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カラリと晴れた日曜日(20日)、世間は「シルバーウィーク」を謳歌しておられますが、今日も今日とて休日出社。しかもかなり忙しく、お昼は近場の「一風堂」へ。狙い目は、これまで福岡本店だけで出していたという「本店かさね味」(850円)。 店内に入ると8割ほどの客入り、この店は店員に案内されて着席するシステムですが……いつまでたっても店員が来ません。勝手にカウンターに向かおうとすると、厨房から「少々お待ちください」。いつも思うことですが……銀座店の接客はなんかチグハグ。店員は非常に熱心かつ低姿勢なのですが、声もかけずに待ち客を放っておいたり、交換しなくてもまだタップリ入った卓上の高菜やモヤシを、食事中の客の背後から手を伸ばしてまで入れ替えたり……さらに、ラーメンは一杯ずつ調理する方針のようで、混むと結構待たされます。「博多豚骨」はスピードが命でしょうに……今日も15分ほど待たされて、ようやく丼到着。 では、スープを一口……なるほど、これは美味い。丸鶏、豚頭、ゲンコツなど数十種の食材からとったというこのスープ、ドッシリとしたコクの豚骨を、鶏系の優しい旨みで包み込み、さらに魚介系の旨みでフワリとした「浮揚感」を与えています。コクが深いのにサラリとしたノド越しで、舌に残るサッパリとした余韻が心地よい。どういう食材の構成なのか分かりませんが、複雑に味を重ねているのに相互の「かみ合わせ」に微塵も破たんがなく、完全な「予定調和」のなかで、まろやかな味の「ハーモニー」が響き渡ります。 麺は博多豚骨にしてはやや太い、中太ストレート。少し加水率を高めてあるとのことで、ポクポクと軽快な歯切れ。「カタメ」指定でしたがキッチリ固めに仕上がっており、下卑た甘みも一切なく、上品な風味が「そよ風」のようなスープによく合います。 具材は、チャーシュー、ナルトにキャベツ少量、玉子半個に海苔とネギ。チャーシューは主にバラ肉使用、敢えて脂身の多い部位を使って薄味に仕上げており、噛みしめると溢れ出す肉汁が、サラサラ・スープにネットリ感を与えつつ、味の厚みを加えるようでナカナカ。さらにこのキャベツ、ときどき麺にからませて頬張ると、ザクリとした歯応えに続いて透き通るような甘みが豚骨のコクに絡んで……いやはや、具材まで完全な「予定調和」。 ―――ある意味、「完璧」といってよい完成度の一品。食材の持ち味やクセを完全に掌握し、すべてを作り手のイメージ通りに統制して、スキ一つない「予定調和」の世界を描き切っています……それは、まるで一流の「水彩画」を眺めるような心地よさ。しかし、別の言い方をすれば、「環境音楽」や「宗教音楽」を聞くような心地よさとも言えますな。心地よくはあっても「興奮」はない。食材のアクやクセ、味のデフォルメや大胆な省略を仕掛けてこそ「リズム」や「テンポ」が生まれ、その「ドライブ感」こそ人を「ハイ」にする……ジャズやR&B好きの私にとっては、「リズム」なき音楽は眠いだけ。「心地よさ」が客の眠気を誘ったのでは、コンサートになりませんな。
店内に入ると8割ほどの客入り、この店は店員に案内されて着席するシステムですが……いつまでたっても店員が来ません。勝手にカウンターに向かおうとすると、厨房から「少々お待ちください」。いつも思うことですが……銀座店の接客はなんかチグハグ。店員は非常に熱心かつ低姿勢なのですが、声もかけずに待ち客を放っておいたり、交換しなくてもまだタップリ入った卓上の高菜やモヤシを、食事中の客の背後から手を伸ばしてまで入れ替えたり……さらに、ラーメンは一杯ずつ調理する方針のようで、混むと結構待たされます。「博多豚骨」はスピードが命でしょうに……今日も15分ほど待たされて、ようやく丼到着。
では、スープを一口……なるほど、これは美味い。丸鶏、豚頭、ゲンコツなど数十種の食材からとったというこのスープ、ドッシリとしたコクの豚骨を、鶏系の優しい旨みで包み込み、さらに魚介系の旨みでフワリとした「浮揚感」を与えています。コクが深いのにサラリとしたノド越しで、舌に残るサッパリとした余韻が心地よい。どういう食材の構成なのか分かりませんが、複雑に味を重ねているのに相互の「かみ合わせ」に微塵も破たんがなく、完全な「予定調和」のなかで、まろやかな味の「ハーモニー」が響き渡ります。
麺は博多豚骨にしてはやや太い、中太ストレート。少し加水率を高めてあるとのことで、ポクポクと軽快な歯切れ。「カタメ」指定でしたがキッチリ固めに仕上がっており、下卑た甘みも一切なく、上品な風味が「そよ風」のようなスープによく合います。
具材は、チャーシュー、ナルトにキャベツ少量、玉子半個に海苔とネギ。チャーシューは主にバラ肉使用、敢えて脂身の多い部位を使って薄味に仕上げており、噛みしめると溢れ出す肉汁が、サラサラ・スープにネットリ感を与えつつ、味の厚みを加えるようでナカナカ。さらにこのキャベツ、ときどき麺にからませて頬張ると、ザクリとした歯応えに続いて透き通るような甘みが豚骨のコクに絡んで……いやはや、具材まで完全な「予定調和」。
―――ある意味、「完璧」といってよい完成度の一品。食材の持ち味やクセを完全に掌握し、すべてを作り手のイメージ通りに統制して、スキ一つない「予定調和」の世界を描き切っています……それは、まるで一流の「水彩画」を眺めるような心地よさ。しかし、別の言い方をすれば、「環境音楽」や「宗教音楽」を聞くような心地よさとも言えますな。心地よくはあっても「興奮」はない。食材のアクやクセ、味のデフォルメや大胆な省略を仕掛けてこそ「リズム」や「テンポ」が生まれ、その「ドライブ感」こそ人を「ハイ」にする……ジャズやR&B好きの私にとっては、「リズム」なき音楽は眠いだけ。「心地よさ」が客の眠気を誘ったのでは、コンサートになりませんな。