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2023年8月30日の大崎裕史の今日の一杯

福岡県福岡市早良区賀茂

ワンタンメン

「ふくちゃんラーメン」は、博多の中でも私が最初の頃に行ったお店。
2023年3月27日に天神南駅〜博多駅間が延伸開業して話題になった七隈線の賀茂駅から徒歩5分くらいで行けるのだが賀茂駅がある橋本駅〜天神南駅の開業は2005年。それより前に行ったので地図を見て「随分遠いなぁ〜」と思いながら行ったことが思い出させる。そう、スマホすら無かった時代なので『乗換案内』もないし、Googleマップもない。ポケット地図(ハンディサイズの県別地図)を見ながら行ったのだ。そして辿り着いて驚いた。商店街でもなんでもない住宅街なのに多くの人で賑わっていたのだ。

そんな苦労をしてまで行ってみたいと思わせたのは創業1975年の老舗だったこと。そしてラーメンのビジュアルが他と少し違っていたから。博多ラーメンは豚骨なので白系が多かったにも関わらず、「ふくちゃんラーメン」は茶系だった。醤油が効いていたのである。
スープは豚頭のみ。「新しいスープ」と「熟成したスープ」をブレンドして使用していたという。タレは「濃い口醤油」と「うま口醤油」をブレンドしたものを使い、これが個性になっていた。博多ラーメンの多くは塩味だったり、薄口醤油を使った白いスープが多かったのだが、「ふくちゃんラーメン」はその醤油ダレにより、薄茶色になっていた。これが東日本出身の私には衝撃的だった。白い豚骨ラーメン自体が東日本出身者からすると“別世界”のものだったがこの醤油ダレの存在で少し身近に感じられたのだった。実においしかった。

それと味以外で忘れられないのが、湯切りの音。定期的に♪カンカンカンカン♪と音がするのだが、その音の先を見ると平ザルで麺をすくい上げ、鍋の端にザルをぶつけて湯切りをしていた。
麺は昔ながらの博多麺。細麺だが長浜よりは太い。低加水でスープを良く吸うタイプの麺。
そして博多ラーメンと言えば定番のニンニククラッシャー。生のニンニクを潰してスープに加えるツール。あれを最初に使い始めたのがこちら。

私が本店に行ってからはもう20年以上経っている。その後、新横浜ラーメン博物館に出店したのが2004年、卒業したのが2009年だからそれからでも14年になる。
ラー博では、『あの銘店をもう一度』第21弾として博多「ふくちゃんラーメン」を出店。その期間は、2023年8月29日(火)~9月18日(月)までの3週間。写真はワンタンメン1300円。

今、二代目店主の長女は福岡県宗像市で「ふくちゃんラーメン英美」を、次女は福岡市内で「江ちゃんラーメン」を、長男が「ふくちゃんラーメン本店」を運営しています。福岡に行く機会があったら、3店舗の食べ比べも面白いかも。

お店データ

ふくちゃんラーメン

ふくちゃんラーメン

福岡県福岡市早良区田隈2-24-2(賀茂)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。