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2019年9月7日の大崎裕史の今日の一杯

東京都豊島区池袋

2019年9月5日リニュアルオープン。(写真は大分佐伯)
「石神秀幸厳選 極み麺selection」の第10弾。今回は過去の作品を複数集めた総集編的なメニュー。運営はもちろん「渡なべスタイル」。

今回の主なメニューは「大分佐伯」(大分県)730円、「長岡生姜醤油」(新潟県)750円、「上越味噌」(新潟県)800円、「濃厚背脂煮干し」(新潟県)800円。味玉100円、チャーシュー200円、メンマ100円など。

こうしてメニューを並べてみると意外にも新潟県が三種類。渡辺さんが新潟好きなのか、過去の売れ行きで新潟が良かったのか、わからないが新潟に偏っている。

店に着くまでは「大分佐伯」と「長岡生姜醤油」に決めていた。この二つにするのに迷いはなかった。だがしかし、券売機の、順番でいえば4番目、つまりラストの「濃厚背脂煮干し」にだけ張り紙がしてあり、「人気メニューの復活」「スープが少なくまぜそば風」「前よりも進化している」みたいなニュアンスのことが書いてあり、店としてはこれを推しているのか?と思い、急遽「長岡生姜醤油」を諦め、これにした。

まずは「大分佐伯」。渡辺樹庵さんの佐伯ラーメン好きには負けそうだが、私も佐伯ラーメンが大好き。東京ラーメンショーになんとか出せないか?と尽力したことが思い出される。何度かのバージョンアップののち、この味になったのだと思うが上品においしく仕上がっている。しかし、私が望むのはもうちょっと下品というか、パンチがあるタイプの佐伯ラーメンである。こう書くとダメ出ししているようだが、これは私の好みの問題で食べた事がない人が食べればかなりおいしいと思って貰えるはず。九州の豚骨文化で鹿児島を別とすると(鹿児島はあまりにも独特で別ルートから豚骨が回ってきたため)この佐伯ラーメンはかなりハグレモノで個性的。胡椒とニンニクが効いた豚骨醤油ラーメン。誰か都内に固定店として定着させて欲しいと思っている。それくらい好きだ。

そして2杯目の「濃厚背脂煮干し」。「スープが少なくてまぜそば風」と書いてあったのを読んだにもかかわらず、スタッフから「濃かったらこれでスープ割りしてください」とポットを差し出されたので、あれ?濃厚味噌の食券を買っちゃったかな?と券売機を見直した。「上越味噌」はあるけどスープ割りをする巻町系「濃厚味噌」は今回のメニューには無い。不思議な感じで食べてみると、いや〜これが燕三条系を超越している。そういや、他の3品は「大分」「長岡」「上越」と地名が入っているがこのメニューには入ってない。あとで気が付いたが店頭の大きなさらし暖簾には大分佐伯と生姜醤油しかのってない。券売機の上に張ってあるものには、長岡、上越、佐伯が書いてある。4番目のメニューは急に決めたものか?いずれにしてもいわゆる燕三条系では無い。(最近新潟ではこういう呼び方はせず、燕系というらしい)

本当にまぜそば風のドロドロスープが少なめで麺とまぜ合わせて食べる感じ。そして見事にしょっぱい。半分くらい食べた後でスープ割りをした。まずはレンゲでどんな味なのかを確認。あれ?生姜の味がする。驚いて聞くと「生姜醤油のダシなんです」とのこと。これは面白い。この丼一杯で「燕&巻町&長岡」コラボなのだ。麺は幅広麺。

狭い厨房で4種類も出すんだ〜と来る前には「渡なべスタイル」で作って運ぶのかと思ったら、どうやらここで炊いているらしい。そんなにコンロがあるわけでは無いのでいろんな工夫をしているのだろう。それが4番目のメニューの発想に繋がったのか。ホントに面白いことを考えるもんだ。

お店データ

ナベラボ

東京都豊島区南池袋1-24-5 楽園タウン池袋 1F(池袋)
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2019年4月末現在約12,500軒、約25,500杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。