なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 
92

「中華そば カツ丼」@やまとの写真2011年1月14日訪問
この店のうまさは伝統的なものがあり、岡山県民としては常識になっております。私も40年以上をこの地で暮らしており、この店の偉大さには脱帽するばかりであります。はじめてこの店を訪れたのは、高校受験のときですから30数年前ということになりましょう。叔母に連れて行ってもらったときに、「この店はおばちゃんが若いときから有名なお店でカツ丼は岡山で一番うまい」と教えられていたくらいだから、すでに3世代以上にわたっての人気店ということになります。その後、大学生時分にもしょっちゅう通っていたので、ここの味は良く覚えています。今回は10年ぶりくらいの訪問になります。岡山でデミカツ丼とラーメンを食べるのは最後の機会になる可能性もあり、本日は娘とともに訪問しました。
この店の行列は、オランダ通りの風景の一部になるくらい見慣れた光景です。しかし、今日は大きな発見がありました。10分ほどの待ち時間ののちに入店を許可されたわけですが、午後2時をまわりそろそろ空席も見あたり始める時間帯になると、お客の平均年齢がぐっと上昇するのです。午後2時を回った頃から、高齢のご夫婦が3組、なんと待ち時間のないgood timingで入店されてきます。そして、多くの方がワインとカツ丼を注文なさるのです。おおかた4-50年通い詰めている方々なのでしょう、耳も遠くなり会話はうまく成立していないようですが「いつものあれで」的な阿吽の呼吸でワインを手にしているのです。2時を回ると行列が少なくなる事を体験上熟知しているのでしょう。(土曜の昼間から岡山の高齢夫婦がワイン片手に昼飯の図)さすがオランダお稲の伝統を引き継ぐ町。ヨーロッパの片田舎のレストランのようです。こういったところにもこの店の深みが伝わってきます。
久しぶりの注文は中華そばとカツ丼。娘と半々にします。カウンター席から見える厨房はレベルを維持し続ける繁盛店の徹底した合理性というものを感じさせられます。運ばれてきた中華そばは写真のごとく、古典的な丼でキャメル色の液面に3枚のチャーシューが沈んでいてネギの緑が色を添えています。そして長時間煮込まれた多分鶏と豚骨のあわせた下味が膠となって表面に膜を形成しています。表面の油的は少なく、長時間をかけて手の加えられたスープであることがうかがい知れます。そして香りは魚系のとくに鰹ではない、いりこのみの強烈な香りでもない、やまと独特のスープの香りがします。一口いただいてみますと、昔と比較して魚粉の使用量が極端に減らされている印象があります。そういえば昔店内に貼られていた「魚粉少ない中華ソバあります」のお知らせがなくなっていることから魚粉使用量が減らされているのではないでしょうか?
麺は中細のストレートで麺とよく絡んでスープの味とよくマッチしています。茹で方はやや柔らかめで、となりの御仁が注文していたように固めでのゆで加減も納得できます。最初から柔らかめだと、最初から麺のうまみが十分に味わえるので好みは分かれるとは思います。いずれにしてもスープとの相性は抜群で、すばらしい完成度の高さです。かつてのラーメンに比較して魚粉臭さがなくなっているのには2つの理由が考えられます。①実際魚粉使用量が減少している。②世間一般に豚骨魚介が浸透し、やまとの魚介だしが珍しくなくなった。実際、京都の高倉二条の方が魚粉使用量は多いと思われるし、東京方面でブーム化している豚骨魚介の方が強烈な魚臭のように思えます。という議論が成立するほど、この店の魚介だしには歴史があり、その時代に応じて味のバランスを変えているのではないでしょうか?それが歴史という荒波に打ち勝ち、クラシックの殿堂に名を連ねる一因となっているのではないでしょうか?

さて余談ですがカツ丼です。これも以前のカツ丼に比べて間違いなく進化しています。デミグラスは赤くなっており、トマトが強調された軽い味のデミソースに変化しています。そしてカツも脂身が少し抑えられているように思えます。これも脂嫌いの現代にあわせてのものでしょうか?いずれにしても10年前に比べて少しだけ方向性を変えているように思えます。
まとめです。岡山の伝統ここにありといって良い店です。店員の細かな配慮一つとっても最高の接遇を備えていますし、飾らない店の雰囲気も最高です。ラーメンユーズの客からワインを燻らす洒落た高齢カップルまで、すべての面において岡山を代表する名店であることは間違いありません。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

まだコメントがありません。