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2023年8月29日の大崎裕史の今日の一杯

広島県三原市三原

【ユーザーレビュー】塩そば

高井戸の話題の新店「塩そば時空」のストーリーに『故郷である広島の瀬戸内海が一望できる山へ出かけることにした。その際に立ち寄ったらぁ麺屋の塩そばを食べ、感動し、らぁ麺の素晴らしさに触れた。それをきっかけに、らぁ麺屋になる事を決めた。』と書いてある。人の人生を変えてしまうラーメンって凄いなぁ〜。と思いながら調べてみるとおそらく三原市の「塩そば まえだ」ではないかと。未食なのでレビューを眺めているとRAMENOIDさんの投稿があった。素晴らしい。ここまで食べに行ってるとは!少し前の投稿ですが、『人の人生を変えてしまったラーメン店』のレビューを紹介させていただきます。私もいつか行ってみたい!

==ここからRAMENOIDさんの2022年12月29日投稿分==
広島県 三原市の課題店
感動の塩
広島染め

glucoseさんの95点採点を見て、塩派として、いつかは行ってみたいと思っていた店。
ところが、RDBの店舗情報によると、定休日は土日祝日、しかも、営業時間は「11:00〜14:00」の3時間のみ(この時点で)と、メチャクチャハードルが高い。
1店目の「いではら」さんを出たのが13:15なので、その店舗情報が正しかったら絶対間に合うわけないのだが、Facebookの基本情報には、営業時間が11:00〜15:30と書かれている。
ええい、こんなチャンスは滅多にないので、ダメ元でそっちを信じて行ってみよう!

笠岡駅発13:39の電車に乗り、手前の糸崎駅で乗り換え。
三原駅に到着したのは14:30ごろ。
ここから1.3km、15分ほど歩く。
(やはり14:00終了なのかな……早仕舞いがあるかも……。)と思うと、自然に急ぎ足に。
競歩選手かと思うようなスピードで歩き、店に到着したのは14:42。
暖簾がかかってるし、「Open」の木札も下がってる。
やった!
早速店舗情報を修正した。

高級割烹のような洒落た和の造りの店舗。
絶対美味いぞ、という雰囲気が漂う。
入り口を入ってすぐの場所に設置された券売機に向かうと、メニューは、「塩そば」、「和そば」、「梅塩そば」、「ハーブ和えそば」の4種。
「仙人梅のあさり出汁海苔そば」というボタンもあったが×印だった。
基本の塩のボタンをプッシュ。
瓶ビールのボタンも連打した。
800円+600円、計1300円也。

カウンターのみ19席の店内は、8割ほどの入り。
すんなり席に通された。
白木の高級そうなカウンター席には、盆と箸、レンゲが設置されている。
まず出されたのは、キリンラガーの中瓶とよく冷えたグラス。
しょっぱいのを食べた後、汗かくほど早足で歩いてきたので、メチャクチャ沁みる。
スタッフは、威厳のあるスリムな男性ご店主の他、男性と女性の助手が1人ずつ、フロア担当の女性1人、計4人。
過剰な愛想を振り撒いたりしない、程よい落ち着いた雰囲気。
いいね。
ビールから遅れることわずか3分。
ご店主自らの手から提供されたのは、麺線が美しく整った、シンプルだからこそ美しい一杯。

麺は、低加水の麺肌がザラっとした細ストレート。
灰分の多そうな色をした、蕎麦のような麺だ。
茹で具合はまさにジャストで、しなやかな腰を感じた後、パツっと切れる。
確かな情報はないが、自家製麺なのかな?
清湯に低加水ザラパツを合わせるのは、当たり前過ぎて否定的な私だが、この麺の美味しさは別格。
いや、やはり清湯塩にはザラパツ細ストレートでしょ……と思わせてくれる。
それほど美味しいのだ。
初動で、節メインと思われる魚介の香りが鼻腔を抜け、圧倒的な旨みが口中を満たし、グイグイくる。
美味い!
いや、正直言ってこれほどとは。
出汁は鶏と魚介ミックスかな。
私は、動物の旨み至上主義者、魚介いらない派なのだが、このスープにはお手上げだ。
動物と魚介MIX派に鞍替えしようかな。
ザラつきがある麺が、このスープを吸って、メチャクチャ美味しい。
具なんていらないんじゃ?
では、具はどうか。
具は、白髪ねぎ、メンマ、チャーシューのみ。
白髪ねぎは繊細な細さ。
普通ならもう少し欲しいと書くところなのだろうが、麺線を隠してほしくないし、スープの味わいを邪魔してほしくない。
つまり、これが適量。
メンマは穂先メンマの元の部分っぽいのが2本。
先のビラビラを使わないのがこだわりなのかな。
チャーシューは、大判のレア。
これがまたメチャクチャ美味い。
最近レアチャーシューも否定的だったんだけどね。
麺量は150gくらいかな。
固形物はスルッと入る。
美味しすぎて、このスープを残すのは辛い。
ほとんど飲んでしまい、言い訳程度に残してフィニッシュ。
これっぽっち残しても、塩分摂取量はほとんど変わらないのだが、気持ちの問題だ。

いや、これほどとは。
考えてみれば、これまでの私が否定がちだったことばかり。
・塩清湯に低加水細ストレートはもう飽きた。
・魚介と鶏のバランス系は美味しいけど、ありふれているので鶏だけの方が好きかも。
・レアチャーシュー、最初は珍しかったが、最近は微妙。ほろわやわ煮豚や香ばしい釜焼きタイプの方が好きかな。
・ビジュアルは大切。青みとか入るともっと映えるのに。
それらのネガティブな要素が全て入ってながらも、圧倒的質感で納得させられた。
それ故、返って感動した。
お見事!
しかも、こんな上質なのが800円だよ。
東京だと、1200円くらいで出ていて、ちょっと高いなと思って食べたら納得してお釣りが来た、そんなレベル。
いや、こんな塩はちょっとないでしょ。

帰り際に、「すごく美味しかったです。茨城県から来ました。」とご店主に告げる。
「茨城からですか。」と、ちょっと驚くも、クールさを失わないご店主。
弟子とかには厳しそう。
すごくハードルの高い店だが、またいつか来たい。

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お店データ

塩そば まえだ

塩そば まえだ

広島県三原市宮浦3-17-8(三原)

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    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。