20年ほど前、南麻布は「陸の孤島」などと呼ばれていた。まだ南北線や三田線が開通する前の話である。その地に穴場的なラーメン店があった。チャーシューがおいしい「盛運亭」とタンメンやチャーハン(夜だけメニュー)、餃子が人気の「大宝」である。しかも「大宝」は昼2時間、夜2時間くらいしか営業せず、土日祝休みの上に臨時休業も多いし、時間どおりに開かないことも少なくなかった。だから「幻の店」なんて言われたこともあった。私はこの2軒をセットにして何度か食べに行っている。好きなセット(連食)の組合せだ。そして今日の一杯は「大宝」のタンメン850円。
外観は普通の中華料理店。いや、中に入ってもそれ以上ではない。外も中も普通の中華料理店。人気のタンメンを注文。すると手早く中華鍋に油を張り、ニンニクを包丁で刻む。そして潰す。それを中華鍋に入れ、たっぷりの野菜を炒める。一方、奥さんらしき人が麺を軽く揉みほぐし、茹で上げる。そのタイミングは絶妙だ。麵が茹で上がる頃にちょうど野菜も炒めあがる。野菜が多かったので二人前を同時に作っているのかと思ったら、その大量の野菜は私のと思われる丼にのせられていった。「二郎」のような盛りだ。タンメンはちょっと塩辛いがインパクトがあり、ガツンとやられる。この感覚がこの店に来る理由でもある。やさしいタンメンも嫌いじゃないが、ここは「男のタンメン」という気がする。労働者向けとも言える。もやし、キャベツ、豚バラ、ニラ。麺よりも多い、これらの具が十分炒められ、味付けられ、おいしくトッピングされている。極上のタンメンである。
最後にネット情報から。創業は昭和32年。私よりも2年古い。今の店主は2代目で創業者の息子さん。以前はなんとマキシムドパリにいたらしい。いや〜驚きだ。
















