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2022年12月15日の大崎裕史の今日の一杯

東京都江東区門前仲町

らーめん

「ホープ軒本舗」(1935年頃創業、吉祥寺は1978年)から「ホープ軒」(1960年創業、千駄ヶ谷は1975年)と「土佐っ子」(1970年代創業)が誕生し、さらに「ホープ軒」から「弁慶」(屋台は1972年創業、堀切の店舗は1985年、浅草店が1993年、門前仲町店が1995年)と「香月」(1973年屋台創業、店舗は1975年、恵比寿に1985年)が生まれ、東京豚骨醤油(背脂チャッチャ系)一大勢力ができあがった。「香月」の穴見さんも「弁慶」の西川さんもタクシードライバーからの転職というのが共通点。
ちなみに「村山ホープ軒」は、「ホープ軒」からの派生では無く、「ホープ軒本舗」で働いていた人が創業者の娘と結婚し、創業者と一緒に出した娘婿の店。それなのに店名も雰囲気も「ホープ軒」に近いというのが面白い。「阿佐ヶ谷ホープ軒」も「ホープ軒本舗」創業者の末娘さんの店で「ホープ軒本舗」分家。

そんな中での久々の「弁慶」。しかも門前仲町店。「鳥料理 有明」からの連食で、どちらも浅草開化楼なのだが、細麺と太麺で同じ製麺所でも大きな違い。

創業者の西川さんは、「ホープ軒」の味が好きで転職して修業に入り、独立してからも基本は「ホープ軒」の味を受け継いでいる。少し変えたのはスープに鶏も使うようになったのとさらにこってりにしたく、脂多めの“ギタギタ”(またはギタ)を設定したこと。これによってこってり好きの人気を得た。店名は、西川さんの子供の頃のニックネームから。
大手IT企業に勤めていた娘さんが家業の「弁慶」を継ぎ、今では社長になっているという話にもほっこり。

門前仲町店は1階が立ち食いで昔の堀切を彷彿とさせる。2階には席を用意。12時頃で数人待ちと相変わらずの人気。
らーめん900円の食券を購入し、しばし外で呼ばれるまで待つ。
「ギタ」にするかどうか、迷ったが“普通”の写真を撮りたかったのでそのままにした。
らーめん以外にも「中華そば」「みそらーめん」「とん塩らーめん」「つけめん」とあり、「ホープ軒」と比べてバリエーション豊富。

スープは、豚骨、豚肉、豚の頭、鶏肉、タマネギ、ショウガ、ニンニクを7時間煮込んだもの。そのスープを丼に入れ、浅草開化楼の太麺を茹で上げ、その上から背脂チャッチャ。そして具材を盛り付けて出来上がり。

何とも懐かしい風貌と味。でも古くさいわけではなく、実に“ラーメン”していて若い頃、「ラーメン食べたぁ〜い!」と思って食べたラーメンはこんな風にパンチがあったなぁ〜と懐かしむ。がっついて食べるラーメン。こういうラーメンもずっと残って欲しい。そう願う。

(参考文献「ラーメンマニアックス」「東京ラーメン系譜学」、弁慶HP)

お店データ

らーめん弁慶 門前仲町店

らーめん弁慶 門前仲町店

東京都江東区深川1-1-8(門前仲町)

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    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。