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2021年8月30日の大崎裕史の今日の一杯

豚牛清湯(鶏白湯チーズつけ麺・追いパン付と肉そぼろ丼も少々)

ブーランジェリー ルージュ ロワイヤル@岐阜市(長文です(笑))

先日投稿した「麺㐂色」の他に岐阜県でもう一軒、ハードルの高いお店。
パン屋さんなのに2019年3月11日から始めた朝ラーメン。
都内だと『欧風菓子サブロン』が店の裏のスペースを改装して「裏サブロン」というラーメン店を始めた例があるが、まさにそんな感じ。ただ、こちらは本来の営業時間はパン屋さんで、営業時間外に朝ラーメンとして提供。おいしくて人気になり、みんなが前倒しで並ぶようになり、収拾が付かなくて2020年5月より、整理券制に。席数はそれまでの5席から4席に減らして対策を。

今の営業時間は、月曜と木曜の6時から8時半。
月曜から木曜、ではない。月木の2日間のみ。
しかも朝の2時間半。30分単位で4人ずつなので1日20人。
(時間内であれば連食可。)
つまり、一週間で40人しか食べることができない難易度。
もっとも本業がパン屋さんだからしょうがない。

7月頃の口コミを見ると朝4時半に整理券を取りにいったら10番目だったらしい(笑)。
今回は、早く食べたいわけではなく、むしろ最後の回で食べたく、その回を狙うために午前2時に。もはや朝では無く、深夜。パンの仕込みのために2時頃に店主が店に出てきているというのだ。なのでそれ以前とかだと店主の来店を待たなくてはいけない。でも、近所迷惑になるのでよい子は真似をしないように。

そしてこのお店が変わっていることはもうひとつある。メニューが毎回違うのだ。Twitterで最近のメニューを拾ってみる。(毎回2種類のメニュー)
あ、その前にTwitterの自己紹介が面白い。
『変わってますねと言われると嬉しいです。変人ですねと言われると喜びます!』
いやいや、確かに変わっているし、変人だ。むしろ褒め言葉の“変態”としか言いようが無い。(^^;

8/30『わさび昆布まぜそば』冷 追い飯付 1100円
  『鶏豚清湯』醤油 850円
8/26『冷やしつけ麺〜芝麻醤』1000円
  『鶏豚清湯』醤油 850円
8/23『冷やしつけ麺〜飛騨桃トッピング』850円
8/19『豚牛清湯』塩or醤油 950円
  『鶏豚清湯』塩or醤油 850円

そして私が行った8/16のメニューがコレ。
『豚牛清湯』950円
わざと濁った豚スープを作り、牛ミンチでコンソメイメージの清湯に。
『鶏白湯チーズつけ麺』追いパン付 1000円
鶏白湯つけ麺第三弾はチーズ。麺にも10%チーズを入れてみました。鶏チャはフレンチの技法でクールブイヨン火入れ後軽くソテー。
こうして見ると最近は冷やしが多かったようだ。冷やしも大好きだがせっかくこの高いハードルをクリアしていくのだから冷やしじゃなくて助かった。それとパン屋さんなのでパンも少し食べてみたいと思っていたら、つけ麺に追い飯ならぬ“追いパン”が付いていたので一個いただいた。これも私が行った後には出てないメニューだった。いや〜今更ながら食べられてよかった。

8/2を見ると『ニラ醤油納豆まぜそば』追い飯付900円、という変わり種メニューでなおかつ追い飯の時もあるとは・・・。いや〜追いパンを食べることができて、ホントによかった。

さて、前置きが長くてすみません。
そろそろ味のコメントです。
まず、私が選んだ『豚牛清湯』。パッと見、奇をてらったものではなく、普通のラーメンに見える。しかし、この「普通に見えるけど、他では食べられないおいしさ」というのが大事。地方のラーメン食べ歩きを始めて25年になるが、正直、最近の地方食べ歩きはたまに楽しくないことがある。それは地元の話題店、人気店に足を運んでおかねば、と行ってみると意外と都内でよく食べている味だったりすることがままあるからだ。ラーメン食べ歩きの楽しさ、醍醐味は地球規模で見るとかなり狭い国・日本なのに「ご当地」を体験できるからなのだ。そこでしか食べられない、その地域でしか食べられないラーメンと出逢うことが出来る楽しみ、これこそがラーメン食べ歩きの楽しさだと思っている。

そういう意味でこのラーメンは楽しかったし、こんなラーメンに出逢えて嬉しかった。もちろんおいしかったのは言うまでも無い。見た目は普通のラーメンなのにイタリアンやフレンチの店で食べているような感覚。コンソメ風のスープもそうだろうし、麺が自家製で独特。パン粉用の小麦粉なのかな、とても個性的でおいしい。いい意味でプロっぽくない、なんていうか、商売用の“仕上がった”ラーメンではなく、センスのいいラーメン。あっ、自作ラーメン派の人が作るラーメンに近いのかな。そうか、わかった。ラーメン屋さんのラーメンは1日100人以上の人に食べてもらうための作り方をする。これは自作ラーメンと同じように10人分くらいの作り方をする。その違いなのかも。
今では何店舗も展開している超有名店主が一店舗目を出したときに『家で友人に作って出していたときに好評だったのでそのまま量産してお店で出したら大失敗』して閉店してしまった話があるが、10人分を作るラーメンと100人分を作るラーメンでは同じレシピでもできあがり違うのだ。小ロットだからこそできるラーメンなのかもしれない。だから妙に新鮮でとてもおいしい。レアチャーシューもおいしい。

同行者の『鶏白湯チーズつけ麺』追いパン付を少しいただいた。こちらも新鮮斬新。麺もチャーシューもスープも実によくできている。パン屋さんにしておくのはもったいない(笑)。麺にチーズが10%練り込まれていることは言われないと気付かないが、「他では食べられない麺」というのは気が付いた(当たり前)。そのまま食べてもおいしいし、グツグツ沸騰したスープに絡めて(浸ける、というよりも絡めるというのに近い濃度)食べるとメッチャ相性が良い。そしてこちらは鶏白湯に合わせての鶏チャーシュ。これがまた香ばしくて素晴らしい。追いパンの相性が良いのは本業だから間違いなし。誉めてばかりだが、本当にどれもスゴいのだ。

とにかく岐阜に前泊して食べに来る甲斐のあるお店。ホントに行けてよかった。有給を取ってまでお付き合いいただいた同行者に感謝。
ちなみに「麺㐂色」とココを連食することができるのは、月曜だけ。

お店データ

ブーランジェリー ルージュ ロワイヤル

ブーランジェリー ルージュ ロワイヤル

岐阜県岐阜市野一色4-10-6(長森)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。