ちょうど中野ブロードウェイの脇にあたる「ふれあいロード」という、飲食店街の中に店を構えられている。大きな看板はなく店頭には写真付きのメニューが貼られていらだけだが、行列があるので近所の注目度は抜群だ。看板の代わりに外壁には「transforming now !! 」と店名がオシャレに英語で書かれている。ガラス越しに見える店内は、ラーメン店といった雰囲気ではなく見える。写真メニューには 14年間フレンチで研鑽を積まれたように書かれてあるが、それを思わせる雰囲気が店の外にまで伝わってくる。最後尾につけてから20分ほどで店内への案内があり、女性スタッフさんに導かれて入店となった。
〝ニューオープン 探検記〟
午前中に池袋で一食目を終わらせて、駅前でコーヒーブレイクをしながら消化するのを待ってから連食計画を遂行する。それから向かったコチラはRDBで16日にオープンとの情報を信じて来店したが、まだ内装工事中でフラれてしまった新店なのだ。それ以降はレビューも挙がっていたので、オープンしているのは間違いないと安心して向かう事ができた。
池袋駅からのアクセスを調べていると、徒歩移動が少ないバスルートが浮かんできた。それを知って国際興業バス 池11系統 中野駅行きに乗車すると、20分ほどで最寄りの新井中野通りバス停に着いた。そこからは歩いても数分で開店祝いの花が並んだ店先までやって来た。すでに注目を浴びているようで昼の部クローズ間際でも行列が続いていた。慌てて最後尾に並んで店構えを眺めてみる。
ちょうど中野ブロードウェイの脇にあたる「ふれあいロード」という、飲食店街の中に店を構えられている。大きな看板はなく店頭には写真付きのメニューが貼られていらだけだが、行列があるので近所の注目度は抜群だ。看板の代わりに外壁には「transforming now !! 」と店名がオシャレに英語で書かれている。ガラス越しに見える店内は、ラーメン店といった雰囲気ではなく見える。写真メニューには 14年間フレンチで研鑽を積まれたように書かれてあるが、それを思わせる雰囲気が店の外にまで伝わってくる。最後尾につけてから20分ほどで店内への案内があり、女性スタッフさんに導かれて入店となった。
店内に入ると入口右手に設置された券売機の中から品定めをするが、オープン当初はメニューを絞り込んでの提供のようだ。ゴージャスなハイエンドのメニューは「乞うご期待」となっているので、辛味のある坦々麺風のメニューか基本らしきメニューの二択となっている。もちろん基本メニューにするがスープのテイストが選べるようになっていた。〝鯛と豆乳〟か〝鯛〟の二種類の味が用意されており、私はシンプルに〝鯛〟を選んで追加の味玉と一緒に発券した。すでに昼の部終了の14時半となっていて、私の三人あとまでが食券購入して終わりとなった。
危うく本日も食べ損ねる事になりそうだったが、無事に食券を手渡してカウンターに腰を下ろした。そこから更に店内を物色してみると、ラーメン店と思えるのは茹で麺機がある事だけで、それ以外の設えは洋食料理店のオープンキッチンのようである。調理場内がピカピカなのは新店舗というだけではなく、常に汚れを拭き取りながら調理を進める清潔感への意識の高さからでもある。
こだわりのある客席のL字カウンターにも注目すべき点が多くある。大理石風の天板がシックで重厚な印象を与えたかと思うと、スマホのワイヤレス充電器が各席に置かれていたりと時代の流れも汲んでいる。さらに各席には一人分ずつの紙おしぼりとカトラリーが木箱に入って置かれていたりと、ラーメン店らしくないカウンターとなっている。らしくないのは厨房内の調理道具にも表れていて、通常ならばスープを沸かし直す小鍋は片手の雪平鍋が定番と思われるが、こちらではステンレス製の洋鍋を使われている。そんなオシャレな店内を本日は三人体制で回していて、これまたフレンチの厨房内のような掛け声がリズム感を生んでいる。新店ながらも見事なコンビネーションが安心感を与えてくれる。ステンレス製グラスのお冷で喉を潤しながら待っていると、着席して6分で我が杯が到着した。
その姿は黒い朝顔型の器の中で、独特な器にも負けない個性的な表情を浮かべている。ラーメンに関しては保守穏健派を自負しているので、第一印象としては決して良いものではなかった。この容姿を見て美味しそうなラーメンとは嘘でも思えないビジュアルが視界に飛び込んできた。そんなインパクト先行型の謎を紐解くべく、心を鎮めて黒塗りのレンゲを手にした。
まずはスープをひとくちと思っても、表層にはカプチーノ状の水泡が浮かんでいてスープ自体の様子が見えない。レンゲの底で泡を寄せてみると、淡い亜麻色のスープが顔を見せた。その瞬間に、鮮明な牡蠣由来の香りが飛び出してきた。貝を主体にしたスープに多い塩分過多を気にしながらスープを口に含むと、塩気よりも真っ先に感じたのはカプサイシン系の刺激だった。器の中をよく見ると、具材や水泡の上にはオレンジ色の粉が振りかけられている。その正体こそがカイエンペッパーの辛味成分で、フレンチでは甲殻類の料理のアクセントとして使われる香辛料だ。彩りでは鮮やかさを表現しているが、ひとくち目としては不要な刺激に感じられた。
一度お冷で舌をリセットしてからスープだけを味わってみると、鮮魚系にありがちな生臭さを感じさせない鯛出汁が舌先から鼻腔にまで広がった。懸念された過剰な塩分もなく、雑味もない事から丁寧に炊かれたスープだと直感した。その味わいは、まさにフレンチの〝ヒュメドポワソン〟である。麺に合わせるために通常よりも濃度をつけた白湯仕立てとなっているが、真鯛のアラをつぶした臭みを一切感じない。そんな旨みの深いスープを提供直前にハンドブレンダーでカプチーノ仕立てにしてあるので、麺の絡みも良さそうに思いながら、レンゲを箸に持ち替えた。
麺上げまでジャスト90秒の中細麺を持ち上げると、ちぢれ麺ではないが折り返しの跡がウェーブ状になった短めの麺が現れた。その箸先には想像通りにスープの泡をまとった麺が、スープとの相性の良さを示している。そんな麺をすすり上げると、麺の短さゆえに一気に飛び込んできた。その勢いと共に鯛出汁の香味が含まれているので、ひとくちで一品の完成された料理を味わっているようだ。麺の長さにまで、計算された設計図を感じられる組み合わせとなっている。麺を噛めば小麦の甘さがスープの塩気と相まって、互いの持ち味を引き立て合う。その繰り返しの楽しさに、箸のスピードは増すばかりだ。
このラーメンの中で具材の要でもある牡蠣を最初に味わってみる。それは熱々のスープの中での余計な加熱を避けるためでもあり、ベストの状態の牡蠣を楽しむためでもある。小ぶりながらも、ぷっくりとした牡蠣が堂々とセンターに陣取っている。その上にはトビウオの魚卵である通称「とびこ」が彩りとして添えてあったが、スープや麺を味わっているうちに姿を消してなくなっていた。純粋な姿になった牡蠣だけを口にすると、抜群の火入れ加減が安心感を生む。半ナマでも硬すぎるでもないピンポイントの加熱具合なので、不快な要素を一切感じない。もちろん鮮度が良いので臭みもなく、程よい苦味が独特の風味をプラスする。これから冬場になれば、よりミルキーな牡蠣に出会えるのかもしれない。そんな期待を持たせてくれる牡蠣だった。
チャーシューには豚肩ロースの煮豚が盛り付けてあったが、薄切りなのと味付けが控え目なのでインパクトのあるスープの中では物寂しく感じた。チャーシューにもカイエンペッパーが振られてあったので、旨みよりも辛味の方が際立ってしまった。
また鶏ムネ肉も低温調理されて入っていたが、こちらはしっとりした舌触りと程よい下味が利いてるのでスープの中でも存在感があった。
追加した味玉は、下茹での半熟加減は素晴らしいが、仕込みが間に合わなかったのかと思うくらいに薄味だ。せっかく黄身の大きな卵を使っているのに、普通の半熟ゆで卵だった。
青みにはホウレン草が使われていたが、かなり柔らかく仕上げたあるので食感は今ひとつだ。しかしバターソテーしたような風味は、クリーミーなスープに合っていた。
最初からいつ食べるべきか悩んでいたバケットだったが、食べるタイミングを逃して最後になってしまった。すでにスープに浸されて柔らかくなってしまったが、それが良かったのか思わぬ具材に変化していた。カリカリの状態でクルトンのように食べるのも良かったが、スープを吸ったバケットは、追加したいと思える程に相性抜群だった。
保守派の私でも、近日発売予定となっていた〝プレミアム牡蠣と鯛〟も食べてみたいと思う一杯でした。