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「味玉ラーメン ¥730」@博多一成一代の写真平日 晴天 10:55 先待ち2名 後客2名

〝諸国麺遊記 九州編〟

昨晩のラーメンの印象のままでは、このまま博多ラーメンが食べられなくなるのではと思ってしまうくらいの衝撃だった。

昨晩は博多中洲の宿をとり久々の中洲の夜を楽しもうと思っていたのだが、ホテルでシャワーを浴びてくつろいでいるうちに旅の疲れからか眠ってしまっていた。二時間もウトウトしていたようで、気が付けば23時を過ぎていた。慌てて身支度を整えて中洲のネオン街に飛び出したのだが、不夜城とばかり思っていた中洲も日曜となると営業している飲み屋も少ないようだ。しかも女の子の出勤数も少ないらしく店探しに難航してしまった。どこの案内所に行っても店が見つからずに諦めようとしたところ、一軒のバーの看板が目に入った。明らかに怪しく煌びやかな看板ではあったが、吸い込まれるように入ってみた。そこは海でもないのに女の子たちが水着でカクテルを作っているという、何とも男心をくすぐる絶景だ。そんな楽園のようなバーで女の子と話をしていても気になるのは、自身から発せられる豚骨臭だ。シャワーを浴びたにもかかわらず、つきまとう先程のラーメンの匂いに耐えられずホテルに戻り再び入念に身体を洗った。今回の九州ラーメン旅の楽しみでもあった中洲の夜は、わずか30分で幕を下ろした。

翌朝は夕方から都内での会食があるので間に合うように飛行機のチケットを探してみると、福岡 12:50発の羽田行きに空席があったので手配した。観光地として博多が優れている点の一つに空港の近さがあり、ホテルのある中洲川端からも地下鉄で10分足らずで福岡空港まで行けるという便利さだ。その飛行機の前に何とか昨晩の博多ラーメンのイメージを変えたいと思い、急遽 RDBにて候補の店を探してみる。

すると空港へと向かう地下鉄の途中駅に総合ランキング福岡県第3位のこちらが挙がってきた。とりあえずは先を急ぐため、定休日と営業時間だけを確認すると10時半にチェックアウトして最寄りの東比恵駅に向かった。

地下鉄の4番出口を出るとホテルの工事現場の向こう側に店先を見つけた。定刻の5分前だったので、すでに並びが発生していたが三番手をキープできた。やはりこちらも店先まで豚骨スープの匂いが漂ってはいるが、昨夜ほどの強さではない。もしかしたら一晩で豚骨耐性が付いたのかもしれないと、呑気に待っていると定刻通りにオープンとなった。

店内に入ると券売機はないので屋台風のカウンターに座り卓上メニューから品定めをする。品定めと言っても豚骨一本で勝負されているので選択肢はトッピングだけなので、好物の味玉入りをスタッフさんに告げた。グラスに水を入れて店内を見渡してみるとテーブル席が多くあり、メニューからも夜の居酒屋営業に適したレイアウトとなっている。本日は三人体制で回している厨房内に目をやると、餃子用の大きな鉄鍋や串焼き用の焼き台が置かれている。そんな夜は居酒屋として〆の豚骨ラーメンを食べてる酒呑みの姿を想像して待っていると、着席して8分ほどで我が杯が到着した。

その姿は黒釉薬のオリジナル有田焼鳴門丼の中で、カプチーノ系ではあるが泡だらけといった感じではない。むしろ見た目の濃度は弱く感じるので、博多ニューウェーブ系なのだろうかと思いながらレンゲを手にとった。

まずは路考茶色のスープをひとくち。液面の三割ほどだけが泡立っているスープにレンゲを落とすと、濃度や粘度の強さをレンゲを持つ指先に感じない。手応えとしては中濃タイプに思えるスープを口に含むと口当たりの印象は穏やかではあるが、味の濃さとしては強烈なインパクトを示している。かなり塩分濃度の高いスープだと思ったが、苦手な酸化アンモニア臭を全く感じない。これはあくまでも推測なのだが、今回の九州遠征で度々見かけた三連釜はスープを炊くのに長時間を必要するので必然的に生まれた仕組みなのだろう。それが故に豚骨スープは仕込みの〝時間差ブレ〟によって臭みが違うように思える。昨夜の店は夜営業だったのでスープに酸化臭を強く感じ、店は違えど本日は朝イチの訪問だったので酸化臭を感じなかったのかもしれない。スープからの酸化臭というのは時間経過による油脂の劣化が原因だと思うので、昼の部の訪問が良かったのだろう。

麺は関東では見慣れない「麺屋 慶史」と書かれた麺箱ならぬ段ボールが積まれている。今回も硬さを普通にしたので麺上げまでは25秒程で、先客人はバリカタ発注だったので15秒の早茹でだった。そんなストレート細麺を箸で持ち上げると、切刃の角や真っ直ぐながらも軽やかに波打った形状が特徴的だ。博多ラーメンの細麺をすすった時の独特のアンモニア臭に恐怖を抱きながらも一気にすすり込んでみると、以外にも懸念していたアンモニア臭が少ない。全くしないわけではないがツーンと鼻の奥を指すような刺激はなく、昨夜とは印象が違った。麺のエッジ&ウェーブが唇を通過する時の感覚も面白く、硬すぎない茹で加減も私にとってはベストだった。麺に少しのパサつきはあるが、低すぎないと思われる加水率を活かしてあって好食感だ。スープも濃厚ではあるが臭みなどのクセがないので、麺に絡んでも麺の持ち味を発揮させていた。

具材のチャーシューは豚バラで仕込まれていて、赤身と脂身が見事に三層になった三枚肉。やや旨みの抜け出した赤身の味気なさを、脂身の甘みが補ってバランスを保っている。厚めにスライスされているので食べ応えの面では赤身も存在感をアピールしていた。

追加した味玉は普通の半熟ゆでたまごとしては高評価だが、味玉とすると評価は下がる。博多ラーメンには塩たまごが基本なのかもしれないが、味玉好きとしては残念な仕上がりだった。

この具材も博多ラーメンでは定番のキクラゲが細切りで添えてある。その量の多さには驚いたが、キクラゲにしか表現できない食感のアクセントはさすがと思える。

薬味の青ネギも今回の九州遠征では多く出会った青ネギだったが、不自然に揃った切り口や乾燥具合から見ても業者発注の刻みネギにとしか思えなかった。特に品質に問題がある訳ではないが〝薬味愛〟は感じられない。

序盤から軽快に食べ進められてきた麺も、後半になってもハリがダレる事もなく満足で完食できた。スープを飲み干す事はなかったが、終始不快な酸化臭に悩まされる事なく終わりを迎えられ箸とレンゲを置いた。これで今回のノープランラーメン旅の九州編も無事に終わりを迎える事ができた。

九州七県を二泊三日で巡ってみて思ったのは、勝手なイメージで九州は細麺の豚骨一辺倒だと勘違いしていた事だ。特に驚いたのは鹿児島で一番人気のラーメンが白濁豚骨でなく、麺も中太麺だった事だ。たった一県一杯しか食べてないが、それぞれの地方色は思い切り楽しめた。しかし一番の思い出に残っているのは、鹿児島と博多の夜の街で出会った女の子たちの方言の魅力かもしれない。これは前回の中四国の旅でも思ったことだが旅の恥はかき捨てられても、旅の味と思い出はかき捨てられないと感じた一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

博多は空港まで本当に近くて便利ですよね。羽田も豊洲あたりにあれば嬉しかったかも。
中洲ナイトは水着でしたか!いいなぁ!一成一代は名店のようで麺友さんも結構訪問してました。
味塩玉子ですが、豚骨や背脂系の店舗はこういう塩な味付けが多かったです。
九州色塗りお疲れ様でした。毎日釘付けだったのでホッとします。あとは福島県ですね。
白河系・喜多方系は好きなジャンルじゃないでしょうか。

虚無 Becky! | 2019年6月17日 10:19

ご愛読ありがとうございました。中洲ナイトは消化不良だったので、近々でススキノナイトの計画を立ててみようかと思ってます。Becky !さんのおっしゃる通り福島には候補の店が多すぎて一泊二日くらいでは満足できそうにないので大切に最後まで残しておこうかと考えてます。

のらのら | 2019年6月17日 12:37