かつて「焼麺 劔」や「鶏そばや おの」が暖簾を掲げたあの場所に、また一つ、令和のラーメンシーンを揺るがす新星が産声を上げた。2026年3月5日オープン、注目の新店だ。
平日11時43分着、20番目。着席までに約1時間。並んでからラーメン到着まで73分。
店頭に5人、隣の店舗前を完全に開ける形で、10m位離れた建物脇の飛び地に並ぶ方式。たまに店頭に並んでしまう人がいるので飛び地先頭の人は見ていた方がイイです。
店頭待ちになると注文サイトのQRコードが書かれたボードがあるのでスマホで注文。表示されたQRコードを店内の券売機に読ませて、精算するシステム。決済方式は、現金不可。完全キャッシュレス。現代的なスマート・オペレーションを導入している。
主なメニューは、特上塩拉麺1800円、味玉塩拉麺1400円、塩拉麺1200円、焼豚飯450円、TKG300円、他。
醤油拉麺は準備中。
店内は厨房を囲むL字型カウンター8席(6・2)。厨房に店主とスタッフ二人の3人体制。最初、盛り付けしている人が店主かと思ったら麺茹で担当の人が店主だった。丁寧な調理なので少し時間がかかる。平ざるを巧みに操り、麺線を整えるその所作には、一杯に対する並々ならぬ矜持が透けて見える。
供された一杯は、和紋様の丼に淡い黄金色のスープが湛えられた、息を呑むほどに美しいビジュアル。
熊本県産「天草大王」を贅沢に使用し、コンソメの技法で炊き出された清湯は、一口目、鮮烈な鶏の旨味とドライトマトの酸味が交差し、洋の華やかさが口中を支配する。しかし、食べ進めるにつれ、20種類もの素材を重ねた塩ダレの深み、そして具材から溶け出す脂が混ざり合い、徐々に厚みのある「和」の表情へとシフトしていく。この多層的な味のグラデーションこそ、本作の真骨頂と言えるだろう。
合わせる麺は、丸山製麺製の「春よ恋」100%使用、全粒粉配合の細ストレート麺。粘りあるコシと、押し返すような反発力。小麦の力強い香りが、繊細なスープに一歩も引けを取らない存在感を放っている。
山形豚の肩ロースにバラ、しっとりとした鶏ムネ、そしてスモーキーな鴨ロース。四種のチャーシューは、それぞれ下味と調理法を変える徹底ぶり。さらに生姜の効いた肉厚なワンタン、高級千住葱、そして濃厚な味玉。各トッピングが放つ個性がスープに溶け出し、最後の一滴まで飽きさせる隙を与えない。
現状、メニューは「塩」一本に絞られているが、その完成度は既に非凡。トッピングとスープ、麺とのバランスに若さを感じる瞬間もあるが、それすらも今後の進化を予感させる伸び代に思える。
「醤油拉麺」の解禁が待たれる、まさに2026年上半期の最注目株。
準備中となっている「醤油」がリリースされた頃に、再び暖簾を潜ることとしよう。














