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「特製鶏 SOBA ¥1280」@銀座 篝 本店の写真平日 晴天 10:30 待ちなし 後待ち25名以上

〝ハイソでセレブなリッチ麺めぐり〟

数々の高級ラーメンを食べ歩いてきた一週間だが、そろそろ身が滅ぶ危険性を感じ始めた。

高級ラーメンで検索すると挙がってくるのは高級中華料理店の麺類ばかりになってきた。そうなるともはや手の付けられない高額ぶりだ。そこで本日はトーンを一段下げて店探しを開始する。

やはり高級と言えば銀座が思い浮かぶが、どちらかと言えば地元ユーザーよりも観光客向けの店が多く、銀座らしいハイソサエティなラーメン店が目につく。そんな高級感あふれる店の中で浮かんだのがコチラだった。

移転前には二度ほど行ったが移転後は初である。お店情報のメニューを見るとラーメンの中に入ると苦手はトリュフやポルチーニの文字が踊る。目線を下へとスクロールしていくとシンプルそうなメニューを見つけ、初訪問を決めた。キャッシュレスオンリーなどの耳慣れない情報もある中、経験値を上げる目的も兼ねてチャレンジしてみる。

昼時のピークを避けるために開店前を狙って10時には銀座線に乗っていた。場所は前回、隣接するラーメン店を訪れた時に確認していたので迷うことはない。改札を上がり、まだ開店準備でせわしい街並みを抜けて店先に辿り着くと、待ち人はなく先頭にて待機する。

この界隈は、いつのまにか銀座ラーメン裏小路になっていた。かなりの昔に大先輩に、この路地にある老舗のラーメン屋に夜中に連れられてきた記憶がある。しかし味どころか何を食べたかすら覚えていない。慣れない銀座に舞い上がっていたのだろう。

そんな昔を思い出しながら高級感のある外観の店先で待っていると、開店20分前には一気に後列が続き始めた。開店直前には20名にも並びが増えていた。行列からは名古屋弁や中国語が飛び交い、観光客に人気のようだ。私自身も観光客気分なのは同じだ。店頭のメニューで本日のお題を再検討する。筆頭には鶏白湯、続いてトリュフ系、その後にある鶏SOBAがやはりシンプルに思えお題は決まった。連食予定もないので、最高値の特製にした。それでも1280円だと安くすら感じてしまう。すでに庶民の感覚が麻痺しまっている。

定刻になると生成色の暖簾が掛かりオープン。入店すると券売機はないので、コの字カウンターに座るとiPhone片手にホールスタッフがオーダーを取りに来る。あらかじめ決めておいたメニューをお願いし店内を見渡すと、白木造りの店内には木の香りがほのかに漂う。気品のある設えが高級をあおる。厨房は奥に独立しているので調理場内は見えないが、独特なレイアウトで設計されている。その特徴的なのがコの字カウンターのセンターに設置されたスープ炊き用のガス台だ。そのガス台には大型の寸胴鍋が置かれている。開店直後は実際には稼働してなかったが、鶏白湯スープを炊いてつぶすには客席へのデメリットが大きいので、鶏清湯スープ用だろうか。そんな不思議な店内を本日は五人体制で回している。オーダーを伝えると他のホールスタッフが iPadとカードリーダーを持ってお会計を先に済ませるシステムだった。この作業をホールスタッフ二名で繰り返し行っているのだが、あまり効率は良さそうではない。客の中には現金しか持ってない人もいて、実際にはキャッシュで支払っている方もいた。

このシステムが日本でも当たり前になるのは随分とまだ先の話だなと考えていると、着席して10分で我が杯が到着した。先に現れたのは口縁が横に広がる大きな白磁の高台丼の中で、割とシンプルな表情をしたラーメンだった。すると黒天然石プレートの別皿にて特製盛りの具材が登場した。まるで絵画のように盛り付けられた具材たちは視覚からも脳を満たしてくれる。

まずは雀茶色のスープをひとくち。タイトル通りに鶏主体の香りと旨みがリードする。野菜類の甘みだろうか、清い中にも深さがある。サラリとした口当たりにコクを与えているのが鶏湯だろう。それは地鶏一辺倒の野性味のあるコクではなく、品の良い厚みをスープに重ねている。鶏油の粒子の細かさからも分かるように、オイリーになり過ぎないようにサッパリとした潤いを与えている。スープの深さの要因はカエシの醤油ダレにも関係している。フレッシュな香りもすれば、落ち着いた熟成だけが成せる深みも感じる。さらには酸味、適度な塩分濃度とバランスの良い醤油ダレが作られている。少し気になったのはスープの温度だが、外国人観光客には食べやすく、日本人にも味覚が冴える温度設定なのだろうか。

麺は高い透明度の中にフスマの粒が浮かび上がる全粒粉入りストレート中細麺。このタイプだと麺上げまで100秒くらいだろうか。その麺を帯付きの高級利休箸で持ち上げてみる。割り箸の角があっても捉えづらい程にツルツルと滑らかな麺肌をしている。口当たりを想像しながら啜ってみると、予想を上回る滑らかさに驚く。外国人向けに麺の長さも短くしてあるかと思いきや、通常の長さと変わりない。よって啜り心地は抜群に素晴らしい。かなりの細麺なだけに歯応えを心配したが、細いながらもモッチリとしている。鶏出汁と醤油ダレと小麦との全ての香りが折り重なって一つの世界を創り出している。その全ての香りを飲み込んでも、余韻として口の中に残っている。そこにまた新たな香りを重ねていく作業が楽しく、麺を食べ急いでしまった。

一旦、麺を離れて具材を楽しむ。先に丼の中に添えられたチャーシューから食べてみる。スープ加熱が心配なロゼ色が映える豚肩ロースのレアチャーシューを一枚づつ剥がしてみる。かなり薄手のスライスなのでスープに浸った部分は加熱で変色が始まっていた。レアの状態ではしっとりとした舌触りだが、生っぽくはないので食べやすい。脂身部分のスジも残らず見た目同様にラーメンに華を添える。鶏ムネ肉の低温調理は食感を楽しむために少し厚さを持たせてスライスしてある。素材を活かす薄味が物足りなさを感じるが、スープと一緒に口に含めば改善された。

肉餡の大きなワンタンも一個入っている。透明感のある皮に包まれた肉餡が透けて見える。その皮はツルツルの上をいくトゥルトゥル感。鶏の首肉と軟骨で仕込まれた肉餡は鮮度の良さが伝わる薄桜色だ。独特の食感を生む鶏せせりだけに歯応えが豊かだ。さらに軟骨のミンチがテクスチャーに変化をもたらす。やや強めの香辛料が後に残るが個性的なワンタンになっている。

穂先メンマは柔らかく仕上げてあり食感は優しい。麺と同じくしなやかさを売りにしているのだろう。特有の発酵臭も消してあるので、個性はないが万人に受け入れられる味付けだ。

再びしなやかな麺を楽しんでから、別皿の具材に手をつけてみる。別皿のこちらにも先ほど食べた鶏ムネ肉の低温調理が二枚盛り付けられていたが、冷蔵庫の中から出したばかりの冷たさが気になった。味付けよりも温度を確かめるために味玉も食べてみたが、やはり冷たい。その他の野菜類は冷たくても仕方なく思えるが、味玉が冷え切っているのは残念で仕方ない。本日の野菜は春を感じさせる菜の花、丁寧に湯むきされたミニトマト、ローストの一仕事が光るかぼちゃスライス、うす味で煮たタケノコとレンコンなどと手の込んだ具材たちが並んでいる。もちろん効率を上げる為ではあるが、切り置きして皿に盛り付けられて冷蔵庫で保管されている具材は冷たくて当然かと。冷たいだけなら良かったが、菜の花に関しては冷蔵庫内の匂いを吸って不快な生臭さが移っていた。これならば特製にしない方が良かったと思ってしまった。

ラーメンに添えられた薬味の九条ねぎも乱雑な切り口で、蛇腹になった部分からも職人の仕事ぶりには思えなかった。彩り要員のラディッシュは口にしなかった。

本体は完食したが別皿の具材は残してしまった。周囲をみると、まだカウンターの半数しか配膳されておらず回転率の悪さを感じた。私以外の客人は全て鶏白湯系を食べていたので次回はチャレンジしてみようかと思った。

当初は銀座ならではの価格設定に思えたが提供された特製の内容を見て、質はさておき決して高いとは思わず、むしろ安いくらいに感じた。しかし次回は得よりも質を重視してトッピングなしで鶏白湯を頼んでみようと思った一杯でした。

投稿 | コメント (3) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

この値段であればたまには良いかなという領域に入ってきましたね。
リッチ麺もそろそろ終盤と見ました。
地方や外国の観光客も多いようで、
昔、初めて東京に来た時に新宿タカノのフルーツパラーを食べたのを思い出します。
それだけで満足に浸れた小さな思い出です。

虚無 Becky! | 2019年4月12日 12:17

※すでにこの企画は終了しております。

Becky !さん大当たりです。このあと一軒をもちまして破産いたしました。長らくのご愛顧ありがとうございました。

のらのら | 2019年4月12日 16:25

ふっふふ!身の丈にあった企画しましょうねw
都営バスや銀座線つかって巣鴨に泊まっちゃうから無謀ですよ!

虚無 Becky! | 2019年4月12日 23:44