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「味玉醤油そば ¥850」@花笑み中華そば かれんの写真日曜日 晴天 14:00 先客3名 後客4名

〝小江戸川越 一泊二日ラーメンめぐり〟

本日の二軒目はコチラに決めた。一食目の煮干し系と志向を変える為に大好物の清湯醤油系を欲していた。前食から戻った川越駅前のカフェで胃袋調整と時間つぶしを兼ねてRDBで捜索していると早々に浮かび上がってきたのがコチラだった。

去年に川越を訪れた時にも候補店のひとつに挙がっていたのだが、川越駅からは電車移動が必要なので、時間に余裕のなかった前回は諦めた店なのだ。その後も他のレビュアーさんからもオススメいただいたりと、何かと縁深い店なので機会をうかがっていたのだ。そこで今回は宿泊を想定して川越に乗り込んできた。ようやく願いが叶い待望の初訪問を果たす時がきた。

そうと決まれば直ぐにでも行動に移さなければならないが、前食から一時間では胃袋に収納スペースの空きがない。そこで今夜の宿探しをしながら時が流れるのを待つことにした。駅前には何軒かの候補があるのだが、快適さではホテルに敵わないまでも大浴場やサウナのあるカプセルホテルも捨てがたい。駅前のカプセルホテルのサイトを見ると個室型のデラックスタイプがあるようなので即決で予約をした。これで今夜の寝床は確保したので、思う存分に川越のラーメンと、人生初の川越の夜のネオン街を楽しむことが出来る。

寝床の不安がなくなり前食からも二時間半近くなると腹もいくらか減ってきた。これを機に二食目となるコチラを目指そうと東武東上線に乗車して二駅手前の上福岡駅に降り立った。ナビを頼りに駅前の団地らしからぬ団地内を進んでいく。途中で何処からともなく沈丁花の香りがしてきたので、春を感じながらナビの指示に従う。団地を抜けると突然に急な下り坂が現れた。ブラタモリでタモリさんに解説をしてほしいくらいの地形の急激な変化だ。こんな通りに飲食店があるのかと思うような下り坂を降りていく。急坂ならではのコンクリートにOリングの滑り止めを懐かしく思いながら通りへ出ると「ご当地 小江戸前 川越醤油ラーメン」の幟旗が春風に揺れていた。

店先には黄色い日除け暖簾が明るい印象で出迎えてくれる。店内に入りSHIBAURA社製の券売機でお目当ての醤油系に味玉が付いたお題を発券してカウンターに腰を下ろす。店内を見回すとカウンターだけの7席をご主人ひとりで切り盛りしている。本日の客層は休日らしくラフなスウェット姿のご近所の若夫婦や、年配層のご夫婦と地元ファンばかりのようだ。茶色に基調にした落ち着いた色調の店内だが、随所に貼られた木目調のカッティングシートに統一性がないのが素朴で愛くるしく映る。調理場を見るとワンオペなので慎重で丁寧な仕事ぶりが伝わってくる。ラーメンを作り、バッシングをして洗い物をする。そしてまたラーメンを作るといった単調な動作の繰り返しだが、全てに集中されているのが印象的だ。

そんな光景を眺めていると着席して10分ほどで我が杯が到着した。白磁の切立丼の中の姿は実直なご主人の仕事ぶりが反映されている。落ち着きのある美しい盛り付けの表面には香味油が光り輝いている。地味な顔立ちに濃い目の化粧といった感じだろうか。

まずは栗皮茶色のスープをひとくち。先頭に立つのは魚介系の中でも特に鰹節の風味が際立っている。それを支えるのは鶏主体の動物系スープだ。スープの香りと少し濁りがあるのは豚骨も含まれているからだろう。オーソドックスで安定感のある昔風の中華そばのスープを思わせる。オールドファンも惹きつけるスープの設計図のようだ。しかし残念なことに昔風を印象付ける謎の旨味成分の底上げが随分とされていた。この旨味を足すことでスープに安定感は生まれるが安心感は得られない。カエシの塩分濃度も優しいだけに不自然な旨味が残念で仕方ない。

スープを諦めて麺をいただく。麺上げまでジャスト80秒の中細ストレート麺は生麺の時から黄色みを帯びている。自家製麺ではないようだがライ麦を含んだ特注麺。茹で上がった麺肌にも全粒粉らしいフスマの粒が見て分かる。そんな麺を躊躇することなく一気に啜ると、ライ麦らしくない口当たりに意表を突かれた。ライ麦の特徴であるグルテンの少なさを感じさせないのは、全量ライ麦ではないからだろうか。小麦粉にしか出せないグルテンの密度があるので、さほどライ麦感は表現されていない。でもそれがかえってパサつかないモッチリとした食感を生んでいるので食べ飽きしない。麺を啜るたびにスープの中にある干し椎茸のような乾物系の香りを吸い込むのも箸のスピードを加速させる。麺の形状や乾物系の香りから田舎蕎麦を食べているような錯覚に陥る。

具材のチャーシューは豚肩ロースが大判で一枚。流行りのレアチャーシューでないところが好印象。しっかりと赤身のタンパク質が加熱された肉々しい食感もあり、わずかな脂身はとろけるような柔らかさもみせる。味付けも大人しめで立場をわきまえている。

追加した味玉は白身の表面だけが色づいたタイプの未熟型。黄身が好みの完熟型ではなかったが、卵本来の旨みを活かしてありご主人の狙い通りに仕上がっている。もし間違えて漬け込みすぎた味玉があったら食べてみたいと思えるような漬けダレの味だった。

穂先メンマは発酵食品に求めてしまう香りがしっかりと残っていた。硬すぎず柔らかすぎずの程よい食感が心地よい。その食感に加わる麻竹の発酵臭と下味が見事に重なり名脇役を演じている。しかも二本入りとはありがたい。

薬味はやや粗めに切られた青ネギが大量に添えてある。白ネギのような強い辛味や香りを求めない裏方に徹するタイプの薬味だ。青みの小松菜は茎の部分のシャキッとした食感と葉先の部分の軽やかな苦味がアクセントになってくれた。

ライ麦の個性は感じなかったが麺と具材は完食できた。第一印象が穏やかで素朴そうに見えただけにスープの謎の旨味が私には不必要だったのでスープは飲めずにレンゲを置いた。

席を立つとすぐにまた、ご近所さんらしい親子づれが入ってきた。私には少し残念だったが、地元の方に愛されている事を知った一杯でした。

投稿 | コメント (5) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

2件目はこちらでしたか〜!
こちらも端なので移動は大変でしたね。
「旨味成分」はなんでしょうね?自分はわからないのですが。
先日、濃い川越ブラックを頼んだ時に、強いスープに負けていない麺に感動してしまいました。

虚無 Becky! | 2019年3月26日 16:07

ここへの移動も大変でした。でも突然に坂の下に店が現れた時の喜びはひとしおでした。

のらのら | 2019年3月26日 21:46

遂にかれんへ行かれたのですね。お疲れ様です。
他の川越レビューも拝見させて頂きました。
こちらの店主は様々な素材や調味料を重合的に組み合わせて味を構築していく、所謂オーケストレーションを更にオーバーダブさせる様なスタイルなのでMSGを使用してはいないと思うのです。逆に過度な程グルタミン酸等のアミノ酸を引き出してるのかもしれません。MSGを摂取した時の様に下のメタっとした感覚やピリピリとした痺れ感もないと思いますし。
それは兎も角こちらのフラッグシップは白醤油なので、もし再訪する機会が御座いましたら是非食べてみて頂きたいと思います。
川越周辺の入間や所沢にも良いお店がありますので、そちらの方も足を運んでみて下さい。
また楽しみにさせて頂きます。

NAKATA | 2019年4月10日 15:37

おじゃましてきました。今は完治しているのですが、以前に二度もチャイニーズシンドロームと診断された事があるので過敏になっているのかもしれませんね。次回は白醤油でいってみたいと思います。

のらのら | 2019年4月10日 22:01

こちらは舌で分かるような非天然由来成分の味は感じなかったですよ( ¨̮ )
天然素材で作ってるように感じました。

ラー太郎 | 2019年4月15日 11:14