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2022年2月10日の大崎裕史の今日の一杯

神奈川県海老名市海老名

「特中村屋(塩)」(写真)「中村屋らーめん(醤油)」連食

1999年、大和市高座渋谷で創業し、業界を革新していったラーメン店「中村屋」が2022年2月13日でいったん日本での幕を下ろし、NYで専念。

最終の三連休はものすごく混みそうだったので平日に行ってみた。11時開店で10時23分着、10人待ち。10時45分で30人待ち、11時に開店し、回転は良い。食べ終えて店を出た11時45分で4-50人待ち。(夜の部は売切終了注意)

だしかけと特中村屋を塩と醤油で連食、と考えていたが結局、「特中村屋(塩)」1150円と「中村屋らーめん(醤油)」990円のボタンを押していた。

「中村屋」のラーメンをひと言で表現すれば「神奈川淡麗系」となるだろうか。「旨味の相乗効果」を徹底的に研究し、動物系と魚介系の組合せによる「出汁」をとことん追究することで「ものすごくウマい」ラーメンを誕生させた。
地元のラーメン仲間からこの店の存在を教えてもらい、初めて訪れた時は営業時間中にもかかわらず、他にお客さんはいなかった。食べたラーメンも「期待を感じさせる」ものでしかなかった。しかし、人を並ばせるまでに時間がかからなかった。それが「若き天才」たる所以である。

店主・中村栄利さんのラーメン革命(数々の先駆者)
・七輪による炙りチャーシュー。チャーシューに熱を加えることで香ばしさやさらなるおいしさを提供。それまでラーメンにのるチャーシューのほとんどが冷たいものだった。直前に炙りを入れることで温かさと香りを付加。
・「出汁」の追究と「香味油」の研究。五感で食べさせるラーメン。
・20代でラーメン店を持てる格好良さ。後に若いラーメン店主の台頭を導いた。(サッカーのカズ、野球のイチロー的存在)
・「天空落とし」による魅せる湯切り。
・具のない「だしかけ」を提供し、後にカップ麺にもなった。

何度も食べたのち、絶好調で最大人気の正月に3-4時間並んで食べたこともあった。あの時の「うま味」は、食後、口に何も入れたくないくらいおいしく、電車に乗って1時間半、家に帰るまでが「中村屋」だった。「残り味」「残り香」を1-2時間楽しめるほどにうま味や香りが素晴らしかった。

またいつか、日本で楽しめるようになるまで、しばしのお別れ。さようなら「中村屋」。

お店データ

中村屋

中村屋

神奈川県海老名市中央2丁目5-41 サティー立体駐車場1F(海老名)

このお店の他の一杯

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。