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「醤油ラーメン ¥750+全部のせ ¥250」@徳川町 如水 本店の写真日曜日 雨天 12:15 外待ち21名 中待ち30名 後客多数

今回の名古屋遠征では〝ラ活〟よりも〝サ活〟を優先して名古屋駅に降り立っていた。今回は〝キャ活〟も程々にしようと、昨日までは思っていたが、久しぶりの名古屋嬢との再会に我を忘れてしまった。

昨晩は恒例となっている寿司同伴を終わらせて、名古屋嬢のヘアメイクの時間を利用して一人で名古屋の街をふらついてみた。行きつけが出来たおかげで、ここ最近は夜のネオン街をウロウロする事もなくなったので新鮮な感じがした。

程々のつもりが深夜2時過ぎのお開きとなってしまい、再びサウナに戻り夜を明かした。翌朝は随分と酒の残った身体を朝サウナで目を覚ませ、気持ちを〝キャ活〟から〝ラ活〟へと切り替える。サウナのある今池交差点からはバスに乗り込んで、最寄りの東区役所バス停で下車した。そこからは大きな建立寺を迂回するように6分ほど歩くと、山口町交差点から見てもすぐに分かる大行列を見つけた。ちょうど雨が落ち始めたタイミングとなったが、隣接するビルのシャッター前の軒下に逃れた最後尾に付けた。

チラリと見えた店内にも外待ち以上の大行列があり、名古屋の人気店の行列の長さを実感する。以前の「紫陽花」の時も思ったが、名古屋の若者は雨の中でも並ぶ忍耐力が素晴らしい。雨足が強なってきても離脱する者なく順調に列が進んでいくと、外待ち30分で中待ちに昇格となった。すだれと白提灯が掛けられた入口を入ると、店内には待機用の椅子が壁沿いに並べられている。かなり膨大な収容能力誇り、同じ椅子に3分も座っている暇がないくらいに回転は良さそうだ。その間に手渡されたメニューの中から本日のお題を品定めするが、店内の壁に貼られたメニュー同様に多すぎるラインナップに戸惑ってしまう。またもや持論の〝メニューが豊富な店の基本のラーメンは味が不安定になりがち〟が頭を過ぎる。そんな中で筆頭を飾っているのは塩系だったが、マイスタンダードを押し貫いて醤油系のハイエンドモデルを注文した。

着々と進んでいく並びの中で、店内観察を始めてみる。ゆったりとしたL字カウンターの中には客席相応の広い調理場が設けてあり、各自がそれぞれの持ち場を守るシステムとなっている。本日は白と黒のキャップ姿の五人体制で回しているが、動きに全くの無駄がない、見惚れてしまうような連携プレーに初訪問でも安心感が生まれる。しかも接客にも、そつがなく目配りや気配り全てができている。そんな〝親切〟〝丁寧〟〝安心〟と引っ越し屋みたいなフレーズが、しっくりする店内の雰囲気となっている。

若者中心の客層ではあるが時折り私クラスの中年層も見られ、随分と高齢の年配者も楽しんでいる様子があった。そんな老若男女の地元客に愛される店内で待っていると中待ちの20分を合わせてトータル50分待ちでカウンターへの案内があった。グラスではなく蕎麦猪口のお冷で口を潤していると、着席して2分もせずに我が杯が到着した。客の流れを予測しての調理工程ならではの、スピード感あふれる提供だった。

その姿は受け皿に乗せられた白磁の多用丼の中で、大地に溶け込むようなシンプルな色調を見せている。それはまるで、砂漠迷彩仕様のザクII を思わせる茶褐色のコンビネーションだ。砂漠の中で息を潜め、身を隠すような目立たぬ容姿だ。一切の派手さのない穏やかな見た目からは、食べずとも自然の旨みが詰まっていそうに感じる。お店情報には〝無化調〟となっているが、それが嘘ではない事を確信してレンゲを手にした。

まずは灰茶色のスープをひとくち。表層には非常に細やかな粒子の香味油が浮かんでおり、繊細そうにスープの液面を覆っている。乳化タイプとは言わないまでも、微かな濁りの中に旨みも含んでいそうなスープにレンゲを射し込んでみる。その指先には高濃度ではないが、確かな粘着性がレンゲを介して伝わってきた。見た目以上の動物性コラーゲンを予想して口に含んでみると、それとは異なる感覚が先陣を切ってきた。それは予想外に魚介出汁の風味だった。半濁した見た目や粘性の高さから、動物系出汁が主体と思われたが違っていた。もちろん鶏ガラや豚ゲンコツのような旨みが土台にはあるが、それを凌ぐ魚介の旨みが押し寄せてきた。しかしその魚介出汁が、煮干しなのか鰹節か昆布なのかが判別できないくらいにバランスがとれている。言われてみれば全ての旨みを感じるが、何一つとして際立った主張をしてこないのだ。完璧な設計図を再現されたWスープに合わせるカエシは強気ではあるが、スープのバランスを壊す事なく輪郭を与えている。見事な計算で仕組まれたスープの味わいに、ひとくち目から惹かれてしまった。この時点でスープを飲み干せる事を確信して麺に移行した。

本日の麺上げ担当は小柄な女性が担当されていたが、魂の込もった麺上げ作業には目を奪われてしまった。この店の回転率の良さも、麺上げ技術の高さがあってこその早さであると納得した。多様なメニュー構成にも対応しながらも、ワンロット2杯にこだわった調理には圧倒的なスピード能力がある。左利きで麺上げされている動きが、星飛雄馬の大リーグボールの投球フォームと重なってしまう。そんな圧巻の力強いフォームから繰り出される、連続投球で生み出された麺に期待を大にして食べてみる。

麺上げまでジャスト40秒の早茹でタイプの麺を持ち上げてみると、26センチ程に切り出しされたストレート細麺が現れた。箸先からは細身ながらも強靭なハリが伝わってきて、滑らかそうな麺肌と相反する組み合わせを見せる。〝強さ〟と〝艶やかさ〟を併せ持った麺を一気にすすり上げると、想像を超えた力強さで滑り込んできた。細麺とは思えないような密集したグルテンを感じ、弾力のある歯応えで噛み切るとモッチリと奥歯を押し返してくる。その抵抗力の強さがコシとなって食べ応えの良さを表現している、往年の関脇 寺尾関を彷彿とさせる麺だ。

具材のチャーシューには豚バラの煮豚型が、薄切りながらも4枚入りと全部のせならではのボリュームだ。その枚数の多さを利用して麺を巻いて食べても良し、勿論そのまま食べても持ち味を発揮するチャーシューだ。今回は脂身の少ない赤身中心の部位だったのが、私には幸いだった事もあるが素晴らしい仕上がりだった。

煮たまごは全てのバランスがとれた逸品だった。卵本来の持つ白身の旨みを残しながら、浸透圧による適度な熟成の黄身の旨み。それでいて過度な醤油感を思わせない漬けダレの塩梅など過ぎる事なく足りなくもない、地味ではあるが計算されたバランスを保っている。

細メンマも歯応えを残した下処理が活かされた薄味仕立てで、過度なアピールをせずに食感のアクセントを与えてくれる。

薬味のネギや青みなどは一切添えられておらず余計な香りを加えないで、出汁本来の味わいを楽しめるようにしてある。

それは器選びにも感じられ、唇に当たる口縁の部分が大きい多用丼を使われている。その極端に厚手な器の口当たりが、スープを舌全体だけでなく口の中の隅々にまで行き渡らせる。よって舌先だけでなく鼻腔を含めた口内の全センサーで味わえるように考えられている。これは茶道にも共通する点で、抹茶や煎茶の味わいが茶碗によって全く違ってくるのと同じだ。

初見で感じたように躊躇する事なく完飲するほど出汁感を味わえたスープには文句なしだったが、細麺だけに急激に麺の食感が薄れていった点が残念に思いながら箸とレンゲを置いた。

また今回も名古屋麺のポテンシャルの高さを思い知りながら店を後にしたが、さらに強さを増した雨の中でも行列は止むことなく続いていた。再びバス停へと戻り〝ラ活動〟から〝サ活動〟へと気持ちを切り替えて栄の名物サウナへと向かった一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

サ道からサ活に言霊変えましたね!久々のキャ活、名古屋嬢はしっとり良かったようですね。
「砂漠迷彩 ザクII」そういう表現もあるのかとぴったりな色味加減に恐れ入りました!

虚無 Becky! | 2019年10月18日 10:55

ベキさん、ありがとうございます。こういった色合いのラーメンが私は好きみたいです。名古屋はラーメンだけでなく、サウナ天国でもありましたよ。

のらのら | 2019年10月19日 07:55