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2022年5月27日の大崎裕史の今日の一杯

月見ワンタンメン(煮干ブラック)

月見ワンタンメン専門店 三日月 大森北口店

まだインターネットが普及してなかった頃のラーメン食べ歩き時代を知らない人も多くなってきたと思う。他の人がみんなそうだったとは言いませんが、私の場合は『職業別電話帳』です。それすら知らない人も出てきそうですが、小さな広告代理店の営業職だった私は首都圏の知らない駅に降り立つと駅前の電話ボックスに行き、職業別電話帳で“ラーメン店検索”をします。ポケット地図を持ち歩いているので、徒歩圏内で行けそうな場所で“ここぞ!”という店名を選択するのです(笑)。そりゃ〜当たりハズレは有りますとも。それだけに宝探し的な感じが面白かったのと、宝を見つけたときの喜びは大変な物でした。そんな店名検索をしていた私からすると、この店名は“行かなきゃ”となる店名でした。このお店を作った人のコンセプトが巧いですね。“ワンタンメン”で“三日月”ですからね。酒田をイメージさせておきながら、実はそうではない、という巧みさ。昔ながらの食堂あるいは、老舗をイメージする淡麗系をベースとしながら、“煮干しブラック”という今風のキーワードも忘れない。開発担当者にインタビューしてみたいくらい。

2021年11月22日オープン。そんなわけで、店名を見た瞬間に「行かなきゃ」と思ったのですが、リリースにより『魁力屋セカンドブランド』というのが、わかった段階で少し様子を見よう、となり半年経ってしまいました。そろそろ安定したかな、と思っての訪問です。

主なメニューは月見ワンタンメン(淡麗醤油・煮干ブラック)各850円、ワンタンメン(淡麗醤油・煮干ブラック)各800円、他。ランチは半チャーハン+140円、唐揚げセット+190円とお得。逆に夜は小皿中華と〆の一品としてハーフラーメンがある。なかなかよく考えられた構成。

頼んだのは(後会計でセルフレジ)トップメニューの月見ワンタンメンを煮干しブラックで。
カウンター有り、テーブル有りで食堂風なのもいい感じ。私が行った時の平均客層は50代後半くらい。開店時間すぐなのに結構入っています。開店して半年なので成功例と言えましょう。

具はワンタン、卵黄、メンマ、ほうれん草。チャーシューは無しでその分、肉入りワンタン。チャーシューの追加は可能。
『挽きたて』『包みたて』『茹でたて』の3つの『たて』にこだわった手づくりワンタンは5個。「豚肉と鶏肉」でつくる合い挽き肉をたっぷり使用。そこにタケノコを混ぜ合わせたこだわりの餡。
スープは煮干しが効いた濃いめの醤油味。煮干しオイル、カツオ、玉ねぎの味わいと色濃い目なのにすっきりとした醤油スープでブラックペッパーが合う。わかりやすい味濃いめでコンセプトだけじゃなく、味もよくできてるなぁ、と感心。卓上のタマネギや酢漬けの刻み生姜も味変に効果的でタマネギは最初から入れても良い。柚子胡椒や麻辣油も用意されている。このあたりもスゴい。
飛び抜けた個性があるわけではないが、逆にマイナス点もなく、近所なら普通に通ってしまいそう。スープの味が濃いだけに卵黄の存在が希薄になるが名前(月見)のインパクトやネット時代のビジュアル重視と言って良い。そこもよく考えられている。

麺は中細縮れ麺でこれも懐かしさや地方を感じさせる食感。
ワンタンはいわゆる東京風(かづ屋系、こうや系)ではなく、餡多めの水餃子風。

サラリーマン多めの五反田、新橋、神田などには出店できそう。

お店データ

月見ワンタンメン専門店 三日月 大森北口店

月見ワンタンメン専門店 三日月 大森北口店

東京都品川区南大井6-24-1 セブンスターマンション大森第5 1F(大森)

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    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。