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miles

男性 - 東京都

音楽や映画などと同じく、作者が「作品」を通じてどんなメッセージを送っているか、それに自分は「共感」できるか、そんなことを考えながら、5年間食べ歩きました。「共感」の程度には様々ありましたが……これからは「非常に共感できた」場合のみ、ごく簡単にご紹介します。今後詳細につきましては、下記をご覧ください。(2011/8/6)http://milessmiles.blog.fc2.com/

平均点 75.101点
最終レビュー日 2013年11月18日
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レビュー 店舗 スキ いいね

「近江塩鶏麺」@京都 天下ご麺の写真 日曜(22日)の京都は、朝から横なぐりの雨。どうしても行ってみたい店があったのですが、この雨の中かなり歩きが必要だし、タクシーを使うのは自己ルール違反だし……仕方なく、ホテルからは地下道&アーケードで到達可能な河原町「天下ご麺」へ。
 店の間口は非常にせまく、河原町ゆえ周囲も「自己主張」の強い店ばかりですので、注意しないと通り過ぎてしまいます。「京都ブラック」なるメニューに興味があったのですが、店前には「ラーメン大賞2009 塩ラーメン部門受賞」なる看板が誇らしげに。ま、あの佐野実氏に師事した方のお店ですし、塩で「佐野イズム」を堪能するのも一興かも……という訳で、入口右手の券売機で「近江塩鶏麺」(700円)を、ポチッとな。
 店内はいわゆる「劇場型」。奥へ下っていく中央通路を中心に、正面の厨房に相対して、客席が階段状に並ぶという、福岡「玄瑛」などと同じ発想。ただし、まだ12時前だったせいか、厨房では洗いものの真っ最中で、シンクからひびく盛大なガチャガチャ音を、客席から「拝聴」する形となって、食べる前から気分が萎えます。丼は、約6分で到着。
 では、スープを一口……うん、派手さはありませんが、コイツは美味い。能書きで「近江の地鶏」を謳うだけあって、ドッシリと落ち着いた味わいで、鶏の風味・旨みも実に豊か。これに合わせる魚介出汁も、節系主体のようですが、おそらく枯節などを使っているのか、カッチリとしたタッチで鶏の旨みに「彫り」を刻み込んで……しかも、塩ダレの「妙」なのか、全体としてはシットリと仕上がっているから不思議です。
 麺は、中細のストレート。加水率高めの麺をしなやかにゆで上げてあり、ポリっとした歯切れとコシ・粘りが両立し、少しトロみのあるスープをドップリ持ち上げて、口腔をサワサワと撫でる、この感触……さすが佐野氏直系、このスープならこの麺しかないという、ドンピシャの組み合わせです。
 一方、具材にはやや難あり。鶏チャーシュー、鶏つみれ、味玉半個と、メンマと小松菜、海苔にネギといった構成。鶏つみれは、生姜をガツンと効かせた味付けで、アクセントとしては面白いが、ちょっとヤリすぎ。メンマもせっかく穂先を使いながら、風味が弱くやや残念。さらにネギもちょっと入れ過ぎですな……スープ・麺の「ハイソ」な雰囲気が、ちょっと下世話なニュアンスに。
 ―――佐野イズムが存分に感じられる、妥協なきスープと麺の完成度。この仕上がりなら、「飽き」など気にせず一気に完食できそうですが……「鶏塩」とくれば「『飽き』対策」、それは具材によるアクセントと、業界のセオリ通りにアレコレ手を加えたことが、やや裏目に出たようです。もっと具材をシンプルに絞り込み、それぞれのクォリティを調整すれば、「地味」ながら名品になると思いますが……この華やかな河原町では、多少勇気の必要な方向性なのかしら。

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「もつつけめん 1.5玉」@和醸良麺 すがりの写真 週末は京都へプチ旅行(23日)、チェックイン前にホテル近くの「すがり」へお邪魔。
 京町屋改造と思われる店構え、木戸をくぐり、薄暗い「通り庭」を「奥庭」まで抜けて、振り返るとそこに、モダンなお店がお待ちかね。券売機は奥庭の手前、初訪ゆえ筆頭メニューの「もつつけめん 1.5玉」(880円)をポチッとな。
 床や天井に古材を残しつつも、高級感のある大型木製カウンターや意匠を凝らした壁画など、非常にコダワリが感じられるインテリア。奥庭にある離れは隣の民家かと思っていましたが、実はトイレになっており、なかなか洒落たアイディアです(雨の日は困るかも)。丼は、約6分で到着。
 では、つけ汁を一口……おぉ、これは驚きの完成度。濃厚な鶏白湯と魚介出汁という基本構成ですが、出汁の主力は煮干しの様で、これを鶏白湯と合わせるのはなかなかの「難題」なのですが……まるで、そんなハードルなど無かったかの如き、ごく自然な仕上がり。あの新宿「風雲児」でさえ、完全に克服できているとは言えないほどの「難題」ですが……さらに、モツの使い方がまた凄い。コッテリ感や風味が出過ぎるため、ラーメン屋では敬遠されがちな脂身の部分をそのまま残し、その上炙ってつけ汁と合わせていますが……エグミ、モタツキを一切排した、モツ特有の実にいい風味がでています。さらに、この風味と鶏白湯・魚介出汁の馴染みも素晴らしく、各食材の存在を全く感じさせない「一体感」。つけ麺用に強めに効かせたカエシにも突出感はなく、まさに「バランスの極致」というべき仕上がりです。
 麺は、中太のストレート。全粒粉使用で、薄褐色の色合いや、表面に現れる粒々が、「蕎麦」を思わせます。そのまま一口いただきますと、非常にスッキリとした淡い甘み。コイツをつけ汁につけ、ズバァ~~ッとイキますと……あまりに「対極的」な、つけ汁の濃厚感と、麺の風味のクリア感を、一気に融合させようという「設計思想」はヒシヒシ伝わりますが……両者のスタート点が庶民には余りにも離れ過ぎ、その「距離感」がかなり気になる。
 具材は、つけ汁に入るモツやネギ、麺皿にのせられたニンニクの芽や焼葱など。特筆は炒めたニンニクの芽で、つけ汁のモツ風味に厚みを加えて、濃厚感をさらに加速させます。この分なら、卓上の調味料でニンニク感をさらに加えても面白そうですが……この日は会合が控えていましたのでやめました。
 ―――「秀才」がいくら論理で追いつめても解けない問題を、いとも呆気なく解いてしまう「天才」がいるモノですが……そんな「天才的な冴え」が感じられる、つけ汁の完成度。麺や具材のチョイスにも、その才能はいかんなく「冴え」渡っていますが……辿り着いたその「高み」は、ちょっと庶民的なレベルを超越し過ぎなのかも知れません。しかし、さすが京都、町屋の奥にはとんでもない「秘密」が隠されておりますな。

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「東龍そば + 味玉子(魯蛋)のせ」@東龍 北白川本店の写真 京都での会合を終え(2日)、こんどは夕暮れの北白川をブラリ。
 かつては池田町や仕伏町あたりも、ディープな学生街でしたが……昔あった定食屋や銭湯がいくつか消えており、Jazz喫茶もいつのまにか小料理屋に。「小さな石鹸カタカタ」なんて時代も、過去のものになりつつありますな……白川通りに出て見渡すと、通りを挟んで「東龍 北白川本店」と「ラーメン あかつき」が見えました。同じ白川通り沿いでも、昔は「ラーメン あかつき」がある西側よりは「東龍 北白川本店」サイドの方が庶民的な街でしたので、ここは「庶民派」(?)の方へ。
 赤・白・黒を効果的に配した外装・内装で、なかなかお洒落な店づくり。店内はテーブル席中心ですが、一人客は5席ほどあるカウンターへ誘導されます。いかにも京都っぽい「背脂醤油」の「中華そば」(600円)にも引かれますが……ま、ここは代表メニューの「東龍そば」(600円)と「味玉子(魯蛋・ローヌン)のせ」(100円)で。麺は細麺ストレートと縮れ麺を選べますが、お昼にいただいた「中華そば たく味」の細麺が上出来( http://ramendb.supleks.jp/score/252939 )でしたので、なんとなく細麺で。丼は約4分で到着。
 おぉ、スープ表面はなにやら妖艶な色合い、豚骨醤油の乳褐色に、黄色と言うか黄緑色と言うか、不思議な色のフィルターがかかっています。では、スープを一口……ポッテリとした粘度がありながら、シャリシャリと軽快な口あたりのスープ。東京で流行りの芋粉や米粉を使った「ベジポタ」のモタツキはなく、野菜をじっくり丁寧に煮崩したようなキメの細かさ。動物系は豚骨・鶏ガラだそうですが、味わいとしては鶏白湯に近く、表面の黄色っぽい色も、鶏油由来の色なのかも。鶏の優しい旨みと野菜のスッキリした旨みがシナジーして、舌をムンムンと包み込むような、ジンジンと訴えかけるような、豊潤な味わいがたまりません……なんとなく、食感・風味には「天下一品」に通じるものがあり、あのドロドロ・スープを、エレガントに「昇華」させたような、そんなニュアンス。
 麺は細麺ストレート。玉子麺をかなり柔らかめにゆでており、舌にベタ付くような食感がイマイチですな。玉子麺らしい柔和な甘みもシンプル過ぎて、「エレガンス」を感じさせるこのスープには、ちょっと合わないような……具材は、チャーシュー、メンマ・モヤシ・味玉に、お約束の九条ネギがタップリ。このスープにも九条ネギが実によく合い、京都ラーメンの面目躍如。味玉も、ちょっと中華風の味付けでなかなか美味です。
 ―――卓上には辛味をまぶしたニラが用意されており、後半に投入すると、グッとエスニックなコクが出る上、辛味で味の輪郭線が引き締まり、極上のスープがさらに光りますが……その分、どんどん麺が取り残されていくような印象。やはり「天下一品」同様個性の強いスープですから、麺も個性の強いものを使う必要がありそうですな。ちょっともったいないバランスの一杯でした。

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「たく味ラーメン」@中華そば たく味の写真 3年ぶりにまとまった休みが取れたGW、初日(1日)は会合のため京都へ移動。
 絶好の行楽日和とあって新幹線は超満員、京都駅で降り冷やかし半分で塩小路近くの「第一旭」「新福菜館」両本店をのぞいてみますが……店前には、ガイドブック片手の観光客がザッと30人ほど。さすがGW、観光地京都の有名店には近寄れません。そのまま京阪・出町柳駅に移動して、百万遍へ向けブラブラ……途中、「たく味」という店の前で足が止まりました。少なくとも、私が住んでいた約20年前にはなかった店ですな……会合の時間が迫っていたため、そのまま入店。
 10人ほどが座れる一本カウンターのみと、比較的小さなお店。メニューを見上げ、テキトーに「たく味チャーシューメン」(850円)を頼みましたが……すぐに、メニュー下の写真に気付きました。丼の縁をビッシリとチャーシューが覆って、ヒマワリの花のようになっていますな……いかにも食べ飽きしそうな丼姿に気が滅入り、「たく味ラーメン」(650円)に変更、丼は約5分で到着。
 では、スープを一口……ジャンルとしては「豚骨醤油」になりますが、豚骨主体ながら鶏ガラも効いており、カエシもかなり強めで、甘さスッキリ。柔らかな口あたりとキレのある味わいが、スマートでスッキリした印象を与えます。同じ「豚骨醤油」でも、味わいとしては横浜系ではなく、徳島系や和歌山系に近いかも。
 麺は細麺ストレート、しなやかなゆで上がりですが、適度にコシを残している上に、軽快な歯切れ。甘みもスッキリしており、スープのキレと上手く呼応します。具材は、チャーシュー、メンマ、そして大量の九条ネギ。いやぁ……京都ラーメンと言えば、このネギ。かつては「天下一品」でも、「ネギ大」がお約束でしかも無料でした(東京では有料)。このゴワッとした口当たりと、ザクザクした食感の九条ネギこそ、京都ラーメンの「主役」といっても過言ではなく、スープ・麺のネギとの相性は、評価の分かれ目。その点、この一品のバランスは実によく調整されており、「合格点」といえましょう。ちなみにチャーシューは小型・薄切りながら数枚入ってボリューム十分、これじゃ「チャーシューメン」がああいう「事態」になるのも頷けます。
 ―――昔、このあたりは背脂多めのラーメンが多く、豚骨系は珍しかったものですが、今も昔も「肉食系」の学生が多いこの街には、うってつけの一杯。味のバランスが良くメリハリも効いてコンパクトにまとまっており、店の外観・内装も小ざっぱり、地元に愛されそうなお店です。今出川沿いのこの近辺は、建物も昔とさほど変わっていませんが……よく見れば、中に入るお店などかなり入れ替わっており、時の流れを感じます。学生街のラーメンも、着実に変化しているようですな。

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