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2023年6月14日の大崎裕史の今日の一杯

東京都千代田区溜池山王

排骨拉麺(パーコーメン)

オールデイダイニング オリガミ(ORIGAMI)@国会議事堂前/溜池山王(ザ・キャピトルホテル 東急 3階/ロビー階)

このお店を初めて知ったのは「ぴあ」が1990年に発売したラーメン本(通称黒本・赤本)だった。なので30年以上前。もちろん食べに行ってみたが、その当時でパーコーメンが2200円。味としてもそんなに特筆すべきものは無かったように記憶している。ただ「この値段でこの味のラーメンがどうして何度もラーメン本に載るんだろう?」というのが、疑問だった。

まず、このメニューが誕生した経緯を調べてみた。ザ・キャピトルホテル東急の前身、東京ヒルトンホテル(日本で初めての本格的外資系ホテルで1966年ビートルズが来日した時に泊まったホテル。開業は1963年。)の総支配人リチャード・ハンデルが日本で人気があるメニューをゲストに提供したいと考案したメニュー。なのでもしかしたら60年くらいの歴史があるのかも?

小泉純一郎元首相から安倍晋三元首相といった歴代首相や大臣ほか、著名な経営者たちもお気に入りで国会が近かったからだろうか、とりわけ政財界に人気で歴代の総理大臣に愛されてきたメニュー。別名「出世麺」とも呼ばれていたそうな。政財界以外ではジャイアント馬場が好物として、こちらの「パーコー麺」と「ハンバーガー」を挙げていた。芸能界では「人生最高レストラン」という番組で、デーブスペクターが「パーコー麺」と「ナポリタン」を紹介している。南野陽子が芸能界入りする際の最終面談がこの店だったそうで、作曲家・都倉俊一さんと南野親子3人でここに来て、都倉さんが何も聞かずに3人分のパーコーメンを頼んだそう。南野陽子さんはそれから何度か通って好きになったという。有名人が通う店だからマスコミに良く登場したと言うことか。

さて、話を戻して、パーコーメン(3542円税込)を注文。
まずは、ネギが白ネギ、青ネギの2種類、とラー油、七味が登場。続いてパーコーの入ったラーメンが素ラーメン状態で登場。まずはそのまま少し食べ進んでみる。じんわりおいしい醤油清湯。豚と鶏のガラを6時間煮込んで取ったスープ。メニューはこれしかないのにこのためだけにスープを取っているようだ。麺は、箸使いに慣れていない外国の方がゆっくり食べても大丈夫なように伸びない工夫がされているらしい。それを知ったのは帰社してからなので私はいつものように秒速で食べてしまった(笑)。

パーコーは国産豚ロースを2時間半秘伝のタレにつけ、2度揚げすることで、外はさっくり、中はジューシーに仕上げているとのこと。熱々で揚げたてなのが嬉しい。肉も上質なものでとてもおいしかった。

途中から、ネギやラー油、七味を加えて試してみた。ネギの量がどちらも多く、両方を全部入れたら、さしずめネギラーメンみたいになってしまったが、このネギが実においしい。カットもいいのだろうが、いいものを使ってそう。そりゃ、3500円なんだからいいものを使っているに違いない。ラー油も加えた瞬間の香りが素晴らしい。前回食べたとき以上にこのメニューの“良さ”や“スゴさ”を感じることができた。

なお、「オリガミ」には、このパーコーメンと冷麺しか麺メニューがないが、このホテルの2階に「中国料理 星ヶ岡」があり、こちらにはラーメン類が7種類提供されている。面白いのは、そちらのパーコーメンも同じ3542円なのだ。レシピは違うらしい。この値段はどういう計算なのだろう?(消費税抜きだと3220円になる)

お店データ

ORIGAMI ザ・キャピトルホテル東急

ORIGAMI ザ・キャピトルホテル東急

東京都千代田区永田町2-10-3 ザ・キャピトルホテル 東急 3階(溜池山王)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。