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「煮玉子中華そば 塩 ¥850」@手打式超多加水麺 ののくらの写真平日 11:00 先待ち3名 後待ち15名

今週は塩ウィークと題して塩系しばりで再開拓を進めています。しかし清湯醤油系が好きな私にはそれを超える塩ラーメンには未だ出会えずにいる。

新店を開拓して失敗するのは悔しいので、まずはベースのスープが美味しかった店の塩系にチャレンジする作戦をとる。これが今のところ功を奏して大きな失敗は一度だけ。逆に新たな出会いまであったりする。

今朝は過去の醤油系の経験を踏まえて数少ない履歴から店探しを開始する。すると前回の初訪問で魅了されたこちらを思い出した。前回は醤油系平打ち麺ブームの真っ最中だったので醤油を食べたが周りの客のほとんどが塩ラーメンを注文していたのだ。それを思い出し途端に心も体も亀有へと向かっていた。

一巡目はキープしたいので随分と早く家を出た。明治神宮前で千代田線に乗り換えれば店先まで50分程だ。混み合っていた車内もひと駅ごとに空いてきて湯島を越えると車両内に三人しかしなくなった。その先の町屋駅で新事実を知った。都電荒川線が東京さくらトラムという名称に変更されて駅のナンバリングまで付けられていた。全く知らずに驚いた。ちなみに町屋駅はSA 06がナンバリングのようだ。

亀有駅には開店60分前に着いた。つくば市の煮干し系の超人気店の時に次いで早い現着だ。さすがに行列はないと思ったが念のために店頭に行ってみたが案の定なので近隣の散策で時間をつぶす。

しばらくして再び店頭に戻ると三人の並びが出来ていてわたしも続く。待ち時間はメニューを考える楽しい時間なのだが本日は塩系しばりなので考えるのはトッピングの事だけ。前回はワンタンの皮も煮玉子にも感動したが今回は空腹具合を考えて煮玉子のみ追加にすると決める。定刻になる頃には行列も多勢に膨らんでいた。

定刻を5分過ぎて半開きのシャッターが開いて暖簾がかかりオープンだ。四番手で入店し迷う事なく券売機でお目当てのお題を発券し席に着く。店内は三人体制で本日も製麺室では女性が仕込み中。

四番手なので1st ロットには間に合わないので店主さんの仕事姿を興じる。三人体制だが仕込み以外の調理の作業は店主自ら一手に担う。ひとり流れ作業のように見える。今回、強く感じたのは麺に対する愛情だ。茹でる直前に麺を手揉みするのだが非常に優しく麺を扱っている。叩いたり潰したりと体重をかけるような手揉みはせずに茹で釜の中へ送り込む。さらに湯切りにも愛情が表れてテボを静かに傾け自然の力で湯切りして最後に少しだけテボを揺する。大事に打った麺肌を傷つけたくない気持ちが出ている。

そんな工程に感動していると我が杯が目の前に到着した。同じ白磁の受け皿に乗せられた高台丼の中の姿はダイナミックだが繊細な表情も併せ持つ。

まずは楽しみにしていた花葉色に輝くスープをひとくち。先頭を走って来たのは味ではなくて言葉では表現しづらいスープの厚みと重なり。一気に幾つもの旨みが押し寄せて来るので脳が旨みの種類を判別しきれない。丸鷄や鶏ガラ、昆布や鰹節に煮干しや乾物のそれぞれの持つ旨みが一対一のタイマン勝負を挑んでくるのではなく徒党を組んでやって来るバトルロワイヤルのようなスープだ。

厚みはあるがスッキリしている矛盾だらけのスープに合わせる塩ダレは貝類のコハク酸エキスで個性を表現するのではなく、あくまでも出汁を引っ張ると言うよりは出汁の背中をそっと押すような塩ダレ。角のない円やかさから白醤油と思われ塩気も穏やか。今までで一番好みの塩系スープに出会った。

大事に扱われた手揉み麺は赤ちゃんの肌のようにツルツルできめ細やかさが大切に育てられた証だ。麺に強い圧をかけてないので平打ちではなく丸みを帯びている。なので茹で時間も長く5分位かかっていたがジャストのタイミングで引き上げられている。

加水率が高すぎてスープを吸う余地など全く無さそうな麺だが適度に溶け出したグルテンがスープを引き連れて口の中に飛び込んでくる。麺を噛むたびに小麦の甘みが溢れスープの複雑な旨みと混ざり合って箸を持つ手が止まらない。

初めて塩分の穏やかな塩ラーメンに出会って嬉しくなっていたが、その評価を少し下げる具材に当たってしまった。

その具材は焼豚だった。前回の醤油系の時と同じ構図なのだが少し仕上がりが違っていた。まずは鶏ムネ肉のレアチャーシューだがソミュール液のマリネもしっかりして淡白なムネ肉にをスパイシーに漬け込んであるが厚切りのせいもあるのか生肉感が出すぎていた。しかし鶏ムネ肉はスープに浸せば加熱されるので解決出来たのだが豚肩ロースの低温焼豚はそうはいかなかった。

大判で厚切りの豚肩ロースはボリュームもあり見た目のロゼ色も美しく単色な器の中で華やかさを生んでいるが見た目通りにかなりレアだ。ひとくちかじってみたが熱は入っているが生っぽさは否めずスープで再加熱するために放置してみる。ほかの具材を食べている間にロゼ色はグレーに変わり加熱されたようだ。あらためて口に入れてみると火の通った赤身の筋肉質としっかりめの下味が見事でうまい。しかし筋肉をつないでいるスジの部分の下処理が出来ておらず噛みきれずにいつまでも口に残る。下味が良いのでしばらくは噛み続ける事に耐えたが最終的に飲み込めるようになった時には豚本来の獣臭さに襲われていた。これは前回にはなかった状況で少し残念だ。

追加の味玉は今回も秀逸で半熟ながら流れ出さない黄身の熟成と優しくもしっかりした味のある浸みが素晴らしい。細めのメンマも主役を喰わない個性を発揮する名バイプレイヤー。

薬味の白髪ねぎと青ねぎの小口切りと海苔は脇役としても、もう少し個性を出していいかも。

終盤にさしかかり麺に戻ったが、あまりの美味しさに最初から麺を食べすぎて少ししか残っていなかった。最後までスープの塩気も心地よい程度で終わりを迎えようとしている。

最後にスープを飲み干す時に初めてスープから香ばしさを感じたが、何かを炙った要素など一つもなく不思議に思ったがスープを沸かし直す小鍋の中に着いた焦げ臭を狙って移しているのなら恐ろしい計算だ。勿論そんな計算はなく偶然だろうが私にはその香ばしさと最後に転がり込んで来た柚子皮の香りとのマッチングがとても良かった。

醤油系好きの私が同じ店で塩スープの方が美味しいと思ったのは初めてだった。前回の醤油ラーメンの採点よりは低温焼豚の件で低くなってしまったがそれを踏まえても私にとっては高得点を付けざるを得ない結果だった。

こんな塩ラーメンに出会ってしまったら、また欲が出てより良いものを追いかけてしまいそうな一杯でした。

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