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2022年1月17日の大崎裕史の今日の一杯

神奈川県横浜市中区元町・中華街

生碼麺(サンマーメン)(玉泉亭と食べ比べ。どっちが元祖?)

【サンマーメンの元祖が2軒あるが本当はどっち?】
神奈川県のご当地ラーメンの一つ「サンマーメン」。
ネットで調べてみると「玉泉亭」(伊勢佐木長者町)と「聘珍樓」(中華街)がそれぞれ元祖と言われている。
元祖というのは、一般的に一軒しかないわけで二軒あるのはおかしい。
そこで食べに行ってきました。
あ、言い訳になりますが両店共、実食済みですがサンマーメンはどちらでも食べていませんでした。
サンマーメンは他の数軒で食べています。
聘珍樓に行ったのはネット開始前。
玉泉亭はネット開始すぐ。その頃のラーメン本には普通のラーメンが紹介されていたのでシンプルなラーメンを食べています。
ちなみに今回は取材でもなければヒアリングもしていません。
食べ終えて、帰社し、会社にある昔の本を見たり、メールで聞き込みをして、出た結論は
『どちらでもない!』(笑)

ラ博にある資料の中に「來々軒」のメニューが有り、そこに「肉もやしそば」とある。これはサンマーメンのことではないのか?
いわゆる、あんかけもやしそばは中国古来からあるメニューでそこに「生碼麺」と名前を付けたのが「聘珍樓」なのではないか、と。メニューには『昭和5年に当時の料理長が創案した麺料理』と書かれている。そして横浜開港資料館には1930年代当時のメニュー表が史料として所蔵されているのだから、「生碼麺」の名付け親(元祖)は「聘珍樓」なのだと思う。

「玉泉亭」は昭和20年頃に「サンマーメン」を発売したとされています。「聘珍樓」より15年以上も遅いわけです。お店のメニューは「サンマーメン」となっており、漢字表記はありません。店内にも「元祖」を名乗る物は何も無く、ある人に聞いたら「うちから元祖と言ったことはありません」という答えが返ってきたそうな。

またある人が「かながわサンマー麺の会」にヒアリングしたところ、元祖は「聘珍樓」という答えだったらしい。
「サンマー麺の会」に「玉泉亭」は入っているが「聘珍樓」は入っていない。

そんなこんなで私なりの結論としては、味自体は古来からあった。「生碼麺」という名称は「聘珍樓」が発祥。それをヒントに町中華風に汎用的アレンジを加えて広めたのが「玉泉亭」。ということなのかと思います。
食べ比べて大きな違いは規模(聘珍樓780席、玉泉亭42席)と値段(聘珍樓1430円、玉泉亭670円)とあんかけのとろみ具合(聘珍樓:あまり無し、玉泉亭:かなりのあんかけ)。見た目のイメージだと「玉泉亭」的なビジュアルが一般的な「サンマーメン」だと思う。

お店データ

聘珍樓 横浜本店

聘珍樓 横浜本店

神奈川県横浜市中区山下町149(元町・中華街)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。