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2025年12月3日の大崎裕史の今日の一杯

東京都品川区中延

味噌ラーメン(1100円)+中華そば(1000円)

2024年10月29日オープン。元お笑いグループ「B21スペシャル」のメンバーであり、お笑い芸人、俳優、実業家として活躍しているデビット伊東さんが本気でラーメンに取り組んだ「でびっと」グループの新業態店。2022年のインタビュー記事だと『「でびっと」については、あと3年くらいで借金が完済できる計算で、その後はスタッフの誰かに店を譲り渡すつもり。』と言ってるのでその3年が過ぎたので譲渡しているかも?
この店は完全に中華居酒屋としてスタート。手羽先や豚タンユッケが人気、飲み物では凡暮サワー。店長はすぐ近くの「でびっと中延店」の元店長なので、ラーメンはお得意。そこで2025年11月1日に満を持してラーメンの提供を開始。当初ランチタイム限定だったが、すぐに夜でもラーメンのみの利用もOKになった。

店の場所は東急大井町線中延駅徒歩1分、都営浅草線中延駅A3出口徒歩2分。「でびっと 中延店」の斜向かい。
夜に行ってみた。券売機は無く、スマホでQRコードを読み込んでモバイルオーダー。ラーメンだけではなく居酒屋メニュー・ドリンク含め、全品スマホで注文可能。フリーWiFi完備。食後レジにて後会計制。決済方式は現金及び各種キャッシュレスに対応。

QRコードで注文するのを知らなかったので座る前に「まずはレモンサワー」と口頭注文してメニューを眺め始めた。つまみもおいしそうだったが、ここで連食するつもりなので我慢。
ラーメンメニューは、中華そば1000円、札幌味噌1100円のみ。「中華そば」はちゃん系インスパイア、「札幌味噌」は純すみ系オマージュとの触れ込みだったが、過去にそういう期待をして「あれれ?」という経験をしたことが何度かあるので期待せずにまずは札幌味噌を注文。

店内は厨房前に真っ直ぐなカウンター5席、4人卓x4。17時半到着だったのでまだ空席多し。
7分ほどで「札幌味噌」完成。パッと見、すみれっぽくはないが、食べてみると意外とイケてる。「すみれ出身者」とかだったら、いろいろ言いたいことは出てくるがそうではないし、店内にそういうことが書いてあるわけでもない。ましてや居酒屋さんなのでハードルは随分下げてしまったかもしれないが、予備知識がなくても食べると「おっ!」と思うくらいには「すみれ風」。
具はチャーシュー、めんま、おろし生姜、小口切りねぎ、中華鍋で炒めたひき肉・もやし・玉ねぎ。
「でびっと」自体はオリジナルメニューでやってきたと思うが居酒屋業態だからか、まさかのインスパイア(あるいはオマージュ)。濃いめの味噌味で、炒めた具材もあり、スープも熱々。飲んだ後用にチューニングした「すみれ」みたいな。むしろお店は「札幌味噌」というメニュー名にしているので「すみれ」というよりも札幌味噌の一般的な味を狙ってるのか。でも、ちゃんとおいしくいただけた。
麺は中太縮れ。札幌味噌っぽい麺でぷりっぷりの食感。麺もなかなかいい。

次に中華そば。こちらもパッと見は、似てるようで似てない。そりゃぁ、ラーメン専門店でもまったく違ったタイプの2種類のラーメンを作るのは難儀なのに、メニューも豊富な居酒屋業態で2種類のラーメンを出すのは簡単ではないはず。まずはスープを飲んでみる。うむうむ、やはり少し違う。そして麺を引っ張り出してみた。おぉ〜っ!実に“ちゃん系”風な麺が出てきて驚いた。滑らかで柔目の平打ち麺。チャーシューも違うのでかなり違うつもりで食べてみると麺が面白いように_“ちゃん系ワールド”に引っ張っていってくれる。
こういうインスパイア系を食べると怒りが湧いてくることがたまにあるが、今回は味噌も醤油も怒りどころか、楽しく食べきることができた。近所だったら、ここで飲み食いして〆に食べるラーメンとしては十分過ぎるほど。「でびっと」が近いので連携して何かコラボ(ここで飲んだ後「でびっと」でラーメンを食べると100円引きとか)することも可能だとは思うが、まったく違うラーメンを近所に出してしまうのは面白い。
ラーメン専門店じゃない店がラーメンを出す際の問題点が麺なのだが、それなりの数量が出ないと製麺屋さんは届けてくれない。それなのにこちらは麺もまったく違うものを使用し、配送コスト単価が馬鹿にならない気がする。もしかすると「でびっと」と同じ製麺屋さんに同梱して届けてもらっているのかな?そのあたりをうまくやらないと麺の管理が難しそう。
何はともかく、どちらのラーメンも楽しめた。

お店データ

中延酒場 凡暮

中延酒場 凡暮

東京都品川区中延4ー5ー2(中延)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。