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5/31/17◆出前をする老舗食堂(町田の店シリーズ)◆自家製麺を続けるご主人まだまだ食べていないメニューが多い。今のメニューはかなり古くから変わっていないのに。ここの自家製麺は強力粉・中加水で口に合う。実は町中華なのにうどんやそばのメニューがずらりとある。これらはほとんど期待していなかったが、張り紙をよく見ていたら、そば、うどんは自家製麺では無いとは書いていない。そこでご主人に聞いてみると、なんと両方共に自家製麺だった。この年配のご主人一人で、ラーメン、うどん、そば、ワンタンの皮、餃子の皮、すべて自作していたのだった。それにバイクの出前も全部ご自身。ほとんどスーパーマン。この店の創業は1965年。その後一時期足立区の大むらという蕎麦屋で修行されたそうである。急に興味が沸き食べてみたくなった。それも暖かいのと、冷たいの。まずは暖かいの。蕎麦は絶対暖かいものから食べ、後から冷たいのを食べるのが美味い。両方の良さをより引き出すから。鴨南ばんそば730円:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952020?size=850#content見た目にもしっかりしたもの。肉は予想通り鶏肉。鴨南蛮は55年前から記憶があるが、田舎の庶民の店では鶏肉が常識だった。本当に昔風。麺も美しく整列できるしなやかさを連想させる。ここまで眺めていると、鰹と味醂の香にやられる。やっぱりKMは蕎麦が好きなんだ。汁先にチョコット丼から飲んでみる。醤油味濃いめ、甘めの古い東京庶民味。とことん懐かしい。昔の町の蕎麦屋は皆こうだった。これを関西人は濃くて飲めないと言ったのだが、実は江戸の老舗の蕎麦屋の温かいものはそんなに味が濃くないものも多い。かえって関西方面より薄味の事がよくあった。さて、本当の江戸のカエシは醤油と砂糖、あるいは氷砂糖。味醂ではない。このカエシの甘さも味醂より、砂糖が多い。ちなみに味醂は果糖など、砂糖はショ糖で、糖の種類・味が違う。麺http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952023?size=900#content手繰り上げてみる。http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952030?size=850#contenthttp://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952033?size=900#contentいかにもそれらしい腰を感じさせる形。ラーメンの方は、『切り出し』タイプだが、蕎麦は『押し出し』タイプのように見える。麺の角が無く、丸いからである。まあここで蕎麦切りを期待しても現実に無理なのでしかたない。ただ、蕎麦のエッジは蕎麦の食感の大事な部分であることはたしか。このことは忘れて食べる事に専念しよう。勢いよく啜ってみる。色合い、風味から二番粉あたりだろう。予想より蕎麦比率は高く、7割から8割。二八そばにも近い。そこそこの蕎麦の風味。腰は汁を吸って、しなやか。硬い食感の腰ではないが、けして軟弱ではない。そこが立ち食いソバとの違い。このあたりの差は分かり難いが。量は普通の大盛程度あり、結構多い。大盛を勘定に入れると、安価で立ち食いそばに迫る価格。それでも一気に啜ってしまいそうだ。蕎麦は早く食べるほど美味い。早く食べるのが楽しみな料理だ。食べ終わる前にもりそばを注文。もりそば520円:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952104?size=950#content見るからに大盛。これは安い。汁は味噌汁のお椀を使っていて、なんとも素朴。そして蕎麦汁は大量。味は鴨南ばんと同じで、よりショッパイやつ。いいね。チョットしか漬け込まないので、汁は大量に余りそうだが。蕎麦を食べる時の手繰り量:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952107?size=1024#content少量を高々と持ち上げる流儀。これを勢いよく、それこそ一気に啜る。これが江戸の屋台気分を盛り上げる。ワサビは期待できないので、七味をかけて食べることにする。http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952046?size=850#content特に砂糖の甘みがある純江戸風のカエシには唐辛子味が合う。通常ワサビは少ないので、半分ワサビ、残りは七味で食べることが多い。信州ではワサビより鼠大根が昔は多かった。大根のしぼり汁だけの蕎麦は汗が出たものである。もりそばの方が麺の味が分かる。腰もよりしっかりしているのがいい。間違いなく町田の立ち食いの店より、蕎麦らしい。私でさえ、美味いと言われる蕎麦の味は分かるつもりだ。しかし東京の麺文化を支えてきたのはこのような、古くからある町の中華屋、蕎麦屋である。その味にそこはかとない愛着を感じる。食通・グルメ志向の昨今。味わいの多様性を求めて何が悪いのだろうか。貧乏人である自分の身の丈にあったものが居心地が良い。足るを知るということであろうか。とても楽しい一時を過ごせた。------------------------------------------------------このような昔の東京の庶民的そばを書くのは難しい。普通は、普通の味と表現される。とにかく食通ぶって、偉そうに見下すのは粋ではない。こういう蕎麦、もし自宅で家族で食べたら、間違いなく絶品である。皆で美味しいね、なんて言いながら。それを外で食べると食通の方はまずくなってしまう。美味い不味いは紙一重なのである。この店に期待するものはなにか?経験を積むほど味を予想できるものである。それが分かっていてバカにするのは、味とか美味さという脳の働きを理解できてない。さて食後ご主人が蕎麦の粉を見せてくれた。二番粉でも一番粉にやや近い感じであった。ご主人が修行された足立区の大むらは、一ツ家2丁目にある。ネット検索してみたが、内容の投稿が見当たらない。やっと一件発見した。https://plaza.rakuten.co.jp/livemachine2/diary/200711150001/>電話帳でもWEBでも見つからないとある。感想は『そばは普通のおいしさ』とある。画像を見ると蕎麦は白く、一番粉風に見えるのが特徴。もともと古い浅草の店が起源のようで、庶民の安価な蕎麦の良さが残っているようだ。普通であることの中に、その良さを発見するのは難しいものである。-----------------------------------------------------◆そばの食べ歩き蕎麦の食べ歩きは52年位前から。山好きで毎週長野、山梨に行っていたので蕎麦に親しんでいたのだ。当時食べ歩きと言う言葉さえない時代、それも蕎麦となると十分奇人・変人であった。今でも平打ちの扁平縦横比が大きい田舎そばをこよなく愛する。長野にはいい店が沢山ある。しかし甲府付近にもいい店があり、しかも東京から近い。特に贔屓にしたのは甲府の更科旧店舗である。今のじゃない。40年前に会社が終わってから電話をして閉店を待ってもらって、それから車で駆け付けたのだ。当時は中央高速は大月まで、そのあとは旧甲州街道で笹子を抜けた。確かバイパスも全線は無かった。これに同行する会社の友人が3人位いたのには飽きれるばかりである。平打ちの田舎蕎麦、ビショビショに濡れて出てくる。テーブルもずぶ濡れ。なんと蕎麦を愛するご主人だと感心した。蕎麦は濡れて光っていないと。もりは大盛状態で200円であった。高くつくのかのか安いのか全く分からない思い出の蕎麦屋だ。しかし東京の老舗の蕎麦も随分食べた。同じく有名な蕎麦打ち名人系の店も好きだ。長坂「翁」なども開店を聴きつけ、30年位前に私の食の先生と訪れた。柏の竹やぶなんかも開店当初、遠いのに行ったものだ。最近美味い蕎麦屋が多くなり、蕎麦好きが増えて何よりである。今はネットで恐ろしいほどの情報が簡単に手に入るのが羨ましい。昔は蕎麦の本すらなく、蕎麦好き間の、足で稼いだ情報・口コミだけだった。麺自身はラーメン、うどんよりはるかに美味いと思う。しかしながら最近東京の老舗の閉店が続く。思い出深い池之端 藪蕎麦も閉店した。そして私の蕎麦の先生の家の近くで、共に最も好んで行った店もついに閉店してしまった。この閉店を知って、自分の人生の閉店も近いと感じるのである。私と先生の愛した店:https://sobadb.supleks.jp/s/53681/review?u=19597
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◆出前をする老舗食堂(町田の店シリーズ)
◆自家製麺を続けるご主人
まだまだ食べていないメニューが多い。
今のメニューはかなり古くから変わっていないのに。
ここの自家製麺は強力粉・中加水で口に合う。
実は町中華なのにうどんやそばのメニューがずらりとある。
これらはほとんど期待していなかったが、張り紙をよく見ていたら、そば、うどんは自家製麺では無いとは書いていない。
そこでご主人に聞いてみると、なんと両方共に自家製麺だった。
この年配のご主人一人で、ラーメン、うどん、そば、ワンタンの皮、餃子の皮、すべて自作していたのだった。
それにバイクの出前も全部ご自身。
ほとんどスーパーマン。
この店の創業は1965年。
その後一時期足立区の大むらという蕎麦屋で修行されたそうである。
急に興味が沸き食べてみたくなった。
それも暖かいのと、冷たいの。
まずは暖かいの。
蕎麦は絶対暖かいものから食べ、後から冷たいのを食べるのが美味い。
両方の良さをより引き出すから。
鴨南ばんそば730円:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952020?size=850#content
見た目にもしっかりしたもの。
肉は予想通り鶏肉。
鴨南蛮は55年前から記憶があるが、田舎の庶民の店では鶏肉が常識だった。
本当に昔風。
麺も美しく整列できるしなやかさを連想させる。
ここまで眺めていると、鰹と味醂の香にやられる。
やっぱりKMは蕎麦が好きなんだ。
汁
先にチョコット丼から飲んでみる。
醤油味濃いめ、甘めの古い東京庶民味。
とことん懐かしい。
昔の町の蕎麦屋は皆こうだった。
これを関西人は濃くて飲めないと言ったのだが、実は江戸の老舗の蕎麦屋の温かいものはそんなに味が濃くないものも多い。
かえって関西方面より薄味の事がよくあった。
さて、本当の江戸のカエシは醤油と砂糖、あるいは氷砂糖。
味醂ではない。
このカエシの甘さも味醂より、砂糖が多い。
ちなみに味醂は果糖など、砂糖はショ糖で、糖の種類・味が違う。
麺
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952023?size=900#content
手繰り上げてみる。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952030?size=850#content
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952033?size=900#content
いかにもそれらしい腰を感じさせる形。
ラーメンの方は、『切り出し』タイプだが、蕎麦は『押し出し』タイプのように見える。
麺の角が無く、丸いからである。
まあここで蕎麦切りを期待しても現実に無理なのでしかたない。
ただ、蕎麦のエッジは蕎麦の食感の大事な部分であることはたしか。
このことは忘れて食べる事に専念しよう。
勢いよく啜ってみる。
色合い、風味から二番粉あたりだろう。
予想より蕎麦比率は高く、7割から8割。
二八そばにも近い。
そこそこの蕎麦の風味。
腰は汁を吸って、しなやか。
硬い食感の腰ではないが、けして軟弱ではない。
そこが立ち食いソバとの違い。
このあたりの差は分かり難いが。
量は普通の大盛程度あり、結構多い。
大盛を勘定に入れると、安価で立ち食いそばに迫る価格。
それでも一気に啜ってしまいそうだ。
蕎麦は早く食べるほど美味い。
早く食べるのが楽しみな料理だ。
食べ終わる前にもりそばを注文。
もりそば520円:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952104?size=950#content
見るからに大盛。
これは安い。
汁は味噌汁のお椀を使っていて、なんとも素朴。
そして蕎麦汁は大量。
味は鴨南ばんと同じで、よりショッパイやつ。
いいね。
チョットしか漬け込まないので、汁は大量に余りそうだが。
蕎麦を食べる時の手繰り量:http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952107?size=1024#content
少量を高々と持ち上げる流儀。
これを勢いよく、それこそ一気に啜る。
これが江戸の屋台気分を盛り上げる。
ワサビは期待できないので、七味をかけて食べることにする。
http://photozou.jp/photo/photo_only/286324/248952046?size=850#content
特に砂糖の甘みがある純江戸風のカエシには唐辛子味が合う。
通常ワサビは少ないので、半分ワサビ、残りは七味で食べることが多い。
信州ではワサビより鼠大根が昔は多かった。
大根のしぼり汁だけの蕎麦は汗が出たものである。
もりそばの方が麺の味が分かる。
腰もよりしっかりしているのがいい。
間違いなく町田の立ち食いの店より、蕎麦らしい。
私でさえ、美味いと言われる蕎麦の味は分かるつもりだ。
しかし東京の麺文化を支えてきたのはこのような、古くからある町の中華屋、蕎麦屋である。
その味にそこはかとない愛着を感じる。
食通・グルメ志向の昨今。
味わいの多様性を求めて何が悪いのだろうか。
貧乏人である自分の身の丈にあったものが居心地が良い。
足るを知るということであろうか。
とても楽しい一時を過ごせた。
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このような昔の東京の庶民的そばを書くのは難しい。
普通は、普通の味と表現される。
とにかく食通ぶって、偉そうに見下すのは粋ではない。
こういう蕎麦、もし自宅で家族で食べたら、間違いなく絶品である。
皆で美味しいね、なんて言いながら。
それを外で食べると食通の方はまずくなってしまう。
美味い不味いは紙一重なのである。
この店に期待するものはなにか?
経験を積むほど味を予想できるものである。
それが分かっていてバカにするのは、味とか美味さという脳の働きを理解できてない。
さて食後ご主人が蕎麦の粉を見せてくれた。
二番粉でも一番粉にやや近い感じであった。
ご主人が修行された足立区の大むらは、一ツ家2丁目にある。
ネット検索してみたが、内容の投稿が見当たらない。
やっと一件発見した。
https://plaza.rakuten.co.jp/livemachine2/diary/200711150001/
>電話帳でもWEBでも見つからない
とある。
感想は『そばは普通のおいしさ』とある。
画像を見ると蕎麦は白く、一番粉風に見えるのが特徴。
もともと古い浅草の店が起源のようで、庶民の安価な蕎麦の良さが残っているようだ。
普通であることの中に、その良さを発見するのは難しいものである。
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◆そばの食べ歩き
蕎麦の食べ歩きは52年位前から。
山好きで毎週長野、山梨に行っていたので蕎麦に親しんでいたのだ。
当時食べ歩きと言う言葉さえない時代、それも蕎麦となると十分奇人・変人であった。
今でも平打ちの扁平縦横比が大きい田舎そばをこよなく愛する。
長野にはいい店が沢山ある。
しかし甲府付近にもいい店があり、しかも東京から近い。
特に贔屓にしたのは甲府の更科旧店舗である。今のじゃない。
40年前に会社が終わってから電話をして閉店を待ってもらって、それから車で駆け付けたのだ。
当時は中央高速は大月まで、そのあとは旧甲州街道で笹子を抜けた。確かバイパスも全線は無かった。
これに同行する会社の友人が3人位いたのには飽きれるばかりである。
平打ちの田舎蕎麦、ビショビショに濡れて出てくる。
テーブルもずぶ濡れ。
なんと蕎麦を愛するご主人だと感心した。
蕎麦は濡れて光っていないと。
もりは大盛状態で200円であった。
高くつくのかのか安いのか全く分からない思い出の蕎麦屋だ。
しかし東京の老舗の蕎麦も随分食べた。
同じく有名な蕎麦打ち名人系の店も好きだ。
長坂「翁」なども開店を聴きつけ、30年位前に私の食の先生と訪れた。
柏の竹やぶなんかも開店当初、遠いのに行ったものだ。
最近美味い蕎麦屋が多くなり、蕎麦好きが増えて何よりである。
今はネットで恐ろしいほどの情報が簡単に手に入るのが羨ましい。
昔は蕎麦の本すらなく、蕎麦好き間の、足で稼いだ情報・口コミだけだった。
麺自身はラーメン、うどんよりはるかに美味いと思う。
しかしながら最近東京の老舗の閉店が続く。
思い出深い池之端 藪蕎麦も閉店した。
そして私の蕎麦の先生の家の近くで、共に最も好んで行った店もついに閉店してしまった。
この閉店を知って、自分の人生の閉店も近いと感じるのである。
私と先生の愛した店:
https://sobadb.supleks.jp/s/53681/review?u=19597