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2025年10月29日の大崎裕史の今日の一杯

神奈川県横浜市港北区新横浜

スペシャル新道らぁ麺(1700円)+ムール貝ライス(500円)

昨年の「登龍門」。このイベントは「おいしいラーメン決定戦」ではなかった。「らー博に出店するのに相応しいお店を決める」イベントである。そういう意味で、タイの「新道」は惜しかった。味は素晴らしく、ベスト3には入っていたと思う。タイからの応募者が並みいる日本の応募者を押しのけて上位に来るのだからスゴイ。しかし、結果は入選せず。私もタイに行って食べてみたい、と思わせるラーメンだった。実際、このお店はタイで大人気で『タイでもっとも予約困難なラーメン店』と称されている。「登龍門」を通過せずともラー博としては呼びたいラーメン店の一つであったのだろう。逆転満塁ホームラン的なスゴ技でラー博出店が決まったのだ。その技とは・・・・。「支那そばや」が人員・食材面で全面バックアップする、ということ。「來々軒」の継承(立上げ)も「支那そばや」が担当していたが、「來々軒」と同じ場所でオープン。「ロックンスリー」もそうだが、ここの所のラー博はスゴい。普通なら出店不可能、となりそうな店舗も結果的には出店してしまうというそのアイデア、創造力、力技(業)。だからこそ、この施設が30年も続き、いまだに満員状態を継続できているのだろう。

話が大きく逸れたが、今回は海外からの逆輸入ラーメン第六弾としての出店。過去の出店は下記の通り。
第1弾「IKEMEN HOLLYWOOD」アメリカ(2013/4/24~2014/6/1)
第2弾「無垢ツヴァイテ」ドイツ・フランクフルト(2014/6/25~2020/4/3)
第3弾「カーザルカ」イタリア・ミラノ(2015/5/29~2017/1/9)
第4弾「YUJI RAMEN」ブルックリン ニューヨーク(2017/3~2018/9/24)
第5弾「RYUS NOODLE BAR」カナダ・トロント(2018/10/17~2021/6/20)
第6弾「新道らぁ麺」タイ、2025年10月28日オープン。
「新道らぁ麺」は、元エンジニアの通称ジョー(チャワポン・リーピパットパイブーン)さんと、相棒の通称デュー(スパシット・ラパーティクル)さんの2人で2017年にタイで創業。
主なメニューは、新道らぁ麺1200円、スペシャル新道らぁ麺1700円、ムール貝ライス(数量限定)500円、シンハービール800円、チャンビール700円、他。

この日は、混雑を避けるため14時50分頃に到着。オープン日だから二人は居ると思うが休憩時間だったらどうしよう、と心配だったが、なんと偶然二人が休憩に出るタイミングで私が並び、二人が先に気が付いてくれた。私は「新道Tシャツ」を着ていたのでそれを見せながら二人と撮影。いろいろ話ができてよかった。もうちょっと遅れていたら、彼らとは会えていなかった。危ない危ない。
変わり種トッピングがある気がしてスペシャルにしたが味玉とチャーシュー増量(低温調理による豚肩ロース・豚バラ、鶏ムネ)、海苔が付いたのかな。なんとなく見た目も支那そばやテイストを感じられたがスープや麺にもそれらを感じられた。まるで「支那そばやコラボ」かと思うほど。もちろんコラボでもそうでなくても、このラーメンは実においしい。見事にウマい。

カエシ:大量のあさりを煮干し、羅臼昆布、干し椎茸の和風出汁で煮込み、高濃度に煮詰めたあさり出汁をベースに、タイの食文化を象徴するナンプラー(原材料はイワシ・塩・砂糖のみで、保存料・化学調味料を一切使用せず、24か月熟成させた最高級品)、オイスターソース(中国発祥ながら、19〜20世紀初頭に潮州系・海南系の華僑がタイに持ち込み、現地で独自の発展を遂げた調味料)、そして数種類の高級国産生揚げ醤油を絶妙にブレンド。
香味油:大量のムール貝をじっくり揚げる“ムール貝油”と鶏油に煮干しを加え、じっくり香味を移した“煮干し油”の2種類。
スープ:名古屋コーチンの丸鶏・鶏ガラ、豚肉、そして大量のあさりから取ったスープに、羅臼昆布と干し椎茸で取った和風出汁を重ね合わせた、動物系と魚介系が融合した清湯透明スープ。
ナンプラーがタイ風を感じさせるが、重層感のある掛け算スープ。もちろん最後の一滴まで飲み干した。
麺は支那そばや謹製ストレート中細。北海道・美瑛産「春よ恋」を中心にブレンドして、なめらかでしなやかな麺。
そして最初はらぁ麺のチケットしか買わなかったのだがジョーさんが「ムール貝ライスも食べて!」と強烈に推すので追加購入。これがまたおいしかった。らぁ麺とのセットにして食べると2倍3倍においしくなる。
今はまだメニューが少ないが、これから増やすらしいし、タイらしい「トムヤムクン」風とかデザートなども出すようなので楽しみ。日本人並に日本のラーメンを研究し尽くしている二人が織りなすラーメン愛による作品はどれも素晴らしいに違いない。まずはその一歩。基本メニューだが、実においしかったので次なるメニューも楽しみ。何度も通いそう。

で、実は私の数人前に「ロックンスリー」の嶋﨑さんが並んでいて(驚)、食べ終えて少し話をしたら、まだ不定期限定発売の「地豚醤油」が残っているというので、食べに行ったら、これがまたおいしいのなんの。私は何度か売り切れで振られていたので今日も行かずに諦めていたが、発売日は夕方くらいまでは残っているらしく、諦めずに食べに来てくださいとのこと。発売日は娘さんのインスタでしかもストーリーズであげるとのこと。尼崎でも出していなかった新作。代々木では出したがアレとは別物だそう。(代々木では未食)豚100%の清湯で実においしいので皆さんも「新道」とのセットでどうぞ。

お店データ

新道らぁ麺

新道らぁ麺

神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21 新横浜ラーメン博物館B2F(新横浜)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。