なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 
2019年8月5日の大崎裕史の今日の一杯

東京都港区芝公園

一三五

六本木に「ドラムカンスープ」として有名な老舗店「天鳳」がある。元々は札幌の店で1974年創業、そして六本木店が1985年にオープン。昔、六本木で飲んだときは「天鳳」か「大八」あるいはラーメン店ではないが「香妃園」、西麻布方面だったら「赤のれん」「かおたんラーメン」などで〆ていた。そんな「天鳳」で修業し、1994年に武蔵小山で独立。私が「東京のラーメン屋さん」というサイトを始めてから知り、近いので何度も食べに行った。そして2005年7月、今の場所に移転オープン。

基本的には武蔵小山の創業当時から店主が必ず作り、大きな味ブレはない。天鳳出身の店もいくつかオープンしたが、首都圏で残っているのはここだけではないだろうか?

私が食べに行った頃はすでに奥さんが接客を担当しており、(オープン当時は店主だけだったという話も聞く)そのホスピタリティたるや昔も今も驚きである。以前「接客が心地良いラーメン店ベスト3」にあげたこともある。(他は「こうかいぼう」など)可愛らしい声と着物に割烹着、そして席に着くと温かいおしぼり、食べ終えた頃合いに冷たいおしぼり。

ラーメンもおいしいが、その接客サービスを受けたいが為に足を運んだこともあったほど。今はラーメンが800円になったがそれでもおしぼりを2回も出すのは原価的にも手間としても大変なことだと思う。それを25年も続けてきたのだからスゴい。

さて、ラーメンの方だが「天鳳」の出身なので「一三五」が有名。これは麺固め、味濃いめ、油多めのことで、麺柔らかめだけ受け付けないが、麺普通、味普通や薄め、油普通や少なめは可能。でも多くの人が「一三五」を頼んでおり、むしろそれを食べたいが為にここに来る、と言っても過言ではない。

少なめのスープは豚骨醤油なのだが言葉だけで言うと家系と同じくなってしまうが、結構な豚骨臭。麺は札幌西山製麺の細縮れ麵。固めにするとかなり硬い。140gだがスルッとなくなる。チャーシューはおいしい。増しにすればよかった。

最後に少し凍ってるくらいの「つめしぼ」(つめたいおしぼりのこと)で汗を拭いて心地良く退散。大将も女将さんもいつまでもお元気で。

なおこの日は平日1150着で外待ち7番目。(中で3人待っていた)回転は比較的良い。取材拒否店なのであまり知られていないが周辺のサラリーマンには人気。

お店データ

天虎

天虎

東京都港区芝大門2-9-8(芝公園)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。