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2025年5月20日の大崎裕史の今日の一杯

東京都墨田区曳舟

中華そば(880円)

2025年5月17日、「すずめ食堂」からのリニュアルオープン。
長野県(信州)から東京進出しているのは、塚田さん(「魚雷」「烈士洵名」他)だけではない。「すずめ食堂」は“ゆいがグループ”(長野県に5店舗、工場と製麺所がある。代表は田中さん、現会長。信州ラーメン四天王と呼ばれることも。)の東京進出店として、2013年7月オープン。人気店として12年継続し、このたびリニュアル。地元に愛されていたのは、墨田区号外NETでもすずめ食堂の閉店は“ショック”と書かれているほど。また田中さんのインスタによると『コロナ初年度以外全ての年で売上前年比超え、地域の方々に本当に良く可愛がっていただきました』だそうです。店主(店長)は変わらず。今回のリニュアルは、むしろ現店主(平松社長)の意向らしい。

行列(5−6人)に並んでいると帰りかけていた田中会長に声をかけられた。会えるかな〜と思っていたらギリギリで間に合った。この際だからと矢継ぎ早に聞きたいことを質問。店名のこと、味のこと、喜多方で回ったお店のこと、他。

流れを語るとまず、2023年に田中さんの実家でもある48年続いた老舗食堂「山どり」(中野市)を田中さんが受け継ぐことになった。その際、ラーメンをメインとしたメニューに変更。味は「喜多方ラーメンを20軒ほど食べて影響を受け、その味のイメージが『山どり』に合うんじゃないか?」と思ったらしい。喜多方ラーメンをベースに味作りをしていたが、自分の経験を加えていったら、オリジナルの食堂系ラーメンができあがった、とのこと。最初の頃は麺を手揉みしていたらしい。麺は、長野の自社製麺工場で作り、ここへ送ってるようだ。「山どり」は未食なのでネットで調べてみると名称は「支那そば」で塩と醤油がある。チャーシューが多めなのは同じだが、ビジュアルは結構違う。「山どり」のラーメンをベースにしながらも曳舟流(東京流)にアレンジしていったら、かなり違うものになった、という感じかな。店名は「山どり」と「すずめ食堂」の合体かと思ったら、そうではなくて、「なんとなく」だそう(笑)。

厨房に目をやり、寸胴を見ると大量のチャーシューが浮いていた。もしかして豚肉出汁系(第一旭など)なの?と思って聞いたら、豚骨清湯+煮干し、つまり喜多方ラーメンのイメージだ。そのスープにチャーシューを投入して、肉出汁も加え、チャーシューにはスープを染み込ませ、と一石二鳥の技だ。スープは甘味があり、これがクセになる。スライスチャーシューがデフォでも5−6枚入っており、「これはちゃん系との比較をする人が多そうだなぁ〜」と思ったら、すでに何人も書いていた(笑)。ちゃん系が登場したときはそんなに“喜多方”を感じなかった(うまく作られていた)が、今こうして見るとちゃん系と喜多方ラーメンは意外と似ている。ただ、田中さんから出たのは、「喜多方ラーメンをベースに自分の経験を加えた味」である。あまりトレンドを追う人ではなさそうなのでちゃん系は意識してないと思う。

前のお店もかなり私の好みだったが、今回も実に私好み。そもそも喜多方ラーメンがベース、と言われたら私の身体が喜多方ラーメンがベースなので(笑)、身体に染み込んでいく。いや〜おいしかった。

お店データ

ヤマスズメ

ヤマスズメ

東京都墨田区京島1-2-2 イーストコア曳舟三番館111(曳舟)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。