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「チャーシューメン」@あそこ食堂の写真【ナレーション 岸田今日子】

あそこ。
それは神秘を意味する言葉。
あそこ。
それは人の心をくすぐる言葉。
そんな言葉を名前にした一軒のお店。
それがあそこ食堂・・・。

時は平成21年10月25日 13時半。 
ひとりの中年男が店の引き戸を開けた。

ビールを呑んでいた先客が「何者?」という顔つきで振り返る。
薄暗い厨房にいた女将も「いらっしゃい」といいつつ、やや驚きの表情を見せる。
とうやらここに来るのは常連客ばかりのようだ。
確かに、知らない人が入るには相当勇気がいる、歴史ある店構えでもある。

中年男はカウンター席に座る。
そのピンクの丸椅子は、恐らく開店時から使用してきたのであろう。
ベース部分の鉄板は錆びて穴があき、一部割れている。

カウンターにメニューはない。
中年男が上を見ると、壁にお品書きが並んでいる。
ややくすんだ短冊は、これも歴史を感じさせるが、値段の部分には白い紙が貼られ、マジックで修正してある。

ラーメン500円、ワンタンメン650円、チャーシューメン700円・・・。
「意外といい値段だな」中年男はそう呟いた。
昭和で止まっているかのようなこの空間においても、物価だけは別物のようである。

中年男は出されたお茶に手をつけた。
前のお客から間が空いたせいであろうか、味が抜けており、薄いお茶であった。

中年男が何やらメモを取りながら待っていると、厨房から包丁で何かを切る音が聞こえてきた。
細かく早く、トントントントントントン・・・
中年男は北千住の実家にいたころを思い出す。
「ネギだ。母さんが味噌汁を作ってくれる時の音だ」
店の女将は中年男の母親くらい、あるいは少し年配かもしれない。

すると厨房から男性の小声が聞こえてきて、中年男は我に帰った。
どうやら、いつの間にご主人が出てきて調理をしていたようだ。
すると、リズミカルにネギを切っていたのはご主人であろうか。
数分後、また包丁の音がする。
トン、、トン、、トン、、トン・・・・
今度は力が入っている。
多分チャーシューを切っているのだろう。

「おまちどおさま」
中年男が席についてから15分が過ぎた頃、女将が大きな丼に入ったラーメンを持ってきた。

置かれたラーメンの丼に入ったスープは半分くらい。
少ない。いや、丼が大きい。
直径が25センチ、高さが8.5センチほどの丼は、二郎の大ラーメンでさえ入りそうな包容力がある。
昔は大盛を売り物にしていたのだろうか。

中年男は早速レンゲでスープを掬う。
丼に温度を取られたのか、やや温めだ。
鶏と野菜の醤油ベースでアッサリしている。
生姜が効いているように思えるが、中年男は味覚が怪しいから信用はできない。もう少し熱ければ印象は違ったと思われる。

麺は角のある中細のストレート麺。
茹で加減は、ヤワだ。
いや、ヤワというより、茹ですぎではないだろうか。
具はチャーシューが6枚と海苔、あとはネギが浮かんでいるだけとシンプル。
まさにチャーシューメンである。
チャーシューは2〜3センチ×4センチほど、厚みは2〜3ミリと小ぶり。
脂身は少ないが、やや獣臭さが残る感じ。
これは中年男の好みではない。
ほかに具らしい具がないのは寂しいが仕方ない。
海苔で麺を巻いて食べる。

5分程で麺と具を食べ終えた中年男は箸を置いた。
「ごちそうさま」

「お茶、入れましょうか?」という女将の暖かい言葉を
丁寧に固辞して席を立った中年男は、会計をして店を出た。

道路の向かいには、過当競争に負けて店を閉じた
コンビニエンスストアがある。
管理物件の札が貼られたシャッターが物寂しい。
中年男は平成に引き戻された。

インターネットとは無縁、勿論ラヲタとも無縁なここあそこ食堂
跡取りはいそうもない。
いればとっくに継いでいるはずだ。

様々な想いを交錯させつつも、ノスタな気持ちを振り払い、現実的な点数を入力する中年男。
やはり、これまで食べてきたラーメンとの相対的評価は避けられないということか。

厳しいという声あるかもしれない。
だが、彼はこう言うだろう。
「先ずは訪問してみてください。話しはそれから」


あそこ。
それは神秘を意味する言葉。
あそこ。
それは人の心をくすぐる言葉。
そんな言葉を名前にした一軒のお店。
それがあそこ食堂・・・。

投稿(更新) | コメント (12) | このお店へのレビュー: 1件
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コメント

昔の「ムーミン」が怖くてしょうがなかったのは、故岸田今日子さんのせいに違いない!!!

ランディ | 2009年10月27日 09:40

こんにちは。

【ナレーション 久米明】
厨房に響くマナイタの音・・・・「あそこ」の調理が始まった。
【ナレーション終了】

な・なんて言ったらいいのでしょう。
話しは訪問してからですか?
それではクチを慎みますが・・・・
でも、これだけは言いたい!!
葛西ちゃんぽ、そしてモッコリ豚
ぜひ、これらの店と連食ツアーを!!

hima | 2009年10月27日 10:38

できれば、「大奥では。。。」仕立てにして欲しかったw

にばりき | 2009年10月27日 11:05

こんにちは。

この店名の由来を調査をしてくださる方はいらっしゃらないでしょうかw
まさか、おかみさんの名前が「あそ子」さん!?

| 2009年10月27日 12:41

どうもです
ここ、ブックマークしてたんですが、レポ上がってるのを見て
すごいびっくりしました。(笑)
「おまた」って店名のラーメン屋さんがあるんですが、けっこうおいしいみたいです。w

kouhei | 2009年10月27日 15:52

毎度ですw

風俗ですか?(木亥火暴)

コテハリアン | 2009年10月27日 19:01

お疲れ様です。

何ともアンニュイで、そしてややハードボイルド。
椎名誠の作風にも近いかも知れませぬw
大作お疲れ様です。
これで運営に削除でもされたら…発狂しますねwww
『あそこ食堂ォ?!ネ申をナメとんのか?!』
どうも、運営の浅倉南です(ばぅ)

嘆きの六連星 | 2009年10月27日 20:34

これは…                      www

いやスンマセン。
のりぞんさんの本業って一体…。

なんた | 2009年10月27日 21:24

こんにちは。
店舗登録されて以来レビューをお待ちしてましたww
ノスタルジーなお店には甘くなってしまう自分がいますw

どんぐり | 2009年10月29日 09:39

皆様、コメントありがとうございます。岸田今日子、いや中年男です。

さん。
え?岸田今日子さんが怖い?そりゃあいけません。
あの良さがわかるようになってこそ、大人の色気がわかるってものですよw

himaさん。
>「先ずは訪問してみてください。話しはそれから」
すみません。これは、某ブロガー氏の文章のパクリであります。
>葛西ちゃんぽ、そしてモッコリ豚、
>ぜひ、これらの店と連食ツアーを
葛西ちゃんぽが優先順位が上ですね。ハリケーン、未食ですのでww

さん。
すみません。その出だしだけは知っておりますが、ドラマの内容を知らないもので。。。
あの、ドロドロのドラマはどうも見ることができませんでした(笑)

さん。
想像ですが、たぶん、「あそこへ行こうと言ってもらいたい」みたいな感じではないでしょうか。
私が最初に就職した会社で麻雀へ行く時の誘い文句は決まって「会議室へ」。
虎ノ門の「麻雀 会議室」がホームでしたw

さん。
え?BMまでしてたのですか?
確かに名前は心をくすぐりますね。
でも、店の前に車をとめてから店に入るまで、少し間があったことは事実です(笑)
といいつつ、「おまた」は気になります。
やる気マンマンが懐かしいです。

会長。
おお、いいことを言いますね。ふむふむ。
店に入るまでの逡巡は、店に入るまでの逡巡と同じでしたww

さん。
想像していた通りのラーメン、とも言えるのですが、隣の大成屋さんのラーメン他、
これまでのラーメンの中での順位付けで点数をつけました。
でも、だから全然ダメというわけではないと思いますよ。
>ぜひ「変な店名」シリーズ化してください!!
「変な店名」で検索できればいいのですがww

嘆きの六連星さん。
たぶん、いろいろと影響され、引用(盗用)している表現が多いかと。。
さすが、専門家ですな。
>これで運営に削除でもされたら…発狂しますねwww
おっとそれは考えませんでした。
確かに、写真を入れて下書きしておき、出張先で夜中に書き上げましたから、
削除などされるとショックが大きいですね。

こんばんは、なんたさん。
え~、本業は、会社員モドキ、です。
正しくは、ラーメンにハマっている会社員モドキ、ですがww

nice50 | 2009年10月29日 22:19

こんにちは。

あっ、「ハリケーン」はまるしんですよ。
アブラプレイ、お楽しみくださいませ。
「ごっつ」に比べたら、激しくライトですが。。。。

hima | 2009年10月30日 10:59

こんにちは、himaさん。
ありがとうございます。
実はちょっと言葉足らずでした。
葛西ちゃんぽ、との連食で、まるしんの「ハリケーン」です(笑)
連食、連食♪

nice50 | 2009年10月30日 12:00