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miles

男性 - 東京都

音楽や映画などと同じく、作者が「作品」を通じてどんなメッセージを送っているか、それに自分は「共感」できるか、そんなことを考えながら、5年間食べ歩きました。「共感」の程度には様々ありましたが……これからは「非常に共感できた」場合のみ、ごく簡単にご紹介します。今後詳細につきましては、下記をご覧ください。(2011/8/6)http://milessmiles.blog.fc2.com/

平均点 75.101点
最終レビュー日 2013年11月18日
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「塩ラーメン + 別れの海苔」@旭川ラーメン 好の写真 週末、いつものようにカミさんと地元の「好」へ(2日)。入口右手の冷水器でお冷やを二つ、それを両手で持ちながら、例によって店右手奥の品札で新メニューをチェック……ま、今日もいつものラインナップ。
 おかみさんに「塩二つ」といつもの注文……ただし今日は「一つは海苔つけて」。この店で、私がトッピングをつけるのは始めて。ご主人も、ちょっと「あれ?」といった顔をしています。ご主人と目を合わせぬよう、ワザとカミさんと引っ越し話。ご主人、チラチラとこちらを見ていますが、敢えて無視。丼は約5分で到着。
 ここのスープは、いつも微妙に違う。津田沼に移転した当初は、毎回スープを変えたのではないかと思うほどの「ダッチロール」でしたが……その「ジャジャ馬」ぶりに惚れました。ある年の春から鶏を上手く使ってようやく安定、それでも今日は、いつもよりホタテがかなり強めです。鰺干し、鶏ガラ、豚骨の旨みのシナジー、これにホタテ貝柱のグアニル酸も加わって、得も言われぬ「至福」の旨み。さらに赤穂の「甘塩」が、海中に降り注ぐ陽光のように、食材の味をキラキラと輝かせます……まさにこのスープは、太古の昔の原始の海、「生命のスープ」といった風情。
 麺もいつもの中太縮れ。モサッとした食感に、少しヌメリを感じさせる口あたり。しかし、この麺がワカメを伴って、まるで海に棲息する生き物のように、「生命のスープ」のなかでしなやかに踊ります……ひところ、客足がドン底だったころ、チャーシューのクオリティを下げざるを得ず、ご主人苦労しておられました。しかし、今はもう絶品。バーナーで炙られて、その持ち味を最大限に引き出された肩ロースとバラ肉が、まるで鯨の鳴き声のように、スープの海にその味を勇壮に響かせます。
 ちなみにこの店の「塩」は、トータルバランスで言えば、グルタミン酸系の旨みがわずかに少ない。そして、それを補強するのが海苔トッピング(100円)。8枚ほど増量された海苔で、麺・スープをくるんで頬ばれば……まるで、深海の発光生物のように、口の中に妖しい光が飛び散ります……
 食後、いつものように丼を上げ、おかみさんにお勘定。いつものように「ごちそうさま」と手を挙げて、店を出ましたが……そんな「日常」も、「好」に通った日々も、今日でおしまい。バイクで食べ歩いていた学生時代、しかし社会人になってからは、ラーメンなぞ忘れて飲み歩く日々……ご主人、この店の一杯が、昔の私を覚醒させてくれました。この店への愛着が深いだけに、敢えて「ピリオド」は打ちません。津田沼から引っ越して、もう滅多に訪れることもないでしょうが……しかし、また来る時もきっと、「いつものように」食べさせていただきます。その日まで……しばし、さらば。

#転居のため、しばらくレビューをお休みします。

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「味玉らーめん」@横浜げんき亭 浦安店の写真 よく考えてみたら、最近「家系」とはとんとご無沙汰。しかし、なんだかんだと忙しく、食べ歩いているヒマなぞありません。東西線駅から手頃な距離にないものかしら……と、探してみると、浦安に一軒「横浜げんき亭 浦安店」。さっそく訪店(31日夜)。
 地図ではちょっと距離があるかと思いましたが、歩道完備の直線コース、おまけに浦安の皆さんは歩くのも速く、流れにのってスイスイ到着。暖色の白熱灯に照らされた店内は、ビール片手に漫画を眺めるリーマンなど、なんとなくリラックスムード。ま、深夜店ゆえ喫煙率の高さがタマにキズですが……お冷やを運んできた女性店員に、「味玉らーめん」(700円)を注文。
 この女性店員、キビキビとした所作で無駄のない動き、席を立ちかけた客がいればスッと寄って素早く会計、接客から盛りつけまで、客席・厨房を駆け回って大活躍です。そうこうするうち、横のリーマンが煙草に点火、イヤなタイミングだなと思っていると案の定、丼到着。
 たなびく紫煙をかき分け写真撮影、では、スープを一口……ほどよく豚骨臭を残し、ポッテリと濃厚に仕上げた動物系に、結構強くカエシを効かせる構成。鶏油はかなり控えめで、キレを狙った仕上げかと思いましたが……ガツンとくるのは、濃厚なケミカルの「旨み」。おかげで、なんともわかりやすい「万人受け」する味には仕上がっていますが……アグレッシブな豚骨が、ケミカルで虹色に輝く、ボンヤリとした「亜空間」に閉じこめられているようなもどかしさで、ちょっと残念。
 麺は太麺ストレート、非常にしなやかなコシに適度な歯応えで、食感としてはかなりグッド。味わいもなかなかだとは思いましたが……やはり「亜空間」越しの味見ですので、アテになりません。具材で比較的印象に残るのは、海苔。かなり風味がよいもので、ケミカルで旨みも増幅され、なかなかです。隣席の常連さんは海苔トッピング(100円)を注文してましたが、これはおそらく「正解」。メンマは業務用っぽいハッキリした味付けですが、むしろ「万人受け」というコンセプトにはピッタリ。もっとも、ホロホロのチャーシューは、味・食感ともちょっと中途半端、味玉もどういう味付けなのか、ケミカル越しにはよく分かりませんでした。
 仕事帰り、ほっと一息ついてカウンターにもたれかけ、煙草に火をつけ頬杖ついて、ビール片手にマッタリと……そんな「くつろぎ」を感じる店内。そんな店に「唯一無二、入魂の一杯」は、むしろ不要な気がします。誰もが親しめ、毎日でも引っかけられる一杯……そういう意味では、家系ラーメンとしてはともかく、ビジネス・コンセプトとしては、意外と「上出来」のお店だと感じました。

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86

「ラーメン」@必勝軒の写真 いつも行列の絶えない「必勝軒」……自宅からもっとも近いラーメン店、しかし「行列嫌い」の私には、もっとも「縁遠い」お店でもありました……開店以来の皮肉なめぐり合わせ。しかし、近所づきあいもあとわずか、津田沼から引っ越せば、滅多に訪れることもないでしょう。
 休日ともなれば、長蛇の列を従えるこのお店ですが……しかし年に何回か、週末でもさほど待たずに入店可能なタイミングがあります。その一つが、大学生・予備校生の姿が極端に減る「センター試験日」 (19日) 。
 11時過ぎに店前をのぞくと店外待ち6名、10分強待っただけで店内へ。注文は「ラーメン」(700円)を「麺少なめ」で。学生が少ないと、店内も少し落ち着いた雰囲気。今日は社会人風のカップルが多く、穏やかに談笑しながら麺をすすり、食後はさっさと引き上げて、小気味よい回転が続きます。客層のせいか、いつもより口数の少ないご主人、キビキビとしたオペレーションが冴え渡り、店外待ち客への目配りも欠かしません。丼は約6分で到着。
 日替わりスープのこのお店、土曜はファミリー向けの「オールマイティ」。有名店ゆえ、すでに語り尽くされたスープですが……しかし、一つポイントを上げるとすれば、この煮干しの「苦味」。カツオ節でキリリと引き締められたこの「苦味」、このおかげで大量のスープ・麺を、スルリといただくことができます。ビールのホップ、カクテルのオレンジ・ビターなどと、同じ理屈ですな……大量の煮干しを使い、エグミが出る前にサッと引き上げる。この「苦味」を帯びた重量感ある煮干し出汁が、上質なカツオ節・動物系を、まるで自らの中に取り込むように融合させ、「必勝軒」ならではの見事な「一体感」を出しています。「ファミリー向け」にややおさえた塩加減で、他曜日のスープよりも好みですな。
 ま、賛否あるでしょうが、敢えてこの店の弱点をあげるとすれば、それはラーメン用の「麺」。コシが強く、「プリプリ」の域を超え「シャキッ」と固めに仕上がった中太麺。しかし小麦の甘みが淡泊すぎて、迫力あるスープと、もう一つうまくシナジーしない……昔から、そんな気がしています。もっとも、非常に高い完成度を誇る一品の、ほんの些細な弱点に過ぎませんが……
 年に2、3回しか通えませんでしたが、それでも通算では、相当回数お世話になりました。その間、一度たりともブレを感じたこともなく、客以外の要因で不愉快な思いをしたこともありません。あまりにも、自分の一部となっている味で、いまさら言葉にするのも気恥ずかしく感じますが……誰が何といおうが、大勝軒系では、マイ・ベストなお店の一つです。ご主人、いつまでもお元気で。灯りを照り返すこのスープのように、わが津田沼の「光」でいて下さい。

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69

「太助つけ麺」@らーめん太助の写真 昨夏から少し味が変わったこの「太助」。前回「醤油らーめん」を試しましたが、動物系のコクが増し、サバ節との一体感も強まって、豚骨魚介のバランスとしては「杏樹亭」のつけ汁に一脈通じるものを感じました。であれば、「太助」のつけ麺を試さずに、千葉を去ることができましょうや。寒風吹きすさぶ中、再訪(13日)。
 カウンター席で早速メニューを確認しますと、「太助つけ麺」は普通盛りで900円、大盛りなら1050円……「太助醤油らーめん(普通)」が650円ですので、こりゃ結構強気といえましょう。ま、とりあえず普通盛りをオーダー。待つこと約12分で丼到着。
 では、つけ汁を一口……あれ、魚介系がやや強めに感じられますな。「らーめん」のスープとはかなり違うバランスに感じます。もう一口味わうと……どうやら原因は「酸味」。つけ汁用に「アト付け」した酸味が、サバ節など魚介系の酸味と強くシナジーしてしまっている模様。この酸味に、せっかく強化された動物系も影が薄まり、ちょっとありきたりな「和風つけ汁」に感じられ、残念。
 麺は太めの中太麺。ドッシリとしたコシがあり、噛みしめると「グイッ」としっかり歯を受け止めます。ただし、味はかなり「淡泊」で、つけ汁との相性が思いやられますな。ま、とりあえずつけ汁につけ、ズバ〜〜ッといきますと……麺の甘み・魚介の旨み・動物系のコクの三者のシナジーを、つけ汁の酸味が妨げて、ちょっとバラつき気味。
 具材は、小松菜・メンマがゴッソリ麺上にのせられ、つけ汁にはチャーシューがタップリ。メンマは濃い味付け、味・量とも大満足なのですが、ゴマ油の香りが麺に移ってしまって、「和風」と化したつけ汁には、微妙に合いません。チャーシューも脂身の多いジューシーな一品ですが、この味わいを受け止める動物系のコクが………食後、スープ割りすると酸味も薄らぎ、ようやく動物系が本来の姿を現します。しかし、かなり多めのスープで割っても、最後まで酸味が気になりました。
 スープ・麺・具材、お膳立てが全て揃いながら、「合体」できないもどかしさ。シナジーへの触媒となるべき酸味が、相互の「臨界」を妨げています。やはり、サバ節を強く使うのなら、「酸味」は慎重に扱う必要がありますな……「杏樹亭」のやり方などは好例ですが、ま、今回はCP含めこの採点で。ご主人、がんばって!

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73
このレビューは移転前のものです。

「味噌そば」@光そばの写真 今年も残りわずかとなり、あれこれと用事が山積み(22日)。しかし、この時期の用事といえば誰しもご同様、郵便局の窓口は大行列、よく行く市川の乾物屋さんも、この日ばかりはレジに行列ができていました。やっと一息ついて時計を見れば既に14時過ぎ。近場の「光そば」へ再び。
 前回は「中華そば」をいただきましたが、ネット情報では店主が一番好きなのは味噌だとか。そういえば、味噌は券売機で上から三段目と目立たぬ位置にありますが、そこにだけ「みそラーメン」とオレンジ色の目立つステッカーが貼ってありました……ま、さっそく「味噌そば」(700円)をポチッとな。
 待つこと4分で丼到着。では、スープを一口……スープがトロみを帯びるほどの「味噌濃度」、しかし主役の白味噌は、麹の甘みが上品に感じられる一品で塩分も控えめ、濃さの割にくどさは全くありません。相対的にベースのボリューム感は弱く感じられますが、どこか「田舎くさい」味噌味を前面に押し出した構成は、なかなか新鮮で好印象。
 麺は珍來製で、かなり太めの中太麺。固めのゆで加減で強くコシを残し、弾力の強い食感で、ツルリとした麺肌ですが、スープのトロみが強いため、持ち上げは問題ありません。コイツをワシワシと頬ばれば……いやぁ〜〜結構「味噌」に合いますな、この麺。
 肩ロース・チャーシューは他メニューと共通で、濃いめの味付け。「中華そば(濃口)」では濃いスープに埋没気味でしたが、甘みの強い穏やかなこのスープにはよく合います。モヤシもゆでが入ってシャキシャキ、ねぎにはちょっと辛みが残っており、スープとの馴染みはあと一歩。
 卓上には「特製おろしにんにく 0円」との表示。お願いすると、粗めに降ろしたニンニクに、一味や胡椒などを混ぜた、ちょっとスペシャルな一品が、小皿に盛って差し出されます。丼に投入してみますと……辛みはよいアクセントだと思いましたが、ベースの動物系が弱いため、ニンニクとのシナジーはイマイチでしたな。
 なかなかユニークな味噌ダレ。スープ・麺の相性、具材バランスなどの完成度からも、ご主人の思い入れが感じられます。どう見てもこれが看板メニューじゃないですか、ご主人。券売機3段目じゃかわいそうですぜ、是非ご一考を。

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64

「つけ麺」@らーめん 一井の写真 クリスマス前、船橋も繁華街は人で溢れ、ラーメン屋も結構混んでます。繁華街から少し離れた某店に向かいますが……店外待ち数名。踵を返し京成線に乗り、今月オープンしたばかりの実籾「一井」へ。
 駅前ロータリーから辺りを見渡すと、駅前通りに「つけ麺」のぼりが一本。のぼりに誘われ路地に入ると、すぐにお店の前。小料理屋のようなシブい店構え、店内は7席ほどの一本カウンターですが、ゆったりとしたレイアウトでなかなかくつろげます。麺メニューはラーメン主体のようですが、のぼりの印象が強かったため、今日はとりあえず「つけ麺」(750円)で。
 厨房は、ご主人と男女1名の計3名で切り盛り。しかし、餃子焼き器、炒飯用のコンロの配置が悪く、それぞれを担当する店員と、ラーメンに専念するご主人が、狭い厨房内で交錯、まだまだオペレーションはこなれていないようです。スープは寸胴二つに分けてあり、丼で合わせるタイプのWスープ、麺はラーメン・つけ麺で共通のようです。丼は約8分で到着。
 では、つけ汁を一口……鶏ガラ系の動物系が前面、節粉でアクセントがついているためよく分かりませんが、もう一種のスープは魚介系というより野菜がベースのようです。酸味、塩分も控えめで、サラリとした口当たり。全体として非常におとなしく、それ故表面に浮く油分がややうるさく感じます。
 麺は中細の弱縮れ。そのまま一口いただくと、プツプツとした軽快な歯切れにスッキリした甘みで、たしかに自家製のコダワリが感じられます。ただし、振りかけられたゴマ油が、かなり風味を支配しており、これが吉と出るか凶と出るかですな。
 では、麺をつけ汁につけズバ〜〜ッといきますと……う〜〜ん、ま、サッパリしてはいますが、なんかチグハグ。ごま油と響き合うはずの動物系はアッサリした鶏ガラ、節粉と響き合うはずの魚介系は昆布が弱く、塩分は麺の甘みとシナジーするほど強くない。アクセントとなるべき「仕掛け」が、すべて上滑りしているような……そんな印象。
 メンマは醤油でキリッとした味付け、味玉もトロトロの黄身をかなり塩っぱく仕上げています。バラロール・チャーシュは、敢えて豚の香りを残して脂身も多めにし、コッテリとした風味が楽しい一品。これら具材の仕上がりは上々で、ボンヤリ系のスープになんとかメリハリをつけていますな。
 割りスープはベーススープとほぼ同じバランスで、動物系・魚介系を合わせて小さな容器で差し出されます。う〜〜む、これじゃ試す価値ありませんな……いやはや私のメニュー選択ミス、ここはあくまでラーメン主体のお店ですな。次回は是非。

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「コン麺(限定・2007年冬味噌)」@元祖一条流がんこ 十一代目の写真 行徳「元祖一条流がんこ 十一代目」といえば、がんこ系ながら味噌を出すことで有名ですが、この味噌がなんとも……点数・文章では表現しきれない、「趣」のある一品。
http://ramendb.supleks.jp/score/59130
店主・三田氏の才能には、一目置かざるを得ません。その店主が、ChibaWalker企画「千葉の冬味噌」で限定に挑戦と来れば、これは見逃せませんな。クリスマスの夜、訪店(25日)。
 最近入ったピカピカの券売機で、「限定」(800円)ボタンをポチッとな。カウンターに差し出すと、さっそく調理が始まります。油を引いたフライパンにバラ肉・チャーシューを投入、さらにニンニクも投入して、この店には似つかわしくない、香ばしい匂いが漂います。地元行徳・地味噌ベースの味噌ダレを、透き通ったがんこ特有のスープで割り、そこになんと大根おろしを投入……鶏スープを煮含めた大根をおろしたものとか、なかなか期待できそうです。丼は約6分で到着。
 チャーシューに「赤」味噌ソースでジグザグ模様、鮮やかな「緑」色の水菜には、白髪ネギの「雪」まで添えられて、はい! まんま「メリー・クリスマス!」。では、スープを一口……レギュラー・メニューの味噌同様、白味噌はなんとも淡泊な味わいで、特製の大根おろしが加えるホンノリとした旨みと甘み……しかしこれは、「ドラマ」の始まりにしか過ぎません。
 徐々に、チャーシューにかかった赤味噌ソースが混じり合って、辛みを帯びながらスープのコクを増していき、さらにチャーシューからニンニク風味の肉汁がにじみ出して、コクに「分厚さ」が増していきます。丼にちりばめられたカリフラワーを噛みしめるごとに、徐々に色づくスープの味わいが、舌の上ではじけるように花咲くようで……まるで、雪に覆われた冬景色が、生命が息吹く春の光景に移り変わっていくような……味覚と食感が一つの視覚イメージを形作っていく、驚きの体験。
 無駄な味わいを取り去り、極限まで抽象化された、「枯山水」のようなレギュラー・味噌。この味噌に、暖かみのある冬の趣の味わいを与え、さらにそれを春の息吹にまで昇華させていく「一杯のドラマ」。メリ・クリな見かけの派手さとは裏腹な、三田氏独特の「趣」が、この一杯にも込められています。限定は27日まで。ご紹介が遅れましたが、ご興味ある方は是非。

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72

「醤油」@喜左ェ門の写真 腹具合が本調子に戻らぬまま迎えた週末(15日)、お医者様の言いつけを守りつつ、
http://ramendb.supleks.jp/score/70723
京成大久保駅からすこし離れた某店に向かいますが……休業中の張り紙。駅まで戻り、お医者様のご指示に沿った店をアレコレ考え、出た答えが「喜左ェ門」。そのまま大久保から現地までテクテク(よい子は真似をしないように)。
 以前は、正統がんこ系の「中華そば 清丸」があった場所、その後ご主人が変わり、同名のまま豚骨魚介の店に。しかし、駅から遠く駐車場もないお店ゆえ、なかなか苦戦しておられました。この場所は私のウォーキング・コース上にあるので、いつも店内の様子をうかがっていましたが……これが結構な客入り。ちょっと気になっておりました。
 店内は改装して、以前の三分の二ほどの広さ。券売機は入口左手、メニュー構成をみると「醤油」「味噌」の他に「胡麻」「辛胡麻」なんかもあって、これは初代「清丸」末期の頃に似てますな。「ランチは半ライスか玉子がサービスです」とのご主人の声を聞きながら、「醤油」(600円)をポチッとな。サービスは「玉子」でお願いしました。丼は約4分で到着。
 透明度の高いスープに、パラリと背脂が浮く姿は、なんとなく初代「清丸」の「がんこ系」の面影が。では、スープを一口……ベースのゲンコツ清湯に野菜の旨みがジンワリにじんで、コクがありながら透明感のある澄んだ味わい。穏やかに醤油カエシを馴染ませ、旨みを殺さないギリギリの高さの塩分濃度とくれば……魚介系が控えめで、ゲンコツ主体であることを除けば、「がんこ系」のスタイルに似てなくもない。
 麺は中太縮れ。加水率のせいか透き通るような麺肌で、プリプリとした口当たりと程良い弾力。もともと強めの甘みが、スープの塩加減でさらに強調されて、相当イケてる味わいです。肩ロース・チャーシューはホロホロの柔らかさで控えめな味付け、豚のかすかな香りをスープのコクに合わせています。メンマはなんと穂先使用、ほとんど塩抜きのみで使っているらしく、本来の風味が強く感じられますが……スープとの相性はイマイチかな。味玉も少し塩っぱいですが、まずまずの出来。
 「がんこ系」の面影を感じながら、ゲンコツ清湯のうま味を堪能できる一品。具材のアレンジに課題がありますが、麺の美味さは特筆モノ、CP含め悪くない満足度です。ま、もう一つ注文つけるとすれば……この丼、「醤油」には合いませんな。エンジと黒が半々の「キカイダー」のようなツートンですが、「味噌」や「胡麻」ならともかく……ま、具材含めいろいろ改良の余地がありそうです。それは、まだまだ伸びる可能性があるということ。がんばれご主人!

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「味玉つけ麺」@杏樹亭の写真 久々に早めに仕事が片づいた金曜日(7日)、先日臨休に泣いた南砂町某店にテクテク向かいますが……なんとまたしても臨休。約1年の間に、4回訪れて3回臨休とは……よほど縁がないのか、ホントに休みが多いのか……ま、いずれにしろ、二度と訪れることはありませんな。トボトボ東西線に戻り、妙典の「杏樹亭」へ。
 暖簾をくぐり、右手の券売機で「味玉つけ麺」(850円)をポチッとな。厨房を見れば、おぉ、ガンダムフリーク・土田晃之似のご主人、お元気そうでなにより。奥さんも、閉店が近いせいか少しお疲れ気味ですが、ハキハキした声でご挨拶。残業もそこそこに食べ歩いている身としては、頭が下がります。丼は1ロット見送り、約10分で到着。
 では、つけ汁を一口……動物系のコクに、深く溶け込むように馴染んだ、サバ節の風味。カツオ節の鋭いエッジが効いた「らーめん」のスープとは、かなり印象が違います。こちらは、豚骨・鶏ガラとサバ節がタイマンはってバランスしているような……シンプルながら、一体感の強い味わい。そして印象的なのは、スープのほの甘さにグッと根ざすような「酸味」。酢で「外付け」した単純な酸味ではなく……サバ節は、強く煮出すと弱く酸味を帯びた味になりますが、その力を使っているような、そんな気がします。
 麺は「らーめん」よりかなり太めの中太で、弱くウェーブしたもの。そのまま一口いただきますと、モチッとした歯応えに、サクッとした軽快な歯切れ。ほどほどのシメ加減で瑞々しく、なんとも「透明感」を感じる甘みが好印象。では、つけ汁につけてズバ〜〜ッといきますと……麺の甘みの「透明感」が、スープの酸味でさらに研ぎ澄まされるようで、まるで「透き通る」ような味わい……豚骨・鶏ガラ・サバ節が織りなす褐色の「サバンナ」を、涼しげな風が駆け抜けていくような……う〜〜む、これはイケます。
 味玉は黄身トロトロの仕上がり、控えめな味付けで、黄身の自然な甘さがつけ汁によく合います。一方、スープに沈むチャーシューも控えめな味付けですが、豚本来の味わいがつけ汁に埋没して、存在感がイマイチ希薄。魚介系がキリリとした「らーめん」にはよく合いますが、同じ設定でつけ麺に使うには、少し無理があるようです。
 スープ割りをいただくと、「酸味」の強さがほとんど変わらないことに驚きます。つけ汁用の「味付け」なら、スープ割りで弱まるはず。やはり、スープの食材から引き出した酸味を生かした一品のようです。もっともスープ割りとしては、味わいの変化が小さい分、ちょっと面白味に欠けますが。
 多いと思った300gの麺も、まるで風のようにあっという間に胃の中に。ダイエット中で胃も縮小気味のおじさんにはちょっとヘビーでしたが……しかし、かなり満足の一杯でした。

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「メンマラーメン」@赤坂味一の写真 昨年からはじめた食べ歩き。気になっていた地元周辺のお店を訊ねて歩きましたが……しかし、追い求める「本当に美味しい」一品は、結局自分の心の中にしか存在しないことに、最近気付きつつあります。目の前のラーメンが「好き」とか「嫌い」とかは、所詮心の「イデア」の影にしか過ぎません……
 しかしごくまれに、自分の感性にはない、全く違う価値観の一品に遭遇することがあります。ま、人間そういう時は、激しく感動するか拒絶するかのいずれかですが……しかし、これまた極めてまれに、それがまるで昔から自分の感性の一部であったかのように、スッと心の中に入り込み、そのまま居座り続けるラーメンがあります。
 「赤坂味一」の「中華ソバ」は、まさにそんな一品。それは「好き」というのとも、「中毒性」というのとも、ちょっと違う。一度食べた瞬間から、自分の一部と化してしまい、まるで当たり前のように、記憶の中でいつでもあの味を再現することができる、そんな不思議な一杯です。初めて食べてから1年、確かに自分の一部となっているか、確認のため再びあの店へ(8日)。
 土曜のお昼まえ、鮮やかな青色の暖簾をくぐると、すでにほぼ満員。サッと食べサッと引き上げる方が多く、次々と入れ替わりながら、「中華」「チャーシュー」「メンマ」と、たて続けに注文が飛びます。それを、伝票一つ切らず全て記憶してサバく息子さん。例によって、ご主人はただ黙々と調理に集中しておられます。
 私が注文した「メンマラーメン」(700円)は、約12分で到着。実に1年ぶりの再会です。レンゲをとり、スープを一口………もう、何も言うことはありません。心の中に留まり続ける、あのときの味。まさにそのままです。
http://ramendb.supleks.jp/score/24294
 大衆的なラーメン屋の、さりげない一杯ですが……このラーメンの凄いところは、「引き算」で成立しているところ。何を残し、何を捨てるか……「量」と「価格」という顧客満足の中核、さらに独特な「煮干し」風味という差別化要因、この二つの要素では妥協を許さず、それ以外のものはいともアッサリとあしらう。なんとも見事な「選択と集中」。
 バブル崩壊とデフレの中で喘ぎながら、いくつかの日本企業がようやく辿り着いた「生き残り戦略」。その神髄を、こんな街角の一杯が見事に体現しています。これからも、様々な流行やブームが、ラーメン界を通り過ぎて行くことでしょうが……それでも、おそらくこの一杯は存在し続けることでしょう。私の中で何時までも変わらぬ、この香りと味のまま。

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