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「ラーメン ¥800+味玉 ¥110」@麺や 蒼 AOIの写真平日 晴天 17:15 待ちなし 後待ち15名以上

〝麺遊空間いばらき 三泊四日ラーメンめぐり〟

今回の茨城遠征を終わりにしようと訪れてきた下妻でのラーメンを食べ終えると、土浦駅へと帰るバスに乗るためにショッピングモール前にある最寄りの比毛バス停にやって来た。

運行本数の少ない時刻表を見ると土浦駅行きのバスまでは1時間ほどあったので、ショッピングモールのカフェにでも行って時間を過ごそうと思っていたのだ。もう一度バスの時刻を確認すると、つくば駅へと向かう便が同じバス停から出ている事に気付いた。しかも10分後に通過すると知っては、良からぬ虫が騒ぎ出した。

思い返せば、茨城遠征の初日にバスを乗り間違えなければ当日はつくばに泊まっていたはずなのだ。そうなれば必然的に人生初のつくばナイトを楽しんでいたに違いないと思うと、どうしてもやり残してしまった気持ちが込み上げてきた。しかも背後には筑波山が後押しするようにそびえ立っているので、もう一日だけ連泊しようと思い立ったのだ。

そうと決まれば直ぐに到着したバスに乗り込んで、つくば駅へと三日ぶりに向かった。何度もお世話になっている茨城交通バスに揺られること50分ほどで、つくばセンターバス停に戻ってきた。車中で今夜のホテルをネット予約をしておいてので、ひとまずは駅から少し離れた公園脇のホテルにチェックインを済ませた。

残念ながら大浴場もサウナもないホテルだったので、手狭なシャワーで汗を流すとソファに腰をかけてRDBを開いてみる。初日に4軒ばかり回ったくらいでは、つくばラーメンのひと握りしか楽しめていない事を実感する。それ程に人気店がそろうエリアだけに今夜の候補を絞るのにも難航したが、思わぬ近場にあったのがコチラなのだ。

お店情報では夜の部開始が17時半との事なので、それまでの時間をホテルのベッドに横たわりながら旅の疲れを取る事にした。1時間ほど休んでからホテルを出発すると、公園の向こう側にあるコチラへは3分もかからずに着いてしまった。定刻の15分前の現着となったが並びは発生しておらず、外待ちベンチの一番手をキープしてオープンの時を待った。

目の前には、みどり豊かな公園が見える絶景のロケーションの中にある。定刻の5分前になる頃には次々と後列が増え始めて、あった言う間に長蛇の列となっていた。夏休み中ではあるはずなのだが、近隣の大学生が行列の中心である。つくばの大学生は夏休みを返上して勉学に勤しんでいるのだろうと、日本の将来が明るく見えてきた。行列の最高年齢者が先頭に並んでいるという、不思議な構図の中で待っていると定刻通りにオープンとなった。

店内を覆い隠していたロールスクリーンが上げられ、真っ白な暖簾が掛けられると店内に入った。入口正面の券売機から本日のお題を決めるのだが、予備知識では味噌ラーメン店との情報は得ていた。しかし券売機の筆頭に掲げられているボタンには「ラーメン」とだけ書かれてあり、それが基本の味噌ラーメンなのかは確信が持てないままにボタンを押していた。下部にあった味玉だけを追加発券して、ホールの女性スタッフさんの誘導でカウンターの一番奥の席に腰を下ろした。

そこから店内を見渡すと、完全に厨房が独立したレイアウトになっているので調理工程は見られないのが残念だ。しかし厨房内からは味噌ラーメンの真骨頂とも言える中華鍋を振る音や匂いが届いてきて、美味い味噌ラーメンへの期待感を向上させる。多分ではあるが本日は四人体制で回していると思われ、テーブル席もある広い客席の割には少数精鋭で営まれている。基本的に黒でまとめられた店内の私が座っているカウンターの目の前には多くのムエタイ王者のサイン色紙が飾られている。その横の本棚には、今は飾られてない〝ラー◯ン官僚〟のサイン色紙が悲しく置いてあった。初訪問なので店のルールが分からずにセルフのお冷を汲み忘れてしまったので、入口の券売機の横まで戻って水を調達してきた。

厨房では調理が進んでいるのは分かるのだが、着席して10分経ってもまだ配膳されてこない。15分を過ぎても依然として変わらぬまま待っていると、20分の少し手前になってようやく我が杯が到着したのだ。するとそこからは、長いカウンターに座る10名分のラーメンや、つけ麺が一気に配膳されたのだ。つまりはワンロット10杯という事で、提供までに時間がかかったのも納得できた。しかしこのパターンの多くは麺ディションが心配される事があり、今まで何度も苦渋を舐めてきたので、今回はそうでない事を願いながらレンゲを手にとった。

黒釉薬の片口の器の中には、淡い茶系のグラデーションが目を引く景色が印象に残る。表層にはラー油がマープル模様を描くように浮遊しており、苦手な魚粉の山も見られる。なるだけ魚粉を崩さないようにスープにレンゲを沈めてみると、粘着質が指先から伝わってきた。ある程度の濃厚スープを覚悟して口に含んでみると、ピリッとしたラー油の唐辛子の辛味が先行してくる。その奥には動物系スープが乳化したクリーミーな舌触りを感じ、とても滑らかな口当たりがラー油の辛さを打ち消した。初見では味噌を押し出した感じはせず、ふくよかな甘みが中心となったスープと思えた。豚骨魚介によくあるザラつきもなく、塩気の強さも抑えてあるので親しみやすい仕上がりを見せる。

続いてワンロット10杯の大量生産から懸念された麺を箸で持ち上げてみると、平打ちタイプの太麺が現れた。勝手なイメージで味噌系スープの中から現れるのは黄色い中太ちぢれ麺だと思い込んでいたので、あまり見かけない組み合わせに正直言って驚いてしまった。そんな平打ち麺なのだが箸先の段階から心配事が的中してしまっていた。それは麺が癒着してしまっている点で、すする前から箸先でもたついている。そんな粘りを見せる麺肌から溶け出したグルテンをスープで洗い流すようにしてからすすり上げると、柔らかな口当たりで飛び込んでくる。これが基本の茹で加減なのだろうが、私にはとても柔らかすぎる食感だった。唇には粘りを残して、口の中ではもたついている。ハリやコシのない大人しすぎる食感には、物足りなさと寂しさを感じた。噛んでも奥歯を押し返すようなグルテンの弾力は全くなく、伸びきったきしめんを食べているようで残念だった。これ以上の麺の劣化が心配だったので具材に移行せずに麺から先に食べて進めたが、中盤以降はさらに食べ応えのない麺となってしまっていた。

具材のチャーシューは豚バラの煮豚型が厚切りで盛り付けてあるが、箸ではつかめないくらいに柔らかく煮込まれている。とろけるような脂身の甘みが持ち味だが、油っぽさやクドさがないのは豚肉本来の質の良さもあり尚且つ下処理の丁寧な仕事が活きているからだろう。味付けも特別な個性を表現する訳ではなく薄味仕立てなのも素晴らしい。アンチとろけるチャーシュー派の私でも美味いと思える絶品チャーシューだった。

追加した味玉の熟成感は一朝一夕では成し得ない仕上がりとなっている。完全にゲル化した黄身がネットリと舌にまとわりつくような食感は、じっくりと浸透圧で水分が抜けた味玉だけに許される特権である。しかしそんな味わい深い味玉なのに冷蔵庫の冷たさが残ってしまっていた。ハッキリと冷たさを感じるので、十分に熟成の持ち味を楽しめなかった気がしてならない。せめて常温であればと好みを望んでしまった。

板メンマは細身のタイプが添えてあり、軽やかな歯切れの良さが心地よくアクセントになっていた。

中盤になると魚粉の山も崩れてしまいスープに溶け込んでしまったが、塩気よりも旨みや甘みを強く感じる魚粉による味変だった。ややザラついた口当たりのスープになってしまったのは否めないが、毛嫌いしていたほどの悪い印象は残さなかった。

炒め野菜の玉ねぎやモヤシの甘みと食感がラーメン全体を引き締めていて、物足りない麺の食感をいくらかはサポートしてくれた。ニラが数本だけ入っていたが印象は薄い。

最終的には麺を食べ切る事が出来ずに箸を置いてしまったが、きっと今回の麺はベストではないと信じたい。やはりワンロット10杯が影響している気がしてならずに席を立った。

店を出る時にも中待ちだけでなく外待ちベンチも行列で埋まっていたので、つくばエリアはおろか茨城県内での人気の高さも実感した。公園を挟んだホテルに戻ると早速つくばの夜情報を調べてみたが、やはり学園都市だけに絶対数の少ない中にもお目当ての店を見つける事が出来た一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

まだつくばでウロチョロしていたのですね!
綺麗な街路樹になぜか合わないおっさん!
一度だけ訪問したことがありますが、待たされましたね、
限定を頂いてしまったのでこちらの人気味噌も頂いて見たかったです。
ロット10でしたか...とても残念です!
こんなきれいな街にはナイトはナイ.トでしょうw

昭和のBecky! | 2019年8月13日 00:51

ベキさん、つくばにもナイトはアルトですよ。その話は次回にしときますね。それにしても残念でしたよ。一番客だったのを後悔しました。行列に並んででも少ロットで完成した渾身の作品を食べてみたかったです。

のらのら | 2019年8月13日 09:38