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2022年6月2日の大崎裕史の今日の一杯

東京都八王子市八王子

今昔鶏想麺(醤油:写真)+極み醤油(太麺)+極み塩(太麺)

らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵(2022年6月1日オープン)

『ミシュラン二ツ星の名店「銀座小十」で修業していた若者二人がラーメンに目覚め、激戦区立川で20年以上人気を維持し続けた麺匠・町田氏のプロデュースにより、八王子に新規出店!』
なぁ〜んていうストーリーだとグルメな方も含めて、より多くの方が興味を持つかなぁ〜なんて思いました。

味の方向性としては立川の「らーめん愉悦処 鏡花」の支店的ポジション。店主は、その息子さん。そしてスタッフ含めて、3人共20代前半という若さ。一昔前なら、20代前半の店主というだけで話題になったが、今はそこはポイントではなくなった。

メニューはたくさんあり、限定復刻の「今昔鶏想麺(こんじゃくけいそうめん)」が醤油と塩。
「極み」シリーズが醤油、塩、鶏白湯とあり、麺を太麺細麺から選べる。同じくつけ麺も3種類から選択。
サイドメニューのミニ丼は5種類でどれもおいしそう。

まずは「今昔鶏想麺」を醤油味で。(1500円)
「鏡花」の創業当時に提供し、すぐに幻になったものの、何度か復刻版が出たがその『令和バージョン』と言って良い。名古屋で20年以上の人気を誇る「麺家 喜多楽」の「今昔支那そば」は、このメニュー名をモチーフにしている。

今回も『限定復刻』となっているが、スープ作りが大変なため、数が出ないとまたお蔵入りしてしまう、という貴重な逸品。売れてこれが定番となって欲しい。醤油味と塩味があり、それぞれ1500円。調べてみると、2001年当時は780円。20年で倍になったように見えるが当時よりも分厚い味になったし、この味に1500円出せない人は他の店に行ってもらっていい。思うに『復刻』というよりも、これは「鏡花」の令和新作である。豊潤な旨味があり、しかも厳かな深みのあるスープ。ラーメンであることを忘れてスープばかり啜ってしまいそうになった。麺は三河屋製麺の細ストレート。長年連れ添っている夫婦のような製麺所なので合わないはずがない。トッピングもそれぞれ名脇役に徹している。一滴残らず完飲完食。

続いて、「極み塩」1200円を頼んだつもりだったが醤油が出てきてしまった。もったいないので塩を作り直す間だけ、食べさせてもらった。つい先日、立川で醤油を食べているがそれよりもおいしく感じられた(笑)。脂身が入っているはずだがこの醤油には入ってないのはどうやら忘れられたようだ。(^^;

そして「極み塩」だが、貝をうまく使っており、醤油も旨かったが、さらに好みのウマさ。「今昔〜」が細麺なので、こちらは太麺で頼んでみたが、これも細麺がさらに合うかも。もはや令和の新店、まさに今風の味わい。

というわけで、千円超えの令和時代に相応しい新店の登場と言っても良いが、低価格のご当地・八王子ラーメンで育ってきた街の人の反応がどうなるか。むしろこの味なら、23区からわざわざ食べに行ってもいいくらい。

しばらくしたら、また行ってみたい。

お店データ

らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵

らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵

東京都八王子市中町7-9(八王子)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。