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「どろたま金色煮干中華そば ¥800」@麺屋 愛心 TOKYO 町屋店の写真土曜日 晴天 21:00 先客5名 後客4名

〝ウイークポイント強化ウィーク〟

赤坂での会食で満足に食事も出来ない内容だった為、空腹のまま夜の部に間に合いそうな店をRDBにて検索する。今週は苦手なジャンルのニボ耐性を強化するために鍛錬を重ねている毎日なのだ。そんな中で候補に挙がってきたのが町屋にあるこちらだ。

お店情報を見ると変わり種のラーメンが名を連ねる新店舗のようだが、メニューの中に煮干しラーメンがある事を確認した。夜の部も22時半までと好都合で、赤坂からのアクセスも申し分なく勢いのままに初訪問を決めた。

赤坂駅から千代田線に乗り込めば所要時間は20分ほどで最寄りの町屋駅だ。大手町や赤坂へのアクセスが良いので住みたい街ランキングに入ってもおかしくなさそうな駅だ。東京メトロ、京成線、都電と三路線も乗り入れる駅の割には知名度が低いような。地元の人は怒られそうだが、そんな気がしてならない。

駅前の構造は決して分かりやすくはない。高架線と道路の入り組んでいるので地上に上がると方向感覚を失う。駅からは近い店なのにナビが無ければ迷ってしまいそうだった。ナビのおかげで飲食店が立ち並ぶ通りにあるこちらに何とかたどり着いた。

夜の時間帯ながら店内は賑わい盛況ぶりを見せる。しかし満席ではないようなので店に入り券売機にて決めておいた課題の煮干し系を発券した。好物の味玉を追加しようと思ったが味玉のボタンがない。代わりに〝どろたま〟と言う謎の言葉を見つけ、興味のままにボタンを押した。

カウンターに座りカウンターだけの細長い店内を物色する。カウンターの壁が高く調理場の作業が見えないのは寂しいが、目の前にはウンチクが書かれてあるので楽しみながら待つ事にした。筆頭には全てのラーメンに共通するスープのウンチクがあった。するとその中に「当店は創業以来、化学調味料は使用致しておりません」とIT系男子(意識高い系男子)には心強いこだわりが書かれてあった。更には店内に貼られた〝伊吹いりこ〟のポスターが、本日の目的であるニボ耐性強化に最適な店だと確信できた。余談ではあるが伊吹いりこの産地の香川県観音寺市の女の子と文通していた事を思い出し、ませた子供だったなと懐かしんでいた。そんな店内を本日は三人体制で回している。しかも麺上げから盛付け全般を担うのは若い女性だったのは驚いた。

黙々と慣れた手さばきで調理が進む風景の中で待つこと6分で我が杯が到着した。メガ盛りかと思うような大きく口縁の広がった白磁の切立丼が迫力を見せつける。その中には清く澄んだ穏やかな表情で煮干し系らしからぬ姿だ。

まずは名前通りに金色に輝くスープをひとくち。第一印象は濃厚で熱々な香味油から溢れる煮干しの風味だ。じっくりと低温油で抽出されたのは煮干しの旨みよりも香ばしい風味が主体となっている。やや苦味も含む香味油は、つつじヶ丘の人気店のものと良く似ている。試しに香味油を避けてスープを口に含むと、下地の出汁からは煮干しよりも鰹出汁や鶏ガラベースのスープが表立っていて、旨みの主導権は鶏清湯スープが握っている。カエシの分量や塩分の濃さも控えてあるので優しい分、香味油が際立って感じる。そのスープの奥には不自然な旨味成分を若干感じるのだが無化調を謳われているので、ひとまずは信じてみる事にした。

麺上げまでジャスト90秒の中細ストレート麺は、しなやかさが売りのようで口当たりの柔らかな食感。やや高めの加水率でスープを持ち上げると言うよりは香味油を連れ添って口の中へと滑り込んでくる。食べ始めでは強く思える煮干し感も、ひと啜りごとに薄まってくる印象。それを裏付けるようにスープの液面の香味油の粒子が細かくなっていくと共に煮干しの風味も薄れていく。この麺は歯切れや歯応えを楽しむよりは喉ごしを楽しむのに適していると思う。

具材は豚バラのロール煮豚が極薄切りで二枚。箸ではつかめないほどに柔らかく、口の中で綿菓子のように溶けて消えていく。繊細な食感とは相反して味付けは、かなり醤油パンチを効かせてある。白ごはんとの相性は良さそうだが、穏やかなスープの中では目立ちすぎにも思えた。

追加した〝どろたま〟は予想通りに味玉だったようで大正解。文字通りにどろっとしたゲル状の黄身はネットリと舌を覆い、熟成でしか成し得ない風合いを醸し出している。塩分の浸透圧による黄身の脱水効果が濃厚な旨みを生んでいる。

メンマは大きさが不揃いだが、それが食感の違いを楽しめる。太メンマは麻竹の繊維の太さを感じるが決して硬くはなく口にも残らない。口の中でほどけていく繊維質が仕込みの丁寧さを物語る。逆に細めのメンマはコリッとした食感のアクセントで脇役を勤めあげる。

薬味は芸が細かく青ねぎの小口切りが色みを担当し白葱の芯の部分は加熱され甘みを担当していた。しかし青ねぎは遅い時間帯のせいもあるだろうが切り口は乾燥していた。残念ではあるが、この煮干しスープには玉ねぎよりも葉ネギの方があっていると感じた。それだけになおさら青ねぎの鮮度の良い香りが欲しかった。加熱された白葱は目立たないがスープに白葱特有の甘みを与えていた。

海苔は大きめの十字9切のサイズで添えてある。磯の香りには富んでいるのだが、口溶けが今ひとつなので一枚全てを口の中に放り込むと喉に張り付いてしまいそうだった。

順調に食べ進んだと思ったが、舌は不自然な旨味を常に感じていたのでスープを飲むことはやめた。出汁は無化調なのかもしれないが、カエシの醤油に非天然由来の成分が含まれているのだろうか。真実は謎のままに店を後にした一杯でした。

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