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2017年6月4日の大崎裕史の今日の一杯

石川県金沢市七ツ屋

甘えび塩ラーメン

一カ所で全国のご当地ラーメンが食べられる、というコンセプトで知られるのは「新横浜ラーメン博物館」を始めとする集合施設がある。しかし、それを「一軒で」提供してる店が金沢にある。それが一風堂出身店主の「ご当地ラーメン巡(めぐる)」だ。私はこのコンセプトが大好きでしかも一風堂出身者だったら間違いないだろうといつか行きたいと思っていて、ようやく実現できた。

しかし、意外と小さな店だった。(店主、すみません)

2015年10月オープン。今、提供しているラーメンは「博多ラーメン」「熊本ラーメン」「和歌山ラーメン」「喜多方ラーメン」「横浜家系ラーメン」、そして「金沢ラーメン」として育てていきたいと創り出したのが「甘えび塩ラーメン」。なぜかこれだけ「ご当地名」ではなくメニュー名になっている。

そしてほぼ月替わりの限定メニューがあるが先月まで出していたのが「津軽濃厚煮干ラーメン」。その前は「勝浦タンタンメン」。過去には「燕三条背脂煮干ラーメン」や「函館ラーメン」などがあり、今後は東京で食べてきた「麻婆麺」(新潟の最新ご当地ラーメンとして注目)なども計画中だとか。

その中から、二人で行ったので「和歌山ラーメン」750円と「甘えび塩ラーメン」850円を注文。白湯と清湯を食べてみたわけだが、どちらもおいしい。地元にいたら確実にコンプリートして、毎月の限定メニューも食べに来ているだろう。

店主の許可を得て、どういう作り方をしているのか、その構成図を見せてもらった。
タレが4種類、オイルが3種類、スープは鶏ガラ清湯と和出汁、そして一風堂出身だけにお得意の豚骨はゲンコツ、豚頭、濃厚豚頭、と作り分け、それらを組み合わせることでいろんな種類を産みだしている。麺は一カ所の製麺所だが4種類の麺。チャーシューは2種類、トッピング10種類。いやはや、これは管理が大変だろう。

「いや〜これは楽しいですね。もっとうまくPRすればさらに人気になるんじゃないんですか?日本でもここだけじゃないですかね?」と言ったら店主が「どうやら浜松にもあるみたいなんですよ。一度行ってみたいんですよね〜。できたらコラボもしてみたいし。」と。知らなかったのでホテルに戻って調べてみた。

確かに浜松に「ご当地天国 ラーメンKIRORO」という店がある。いや、あった。残念ながら閉店。これでおそらく「全国唯一」を名乗れるのでは?(インスタントラーメンなら、ある。)

しかし、過去にはそういうことをやった店(企業)がある。今は辞めてしまったが、そのコンセプトで大成功し、上場まで果たした企業。それが今の「日高屋」だ。「巡」の展開にも期待したい。

日経レストランから引用
『新業態「ラーメン館」を94年に立ち上げた。1店舗内で札幌味噌ラーメン、九州の豚骨ラーメンなど全国のご当地ラーメン約10種を、480~約600円で提供。麺は太麺・細麺など4種類用意して使い分け、スープのベースは同じものを利用し、タレで変化を付けた。日本中のラーメンが味わえるという趣向が受け、店の前には行列ができた。この機運に乗って「ラーメン館」の出店を増やし、99年9月には日本証券業協会(現ジャスダック)に店頭公開まで果たした。』

お店データ

ご当地ラーメン 巡

ご当地ラーメン 巡

石川県金沢市堀川町27-1(七ツ屋)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。