

スープ

ここの基本の一つの横浜ラーメンと同じものがベース。
すなわち乳化型豚骨、丸鶏、鶏ガラといいった家系。
このベースに野菜からの旨味やコクが抽出されている。
かなり厚みがある味。
塩味は最初効いているかな、と感じたが、後半はちょうどバランスしていたことに気が付いた。



キャベツ、モヤシにニンジン、ニラ、ピーマンなどの一般的メンバー。
特徴は野菜の刻み方。
すべて麺の太さに合わせてある。
断面積の増加により、より多くの野菜の旨味が抽出される。
この効果は馬鹿にできない。
これは麺と野菜を同時に口に入れる食べ方を推奨しているわけである。
これが単なる野菜炒め料理と違う点であろう。
このあたりが味わいどころ。

肉には旨味があり、飾りではない。



中加水、中力粉、中太、中位の茹で具合。
程よいモチモチ感と歯切れ感の同時実現をめざしていると考えられる。
腰は立っている。
程よくスープを吸い込むことになる。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251732639?size=1024#content

前述のように麺と野菜を同時に掴んですする。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251732646?size=850#content

無料ザーサイ

ゴマ油で炒めたもの。
ラー油をたっぷりかけて付け合わせとする。
タンメンにはとても良いアクセントになると同時に、味がマッチしている。
最近はメンマを頼んだり、ザーサイを頼んだりすることが増えてきた。
どんな料理でも付け合わせが大事な役割をする。


冷めたスープ

塩味はちょうど良く感じる。
旨味はクルタミン酸リッチで、これでよいと思う。


家系タンメン

家系スープはそれほどイノシン酸を多くしないのが普通。
豚骨魚介と大きく違う点。

家系スープにはグルタミン酸が少ない。
そこで、海苔やほうれん草にそれを求めることになる。

家系に昆布出汁を入れる店もたまにあるが、クドクならないのでいいと思う。
そこで野菜のグルタミン酸も同様に合うことになる。

肉系のイノシン酸を増やすと、少し味が多くなりすぎ、逆に野菜の旨味がマスキングされる気がする。
また鶏ガラスープより味がしつこいので、野菜程度が一番で、さらに辛みを加えると食べやすくなる。

タンメンはできるだけ野菜の旨味で食う方が飽きない。
これはパスタのトマトスースと同じ位置づけである。

完璧な旨味構成が一番美味いとは限らないのである。
引き算した分、他の旨味が引き立つのも事実である。

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「カレーラーメン680円+大盛100円」@富久栄楼の写真9/8/17
◆出前をする老舗食堂(町田の店シリーズ)
◆自家製麺を続けるご主人
◆古風なカレーラーメン
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町田の中心から少し離れたところに10軒弱の老舗中華食堂がある。どの店のご主人も高齢で皆40~50年の歴史を持つ。
中華食堂で古いメニューとしては、タンメンなどが定番であるが、カレーラーメンというのがあった。醤油ラーメンにライスカレーのルーをそのままかけたものだ。このタイプは少なくなった。町の蕎麦屋にもカレー、ラーメン、カレー南蛮蕎麦・うどんと共に存在していた。
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カレーラーメン680円+大盛100円:カレーラーメンは汁を吸い込んで尚美味い。
撮影はゆっくりでも大丈夫。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251550073?size=1024#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251550186?size=950#content

カレーラーメンだけ専用丼と木のレンゲ。
これは色が染まるからである。

ベーススープ

カレールーの下のスープを一口。
醤油ラーメンと同じタイプ。
鶏、豚骨、チャーシュー煮汁、野菜+カエシの旨味。
これは塩味を抑えた穏やかなスープ。

+カレールー

昔の家庭で作られていたものを維持している。
いわゆるライスカレーと呼んだ時代のもの。
母親も小麦を炒り、ルーとし、S&Bのカレー粉を使ったものをよく作ってくれた。
これと同じ小麦粉感がある。
肉、野菜の旨味を感じる位の抑えた塩味、酸味と甘み。
甘味は野菜のみ。

そういえば、このタイプで美味いと思ったものは、昔友人宅で母上が出してくれた純粋な手作りカレー。
我が家よりさらに薄味であるが、逆に旨味がほんのり聞いて絶品だった。
2回位遠慮せずにお替りした。



自家製の中加水、強力粉タイプの細麺。
汁を吸わせるのに最適な麺。
カレースープと一体化した美味さがポイント。
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http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251550083?size=950#content

http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251550094?size=850#content

残ったスープを味わう

カレーの美味さは、その旨味と言える。
バランスの取れたベース醤油スープに、カレーの肉・野菜の旨味が重層的に重なり、深みを増している。
後味がとてもすっきりしている。
ここいらあたりが味わいどころだろう。

途中で七味とラー油を

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スープは全部飲まざるを得ないくらい魅力的。
カップヌードルのカレー味などもスープを全部飲みたくなる。
しかしやや調味料感が強く、後味がいいとは言えない。
それに比べるとスープとしても成り立っている。

カレーうどん、カレー南蛮蕎麦などは鰹節の旨味がポイント。
カレーラーメンはバランスの取れた動物系のコクにカレーの旨味が加算されて魅力となっている。

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◆グルメ番組と食レポ(前編)

★TVのグルメ番組花盛りのようだ。
どうも気になることが多すぎる:


・グループで押し掛ける

並んで御預け状態になり、料理が冷め行くのを行儀よく待つ。
そういう番組構成になっている。

順番にコメントを述べ、コメント中はだれも食べない。
もし私が主人や責任者だったら、『さっさと黙って食え』と言いたい。
せっかくの料理が冷めてしまう。ラーメンなんか最悪である。
私なら即全員退場を命ずる。
どうみても料理より自分達の立場・段取りが優先なのである。

・視聴者の意思不在。番組の段取りファースト

一番ひどいのがNHK。
うるさい程の時間管理のための大騒ぎ。
料理人・視聴者ラスト。

退場!!

・食べながら話をするのだが、話が中心で大切な料理はほんのお飾り。

一口食べて平気で残す。
そのまま置き去りにされる、無価値とみなされた料理。
まず黙ってすべて完食しろ。それから片付けてしゃべるべきだろう。
料理をバカにしている。
料理を軽んじるのが目的になっている。

・何軒も回って食い散らかす。

料理は味わうためにあるのだから、大食でもないのに食い歩くな。
一軒を堪能すべし。




★食レポなどについて:言いたいことが多すぎる:

・まず女性リポーターが大声を出して笑いながら店内に入って行く

こんなことをする人間が世の中にいるのだろうか?
特に海外で甲高い声で大声を張り上げる。
周りの目は奇妙な行動に飽きれている。
日本人として恥ずかしい。
特に海外では女性が甲高い声を出しているのを聞いたことがない。
驚いてもいないくせに驚いたようなそぶりをするな。
わざとらしい。笑うな。

・食レポと称し、当たり前のコメントをしなくてはならない

たいした食歴もなく、味が分かると思えないのに、シャレたことを言おうとする。
美味そうに食べるのが一番。

・無理やり味を何かに例える

最低だ。
匂いを表現する世界では確かに何かに例えるのが仕事。
しかし視聴者は味にそんなことは何も求めていない。
言葉とは、誰でも知っている普段の言葉でいかにセンス良く伝えるかが大事。
多くの人が真似をして、もう言葉遊びの世界にはまっている。


・柔らか、ジューシー、モチモチ文化

3種の神器のように繰り返されるコメント。
なぜそれがいいのか皆目分からない。
実は日本人の唾液量が少ないのが原因しているという事実を本人は知る由もない。
特に日本人男性は唾液量が少ないそうだ(だからやたらにチャーシューをバサだとけなす)。
ラーメン屋に文句を言う前に己を知れ。
硬くて歯が欠けそうで、噛みしめないと旨みが出てこない、歯切れの良いものに美味いものが多い。

・鼻に抜ける

香が鼻に抜けないものがあるなら持ってこいって言うんだ!!

・口に広がる

だから何なのかは謎。

・味の5要素に関する分析や、旨みの要素の詳細

コメント内容が貧弱なので、ほとんど味が分からない。
コメントはすべて物理的性質だけ。

・大声で『美味い!』と怒鳴る。

さすがに飽きてくる。

・・・後編に続く

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「サンマーメン680円+大盛100円+つまみメンマ200円」@富久栄楼の写真9/8/17
◆出前をする老舗食堂(町田の店シリーズ)
◆自家製麺を続けるご主人
◆横浜から離れたサンマーメン
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町田の中心から少し離れたところに10軒弱の老舗中華食堂がある。どの店のご主人も高齢で皆40~50年の歴史を持つ。
中華食堂で古いメニューとしては、タンメンなどが定番であるが、横浜に近い川崎や横浜線沿線には古くからサンマーメンがある。横浜から離れるほど個性が出て来るのが興味深い。生物の進化を見るようである。
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食感を楽しむ

最近の傾向としては味覚の機微に触れるコメントより、触感をもってその感想とする傾向が非常に強い。
いつも言っている『柔らか、ジューシー、モチモチ文化』である。
それは悪いことではなく、触感は味の重要な要素。
問題は多彩な食感を楽しむのではなく、柔らかいものを偏重する文化であろうか。
一方世界を見渡すと、多彩な食感を楽しんでいる。
中華での食感は驚くほど多彩。
中華の神髄でもある。

さて、このメニューは多彩な食感を楽しむものであろう。

サンマーメン680円+大盛100円+つまみメンマ200円:
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251332764?size=990#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251332766?size=1024#content

φ23㎝の大きな丼に目いっぱい溢れる餡。
ケチケチ感からは程遠い。

スープ

餡の下は程よい加減の醤油ラーメンスープ。
鶏と豚骨、野菜のバランス型。
これにチャーシューの煮汁とカエシからの旨味が加算されている。



キャベツ、モヤシ、玉ねぎ、ニンジン、ピーマン、青菜、タケノコ。
キクラゲ、シイタケ、豚肉、ナルト、蒲鉾。

記憶している範囲で五目ではない12目。

これらの味と食感を楽しむ料理と言える。
ラーメンとは違う楽しみ方ができる。
一つ一つの味と食感を味わいたい。

一般の五目と違う点は海鮮系の素材が入っていないだけのようだ。
お飾り程度のイカやエビは価格つり上げ用なので、無いほうがすっきりする。

特に蒲鉾、ナルトが際立ってりる。
これが入っているだけで五目感が満載となる。
その甘味と旨味の変化球。
その歯切れのよい噛み心地。
断然好きである。
おせち料理でも蕎麦前でも欠かせない。

さらに一目追加するためにカリコリメンマを追加した。
200円でものすごい分量。
やや甘めである。
これは食感の変化に最高である。
楽しみが倍加する。



中加水の自家製麺は強力粉リッチ。
汁を十分吸収し、しなやかな腰を変化させていく。
スープの味を食べることができる。

餡かけの場合、その表面に付着しやすく、別の麺となる。
その食感こそ最大の魅力かもしれない。
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http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251332770?size=850#content

メンマをつまみながら食べ進めるが、途中で残りを投入。
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メンマから甘味が移り、スープのコクを増していく。
酢が似合う味に変化する。

冷めたスープ

ゆっくり味わう。
多めのグルタミン酸で食べるスープだと確認する。
それにシイタケのグアニル酸が意外に効いていたのが分かる。

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「タンメン720円+大盛50円」@龍園の写真9/4/17
◆老舗の支那そばの味(町田の店シリーズ)
◆ラードのコクで食わせるタンメン

今回も文化遺産の記録として。

中華食堂の定番はやはりタンメンであろう。
タンメンにはその店の個性が出るものだ。

小柄なおばちゃんはまず大量のラードをラード缶から取り出し、鍋に。
十分鍋全体に馴染ませ、余分な分を容器に移した。
思ったより多い量に驚く。
そうか、ここの炒め物はラードを多めに使っているので、そのコクが特徴なんだと納得する。
スープも相当鍋に入れて煮だしている。

タンメン720円+大盛50円:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251126661?size=1024#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251126665?size=950#content

大盛用の丼φ23㎝にナミナミのスープ。
多めの野菜さえ沈み込んでいる。

スープ

他のメニューとは違い、多めの脂が層をなしている。

層の下のスープ:
塩味を強く感じる。かなり効いていると言える。
調味料感はラーメン類より強い。
豚、鶏の旨みを感じるいつものスープ。
野菜の旨みも相当出ている。



中加水の中細麺はスープが滲み込み初めている。
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最初は上記のスープの塩味を強く感じるので、少し行きすぎかなと思わせる。
しかし中盤ではラードで口内が満たされ、麺もコーティングされる。
それによって塩味は徐々に緩和し、よい塩加減に感じていく。

水溶性の味の5要素は脂でコーティングされと、感度が鈍り、味を薄く感じる。
最初気になっていた調味料感も無くなっていく。

持ち上げる
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麺からは湯気
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ラード味のタンメン

昔のタンメンの姿を残している。
こういうのもあった。
これが味わいどころ。

その中程からラー油を多めに投入。
胡麻油の風味も添える。
なぜかより塩味が弱く感じる。
丁度よいという感覚に変化する。

麺は十分吸水し、スープ味が強くなっていく。
伸びるというより、長崎チャンポンの造りに似て来る。
一種の煮込み鍋的美味さなのである。



肉、モヤシとキャベツが主役。
それにニンジンなどが彩を添える。
モヤシが主体なので、それほどの野菜の旨みは出ていないかもしれないが、丁寧に作られいるのが良い。

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◆豚骨スープ、旨み成分と乳化

豚骨スープには透明感がある低温抽出タイプと白濁型がある。
一般的にには白濁型を豚骨スープと呼ぶような習慣があるようだ。
白濁型でも九州のものは背脂系の脂肪の乳化量が少なく、東京などでは油の乳化を豚骨スープと思い込んでいる。
いずれにしても東京の豚骨スープの乳化脂肪の量は多く、そうでないと美味くないような風潮がある。

・旨み成分

旨み成分にも油脂が含まれるようになったが、一般的にはすべて水溶性の成分である。
したがって旨みを抽出すれば、溶液タイプの濁らないものになる。
この旨み成分はなんだろうか?
私はあまりネット検索しないので、興味のある方は調べてほしい。
私の感覚からすると、一番一般的な核酸系のイノシン酸類をあまり感じない。
むしろグルタミン酸などのアミノ酸系の淡い味と髄から複雑な抽出物のような気がする。
それならイノシン酸系の旨みはどこからきているのだろうか?
おそらく、豚肉である。
豚ガラに付いた肉類などがその代表だろうか。
あるいは煮豚を煮た煮汁の場合も多い。
こっそり鶏肉の胸肉など使えば、尚イノシン酸が効いてくる。

一方東京での旨み成分は豚の油脂類の旨みを指していることが多い。
多くの方の投稿からは、旨み成分の記載がなく、美味いというタイプは背脂が大量に乳化されていることが多い。

澄んだスープの系統では豚骨だけでは旨みが足りないので、必ず鶏の出汁を組ませることになる。
場合によっては昆布も使われる。

・乳化と懸濁

液体が濁っていれば即乳化というのは正しくない。
白く濁った懸濁液というのもある。
これは微粒子が液体中に分散しているだけであり、粒子と液体の比重が違えばすぐに分離する。
一方乳化というのは界面活性剤・乳化剤が水と油の仲立ちをした状態である。
これも一般的には不安定系であり、いずれ分離することになる。
豚骨スープの場合はその混在系である。
実際乳化でも可溶化と言う現象は安定系で分離しない。

・界面活性剤

さて豚骨では別に界面活性剤は投入していない。
一体なぜ乳化するのだろうか?

それはコラーゲンがタンパク質変性してゼラチンになるからである。
ゼラチンはアミノ酸で構成されたコロイド分子で、親水基と親油基がある。これにより界面活性剤として機能することになる。
コラーゲンは長期の高温加熱により、熱加水分解し可溶化される。
豚骨を高温で加熱する理由である。

・豚骨スープの粘度

豚骨スープではその粘度が興味の対象となる。
高粘度物質は下の上の滞留時間が長くなり、それに比例して旨みの量を多く感じる。
したがって高粘度のものほど美味いと言われもてはやされる。
だれにもわかり安い美味さなのである。

粘度の原因にはいくつかある。

1)乳化粒子
乳化されたものは粘度が高くなる。
これは乳化粒子間に働く力にや摩擦力などに関係する。

2)懸濁物質
豚骨の髄のコラーゲン以外の粒子は溶液中に分散し、抵抗になる。
これが粘度の原因にもなる。
良く加熱するほど髄が分散する訳である。

3)コラーゲンとゼラチンのコラーゲンヘリックス

コラーゲンは多くのアミノ酸からなる分子量の大きいポリペプチド鎖が3本でヘリックス(螺旋)構造をとる。
この構造で体の支持構造をつくる。
粘度的には極めて高粘度であるとも言える。

一方ゼラチン水溶液は温度により、可逆的ゾル/ゲル返還する。
冷却によりコラーゲンへリックスを再度作り、強固なゲルを形成する。
これを再加熱するとゲルは均一溶液状態、ゾルとなる。
骨の髄だけではなく、他にコラーゲンが豊富な豚足などの部位があり、これを使うとより粘度が高くなる。



・攪拌力と剪断力

乳化には界面活性剤が必要であるが、その他に攪拌力と剪断力が必要である。
例えば化粧品のクリームなどの美しい乳化には特殊な乳化装置・乳化釜が使われる。
この機器は強力な攪拌力と剪断力を備えている。
これにより、微細で均一な乳化状態が実現できる。

一方寸胴による豚骨乳化では攪拌力も剪断力も全く期待できない。
そうなると出来上がるものは粒子としては巨大で不均一、不安定なものができる。
このような乳化は学術的には疎乳化という。
豚骨ラーメンの乳化は疎乳化なのである。
少し放置すればすぐに分離して表面に油が浮いてくる。
油が浮いていないスープを作るには、加熱・攪拌を継続し続けなければならない。
あまり攪拌しないか短時間の加熱では一部の油脂だけが乳化し、未乳化の油脂が表面の浮いている。
この状態を学術的ではないが、私は微乳化と表現し始めた。
微乳化とは部分乳化である。
このタームは今や一般化している。



・乳化と安定性、寸胴内の均一性

寸胴で乳化するスープはどのように頑張って攪拌しても上下間で不均一である。
通常の工業的乳化装置でも見た目は均一だが、分析すると上下で差がある。
まして寸胴では極めて不均一と考えるべきである。
表面に油が浮いていないくても相当不均一で、上部は油脂類がリッチで下部は水分が多い。
したがって開店時のスープとスープが寸胴内で減った状態では、あきらかに物が異なる。
よく『ブレ』という言葉を聞くが、この原因の一つである。

閉店間近では油脂類が少ない部分が残ってくるはずであるが、その方が美味いと言う人もいる。
これは水分が失われ、濃縮されているからであろう。
いずれにしても豚骨スープは時間と共に変化する。
訪れる時間帯を自分の好みのスープの時間帯にするのは賢明である。


・鶏白湯

これも原理は豚骨と同じである。
しかし丸鶏には胸肉などのイノシン酸を多く含む部位があり、尚且つグルタミン酸量も豚骨より多く感じる。
これだけでかなりバランスのいいスープができるのである。
さらに貝類、昆布などの他の旨み成分とも非常に相性がよいので、面白いスープが出来上がる。

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「辛味チャーシューつけ麺(大盛) 1030円」@町田 大勝軒の写真8/30/17
◆5年ぶりの町田大勝軒

冷し系も続いたのでもう少し暖かいものに切り替え始めようと思う。
町田ターミナルまでバスで行ったが、今日は思ったより暑いではないか。
熱中症になるといけないので、すぐ近くの大勝軒へ。
この店は自ら東池袋とうたっている。
しかし大勝軒の系統には何の興味もない。
問題はその個体変異である。

つけ麺はまだ投稿してなかったのでお願いすることにする。
食券販売機のボタンを探すと中盛3玉が無くなっている。
並みの上がいきなり大盛。
ただし書きには大盛より多い人は麺増しを頼むように書いてかる。
なるほど、大盛4玉は加水が多い分体積が増えて麺増しの領域である。
これが世間並。
一応大盛は3玉であることを確認してお願いする。

辛味チャーシューつけ麺(大盛) 1030円:

ここも照明が赤いので設定を変えたが、この設定が失敗でいい写真は撮れない。
また取り直せばいいのだが、いずれにしてもライティングが悪いので興味が沸かなった。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251042873?size=1100#content



レンゲがあるので先に味をみてみる。
辛さはそれほどでもなく、辛いものに耐性が弱い私でも慣れると辛くない程度。
途中でコチジャンを入れることにした。

http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251042874?size=1024#content

スープはバランス型。
鶏や豚、魚介、乾物などのバランスは大勝軒特有のもの。
煮干と節系のは効いているようだ。
乳化や強くなく、いかにもそれらしい。
塩味はやや弱め。
これと水分の多い麺との組み合わせを考えると、摘み上げた麺はすべて漬け込んでも味が濃くないと予想する。



麺は中太、丸みを帯び、白い。表面は平滑。
加水はやや高めで特徴的破断感。

http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251042876?size=1024#content

加水率は今日のは40%より少し高めに思えるが、茹で方で分からなくなる。
丸みのある断面から、通常のラーメンより長めに茹でられているようだ。
デンプンが十分α化して水を抱え込んでいるからであろう。
したがって加水とその後の吸水でこの麺は相当体積膨張している。
一般に大勝軒の茹で前の重さは茹で後に相当増加し、腹に溜まりやすいと考えるべきでろう。

麺とつけ汁

http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/251042877?size=950#content

今回の麺/汁バランスではほとんどどぶ漬けして啜って問題ない。
麺は滑りがいいのでドンドン啜るが、ある程度で休み休みというペースになってしまう。
口に合うつけ麺では、啜っている最中に、もう次の一束をを手繰り、間髪を入れずに連続して啜っていく。
特に美味い蕎麦では休む暇がなく、最後まで同じペースを保てる。
この原因はおそらく麺の口中の刺激の強さだと思える。
蕎麦は表面のザラツキや独特の表面感触がある。
これが継続的に勢いよく啜らせるモチベーションになっている。
一方大勝軒の麺はあまりにも平滑で均一、摩擦刺激が単調で弱い。
もう一つの理由は麺のドブ漬けである。
麺に汁を付けた部分と麺だけの部分を存在させるのは、実に大事なことなのである。これにより一種のコク、不均一のコクを生み出している。
口中調味の脳の刺激が飽きさせないのである。
したがって今回の食べ方では、ある程度の量でモチベーションが無くなってくるのである。

チャーシュー

バラ肉系統のもので、味付けは強くない。
この方がつけ麺には合うと思う。
しゃぶしゃぶと同じ理屈。
旨みはかなり滲み込み、残りの旨みも多い。
この付け麺には旨みの追加という変化を与えくれるので重要である。
沈んで見えないが、全部で8枚程度。
大きくもなく、厚くもない。
大勝軒らしく、気前よくしたほうがバランスがいい。

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「冷し担々麺850円」@麺処 まさごの写真8/20/17
◆老舗の代変わり(町田の店シリーズ)先代から50年
◆創作系冷し中華
老舗の二代目はオヤジの味も継承しながら創作系に力をいれている。
それもあまり他の店のものに囚われない独自のものを開発している。
町田の繁華街での小さい店の営業は難しいと思える。
一番難しいのはコストを大きいところより抑えないといけない点ではなからろうか。

ふんだんに高級素材を使わないで、いかに美味いものを作るかの参考になる。

今日はやはり夏物。

冷し担々麺850円:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250834866?size=950#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250834871?size=900#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250834864?size=850#content

丼はφ24㎝の大物。
なかなか見事。

具は蟹蒲、メンマ、キュウリ、豚肉、それに白髪葱と青ネギ。



中加水、中力粉、中位の茹で具合とでもいうのだろうか。
おそらく多くの種類に対応できる麺なのだろうな。
もともと家系の麺なので、その傾向もある。

http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250834872?size=950#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250834875?size=800#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250834879?size=950#content

タレ

胡麻味がすると同時に少しの酸味がある。
味噌系の冷し中華的であり、味噌系の冷し家系的でもある。
かなり独創的。

スープは豚骨・豚であろう。
それに和風の味噌、胡麻ペースト、酢、砂糖といくつかの調味料で整えているような味。

四川風では、芝麻醤、ピーナッツバター(花生醤)が効いていてコクがある。
しかしこれには花生醤の油感とコクが感じられない。
その代わりに豚骨スープの肪とコクなんだろうと思う。
見事に代用している。
辛さはあまりない。
これは好みでラー油でも入れればいいだろう。

スープの塩味、酸味、辛味は強くないので。
汁だけでも飲める。
オリジナルの陳県民の日本風担々麺は山椒も少なく、辛くもない。
日本人の平均的味覚に合わせたのだと思う。
面白い味で、夏にはたまに食べたくなる。

カタヤキを日高屋で食べた。

http://99080442.at.webry.info/201709/article_12.html


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◆麺の持ち上げとは、その2(保存版)

前回は表面張力による、実際の汁の持ち上げについて考察した。

今回は汁そばではもっと大きな要因による、持ち上げを議論する。

汁そばで最も大事なのは、麺/スープバランスと汁の麺への滲み込み速度であろう。

・汁の滲み込み現象と麺の吸収現象

前回麺の持ち上げ量はその味によって決まっていると書いた。
それならば、特に汁そばでは表面に付着する汁量より、麺に滲み込んで吸収された汁量の方がはるかに多い。
低粘度汁そばでは、持ち上げ量を決定する要因は滲み込み量なのである。
プロが滲み込み量が多いと言ったことが無いのは、残念である。
日本料理の煮ものなどでは重要な要素であり、関西のしゅんでるというのも『しむ=染』から来ているようだ。

・滲み込みを決定する要因などについて

時間

麺とスープが合わされてからの時間による滲み込み量の増加。
特に食べ始めと終了時との滲み込み量の差ははげしい。

温度

温度が高いほど分子運動が盛んなので、滲み込みが早い。
暑いスープと冷たいスープの差は歴然としている。

タンパク質

タンパク質が作る立体構造はその構造が緻密で小さいほど滲み込みが少ないように思える。
構造の細かさは麺の熟成度や冷水の〆作業で変わってくる。

デンプン

麺の70%前後を占めるデンプンの結晶形は麺の性質を大きく左右する。
麺を茹でる作業はβ型からα型への結晶型を変えること。
米を炊くということと全く同じ。

この時、デンプンの種類や薄力粉、中力粉、強力粉でα化に差が出る。
薄力粉はデンプン量も多く、またそのデンプン自身が異なることもあり、α化を促進する。
α化するほど汁が滲み込みやすいことになる。

薄力粉を使ううどんはα化しやすく、柔らかく、そして汁が滲み込みやすい。
その滲み込みを楽しむのがうどんの楽しみの一つと言える。

茹でる作業は、そのα化を途中で止めると言える。
その止めるタイミングで、腰や硬さ、感触が大きく変わり、その後刻々と変化していく。
非常に繊細な作業なのである。

中途半端な不安定型で止めるのがその本質であり、パスタのアルデンテとはそういうものである。

加水率

茹でたての状態でのお湯の滲み込み具合は、明らかに加水率でその吸収速度が違うと、体験的に感じている。
その原因についてはまだ勉強不足なので明言できない。
α化は過熱下でのデンプンの吸水膨潤化である。
DSCでの吸熱ピークは70℃付近なので、この温度帯で相が変わる。

α化の膨潤曲線はおそらく横軸を温度にすると、漸減曲線を描くはずである。
即ち膨潤化の初期では急激にα化し、吸水が進み水分含量が多くなるとその速度は落ちてくると考えられる。
したがって、加水が多い多加水麺では吸水速度が遅くなり、加水が低い低加水麺では吸水速度が速くなると考えている。


汁そばのスープの滲み込み現象は、麺類の味に大きく影響する。
麺類の味は小麦粉本来の味と練り込まれた塩や吸水したスープとのバランスで決まる。
多くの微妙な問題が内包されているので、注目してみる価値がある。

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「坦々風冷麺700円+大盛100円+ザーサイ280円」@林華飯店の写真7/28/17
◆街のはずれの中華料理(町田の店シリーズ)
◆冷し中華という創作料理

この店には3種の冷し中華がイントロされている、と前回書いた。
しかし何度も書くが、中国では冷たいものは食べない。
必ず加熱する文化なのである。
3種共日本人向けのアレンジ。

ポスターの画像では地味で見た目に惹きつけるものがない。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250582558?size=1024#content

実は中国料理は見た目は全体的に地味かもしれない。
前回の棒棒鶏も中国では鶏肉だけ。
酢豚も豚肉の唐揚だけ。
その他ほとんどが単品では地味。
しかしズラッと種類を並べると、見た目と味の幅が広がる。

この冷麺、見た目のインパクトは少ない。
日本の冷麺の美しさとは違い、赤、黄色、濃い緑などは見えない。
キュウリさえない。
しかしこれが本当の中国料理の仕上げなのかもしれない。
水菜さえあらずもがな。

これだけシンプルだと、これに合せる他のメニューが大事だ。
今回は同じ四川料理のザーザイを付けてみた。
良く合う事間違いない。
値段も一番安価。

結論から言って、この冷麺、実に美味い。
四川だから辛ければ良いというものでもない。
味のバランスがすばらしい。

中国料理の美味さは本当は深く、難しい。
日本料理にも共通するものがある。
味は端麗。素材の味が活きている。
また肉味噌とのコントラストもある。

日本の中華料理は全体に塩味が強く、味が強い。
なぜか方向が違う気がする。
日本の担々麺も辛さに走りすぎだ。
中国でも激辛はむしろ少数派で、辛いものを避ける地域も多い。


坦々風冷麺700円+大盛100円+ザーサイ280円:
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250580841?size=980#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250580847?size=950#content

かなりの大盛。
麺が溢れんばかりに盛り上がる。

混ざる前の麺はこんな感じ。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250580867?size=850#content

つまみ上げる
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250580876?size=850#content

ザーサイ
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250580861?size=850#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250580889?size=850#content

麺は中加水の細麺。
中華らしい麺。
汁を程よく吸うはず。

タレ

塩味抑えめ。
いかにも中国風。
その分胡麻、芝麻醤・ピーナッツのコクが活きている。
そしてほのかな甘さがベストなコクを与える。
口に合う。

肉味噌

これが本格派。
そして見た目より量が多いのがうれしい。

甜麺醤・豆板醤、(豆鼓)と言った中華豆味噌のコクが活きている。
肉も挽肉ではなく、細かく刻んだものを使っている。
これは中国料理の基本中の基本。
挽肉は使わないな。

途中からタレに肉味噌を混ぜて行く。
味に差が段々出てくる。

麺の変化
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250580895?size=950#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250580899?size=950#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250580903?size=950#content

大盛で味が単調になるのを防ぐにはザーサイが最高。
ラーメンのメンマに相当する重要性がある。
ザーサイを含めて一つの料理と言える組み合わせができた。

ぜひ四川料理に試していただきたい。
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◆麺の腰などについての考察(保存版)・・後編

・・・・前編より

5)喉ごし

これはかなり複雑な感覚である。
上記の各種感覚も深く影響する。
しかし一般にはそれだけと思われているが、最も大事なのは上顎の接触感覚と次に舌の奥からのどあたりの接触感覚である。
麺の美味さの原因の50%位はこの接触感覚から来ると考えているほど大事な要素である。

この感覚には摩擦係数だけでなく、接触する強さ、麺の形状や弾性率からくる感覚などが深く関係している。
いわゆる腰も関係する総合的感覚である。
特に上顎は一番敏感な性感帯であることを付け加えておく。

そこで結局麺類は音ができるだけ大きくなるように勢いよくすするほど美味いのである。
それができない人はまだまだ麺類の美味さを分かっているとは言えない。

6)吸水と水分の均一化

上記の物性は時間的に不安定系を固定して、一点で評価している。
しかし不安定系である麺類はその物性を吸水とデンプンのα化の均一化によって、茹で上げ後に刻々と変化させていく。
ゆでたて、完成直後、中盤、最終とその物性は変化するものなのである。
もちろんその物性変化のスピードは小麦粉の種類や加水率、茹で時間などにより異なっている。
したがって麺類の評価はその開始から終了までの総合的変化で行われるべきである。
最初だけ評価してあとはダレルなどと言っているのは勉強が足りない。

7)おまけ

このように麺類の物性は無限の組み合わせが考えられる。
麺類の評価でよく見かける『当方の嗜好と合わない』と言うのはいかがなものか。
麺類の好みは人によって違うのは100%当たり前で、敢えて記載する必然性を感じない。
私は他人様の好みなど何の興味もないし、聞きたくもない。

他の方の投稿に対するコメントでも『当方の嗜好と合わない』とわざわざ書く人がいるが、コメントをもらった人が喜ぶとでも思っているのだろうか。
そんなに自分をアピールしたいのだろうか。

またその人がどんな麺が好きかは知らないが、ラーメン屋のご主人は少なくても好きでやっていること。
どうしても書きたいのなら自分の好きな麺だけ食べてくれていた方が気分がいい。
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好きの反対が嫌いというが私はそう思わない。
好きと嫌いはまったくの反意語ではない。
むしろ人間性の違いの世界である。
好きは加点対象であり、嫌いは減点対象とも言えるが、少し違う気がする。

私は好きなことだけ書くことにしている。
好きと言うのはご主人の存在を尊重して敬意を表する時に使う。
自分をへりくだっているニュアンスがあり、微笑ましい。

一方嫌いは、自分が天下を取った位の意識で、世界を支配し君臨する立場でものを言っている。
敢えて人に言う事ではなく、実に恥ずかしい事なのである。

幼少期に親から食べ物の好き嫌いは言うなと叱られた経験はないのだろうか。
この時の好き嫌いは単に『嫌い』のことである。
いずれにしも『嫌い』な事を自己実現のように勘違いする傾向が強いのが最近の特徴である。
これは極度に幼稚性が強い意識と言える。

好き嫌いを言うまえに、作り手への感謝と食べられることへの感謝が必要ということである。
自分の好き嫌いよりもっと大事なことがあるのである。

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「チャーシューワンタンメン800円+大盛100円」@華正の写真8/4/17
◆町田の老舗達(町田の店シリーズ)
◆驚くべきワンタン大盛

冷たいメニューばかり食べていると、たまに熱いメニューが欲しくなる。
途中ポプラの並木。
木肌のカラーミックス:http://photozou.jp/photo/show/286324/250392906

また早めに入店。
店内は涼しいので助かる。
一息付く。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250392908?size=850#content
窓際には南瓜:
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250394113?size=850#content

ピントは外してみた。

餡かけ系は熱がこもり過ぎて熱過ぎるきらいがあるので、お気に入りのメニューの一つを選ぶ。

チャーシューワンタンメン800円+大盛100円:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250392911?size=980#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250392915?size=960#content

おっと。
思ったより小さいφ22㎝の丼。
それにしては液面が高い。

表面には油が浮いていないのがすがすがしい。
ナンデモカンデモ香味油を浮かせればいいというものではない。
油が少ない方が、カエシ、旨みを素直に味わえるという事実を忘れてはいけない。
油の旨みにあまり頼らないで味を演出するのが日本料理のポイントでもある。
シンプルであるほど素材やスープの味が引き立つ。
そして味の総量も多すぎないで穏やかな美味さを出せる。
ラーメンに油は必須であるが、それをどの程度、またどこから求めるかが重要である。

スープ

印象は穏やかな、ふくよかな旨みにある気がする。
全体に無化調のバランス型と言ってよい。

カエシの醤油はほとんど尖ることはない。
カエシに酒類のような旨みがあることさえ分かるような味付け。

毎回書くのが面倒だが、鶏、豚骨、節、煮干し、昆布、野菜といったものと推測できる。



http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250392916?size=880#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250392919?size=900#content

加水多めの細縮れ麺は黄色味を帯びる。
瑞々しさと弾力が命の麺。
勢いよく啜る刺激がタマラン。
スープは熱くないのでドンドン啜れる夏向け。
すぐに麺だけ啜りきる。
麺量は普通盛と同じに思える。
これが大盛?と悩む。

チャーシュー
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250392921?size=700
前回はもも肉だと思った。
しかし今日のは外観はもも肉なのだか・・・
イノシン酸が脂感で抑えられるようなタイプ。
ロースに近い部分かなにかで、純粋なもも肉かそうかには自信を持てない。
しかし脂・赤身バランスがよく美味いチャーシューであることは間違いない。
厚み大きさもよく、量もこの位でいいのかもしれない。

ワンタン
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250392917?size=880#content

大き目の皮に包まれている。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250392920?size=850#content

麺が無くなったので数を調べたいが、相当軟化して形を保ったまま触れない。
ただ、これがいいのだ。
ワンタンのスープは味が端麗なのが一般的。
麺に続いて同じ味と言うのも寂しいので、ラー油を多めにかけることにした。
本当は小皿を用意して、ラー油、醤油、酢などで調味料を作ると水餃子風を楽しめることになる。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/250392922?size=850#content

実は大盛は麺大盛ではなく、ワンタン大盛だったのだ。
その数は10個をゆうに超える。
普通のワンタン大盛よりはるかに多いのだ。
これは大変気に入った。
また大盛を頼みたくなる。

十分以上汁を吸って膨潤したワンタンの皮を呑み込む。
麺との感触差が大きいのが魅力。
そしてスープ自身を皮で楽しめる。
これは中華の小麦粉料理の基本と言える。
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◆麺の腰などについての考察(保存版)・・前編

ラーメンなどの麺類の誉め言葉のコメントは、大体モチモチ。
肉はなんでも柔らかいかジューシュー。

これらは味のほんの一部の物理的食感に過ぎない。
舌で感じる味の成分についてのコメントは皆無。
さらに舌や口内の接触感覚などについては表現できる人は見当たらない。

しかしRDBではこれよりずっとましで、麺について様々な表現が工夫されている。

これらの物性・食感は学問的にはレオロジーと言う領域に属する。
簡単には粘弾性特性とも言える。
私が勉強したのはほぼ30年前の事なので、現在ではもっと物性評価が進歩しているはず。勉強してみるのもよい。

麺の評価は大雑把に、腰、硬い、モチモチ、パッツンなどや喉ごし、ツルツルなどが代表と言える。
この概念を少しレオロジカルに整理して考察したい。

1)腰

硬い麺を腰があると言う方が多い気がする。

しかし腰とはここでは硬さと区別したい。
よく髪の毛に張りがあるという。
これがまさに腰である。
腰は細長いもの形状そのままでの弾性特性と考えていい。
柔らかい麺にも腰が存在するが、それは弾性率が低いことから生まれる特性と言える。

腰や張りは内部の硬さと、表面の柔らかさの差が主な原因である。
差が大きいほど腰・はりがあり、差が小さいとフニャフニャな腰であったりする。
微妙な表現では、しなやかさ的な表現がある。
これは適度な硬さ差があることによる。
この外部と内部の差はデンプンのα化の差と、水分含量の差によって生まれる。
麺類は不安定系なのである。

2)硬さ

硬さは破断強度である。
これは破断曲線のピークで表す。

3)パッツン/モチモチ

これは破断曲線のパターン。その特徴からくる。
破断のピーク・破断強度を迎えてから急激に値が落ちるとパッツンである。
この性質は強力粉などに強く表れるので、タンパク質の種類と含量、それから結晶構造の密度や均一性、結晶化度などによる。
同じことがモチモチにも言えるのだが、違うのはその破断曲線である。
破断ピークから強度が一度に落ちないでダラダラ落ちて来る波形パターンである。
したがって、そのパターンは山ほど種類があり、モチモチには多くの種類が存在する。
このダラダラの性質はタンパク質ではなく70%前後を占めるデンプン含量とα化度の差から来る。
さらに配合小麦粉の組み合わせ、混合原料などによって、さまざまな波形を現す。

薄力粉はデンプン含量が多く、α化しやすいのでモチモチに成りやすく、強力粉はパッツンしやすい。
パスタはパッツンの代表で、モチモチはうどんが代表である。
日本人は米もモチモチを好み、これはデンプンの性質からきている。
おそらく加水率にはそれほどは関係なく、低加水麺は私にはネチネチ感があると感じさせる時がある。
これはアルファ化が上手くいっていないバりカタなどの特徴でもある。
デンプンのβ型結晶の特徴がでる。いわゆる生のデンプン。
したがって私は博多の豚骨ラーメンなどは、α化が進んだスタンダードな茹で方で麺の特徴が出ると考えている。


4)スベスベ、ツルツル・・

これは摩擦に関係する。
スベスベするのは摩擦係数が低い。
また大事なのは表面の滑り曲線とでもいうもので、表面をこすった時の摩擦変化の曲線パターンである。
この微妙な曲線を人間は見事に評価する力がある。
すごい感度のいいセンサーと言える。
主に舌の接触感覚のように思える。

ザラツキ感などはその代表で。
全粒粉などは微妙にザラツキがある。
蕎麦ではこのザラツキが非常に大切。

テクスチャーとも言い、服の触った風合いと同じ感覚である。

実は静かに啜ると、麺の個体表面の摩擦の性質が強く出る。
しかし表面が汁でぬれ、皮膚との間に粘弾性液体が介在し、強く啜られた時の摩擦、動摩擦では液体の性質が主な摩擦要因になる。
これを『流体潤滑』と呼ぶ。
特にチクソトロピー的な現象で、剪断力が強くなると低粘度化し、滑り感が大きくなる。
粘性の強い汁の物は、啜るスピードで滑り感が変化するのである。
自分の啜る速度で滑り感は異なるので、これは知っておくとよい。

・・・後編に続く

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