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2022年11月29日の大崎裕史の今日の一杯

神奈川県川崎市中原区新丸子

胡椒湯麺

品川駅前だが路地裏にあった隠れた名店「天華」。創業30年以上でキタナシュランにも認定された普通のちょっとひなびた感じの中華料理店。高齢のおじさんおばさんが二人でやっていた。正宗担々麺も人気だったが、なんといっても「コショーそば」が名物。丼の一面に胡椒が振りかけられている。振りかける回数で胡椒の量が変わるので胡椒の量が様々(笑)。
使っているのはボルネオ産の胡椒なんだとか。(本当かどうかは不明)
ちなみに「コショーラーメンください」って言うと「うちにはそんもんねーよ!」と怒られる。
そして2014年の夏に行ったのが最後で、店主が亡くなり、閉店。
ところが、四川飯店に務めていた息子さんが新浦安に「四川ダイニング王冠」という中華料理店をオープン。「天華名物コショーそば」という名前で復活したと聞いて、すぐに食べに行った。(2015年8月)
しかし、こちらも閉店し、もはや見かけなくなってしまった。
ところが、今月初めに「新丸子にありましたよ」という情報をゲット。日程を調整して行ったのが先週。残念ながら臨時休業だった。そして今日、行く予定にしていたのだが、なんと!朝Facebookを開くと私の友達二人がそのメニューを食べてアップしているではないですか! 「先を越された〜」という気持ちも少しあったが、むしろ「それを見て食べに行った」と思われる方が悔しい(ラヲタあるある・笑)。

前置きが長くなったがお店は「萬福飯店」(新丸子)。創業50年くらいではないか、と。チェーン店だが本店は既に閉店しているらしい。他に、永福、御嶽山、洗足池、矢口、西荻窪にあるようだ。(←これらはカレンダーに載っていたが他にも多数ある。)
でも、胡椒湯麺は、ここにしか無いらしい。他に「川崎ブラック」というメニューがあったり、新メニューにも意欲的。

ネットで調べると2015年に限定メニューとして食べている人がいるのでその頃に登場し、今は定番メニューになっているようだ。2015年と言えば「天華」のご主人が亡くなった年。はて、関係あるのか?

胡椒湯麺950円を注文。
塩味の湯麺にとろみが付いて、その上から3種類の胡椒が振りかけられている。とろみには針生姜も入っており、生姜効果か胡椒効果か、身体が温まってくる。麺は細めでかなり柔らか。餡を絡めて麺を引っ張り出すのが重く感じるほど。口の中は若干、胡椒辛いが胡椒湯麺を頼んでいるんだから、それは当たり前だし、だからこそおいしい。胡椒好きにはたまらない。味のバランスもいい。他のメニューも食べてみたくなるおいしさ。

具は豚肉、白菜、生姜、ねぎ。ものすごいドロドロスープだが食べている最中に、唾液が混ざってサラサラスープになる。中目黒の「三宝亭」で「全トロ麻婆麺」を食べた時に気が付いて調べたこと。料理のあんはでんぷんからできており、唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれ、でんぷんを分解する役割があるのだ。

いや〜久しぶりに再会した「コショーそば」は「胡椒湯麺」と姿を変え、なんだかパワーアップしていた。「コショーそば」が好きだった人や胡椒好きの方はぜひどうぞ!

お店データ

萬福飯店 新丸子店

萬福飯店 新丸子店

神奈川県川崎市中原区小杉町1-533(新丸子)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。