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「石臼手挽きもり(945円)+お昼のコース(1145円)」@季よりの写真(2012年6月 再訪)

蕎麦好きの人は知っていると思いますが、おそらく日本で一番有名な蕎麦のブログはyukaさんが書いているつれづれ蕎麦でしょうか。そのyukaさんが房総鴨川にある打墨庵加瀬に行って蕎麦を食べてます。わたしもときどきyukaさんのブログを見に行きますが、実はあまり好きなブログではありません。どこの店の何を食べてもおいしい、しか書きませんので、面白みがない。

蕎麦店のほうも彼女は毒のない安全パイであることを知ってますので、彼女のために特別なそば前を用意したり、特別な蕎麦を打って彼女を招待する。そんな内容のブログって。苦労しながら蕎麦店の予約をとって当然ですが、決められたものだけをいただくワタクシのような平民にとって、まあ、一種の不公平に映るわけです。ずるい、と。

内容に悪口がないので、本にもなります。本なら、わかる。批評、不要です。でも、おいしいおいしいばかりのブログって。おいしいものしか店は出しません。それをそんなに絶賛する蕎麦ブロガーと蕎麦屋のべったり癒着が好きになれません。いくら人気があろうとも。

時同じにして、牛久の季よりの店主が打墨庵に行ったことをブログに載せてきました。ワタクシも鴨川までお蕎麦をいただきに行ったことがあって、興味深く読んで。ああ、あの打墨庵のマスコットやぎさんは、季よりの店主からのプレゼントだったのかあ。加瀬店主と有馬店主は、同じ釜のメシを食べた仲なんだそうです。ブログを拝見していたら、やっぱりね、季よりの手挽き蕎麦が食べたくなってしまいました。

この日、朝、季よりさんから、本日席に余裕ありますの告知がありました。ほんとですか?早速に電話して、席を予約しました。ラッキーです。数量限定の手挽きそばと数量限定のお昼のコースを一緒に予約しました。これで安心。今日、食べられます。

国道6号線の混雑を見越して早めに家を出たために、開店時間よりも相当早く着いてしまいました。このお店もまた独特の世界観が溢れてますね。ご実家を手作りでここまで完成させてきたのは店主です。お店には小さなタイルやビー玉を使った装飾があり、これは柏竹やぶの阿部翁の力が及んでいる証左です。店の外から建物をぼけっと見てました。開店時間までもう少しあるので、車の中で待ってますかな。

定刻よりも少し前、店主が母屋から出てきて、表の看板を裏返しましたよ。そして車の中に居たジブンに声をかけていただきました。

先ほどはどうもです。お店に来る前にツイートして、よろしくと。店主の後ろからくっついていき、靴を履き替えて通されたのは、一番奥の部屋。前回訪問した時は一番手前の部屋でしたので、これはいい。襖戸を開けて、部屋の中に招じ入れられます。大きなテーブルは骨董品を組み合わせて作ってあって、竹製ランチョンマットが二人分向かい合わせで置かれてます。その片方に座りました。家具も骨董なんですね。

さ、どんなお料理が食べれるのか。楽しみです。冷たく冷やされた麦茶をいただきながら、しばし待ちます。料理や勉強用の本が入っているのは、ラーメン屋のおかもちですね。こういう遊び心の雰囲気の中でいただく蕎麦はまた格別です。

さ、これがお昼のコースです。白いステキな皿の上に全部乗ってきました。店主から説明を受けましたが、そのときはなるほど、と思ってそんな料理法があるのかって感心するのですが、次の説明が始まると、もう忘れています。メモリーが極小のため、一つメモリーに入れるためには一つ忘れる必要があります。

ですから、以後は想像、推測も交えての感想ですので事実と違うことをご容赦ください。

さて、最初はおかひじきです。それを芥子和えにしていて、刺激を楽しむように設計されています。いいねえ。それから、隣の茶碗蒸しは海老の味が濃厚でやはりこのお店では、ふつ~のものがありません。どれもが斬新でうまい。それとスナップエンドウにわらび。わらびは北海道のものだったかな。こういうお料理が出てくるとどきどきしてしまいます。

まだありますよ。オーブンで焼いたアスパラでしょ。湯葉とソラマメ。味付けまで教えていただきます。そう、赤いのはパプリカを煮た物。これが一番刺激を受けました。自分でもやってみようと。濃厚な豆腐と鍋で焼いた玉子焼き。この玉子焼き、ちょーうまです。

見た目は、ほんのちょっとずつの料理ですが、全部、それぞれに手が込んでいて、イタリアン、フレンチの前菜もびっくりの多彩さです。それが、うまいんだからたまりませんね。こんな風に、小品の中に、店主の技と知識と(多分)冒険が詰め込まれているんです。

お料理は定番ではありませんが、理にかなっているところがおいしさをはずさない理由でしょう。しかし、この料理の仕込みは相当時間がかかりそうです。根気もないと、とてもここまでは。一品でも少なくなればうんと楽なんでしょうが、そうしないところが季よりなんですね。

お料理に関しては、ヌーベルバーグなどという言葉が頭に浮かんでまいりましたが、それが当たっているのかどうか。ごちそうさまでした。いよいよ蕎麦です。

まずは、つゆと薬味が出されて、それから少々待つことになります。薬味は辛味大根、山葵。蕎麦猪口も粋です。

そろりと蕎麦が届けられました。

おっと。ジブンの記憶にある季よりの蕎麦とはちょっとイメージが違っていて、どちらかというとおとなしい感じに打たれてます。自分の中では、季なりの蕎麦は、挽きぐるみばりばりの手挽きで、蕎麦の粒子がまだ荒々しく見えて、星も3色くらいに見えて、そんなことはないかもしれませんが、ちょっと肩透かしをくったかな。

ただしですよ、食べてみると、これはやっぱり店主がココロをこめて手挽きした蕎麦に間違いありません。あんなにおとなしい外見をしていながら、蕎麦特有の穀物風味は強いですから。ちょっとマジックのように感じました。

あとでお訊きすると、この日は夏バージョンということで更科をやや多目にしてのどごしを良くしたそうです。打ち方も教えていただきました。細かいこだわりのある蕎麦アーティストの面目躍如です。

また、ただし、ですが、ジブンの好みからしては、夏バージョン不要で、普通に打った蕎麦がいただきたかった、という具合に、なかなかうまくいかないものです。もしジブンがお店を貸切にして15食全部食べる機会があったら、まあ、あと100年ないでしょうが、本当に一度食べてみたいのは、

ゴツイ太い噛む系の黒っぽい挽きぐるみの田舎蕎麦を江戸前の細さで打った飲む系の蕎麦が食べたい。

要は、細打ちが大好きで、風味はどれほどあっても大歓迎で、ざらつきも大歓迎。

まあ蕎麦に詳しくないので、勝手に食べたい蕎麦を言っているだけです。

さて、季より。つゆ。これがあるから、すでに名店の道を歩き始めた、と評したいのです。このつゆは本物、と経験の少ないジブンでもそう感じます。蕎麦を手繰り、下一分ほどつゆをつけて一気にすすりこみ。ものが違ううまさ。うまかあって心が緩みます。蕎麦湯をいただいて終了。部屋を出て、厨房にいる有馬店主にごちそうさまでした、っていとまごい。デザートがありますよ、って言われて再び部屋に戻りました。デザートは、コーヒーババロアの白仕立てとコーヒー。まあ、いろんな引き出しをもっているんですね。うまかったです。白いコーヒーババロアってどうやらコーヒーを牛乳や生クリームに入れて風味を移してババロアを作るみたいですよ。訊きませんでしたが。

帰り際、ちょっとだけ話をさせていただきました。ますます将来が楽しみな、緻密なアーティスト、そんな印象を持ちました。またおじゃまします。またごちそうしてください。

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