レビューやランキングで探す、日本全国ラーメン情報
人生は辛い。進学。就職。結婚。出産。借金。転職。離婚。病気。親の死。配偶者の裏切り。会社の倒産。突然降りかかる事故・災難。思いつく不幸を少し挙げただけでもキリが無い。人生は辛い。しかし、その辛さをしっかりと噛みしめて飲み込んだ者だけが自己を成長させる事ができる。痛みを知る事で他人の痛みを理解できる様になる。苦しみを知らぬ者に他人の苦しみは理解できない。人生は辛い。だが、それだけに美味いのだ。辛さを飲み込むたびに成長できる。だから私は「くるまやラーメンのネギ味噌」が好きなんだ。私は、明日離婚調停の予定が有る部下に職場を任せて、くるまやラーメン足立保木間店へと車を走らせた。助手席には猟犬の様に忠実なしもべ、ふうかちゃん(♂)。上司といえど車の運転くらいは私がする。思いやりの有る上司なのだ。店に到着するとまず駐車場に停まった車の台数に驚いた。日曜日とはいえ混みすぎだ。角の停めづらいスペースがかろうじて空いていたので、そこに車を駐車した。「いらっしゃいませ!」店内はファミリー客が多い。小さい子供が何人もラーメンをすすっていた。喫煙席に腰を下ろし、いつものオーダー。「ネギ味噌ふたつとサービスライスふたつ」メニューは開かない。後ろの席にも子供が居たが、echoに火を点ける。恨みは無いがここは喫煙席だ。彼も覚悟は出来ているはずである。ところがechoから立ち昇る副流煙は綺麗に天井に吸い込まれ、推定8才の野球帽を被ったままギョウザを突付く彼には一切向かう事は無かった。今迄気付かなかったが、この計算され尽くした空調。それなりに名の有る職人の仕事と思われる。愛煙家の肩身が狭い世の中になったが、くるまやは安心して入れるのだ。タバコが苦手な人には禁煙席も設けて有るので、これもまた安心だ。「お待たせしました。ネギ味噌ラーメンとサービスライスです」「ありがとう」割り箸はもちろんこの時に一緒に提供される。清潔だ。さて、こちら足立保木間店のネギ味噌ラーメン。写真をもう一度御覧頂きたい。お分かり頂けただろうか。こんもりと盛られた辛味噌ネギ。その下からはピンと伸びた元気良さそうなモヤシが覗いている。ネギの上には金色の雪の様にコショウがフワリとかかっている。「いただきます」モヤシのベッドに乗った透明感の有る辛味噌ネギを箸で崩す。サラリとスープに落ちるネギ。新鮮な事は言うまでも無いが、この軽量感は恐らく厨房の天才による所業だろう。長ネギは切り方ひとつで無限に形を変える食材だ。形が変われば食感が変わる。この形を得るまでに天才は何年の下積みをしたのだろうか。初めの一口はネギとモヤシと麺を同時に口に入れる。(裏切らないな)期待通りの味わいと食感が口に広がる。その喜びはやがて全身に巡り、指の先まで染み渡る。こうなるともう止まらない。ライスを持っていた左手が勝手にレンゲを握り、スープをすくう。ネギ、モヤシ、麺、スープ。おっとライスを忘れていた。まるでビデオの早回しの様にたいらげてしまう。最後にスープを飲み干して「ごちそうさま」。店の駐車場から車を出す。帰りは部下が運転してくれた。思いやりの有る部下なのだ。淵江公園の横を通過した時、去年のイルミネーションを思い出した。「美味かったな」八潮店とは違う美味さだ。辛味噌よりもネギとモヤシの美味さが強調されていた。「あまり辛くないから子供も喜びそうですね」ファミリー客が多かったのは、そういう理由が有ったのだ。続けて部下が独り言の様にこぼした。「レシートを捨てるゴミ箱がどこに有るか探しちゃいましたよ」「どこに有ったんだ?」「レジ横です」「そうか」ポケットの中のレシートをクシャリと握り潰した。
ずっと葱味噌で行くの?他のも頼むよ!でも八潮店よりうまそうだね。次、武蔵屋な!
進学。就職。結婚。出産。借金。転職。離婚。病気。
親の死。配偶者の裏切り。会社の倒産。突然降りかかる事故・災難。
思いつく不幸を少し挙げただけでもキリが無い。
人生は辛い。
しかし、その辛さをしっかりと噛みしめて飲み込んだ者だけが自己を成長させる事ができる。
痛みを知る事で他人の痛みを理解できる様になる。
苦しみを知らぬ者に他人の苦しみは理解できない。
人生は辛い。
だが、それだけに美味いのだ。
辛さを飲み込むたびに成長できる。
だから私は「くるまやラーメンのネギ味噌」が好きなんだ。
私は、明日離婚調停の予定が有る部下に職場を任せて、くるまやラーメン足立保木間店へと車を走らせた。
助手席には猟犬の様に忠実なしもべ、ふうかちゃん(♂)。
上司といえど車の運転くらいは私がする。思いやりの有る上司なのだ。
店に到着するとまず駐車場に停まった車の台数に驚いた。
日曜日とはいえ混みすぎだ。角の停めづらいスペースがかろうじて空いていたので、そこに車を駐車した。
「いらっしゃいませ!」
店内はファミリー客が多い。小さい子供が何人もラーメンをすすっていた。
喫煙席に腰を下ろし、いつものオーダー。
「ネギ味噌ふたつとサービスライスふたつ」
メニューは開かない。
後ろの席にも子供が居たが、echoに火を点ける。恨みは無いがここは喫煙席だ。彼も覚悟は出来ているはずである。
ところがechoから立ち昇る副流煙は綺麗に天井に吸い込まれ、推定8才の野球帽を被ったままギョウザを突付く彼には一切向かう事は無かった。
今迄気付かなかったが、この計算され尽くした空調。
それなりに名の有る職人の仕事と思われる。
愛煙家の肩身が狭い世の中になったが、くるまやは安心して入れるのだ。
タバコが苦手な人には禁煙席も設けて有るので、これもまた安心だ。
「お待たせしました。ネギ味噌ラーメンとサービスライスです」
「ありがとう」
割り箸はもちろんこの時に一緒に提供される。清潔だ。
さて、こちら足立保木間店のネギ味噌ラーメン。写真をもう一度御覧頂きたい。
お分かり頂けただろうか。
こんもりと盛られた辛味噌ネギ。
その下からはピンと伸びた元気良さそうなモヤシが覗いている。
ネギの上には金色の雪の様にコショウがフワリとかかっている。
「いただきます」
モヤシのベッドに乗った透明感の有る辛味噌ネギを箸で崩す。
サラリとスープに落ちるネギ。
新鮮な事は言うまでも無いが、この軽量感は恐らく厨房の天才による所業だろう。
長ネギは切り方ひとつで無限に形を変える食材だ。
形が変われば食感が変わる。
この形を得るまでに天才は何年の下積みをしたのだろうか。
初めの一口はネギとモヤシと麺を同時に口に入れる。
(裏切らないな)
期待通りの味わいと食感が口に広がる。
その喜びはやがて全身に巡り、指の先まで染み渡る。
こうなるともう止まらない。
ライスを持っていた左手が勝手にレンゲを握り、スープをすくう。
ネギ、モヤシ、麺、スープ。おっとライスを忘れていた。
まるでビデオの早回しの様にたいらげてしまう。
最後にスープを飲み干して「ごちそうさま」。
店の駐車場から車を出す。
帰りは部下が運転してくれた。思いやりの有る部下なのだ。
淵江公園の横を通過した時、去年のイルミネーションを思い出した。
「美味かったな」
八潮店とは違う美味さだ。辛味噌よりもネギとモヤシの美味さが強調されていた。
「あまり辛くないから子供も喜びそうですね」
ファミリー客が多かったのは、そういう理由が有ったのだ。
続けて部下が独り言の様にこぼした。
「レシートを捨てるゴミ箱がどこに有るか探しちゃいましたよ」
「どこに有ったんだ?」
「レジ横です」
「そうか」
ポケットの中のレシートをクシャリと握り潰した。