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2021年6月13日の山本剛志の今日の一杯

神奈川県海老名市海老名

らーめん 塩(830円)

ラーメンを食べ歩いて20年以上経つと、思い出深い店も多くなる。そんな一軒が、1999年に神奈川県大和市で創業した「麺処 中村屋」。当時のネット掲示板に「高座渋谷ってどこ?」という書き込みがあった事も覚えている。鶏と豚骨をメインとしたスープと魚介出汁をあわせた、澄みながらじんわりと広がる旨みが特徴。そこに入る細麺を、「天空落とし」と称した湯切りで入れる姿は話題を集めた。中村栄利店主はアメリカに渡り、現在はニューヨークの人気店主として活躍を見せている。
 さて、日本に残る「中村屋」は現在、海老名駅に近いイオンの立体駐車場の一角に店を構えている。2007年の開店時は「中村屋essence」を名乗り、ラーメンの枠にとらわれないコース料理などを提供していたが、大和市の店が立ち退きになり統合。現在は海老名の店だけが「麺処 中村屋」として営業を続けている。屋根が高くてリラックスできる雰囲気があり、店内には「屋村中」と大書された看板を掲げている。
 入口の食券機で「らーめん 塩」を注文。「神奈川淡麗系」と呼ばれるジャンルはこの店から広まったが、改めて食べてみても、そのワンフレーズでは括りきれない一杯と感じられた。ダブルスープが交錯する香りに、それぞれの出汁が持つ旨みが明確に主張している。「神奈川淡麗系」では香味油が特徴として語られるケースが多いが、油を感じつつもそこに頼りすぎていない。中細麺を啜れば、丼の底までその出汁が詰まっている事を実感できる。炙ったチャーシューや味玉も舌を刺激してくれる。
 店主をアメリカに送り出した後も、スタッフが味と世界観を丁寧に守り続けている。自分もそうだったが、「麺処 中村屋」にご無沙汰という方も多いかもしれない。未食の方もご無沙汰の方も、海老名で提供されている現役の味を感じてほしい。

お店データ

中村屋

中村屋

神奈川県海老名市中央2丁目5-41 サティー立体駐車場1F(海老名)

このお店の他の一杯

山本剛志
山本剛志

ラーメン王。ラーメン評論家。1969年東京都生まれ、千葉県出身、東京都江戸川区在住。2000年放送の「TVチャンピオンラーメン王選手権」で優勝。20年間で全国47都道府県の約10000軒、約15000杯を食破。現在も年に500杯前後のラーメンを食べている。「アメーバトップブロガーとして「ラーメン評論家 山本剛志のら~マニア共和国」を毎日更新中」。KADOKAWA「ラーメンwalker」百麺人。他、各所で活動中。