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「まぜそば」@麺亭 成田屋の写真2015年…浅草が大きく変わってきている。
浅草寺、雷門、花やしきなどの古き良き東京下町のランドマークは残したまま、今秋に「東京楽天地 浅草」がオープンする。

東京楽天地には「まるごとにっぽんプロジェクト」という、日本全国47都道府県のご当地グルメや物産など「日本の魅力」が詰まった施設も併設されるとのことで、訪日観光客がドッと押し寄せるだろう。
そのオープンを期待してか、浅草寺と東京楽天地を結ぶ「西参道商店街」が、2014年11月に生まれ変わった。
路面は珍しい「木目貼り」で、テナントの軒先も全て色合いを合わせている。江戸のお祭りのような雰囲気で、とても情緒溢れる商店街だ。

その一角に先週2月12日に「成田屋」というお店がオープンした。
こちらは日本初かも知れない「ハラール」のラーメン店だ。

最近よく耳にする人も多いと思われる「ハラール」とは、イスラムで許された「健全な商品や活動」のこと。
もちろん飲食店を営業するにもルールがある。

代表的なものとしてまず、豚とアルコールが禁忌だ。
しかも食材の仕込に関してもハラールのルールがあり、たとえば鶏の屠殺の仕方や大豆の収穫方法など、食材ひとつひとつの取り扱いに決まりがある。

※ちなみにハラール認証を受けた調味料にはハラールマークが印字される。「成田屋」に置いてあるオイスターソースにもマークがあった。

こういう日本人に馴染みのないルールがあると、「宗教がらみの飲食店ってどうなんだろうか。動物系を一切使ってないから美味しくないんじゃないか」と思う人も多いのではないだろうか。

それは勘違いで、ハラールとベジタリアン・ビーガンは違う。
豚とアルコールを使わないのは必須だが、「成田屋」では「鶏まぜそば」「ざるラーメン」を提供しており、それらには鶏や鰹節をメインに使用している。

醤油のカエシもさっぱりとした薄口だが、これらがあわさって出来た「まぜそば」(写真)は、日本人にとっては普段通りの食べやすい一杯だ。
半熟卵も乗っており、ラー油やお酢なども卓上に常備しているので、一般的なものと何ら変わらない。

豚を使わないので、確かに通常のまぜそば系に比べればアッサリかもしれないが、むしろ、浅草界隈の年配者は好む「日本の味」になっている。

元々はマレーシアで日本食レストラン「成田屋」としてオープンしており、それが逆輸入という形でオープン。
そして、「成田屋」は茨城県日立市にあるマレーシア料理店「ポコピサン」も経営しており、そここそがハラール認証を受けている。
そのお店の裏で製麺や食材の仕込を行っており、仕込みには必ずムスリム(イスラム教徒)のシェフが常駐、チェックしているそうだ。

昨年9月に宮城県仙台市に「九里林」という姉妹店もオープンしていて、こちらはハラールの店ではないが、こういった展開が出来ているのも土台の味の基本設計がしっかりしているからこそと言える。

浅草でオープンしてまだ1週間ほど。だが、ハラール対応をしているということで日本全国からムスリムがわざわざ食べにくるらしい。

それはそうだ。
人生で「ラーメン」を食べたことがないムスリムが殆どだ。

ハラールがブームになるから、と現在営業中のラーメン店がハラールラーメンを提供することは不可能に近い。
先程の仕込の仕方や営業の仕方を分けることが出来ないからだ。

なので、「成田屋」には遠く東北や九州からも噂を聞きつけムスリムが食べにくるらしい。

「成田屋」の2階にはちゃんとムスリムのためにお祈りをする部屋が用意されており、熱心な人は2階にあがり聖地の方向を向き、しっかり祈り、1階でハラールのラーメンを食べる。
これは確かに彼らにとって今までにない経験だろう。

日本の年間の訪日観光客は1,000万人を超え、年々増え続けている。
国別で見ると、大多数はアジア圏からだ。

特に最近では、中国や韓国・台湾よりも伸び率が大きいのがタイやマレーシアなどの東南アジア圏が増えている。
ASEAN(東南アジア諸国連合)の総人口は約6億人。

うち40%をムスリムが占め、ブルネイとマレーシアはイスラム教が国教、インドネシアは国教でこそないが人口2億4000万人のうちムスリムの占める割合は88.1%(約2億1140万人)にのぼり、世界最大の信徒を抱えている。

東京オリンピック開催の2020年までにもっともっとASEAN諸国からの来日が増え続けるのは間違いなく、ムスリムの割合も増えてくる。
新旧の混在する「東京」を感じるにふさわしい「浅草」のこの立地で、ハラルと日本の融合の「成田屋」はインバウンド戦略の代表格のような店舗だと思われる。
今後「ハラール」を勉強したい人、気になる人は是非訪問してみて欲しい。

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