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2018年3月15日の大崎裕史の今日の一杯

岡山県岡山市北区岡山駅前

じゃじゃめん

日本には古来からの「辛い料理」はない。しかし辛い物が好きな人は少なくない。ラーメンで見てみても「ピリ辛系」や「辛旨系」のプチご当地ラーメンが各地に存在する。例えば茨城に点在する「スタミナラーメン」、埼玉の「娘娘」系と呼ばれる「スタミナラーメン」、奈良は天理の「スタミナラーメン」。これらは名前は共通だが「辛い」のだけが共通で味は違う。辛さ=スタミナというイメージが共通認識で面白い。他にも名古屋の「台湾ラーメン」や宮崎の「辛麺」などもある。都内の「蒙古タンメン中本」も「旨辛系」の代表である。最近では「鬼金棒」(神田・池袋)なども同様だ。
 岡山の地元人から「辛くて名物的なラーメンがある」と聞いて行ってみた。店名を「華光軒」という。岡山駅前なのだが驚くような路地裏にあり、初めての人は迷うことになるだろう。私は行ってみて気が付いたが一度来たことがあった。その時は地元のオススメで「中華そば」を食べたのだった。昔ながらの中華そばで岡山でもトップクラスに古いお店の中華そば。食べておくべき、とのことで食べたのを思いだした。
 今は二代目がやっており、先代からだと70数年の歴史がある老舗。今の代でもすでに47年になるという。その名物ラーメンは「じゃじゃめん」というが、盛岡の名物とはまったく違って、今の店主がお客さんの要望を聞いて作った創作麺料理でオリジナル。
 注文時に辛さを聞かれるが「2」はカレー屋さんのCoCo壱で例えると5倍、「3」は同じく10倍と同等の辛さらしい。「2.5」で頼んでいた人もいた。壁には「25倍完食!」の写真と色紙があった。昨年のものだがどれくらい辛いのだろうか?(試したくないけど一口食べてみたい。)
 調理工程は茹で上げた細麺ともやしを丼に入れ、その上から辛味のついたあんかけをかけて食べる和え麺。餡には挽肉や玉ネギなどが入っており、スープはないが最後には餡や麺から出た水分でスープらしいのが残る程度。
辛い物好きには、はまるおいしさ。他の料理も美味しく、料理のセンスはいいようだ。他の店が真似していれば岡山名物に育ったと思うのだがあまりそういう話は聞かない。
 なお、この店は臨時休業が多い、というよりも「臨時営業」の店らしく、帰り際、店主からも「よう休む店ですがまた来てください」と言われた(笑)。
ホントは昼だけで四軒行く予定だったが揚げワンタンが予想以上の量だったので諦め(この店が三軒目だった)、岡山をあとにした。

お店データ

華光軒

華光軒

岡山県岡山市北区駅前町1-1-11(岡山駅前)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。