全国のラーメンの歴史を調べていると、今の基準で考えてはいけない事がある。電気冷蔵庫が普及したのは昭和30年代の高度経済成長期とされ、配送業も今ほど発達していなかった。「和歌山ラーメン」の老舗では醤油で炊いた豚骨でスープを作るが、それは豚骨を常温保存する為の知恵だったという。
2022年3月、東京浜町の金座通り沿いに開店したこの店。店名は「竹岡式ラーメン」の「竹」の字から取ったのだろうか。高円寺の焼肉店のランチタイムに営業していた店が独立した形になっている。千葉県富津市の「梅乃家」が発祥とされる竹岡式ラーメン最大の特徴は「乾麺を用いる」事。これも、この味が生まれた時代が背景にある。「梅乃家」はもともと甘味処で、お客の要望でラーメンを始めたが、生麺を頻繁に配送できるエリアではなかったと思われる。1953年から乾麺を生産していた千葉市の「都一」の縮れ麺を用いる事で、その味が生まれたと考えられる。
千葉県内房地方に広がる「竹岡式ラーメン」だが、梅乃家の特徴である「乾麺を茹で湯で割る」店は多くない。生麺にしたり、鶏ガラスープを使った方が、ラーメンとしての力強さを増すと思える。しかし、「まる竹」のご主人は子供の頃に食べたラーメンのイメージを再現する為に、都一の乾麺を用いている。更に「梅乃家」でも用いている「宮醤油」で豚肉を煮込み、そのタレを茹でた湯で割るスタイルを、東京で出す事を決めた。
すっきりしたスープに細縮れの乾麺という、どこか懐かしさも漂う一杯。中盛・大盛やトッピング、そしてこれも「昔懐かしい」と思わせるサイドメニュー「黄色いカレー」も用意するなど、ガッツリ食べたい人にも物足りなさを感じさせない新店です。
















