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「ラーメン+豚バラ肉とネギのピリ辛炒め乗せ」@おだ亭の写真一杯に 生き様見せる 職人の

 ソイツは、いやその方は、豪放磊落にして頑固、そして繊細な職人でございました。

 ここはkaitさんの聖地でありまして、私ごときがレビューするのはおこがましいのですが、どうしても、素のままの自分の表現にて書きとめて置きたく存じます。ご容赦ください。

 本日水曜、外出の際、あえて両国で下車、ここに向かいます。11時40分着、あれ? 「準備中」です。小さな張り紙で「営業時間12時~13時」とあります。そうかあ、kaitさんの >11:30ごろお邪魔しても大丈夫ですか? の意味が分かりました。いかにも「開けてくれませんか」との如くお店の正面に立ち店内を覗き込みますと、「暑いですからなかでお待ちください」とお嬢さん(娘さんでした)。先客なし、と思いきやお一人様です、しかしすぐ出て行かれます。謎です。

 席に着こうとするや否やの電光石火、「あんた初めてだね。これにしなよ、ランチだよ。豚バラ肉とネギのピリ辛炒め定食とラーメンだ」。すみません、私、見てのとおりの中年後半、食が細いんでおだ亭ラーメンに・・・「だめだめ。あんた、それ量多いよ。ランチ食えねえ奴が食えるわけがない」。・・・・「あ、ご飯少なくしますから。それとラーメンに乗せて食べればおいしいですよ」、娘さんがフォローしてくれます。よかった・・・・。「そうだよ、いいんだよ残したって。ランチでいいね。よし」。

 はい・・・・いきなりです。聞いてはおりましたですが、まあ。なんと。びっくりです。鳩が豆鉄砲状態でございます。

 「あんたどこから来たの?」「あ、はい。小岩です」。「ネット見て来たんだろ」「あ、はい」「あーなんとかデータベース。あれ見てくる奴多いんだ。困るんだよウワハッツハ」。

 「ちょっとあんた来てみな」。と厨房に案内されます。「これ、匂いかんでみな」「はい、あんまりいい匂いじゃないですね」「これ、市販の豆板醤。これはうちの。どうだい?」「あ、はい。全然香りが違いますね」「そうだろ。これを使うんだからランチさ、旨いんだよ」。

 「すみません強引で」と娘さん。「いやいいんです。それが楽しいので。でも9月までなんですよね」「それは本人が言っているだけで、実際はそれまで持ちますかね。病気には勝てませんし、私では代わりは務まりません」。言葉に詰まるのでございます。

 しばらくしてランチとラーメンが運ばれます。すぐさま「豚バラ肉とネギのピリ辛炒め」をラーメンに乗せます。「あんた、チャーシューがねえって思ってるだろ」。ブッツ! あの・・・食べ始めてる・・・「これ食ってみな。この辺じゃ食えねえチャーシューだ。汁に入れると味変わっちゃうだろ。だから別皿なんだ。横浜でも行かなきゃ食えねえよ」。・・・はい、いただきます。
 う、うめえ! 「どうだい、旨いだろ」「はいい!」。確かに煮豚でなく吊るしです。

 ガテン系後客お兄さん「親父さん、麺手打ちでしょ」「お? ちょっと待て」と厨房に入ってすぐ戻られます。手には麺が入ったビニール袋と新聞紙。「兄ちゃん、これ思い切り肘に体重掛けて押してみな」。お兄さん、腕まくって新聞紙にくるまれたビニール袋(麺)に体重掛けます。
 「見てみなこれ」。親父さん、袋から出して麺をほぐすのでございますが、何の意味があるのでございましょうか。「どうだ、全然切れてねえだろ。弾力があるんだよ。だから力入れても切れねえんだ。なぎら健壱がこんなの見たことねえって言ってたぞ」。

 ご飯少なくしてもらいましたが、お腹パンパン。「おう、全部くったか。次回も全部食ったらあの世から拍手してやるよ」。・・・・

 お品代払いに厨房方面へ向かいます。「どうだ、うちの。うまかったかい」「はい。とっても。ぜも親父さん、体大事になさってください。皆、心配されていますよ」「心配なんていらねんだ。その代わり見舞金と香典たくさん持って来いや」。・・・・いや・・・・。

 「ご馳走様」「また来なよ。あ、事情知ってんだろうから電話してきなよな」「はい。くれぐれもお大事になさってください」。

 私が感じましたのは、強烈な自尊心、旨い物を出しているぞという確固たる自信と自負。しかしながら、鼻持ちならぬ自慢話でなく、人生の師の話ようなトーンで聞こえるのは、いささかも外連味(けれんみ)のない真実を語っているからでしょうか。裏打ちされる、例えば豆板醤、チャーシュー、麺、なのであります。
 おだ亭は、ラーメンをランチを食するところではない、確信します。ここは親父さんの話を聞きにくるところだと。

 人は老い、やがて世を去ります。寂しく怖いものでございます。親父さんの言葉の端々に散らばるものは、それらを自然の摂理として受け入れ、達観したかのようにも感じます。一日でも長く、一杯でも多く。そう願わずには居られません。この点数は、絶対つけるはずがないと思っておりましたが、せめてもの親父さんへのエールとさせていただきます。
 いつものようにオチャラけることもシアワセですと感じることもできず、両国までの長い道を帰ります。

 kaitさん、ご紹介してくださり、心から御礼申し上げます。

投稿(更新) | コメント (10) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

こんばんは♪
コメント失礼します。
こちらには僕も良く行っていますが毎回のように今回のレビュにあるような会話が
お客さんと親父さんの間で交わされているので見ていて、聞いていて楽しいです。
親父さんの健康を願ってやみませんが最近お昼を食べにいったり宴会をしに行くと
辛そうなのが見て取れるのでつらいんですよね。
味に関してはこちら以上に素晴らしい麺を出すお店はしりませんし閉店の日まで通おうと思っています。

&Y1C | 2009年6月10日 22:24

&ゆいさん、コメありがとうございます。
&ゆいさんのところにコメします。

おはようございます!

うわぁ~ こちらおだ亭! 去年その存在を知り
ほかの諸兄のレポートも含め、指をくわえて眺めている状態です。

100点満点。おめでとうございます。
両国にもクライアントがあり、その打ち合わせ後のランチを
虎視眈眈とねらっております。

YMK | 2009年6月11日 08:51

YMKさん、どうもです。
正直、好き嫌いはかなり別れると思うのです。いや、味ではなく店そのものですが。ただ、こういうお店もあって、多くの方に愛されているということは事実です。
行かれるのでしたら早めのほうが。親父さんや娘さんのお話を聞いておりますと、健康状態がかなり心配されます。kaitさんや&ゆいさんが状況お知らせくださると思うのですが。

こんにちは。

おおっ、100点がつきましたか!
キッチリとご主人の術中にハマりましたね(笑)
コチラでは、ソレが重要な調味料ですから。。。
メニュー逆指名のやりとり、面白いですね。
ワタクシもマボロシの冷し中華を食べに行かねばなりませんが、
何とか頑張って注文を受け付けて貰わねば・・・・

hima | 2009年6月11日 10:49

burumachiさま、kaitです。
すばらしい。。レビューを読みながら涙腺が緩んでしまいました。
>私ごときがレビューするのはおこがましいのですが、どうしても、素のままの自分の表現にて書きとめて置きたく存じます。ご容赦ください。
いえいえ、おこがましくないです。すばらしいレビューです。
>おだ亭は、ラーメンをランチを食するところではない、確信します。ここは親父さんの話を聞きにくるところだと。
確かに。対応できる人できない人、好き嫌い別れると思いますが、ご主人との会話も味付けのひとつです。
また是非再訪してのレビュー楽しみにしてます。
追記:奥様が心配です。

kait | 2009年6月11日 10:54

 himaさんkaitさん(あの~、様だけはご勘弁)コメありがとうございます。
今日は秋葉原まで塩食しにまいったのですが、どうにも昨日の影響が強すぎまして。調子が出ないのでございます。
>キッチリとご主人の術中にハマりましたね(笑)
はい。それはもう。しかし、「それ食えねえだろ」と言われたときは、血の気がスーッと引きました。娘さんがフォローしてくれたので、その後の展開になったのですが。
>追記:奥様が心配です。
アタシが行ったときはいらっしゃらず、kaitさんのレビューでお加減が悪かったようなので、心配しておりましたが。ご主人からあの世だの香典だので、聞くこと叶わず。近いうち、それこそお見舞いの菓子折りでも持って行かねばと思っとります。

Cちゃんさん、どもです。
6/11のほうにコメしました。これからよろしくお願い。です。
ぶるま

ぶるまさん、kaitです。
悲しいお知らせをメールしました。。。。

kait | 2009年9月15日 23:42

ブルさん、
ブルさんの昔の読んでます。
これだからね。やめられないね。俺たち。。。

この店行きてえんだけど。。。どうしよ。

masa@連食★脱ラオタ完了 | 2014年4月4日 18:40