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2019年2月2日の大崎裕史の今日の一杯

東京都中央区築地

鶏そば+半チャーハン+シュウマイ

もうひとつの「幸軒」(築地)

先日、築地の老舗「幸軒」の投稿をしたら知り合いからいろんな反応があった。そんな中で「もうひとつの幸軒もどうぞ」というコメントがあり、最初は「昼と夜」の幸軒のことかと思った。昼はラーメン店だが、夜はあの場所でなんと「ダイニングバー」に変わるのだ。もちろん調理人も変わる。今風に言うならば「二毛作」と言えるだろう。ところが、いただいたコメントによると「朝と昼」も人が変わるという情報もあった。ということは「あの場所」で三毛作(?)になるということか。とはいえ、朝と昼はほぼ同じなので二毛作である。ところが、このことが「もうひとつの幸軒」ではない。

なんと同じ築地に本当に「もうひとつ」の「幸軒」があったのだ。もう20年以上「ラーメン通」を気取って知ったかしてきたが(笑)、その店の存在を聞いたことも無かった。「知ってはいたが行ってない」という店は都内でもまだまだある。でも、ここは本当に知らなかった。調べてみると電通及びその関係者の人に人気があるようだ。

店内に入ると3人組のみ。自分の席を決め、荷物を置き、注文してまずはトイレへ。その帰りに軽く質問。
大「こちらは場外の幸軒と関係あるんですか?」
店「よく聞かれるんですがまったく関係ないんですよ〜」
大「もしかして読み方が「しあわせけん」だったりするんですか?(笑)」
店「(笑)いえいえ、うちも「さいわいけん」なんです〜」
ひとまずこのあたりで席へ戻る。

頼んだのは、この店の情報をくれた知り合いのおすすめ通りに「とりそば」750円とシュウマイ2個200円、そして半チャーハン400円。ラーメンが600円で半チャーハンが400円で千円。こういう頼み方が多いみたいだ。

とりそばは透き通った塩味で中華店にあるタイプのスープに細縮れ麺。
ぶつ切りの鶏肉が5−6個。あと少しの葱。シンプルだけど、町中華っぽくていい。

半チャーハンは思った以上に量があり、パラパラ具合も味の濃さもラーメンに合う。
厨房の奥から中華鍋を振る、カコーンという音が聞こえていたのでもちろんできたて。
シュウマイは場外のと比べると小さいがそれでも標準的な大きさといえる。

店主に聞きたいことがあったので食べ終わってそろそろ質問タイム、と思ったときに3人客が〆の麺類を注文。しかも3人バラバラ。これができあがってからじゃないと質問は出来そうにない。さて、どうやって時間を潰そう?と思っていたら、フロアの娘さん(?)が「もう少し、お腹に余裕がありますか?」と聞いてきた。試食か?と思ったら「今日、ジャガイモをもらったのでポテトサラダを作ってみたんです。少しいかがですか?」と。娘さんじゃなければ、こんな対応はできないよな〜。と娘さんではないかと確信。とりそばに半チャーハン、シューマイ食べておいて、「糖質制限しているので」と言えるわけもなく、さらにはその笑顔での依頼を断るわけにもいかず、「ぜひください」と。(あとでわかっとことだが四代目の奥様だった)

ポテサラを食べ終える頃に3種類のラーメンも出来上がり、いよいよご主人の手が空くはず!と思ったら今度は二人組のお客さんが入ってきた。常連らしく、「○○と△ねぇ〜」とすぐに注文。また機会損失。

そこで娘さんに質問。
大「いつ頃できたんですか?」
娘「95年頃です。でも、途中で立て直したから新しいんです」
大「向こうの店から店名のクレームとかなかったですか?」
娘「たまに食べログで向こうの店にうちの感想を書く人がいて・・・」
じゃっかん噛み合ってないけど、まあいいっか、とお店を後にした。
(これもあとでわかったことだが95年というのは1995年ではなく、創業95年のことだった。つまりあちらの「幸軒」よりもこちらの方が古いのだった。(驚))

お店データ

中華 幸軒

中華 幸軒

東京都中央区築地6-6-3(築地)

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    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。