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2016年11月29日の大崎裕史の今日の一杯

東京都豊島区新大塚

「鳴龍」が「ミシュラン東京2017」で星を獲るのはほぼ間違いないといういくつかの理由。

ここは何を食べてもおいしい。写真は11/28に食べた「麻辣担々麺」850円。ちなみに8月に醤油と塩とつけめんを3連食している。麺は自家製で4種類を使いこなしている。個人的な好みで言うならば、ここは昔から「担々麺」が好きだ。どれか一つメニューを選ぶとすると「担々麺」を選ぶ。でも「TRY本」では、醤油も塩もつけめんもランクインしているが担々麺というカテゴリーがないので掲載がない。

ここの店主は中華レストランを経験し、「ちゃぶ屋」から「香港MIST」の料理長へ。その時にミシュランの星を獲っている。その頃は「ラーメン」というカテゴリーがなかったので「和食」ジャンルでの掲載だった。「蔦」が世界初のラーメンで星獲得という裏にはそのような事情があったのだ。つまりミシュラン側から見ても「鳴龍」は星の実績店に限りなく近いといえよう。

中華時代に覚えた「担々麺」をメインに据えてはいるが、醤油も塩も幅広い層に人気。それは油分が少ないから、とか、化学調味料を使ってないから、とか、ちゃんと出汁を効かせているとか、いろんな理由があろう。ベースのスープは鶏(丸鶏やモミジなど)だが牡蠣なども使ってコクを出している。この基本のスープがうまいからどのメニューもおいしく、幅広い層に受け入れられている。そして過去2年のミシュランビブグルマンを見ると清湯スープの店が強い。もちろんここはビブグルマンですでに掲載されている。次に狙うは星である。

まだミシュラン2017発表前の11/28に11時30分開店の7分後に到着。なんと店の前には20人ものいろんな客層の並びがあった。食べ終わるまでに75分かかった。スタッフが辞めてしまったり、店主の腰が調子悪いとか、丁寧すぎるとか、こちらもいろんな理由があるだろう。星を獲ってさらに並ぶようになったら、実に大変そう。忙しそうなので会話は最小限に質問は一つだけ。「明後日から(明日は定休日でミシュラン発表会の日)大変そうですね。」その店主の答えで確信が持てた。星は確実だ。(店主の返答はあえて記さない。しかし店主は秘密を厳守している。というよりも本当に知らされていないようだ。)

ところで、店名の由来が面白い。「日光東照宮の『鳴き龍』から取っています」「その下で手を叩くと龍が鳴いているように響くんです」「そこから『お客さんに共鳴してもらえるようなラーメンを作り続けたい』という思いを込めました。」とのこと。さらにはオープンした年が辰年で、店主も奥さんも辰年らしい(笑)。

お店データ

創作麺工房 鳴龍

東京都豊島区南大塚2-34-4 SKY南大塚1F(新大塚)

ちゃぶ屋出身で系列の香港MIST、表参道MISTで料理長をつとめた方によるお店。担担麺と拉麺の専門店。店内の製麺室で製麺している。

大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2015年12月末現在約23,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。