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「鶏そば」@豊中 麺哲の写真彩色ラーメン きんせい 総本家 高槻栄町で「燻製鶏塩」を食した同日夜に訪問。目当ては「鶏そば」という、出汁にも具にも名古屋コーチンがふんだんに使われているラーメンです。いわば「鶏塩」対決ですね。
この店への訪問は2度目なのですが、どちらも平日夜7時ごろの訪問であったにも関わらず、満席ではなかった。メディアやブロガーさんがアップする写真には行列を成す人々が写されたものをしばしば目にしますが、一体どういうことなのでしょう。私は偶然恵まれていただけなのか。


さて。鶏そばを注文の後、店主の動きを見ます。
オープンカウンターなので、「見る」というよりも「見える」という方が的確でしょうか。
店主は私と他2人のお客さん計3名分の麺の重さを同時に計り、その麺をデポの中に入れるのではなく、
鍋に泳がせます。
ん?同時に計る?鍋に泳がせる?そう。一人一人に正確なグラム数を計られた麺を供するのではありません。
茹で上がった麺は平ザルですくい上げられ、目分量で3人分を分けておられました。
なんじゃそりゃ。
他店なら気にならないアバウトさも、麺哲には軽くツッコミたくなります(はい。「含み」あります)。
まあ良いのですがね。

ラーメンは10分程で到着。

麺。
真空ミキサーを用いた加水率高めの自家製麺です。
スープがシンプルな清油のためか、その旨みや出来の良さが存分に伝わってきます。
滑らかなテクスチャーにプリプリとした噛み応え、高加水なのにしっかりと伝わってくる小麦感。
なるほど。かつて大阪ラーメン界に激震を走らせ、多大な影響を与えたのも頷けます。
しかし、後ほど詳述しますが、これはややマニア向けかもしれません。

スープ。
名古屋コーチンをベースに最小限の魚介類を用いられたもの。そこにこれまたカドの無い
塩ダレが合わさっています。
良くいえば綺麗なスープですが、悪くいえば「業務用スープ−化調のエグみ」の味気ないスープ
とも捉えられかねません。
「麺主役型」を謳うこの店。
スープが麺の素晴らしさを際立たせるように作られているといえばそうですが、単に個性を
削られて淡白になっているともいえそう。
魅力的な主役が性格俳優たる脇役たちを引っ張るのではなく、脇役の質を落とした結果として
ラーメンという一「ストーリー」の面白みが減ってしまっているというか。
これが先に「マニア向けかも」と述べた主因であり、「麺のみに集中」モードにシフトする術を
知らない人には厳しいかも。

具。
小さく薄くスライスされた名古屋コーチンのムネ肉とモモ肉がふんだんに、そしてつくねが
2つ用いられています。他には大量の九条ネギやガーリックチップ等。
ムネ肉とモモ肉はさほど新鮮ではなさそうな香りを放っていると感じられましたが(注;実際は新鮮であり、
コーチン特有の香りなのかもしれません)、それでも高温調理や強い味付けが回避された
素材の旨みが口中に広がります。美味いですね。
卓上には調味料が置かれていませんが、もしこれらにブラックペッパーをかけられたなら、
肉の旨みをさらに引き出し、なおかつ麺やスープにとっても良いアクセントとなりそう。
そんな想像をしてしまいました。

しかし大量の九条ネギは、人一倍ネギが好きな人以外にはちょっと厳しいものがあるかもしれません。
まず、このネギによってもともと熱々ではないスープが冷める速度が増すのはあまり多くの
方に好まれないでしょう。
「麺のみに集中」モードならば温度はさほど気にならないとしても、スープがシンプルな清湯で
あるためにネギの色やテイストがスープに溶け出し易いことはあまり好ましくないかもしれません。
ですから「麺のみに集中」モードに加え、さらに「鶏ネギ」感覚で鶏と一緒に食すだとか麺に絡めて
味わうだとか、そういったモードにもチェンジできれば良いかもしれませんね。
ただし私個人としては、家庭でもラーメン屋でも食べ慣れた九条ネギの存在感が強いことが、
何だか「チープ」に感じてしまった。
麺に絡め易いように細長く切られているのでやたらと「付いてくる」。
ネギそのものが麺に絡むのを回避するとしても、時間が経つに連れてますますスープに染み込む
青臭いテイストが麺に絡んでくる。つまり麺を味わうことを、私からすれば、阻害するように感じられる。
1100円というラーメンとしては高価格な値と相反するこのチープ感は、努力はしましたが、
残念ながら好きにはなれそうもありません。
ネギはこの4分の1程度で良かったかな。


「鶏ねぎそば」と銘打つ方がしっくりきそうな「鶏そば」。
大量に盛られた九条ネギにチープ感を抱いた私には、このラーメンの全体性を楽しむことができない一品でした。
ただし、自家製の麺と具の名古屋コーチンが美味いという部分性は堪能させていただきました。
大量の九条ネギ。これを好むか否か、あるいは楽しめるモードにシフトできるか否かが
このラーメンを堪能できるかどうかキーになるのかもしれませんね。

投稿(更新) | コメント (4) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

はじめまして。ラーメンキングと申します。今回の採点を読んで、いたるところで頷くことになりました。

 さて、私の採点は何点だったんだろう?と見ましたら、30点未満でした。何点だったのか忘れてしまいました。ここのオーナーは確かに、ラーメン不毛な時代の大阪で、ラーメンを根付かせようとしていた、とは思いますが、それが最初走っていった方向が間違っていたな〜、という感想はあります。そして、ラーメンの薀蓄に方向性を持っていってしまった、それで無駄な時間が経ってしまった・・・。ということじゃあないですかね。

 今後共、採点を楽しみにしています。それでは。

ラーメンキング2世 | 2008年11月23日 11:58

ラーメンキングさん、コメントと投票をありがとうございます。

良いラーメン屋とは、作り手たる自分たちの声(好みとか着想)ばかりでなく、
買い手たる客の称賛・苦言の内のいくつかを良い「食材」としてピックアップし、
自らの麺類の味に還元できる店だと私は考えています(「麺類の味」というのは、
味そのものだけではなく、「接客」や「値段」も味の一部として含めています)。
その点麺哲は客、とりわけ苦言を呈す人達を一様に無視するきらいがあるのかもしれませんね。
自分たちの好みや着想のみを貫き通す独断専横。
他の人気店と比較してもこの店への批判がネット上で決して少なくないように見受けられるのにも、
理由があるのでしょう。

しかし書き手たる我々もまた、常に帯を締めなおさなければなりません。
つまり「我書くこと、これ真実なり」的な独断に満ちたレビューにならないように
気をつけなければなりませんよね。
たとえば何かを「不味い」と感じることは、他の誰かの「美味い」を感じとれなかった
(共有できなかった)ことをも意味します。
両者に優劣はありませんが、「美味い派」の方が悦楽を享受できるのは明らか。
だから自らが抱いた感想を大事にしつつも「俺の方がわかっている」と過信することなく、
美味い派の方々への敬意(ついでに羨望も)を忘れてはならない。
それに我々の書き方によっては、我々の「不味い」こそが「美味い派」にとっての「不味い」に
なりますから。

ラーメンの作り手ほどではありませんが、我々もまた、読み手(及び仮想読み手)を
無視してはいけないということですよね。

poly-hetero | 2008年11月23日 18:31

はじめまして「さんぴん」と申します。

今回の採点を読んでなぜこの店(系列を含む)を好まないのかよくわかりました。
たしかに有名で行った店がいまいちと感じることは多くあります。
しかし、何がいいの?と感じたのは美味しさではなく、相性なのでしょうね。
スープが薄い店は好きじゃないんだと確信さしていただきました。
ありがとうございました。
人の意見より自分の好みのほうが重要ですね。

さんぴん | 2008年11月24日 14:48

さんぴんさん、はじめまして。
コメントと投票(ですよね?)をありがとうございます。

>人の意見より自分の好みのほうが重要ですね。

私はそのどちらもが等しく重要であり、したがって我々はその中間に位置するのが良いと
考えております。

他人が「美味しい」というからといって、自分がそうは感じなかったものを無理に
「美味しい」ということはない。
他人の味覚=唯一無二の真実ではないから。
だから自分が「美味しい」と思わなかったという事実は、一つの事実として置いておく。
しかしそれと同時に、もしある人が、たとえば麺哲の麺類を本心から美味しいと感じたのなら、
自分はその人の「美味しい」を感じ損ねたともいえる。
それに今日「美味しくない」と思えたものが、何ヶ月あるいは何年か先には「美味しい」と
感じることがあるのは、我々も経験的に知っている。
だから自分の味覚=唯一無二の真実でもない。

というわけで、私は他人の味覚も自分の味覚も同じぐらい信じますし、同じぐらい疑います。
「事実」として考えますが、「真実」とはみなさない。
そういうスタンスです。
自分に限定していえば、今の「好み」を真実として受け入れないってことです。

まあどんな麺類に対してであれ、結局は「美味しいと感じたもの得」だと思います。
「ゴネ得」ならぬ「オイ得」(笑)
だから最も疑うべきは、「美味しくないと感じている自分」ですかね~。
美味しいと感じている人よりも絶対に「損」してますから。

こんな私ですが、これからも何卒よろしくお願い致します。

poly-hetero | 2008年11月24日 18:55