「あの銘店をもう一度」第29弾は岩手・久慈「らーめんの千草」。なんと、"銘店シリーズ"は、これで最後。長かったような短かったような。まだまだ続く気がしていたのでちょっと寂しい。出店期間は2024年3月6日(水)~4月7日(日)まで。"銘店シリーズ"は通常3週間だがちょっとだけ長め。前回の出店は2004年3月3日~2005年11月30日。今から20年前のこと。印象に残っているのは「純鶏ラーメン」ということ。創業75年の老舗だが、創業当時から純粋に鶏だけを使ったスープ。都内では少し前に鶏と水だけを使った『水鶏系』というのが流行った。しかし、「らーめんの千草」は75年も前から“純鶏”だったのである。一般的に鶏ガラを使うスープの場合は香味野菜を使ったり、魚介系と合わせたりするが、こちらはまさに鶏のみ。しかも、丼一杯で0.5羽分の鶏が使われているという。つまり一度に150羽分の鶏を使用し、それで300杯分のスープを取るようだ。面白いのは、丸鶏の肉の部分を使ったスープとガラを使ったスープを別々に濁らないように出汁を取り、最後にブレンド。鶏肉と鶏ガラのWスープという珍しい手法。さらに驚くべきことは、一般的にラーメンに使用される鶏は、生後45~55日で出荷されるブロイラー。しかし、千草で使用される鶏は生後550~700日で出荷される生産量の少ない青森県産大型鶏。同じ水と鶏だけのスープでも育て方や出汁の取り方がまったく違うので首都圏で流行っている“水鶏系”とは、別物の唯一無二の“純鶏スープ”なのである。20年前に食べた時は、おそらく同じような情報があったとしてもそのスゴさに気が付かなかったのかもしれない。今回は改めてその“純鶏スープ”を意識して堪能してみたい。
というわけで復活初日に伺ってきた。11時半くらいで20人くらいの待ちだが、回転も良く、並び始めてから座ってラーメンが出てくるまでに20分ちょっと。今風の“水鶏系”と比較するだけ野暮なのだろうけど、まったく違う。スープに厚みがある。鶏チャーシューは柔らかく、おいしい。鳥皮は味濃いめでつまみに良さそう。麺は白っぽく、かん水少な目の中細ちぢれ麺。随所に地方っぽさを感じさせてくれて、ご当地ラーメンを食べてる感じがする。
今回は、三代目店主が新横浜にやって来ているそうだが、なんと『初代の味を再現』するという。同じ“純鶏スープ”でも初代、二代目、三代目と少しずつ変わってきたのだろう。そこでこの機会に三代目が原点回帰で初代の味を復活させたという。パンチがあっていい感じだった。機会があれば、また食べてみたい。
















