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「全部のせそば」@冨士屋の写真2011年12月11日訪問
はからずもこの週末は岡山帰郷3連戦となった。最終日の今日は奉還町の名門、富士屋を訪問。この店はいつ通っても向かいの浅月とのライバル関係を詮索してしまい、モンタギュー家とキャピュレット家のような凄惨な状況を想起してしまう。近所に住んでいた10数年前は、味は互角で「双璧相撃つ」という感じであった。しかし、先日、向かいの名店を訪問したときは想定外の味であった。また、岡山の名店といわれる数あるラーメン店を訪問したが、清楚な醤油風味の中に鶏系and/or豚骨といった一本スジの通った岡山伝統の味に出会うことはできていない。その分、外来のJ系をはじめとする岡山ヌーボーとでも言おうか、新ジャンルに駆逐されつつあるように思われる。
さて、そこで富士屋の訪問である。10数年前に訪問したときから、店舗の改装がなされ外装も新しくなり、内装も今風のアレンジになっているが、奥に畳の座敷があったりするところは昭和の時代から変わっていない。うれしい限りだ。また店員も昔の親爺と近所のオバちゃん連中は姿を消し、いまや息子と思われる若いアンちゃん風店長とアルバイトの女の子の威勢のよいかけ声が聞かれる平成の店に変化している。しかし伝統を重用ししていることも、この店のメニューや店名をみてもわかる。あえて“そば“という単語を用いている。かつてはシナそばとか中華そばと称していたものが、敗戦と同時にシナの語彙使用が困難となりそばに変化したものが、ここにも認められる。
いろいろ悩んだが、ここはゴージャスに全部のせのオーダーとした。待つこと8分、大型の丼に盛られた独特の風貌をしたラーメンが現れた。そのオリジナリティーは丼の表面に認められる。スープの液面が完全に丼の表面を覆い、その下に麺が完全に沈んでいる。かろうじてチャーシュウ、もやし、ネギの一部が液面から姿を現している。いわゆるつゆだく状態である。
スープは表面に浮いている油滴がきわめて少なく、ライトウェイトで低カロリーなスープであることがわかる。鶏の味も魚の味も感じられない、店の弁では豚骨という事になっているが、そこまで豚骨の味が強調されているわけではない。おとなしい感じの醤油味といった印象である。こくが強いわけでもない、よくある醤油系スープである。麺は中細でスーっと啜れるといった感じである。茹で加減は少し柔らかめである。スープとのからみはあまりなく、スープと麺の一体感がない。チャーシュウの味付けは抑えめで、脂分も少ない。全のせだけあって、10枚以上のチャーシュウがスープに浸っている。しかし、味覚の芯が感じられない。ここまで来て、これもはずれかと思っていた頃。味覚に変化が生じてくる。麺にスープがしみこんで味に変化が生じてくる。これは麺に細工がないとここまでの変化は生じないと思われる。ラーメンというより、美味いソーメンを食べたときのような麺からのアミノ酸の甘みがフーっと香ってくる感じといえば理解して頂けるであろうか?岡山人ならよく目にする富士麺ず工房のトラック。ここの麺も富士麺ず工房のもののようだ。その他にも天神そばもここの麺を使っている。どうやらここの麺にポイントがありそうだ。
味に変化が起き始める頃、麺は提供当時に比べて、当然ではあるが、太く色濃くなっているのに気付く。噛めば噛むほど麺から新たな風味が溶け出してくる。食べ始めに比べ、かなり甘く感じている。この状況になって、ネギの風味やもやしの食感が違ったもののように感じられる。食べ始めて、10%程進んだところで、食欲のターボチャージャーに火が入り、あっという間に完食。岡山ラーメンの醍醐味をここで久しぶりに味わうことができた。岡山ラーメンの古くからの伝統に新しい光を感じさせられた一杯。

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